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Disease Atlas · 眼科 · 疾患

加齢黄斑変性

Age-related macular degeneration

別名
AMD加齢黄斑変性症
臓器系
眼科
科目
Translational Medicine and Pathophysiology
トピック
病態生理学 2-29:老化症候群の臓器レベルの症状病態生理学 2-28:分子・細胞レベルの老化
鑑別疾患
ポリープ状脈絡膜血管症黄斑浮腫近視性脈絡膜新生血管白内障
続発疾患
Charles Bonnet症候群硝子体出血
関連疾患
緑内障
治療薬
アフリベルセプトラニビズマブファリシマブブロルシズマブベバシズマブペグセタコプランアバシンカプタドペゴル
症状
視力低下霧視変視症
画像所見
脈絡膜新生血管
適応薬
アバシンカプタドペゴルアフリベルセプトファリシマブブロルシズマブベルテポルフィンラニビズマブ

🧠 全体像:は、加齢に伴って網膜の中心=黄斑が壊れていく疾患で、先進国における重度・不可逆的視力障害の主要原因である。学習の幹は「2つの晩期型」——ゆっくりとが消えていく()と、からが侵入して急激に視力を奪う滲出型()。ではが圧倒的多数(約80%)なのに、重度のおよそ90%は滲出型が起こす1。この非対称が治療体系をそのまま説明する——滲出型にはという視力を回復させる治療があり、には病変の拡大を遅らせるだけのしかない。⭐ だけが侵されは保たれるため、患者は「読めない・顔が見分けられない」と訴えるが歩行はできる。

加齢性慢性疾患としての位置づけ

がの症状として現れるとき、では難聴・と並んでが代表となる。💡 黄斑は加齢の負荷が集中する場所である——は生涯にわたり毎日入れ替わり、そのをが貪食し続ける。加齢とともにこの処理が追いつかなくなると、との間に不消化ながとして溜まる。ここにに伴う慢性炎症との制御不全が重なる、という筋書きが、後述の(CFH)とに対するをひとつながりに説明する。

  • 米国では2019年時点で約2,000万人がAMDを持ち、うち1,834万人が早期、149万人が晩期である1。世界の有病者数は2040年までに2億8,800万人に達すると予測されている1。
  • 米国では40歳を超える人の重度(20/200以下=小数視力0.1以下)の約46%を占める1。
  • 最大の危険因子は加齢そのものである。50歳未満でAMD様の所見をみたら、遺伝性を鑑別に挙げる1。

病期とドルーゼン

診断はの大きさとの変化で段階づける。63 µm以上の中等大があること、あるいはの・色素沈着があること、あるいは・・のいずれかがあることが疾患の定義になる1。

病期 所見 治療
なし なし、または63 µm以下の微小のみ なし
早期 小多数、63〜124 µmの中間少数、軽度の異常 エビデンスのある治療は無い1
中 中等大多数、または125 µm以上の大が1個以上 AREDS2の適応1
晩期 (を含む型と含まない型の2亜型)または 型別に後述

💡 ⚠️ にかからないも晩期に数える。 原AREDSの定義は晩期を「黄斑中心を含むまたは滲出型」に限っていたが、現行の疾患定義はをを含む型と含まない型の2亜型として晩期に置く1。2024年の更新版簡易重症度スケールでも、外のは危険因子ではなく晩期AMDのそのものとして数えるよう変更された1。外にとどまる間は視力が比較的保たれるため見落としやすいが、病期としてはすでに晩期である。

⭐ 進行リスクは「大」と「」の2項目を両眼で数えるだけで見積もれる。 各眼につき1点ずつ、合計0〜4点で5年進行率が示され、2024年更新版では0〜4点でそれぞれ0.3%・4%・12%・27%・50%、があると3%・8%・29%・59%・72%へ跳ね上がる1。

日本・アジアでの特徴

⭐ 滲出型AMDの内訳が欧米と違う。 欧米ではを伴う典型的なAMDが主体だが、日本を含む東アジアではの比率が高い。この病態はが肥厚するパキスペクトラム疾患に分類される別の疾患単位だが、臨床像が酷似するため鑑別対象として扱う。片眼性滲出型AMDの日本人297例を追跡した施設コホートでは40.2%がであった2(施設に紹介された患者の集団であり、一般人口での割合ではない)。

⚠️ 片眼が滲出型なら、を追い続ける。 同コホートでの5年滲出型AMD発症率は、小のみで0%、中間またはがあると18.2%、大があると27.0%であり、では年齢ではなくこの病期カテゴリーだけが有意な因子であった2。💡 一方、東アジアに多い(が厚い眼に生じる別型の)のみの群では発症が0%で、「があれば一律に危険」ではないことを示している2。

