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Drug Atlas · A15 Other / その他 · 必修

ベルテポルフィン

verteporfin

分類
Photosensitizers (photodynamic therapy) / 光線力学療法用光感受性物質
商品名(EU)
Visudyne
科目
Medical Biophysics
トピック
11.06: Application of lasers
承認適応
加齢黄斑変性近視性脈絡膜新生血管ポリープ状脈絡膜血管症
禁忌疾患
ポルフィリン症
副作用
光線過敏症眼痛視力低下インフュージョンリアクション
対象疾患
中心性漿液性脈絡網膜症

🧠 全体像:は、とはまったく別の原理で(CNV)を治療する薬である。物質を静注したうえで眼底にレーザーを照射するという2段階の手技(=PDT)で、活性化した薬剤がを生み血管を閉塞させる。⭐ 2000年代初頭は・性CNVの標準治療だったが、の登場で主役の座を明け渡し、今は「が使えない・効かないときの選択肢」「他剤との併用」という旧標準治療の位置にしている——この歴史的な立ち位置の変化そのものが問われるポイントである。

機序・適応

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='verteporfin'>ベルテポルフィン</span>を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='IV dosing'>静脈内投与</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neovascularization (new vessels)'>新生血管</span>内の内皮に集積するのを待つ<br>(投与開始15分後)"]
    B --> C["689 nmのレーザー光を病変部に照射"]
    C --> D["光活性化により<span class='jp-term jp-term-diagram' title='reactive oxygen species (ROS)'>活性酸素種</span>を生成"]
    D --> E["血管内皮を傷害"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='platelet aggregation'>血小板凝集</span>・線維素凝固・血管収縮"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neovascularization (new vessels)'>新生血管</span>の閉塞"]

⭐ との違いは「何を止めるか」ではなく「どう止めるか」にある。 はシグナルを中和しての増殖そのものを抑えるのに対し、は光で内皮を直接傷害し既存の血管を物理的に閉塞させる——薬理標的も作用形式もまったく異なる1。

は・・推定眼組織球症による下の主にである1。

用法・用量

段階 内容
薬剤投与 あたり6 mg/m²を5%ブドウ糖液で希釈し、総量30 mLを3 mL/分で10分間かけて静注
レーザー照射 投与開始15分後に、波長689±3 nm・強度600 mW/cm²・線量50 J/cm²を83秒間照射

投与から照射までの時間設定が厳密に決められているのは、薬剤が内皮に選択的に集積するタイミングを狙うためである1。

禁忌・注意

近視性CNVでの位置づけ——抗VEGF薬に置き換わった経緯

⭐ RADIANCE試験がこの交代劇を数字で示している。 に伴うCNVを対象としたで、1〜3か月の平均視力改善は2群が+10.5〜+10.6文字だったのに対し、(vPDT)群はわずか+2.2文字にとどまった(いずれもP<0.0001)2。

⚠️ 12か月時点の数字を単純比較してはならない。 vPDT群は3か月以降にまたはvPDTの追加投与が許容されており、12か月時の+9.3文字はその追加治療を含んだ数字であってvPDT単独の成績ではない。純粋な比較は3か月時点の値にある2。この結果を受けて性CNVの第一選択はに交代し、は旧標準治療の位置へ退いた。

PCVでの位置づけ——併用療法として生き残る

💡 性CNVとは対照的に、(PCV)では今も現役の選択肢である。 アジア人PCV患者を対象としたEVEREST II試験では、単独療法と比較して+の併用療法がより大きな視力改善とより高いポリープをもたらした3。⭐ PCVは異常な血管網とポリープ状病変という抗単独では閉じにくい構造を持つため、血管を物理的に閉塞させるPDTの出番が性CNVより長く残っている——同じ薬でも疾患によって位置づけが違う点に注意する。

まとめ

  • は物質+レーザー照射()で内皮を物理的に閉塞させる薬で、とは作用原理がまったく異なる。
  • 用法はあたり6 mg/m²を静注し、投与開始15分後に689 nmのレーザーを83秒間照射する2段階の手技。
  • 禁忌は。投与後5日間はに注意する。
  • ⭐ ではRADIANCE試験でに明確に劣り(3か月時+2.2文字 対 +10.5〜+10.6文字)、旧標準治療へした。
  • ⚠️ PCVでは今も現役——EVEREST II試験で単独より併用療法が優れる。同じ薬でも疾患によって位置づけが正反対に近い。

出典

  1. 1.VISUDYNE (verteporfin) for injection, powder, lyophilized, for solution(DailyMed(U.S. National Library of Medicine)・2021)承認適応が加齢黄斑変性・病的近視・推定眼組織球症による中心窩下の主に古典型脈絡膜新生血管に対する光線力学療法であること、機序が光活性化による活性酸素種の生成で新生血管内皮を傷害し血小板凝集・線維素凝固・血管収縮を経て血管閉塞に至ること、用法用量が体表面積あたり6 mg/m²を注射用水7 mLで再構成後5%ブドウ糖液で希釈し総量30 mLを3 mL/分で10分間かけて静注し、投与開始15分後に波長689±3 nm・強度600 mW/cm²・線量50 J/cm²のレーザー光を83秒間照射すること、禁忌がポルフィリン症または本剤成分への既知の過敏症であること、投与後5日間は直射日光や強い屋内光への皮膚・眼の曝露を避けるべきとされていること、主な副作用が注射部位反応と視覚障害(10〜30%)でありコントラスト感度低下を含む4行以上の視力低下が1〜5%に報告されていること、本ラベルの改訂日が2021年7月であることを確認した。閲覧 2026-09-06
  2. 2.RADIANCE: a randomized controlled study of ranibizumab in patients with choroidal neovascularization secondary to pathologic myopia(Ophthalmology(Wolf S, et al.)・2014)病的近視に伴うCNVに対する第III相試験で、ラニビズマブ2群(視力安定基準106例・疾患活動性基準116例)とベルテポルフィン光線力学療法群(55例、3か月以降は活動性に応じてラニビズマブまたはvPDTの追加可)を比較し、1〜3か月の平均BCVA変化がラニビズマブ2群+10.5・+10.6文字に対しvPDT群+2.2文字(いずれもP<0.0001)と有意に劣っていたこと、12か月時点(vPDT群は3か月以降の追加治療を含む)ではラニビズマブ群+13.8・+14.4文字・vPDT群+9.3文字であったことを確認した。閲覧 2026-09-06
  3. 3.Efficacy and Safety of Ranibizumab With or Without Verteporfin Photodynamic Therapy for Polypoidal Choroidal Vasculopathy: A Randomized Clinical Trial(JAMA Ophthalmology (EVEREST II Study Group)・2017)アジア人PCV患者を対象とした無作為化比較試験(EVEREST II)で、ラニビズマブ単独療法と比較してラニビズマブ+ベルテポルフィン光線力学療法の併用療法がより大きな視力改善とより高いポリープ閉鎖率をもたらしたことを確認した。閲覧 2026-09-06