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Drug Atlas · C10 Antibiotics / 抗菌薬 · 必修

バボルバクタム

vaborbactam

分類
Antibiotics / 抗菌薬
科目
Pharmacology
トピック
C10: Carbapenems. Monobactams. Beta-lactamase inhibitors
承認適応
尿路感染症腹膜炎・消化管穿孔
副作用
下痢頭痛

🧠 全体像と同じく「単独では抗菌活性を持たない」だが、化学構造はの非βとものβラクタムとも違う構造という第3の骨格を持つ。相棒はで、KPCに的を絞った設計により、KPC産生耐性菌にの活性を取り戻す。

薬効群の中での位置づけ

阻害薬 化学構造 阻害様式 相棒薬 効くβラクタマーゼ
βラクタム 不可逆的な アモキシシリン class A中心
非β 可逆的な セフタジジム class A(KPC)・C・一部D(OXA-48)
非β 可逆的な class A(KPC)・C
可逆的な共有結合セリンにホウ素が結合) class A(KPCに特化)。class C・OXA-48は対象外

3つの化学骨格(βラクタム・DBO・)が全て同じ「セリンを狙う」という一点で共通し、全て(NDM・VIMなど、)には無効という限界を共有する。

機序

のホウ素原子がβラクタマーゼのにあると可逆的な共有結合(四のホウ酸エステル様複合体)を作り、酵素のを物理的に塞ぐ。そのものを分解させて酵素を道連れにするの「」とも、が酵素をするとも異なる、を模倣する阻害という第3の様式である。

適応

/として、KPC産生菌などのGram陰性菌感染に用いる。ただしの範囲は地域で異なる。

地域
尿路感染(腎盂腎炎を含む)・を含む)、およびそれに伴う菌血症、肢が限られる感染1
(腎盂腎炎を含む)のみ。2017年の初回承認以来、・HABP/VABPへのはない2
日本 未承認。KEGG DRUGはこの配合剤を米国ののみとして収載し、日本の販売名も日本標準商品分類番号も持たない3

⚠️ 米国添付文書だけを見ると「のみ」という狭い適応に見えるが、これは米国特有の限定であり、欧州はより広い。同じ配合剤でも地域によって承認範囲が大きく異なる例として、/との合剤)と対比して覚える。が日本でも2021年6月に承認されているのに対し、/は日本では使えない3

用法・用量

IV、との合剤として投与する。実際の用量は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:βラクタム系薬剤に対する過敏症
  • class CのやOXA-48型には効かない。 より守備範囲が狭い分、KPCに対する阻害効果は強い設計になっている
  • (NDM・VIMなど)には無効
  • 菌に対する切り札の一つで、耐性拡大を避けるため感受性が確認された薬が使える状況では温存を検討する

副作用

頻度 内容
高頻度 頭痛下痢
注意 注射部位反応、過敏症
重篤・まれ 痙攣など重篤な副作用の多くは側に由来する

まとめ

  • 単独では抗菌活性を持たない。相棒は
  • (βラクタム)・/とも異なる構造を持ち、セリンとの可逆的な共有結合で酵素を阻害する。
  • KPCに的を絞った設計で、class C・OXA-48・はカバーしない。
  • KPC産生菌によるのGram陰性菌感染に用いる。は地域差が大きく、米国はのみだが欧州は/にも及ぶ

出典

  1. 1.Vaborem 1 g/1 g powder for concentrate for solution for infusion — Summary of Product Characteristics (SmPC)(electronic Medicines Compendium (UK)(EU由来のSmPC)・2026)欧州の適応は複雑性尿路感染(腎盂腎炎を含む)・複雑性腹腔内感染・院内肺炎(人工呼吸器関連肺炎を含む)およびそれに伴う菌血症、治療選択肢が限られる好気性グラム陰性菌感染であることを確認した。院内肺炎・人工呼吸器関連肺炎・それに伴う菌血症に対応する疾患ノートが存在しないため、indicationDiseasesには受け皿のある複雑性尿路感染・複雑性腹腔内感染のみを反映した(該当疾患はnote-gap-inboxへ投函)。閲覧 2026-08-03
  2. 2.VABOMERE (meropenem and vaborbactam) for injection — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration (DailyMed)・2026)米国添付文書(2026年2月改訂)は複雑性尿路感染(腎盂腎炎を含む)のみに限定され、複雑性腹腔内感染・院内肺炎/人工呼吸器関連肺炎(HABP/VABP)は含まれないことを確認した(2017年の初回承認以来、適応の拡大はない)。閲覧 2026-08-03
  3. 3.KEGG DRUG: Meropenem and vaborbactam (D11015)(KEGG(京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター)・2026)メロペネム/バボルバクタム配合剤の収載が米国製品(VABOMERE, Melinta Therapeutics)のみで分類が<US>に限られ、日本の販売名・日本標準商品分類番号のいずれも記載が無いことを確認した。KEGG DRUGは日本で承認された医薬品には日本の販売名と分類番号を併記するため、これは日本未承認を示す所見として扱える。`pins.japic.or.jp` のPDFが文字化けし `japic_med` 検索でも到達できなかった経緯(review-flags 2026-08-03)に対し、`kegg.jp/entry/dr_ja:<D番号>` の経路で到達した。閲覧 2026-08-03