危険因子

  • ⭐ 喫煙が最大のであり、AMDの患者・リスク保有者には禁煙を強く勧める1。もリスクを高める1。
  • 加齢、北欧系の人種背景、家族歴1。
  • :CFHのY402H多型はホモ接合で発症リスクが7.4倍になる1。ARMS2-HTRA1領域も強い関連を示すが機序は未解明である1。💡 CFHはのC3bに結合してこれを制御する分子で、その機能低下がと慢性炎症を許すという道筋が、に対して補体を標的とする薬が開発された理由そのものである。
  • ⚠️ ルーチンのは推奨されない1。を変えないためである。
  • ⚠️ を怖がって中止しない。 長期アスピリンが適応と判断されている患者は、AMDがあってもそのまま継続するのが現行の考え方である1。

病態と2つの晩期型

flowchart TD
    A["加齢による<span class='jp-term jp-term-diagram' title='retinal pigment epithelium'>網膜色素上皮</span>の処理能力低下"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Bruch membrane'>Bruch膜</span>と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='retinal pigment epithelium'>網膜色素上皮</span>の間に<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='drusen'>ドルーゼン</span>が蓄積"]
    B --> C["補体制御不全と慢性炎症"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='atrophic type'>萎縮型</span>(乾性)"]
    C --> E["滲出型(湿性)"]
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='retinal pigment epithelium'>網膜色素上皮</span>と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='photoreceptor'>視細胞</span>が<br>境界明瞭な領域で脱落=<span class='jp-term jp-term-diagram' title='geographic atrophy'>地図状萎縮</span>"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='choroid'>脈絡膜</span>から<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neovascularization (new vessels)'>新生血管</span>が侵入<br>=<span class='jp-term jp-term-diagram' title='macular neovascularization'>黄斑新生血管</span>"]
    F --> H["数年かけて<span class='jp-term jp-term-diagram' title='central scotoma'>中心暗点</span>が拡大"]
    G --> I["漏出・出血・線維化<br>数週〜数か月で急激に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='decreased visual acuity'>視力低下</span>"]
(乾性) 滲出型(湿性)
頻度 AMD患者の約80%1 残りの約20%(⚠️ 80%からの補数)
重度への寄与 少ない 約90%1
経過 年単位で緩徐 週〜月単位で急激
中核病変 (・網膜下・網膜内から発生する3型と)1
治療 (拡大を遅らせるのみ) (第一選択)

⚠️ 滲出型の「約20%」は出典が直接掲げている数字ではない。 AAO の Preferred Practice Pattern が書いているのは「推定80%の患者が非滲出型()である」ことと「重度のおよそ90%は滲出型による」ことの2つで1、滲出型のそのものは示していない。ここでの20%は80%から引いた補数として読む。

症状と自己モニタリング

  • の低下(・)、、(直線が歪んで見える)。は保たれる。
  • ⭐ の急な出現は滲出型への移行を疑うであり、早期発見と迅速な治療が視力予後を改善する1。
  • ⚠️ 両眼で見ているとが補うため、患者は片眼の異常に気づかない。 そこで片眼ずつの(読書または)を自分で確認するよう指導する1。は中心にを持つ方眼で、線の歪み・欠けを患者自身が検出できる。
  • 2026年更新版のは、患者が自分で操作する家庭用OCT(SCANLY Home OCT)が2024年5月にde novo経路での許可を得たことを新たに記載している。⚠️ ただし同版は「臨床での使い方は今後さだまっていく」と述べるにとどめ、自己モニタリングを片眼の(読書または)と電子的家庭モニタリングの並置として書いている1。
  • ⚠️ が大量に出血してに至ると、突然の高度として発症することがある。

⚠️ 視力が落ちた高齢者が「人や動物が見える」と訴えたら、認知症や精神症状と決めつけない。 視覚経路のによるは本症で最も多く、⭐ 本人がだと分かっている(が保たれる)点で・せん妄と分かれる。訴えないだけで潜在例は多く、こちらから問うことで患者の不安が大きく減る。

診断

で・・・出血や滲出を確認し、で網膜内・網膜下の液体貯留との状態を評価する。滲出型が疑われればでの型と範囲を確定する。は・・でよく描出される1。

鑑別は「が落ちている原因はどこか」を切り分ける作業になる。

鑑別 切り分け方
のによる全体的なかすみ。・は来さない。高齢者では両者が併存し、どちらがの主因かを見極める
・・ぶどう膜炎・術後が原因。原疾患の存在との所見で切り分ける
緑内障 が周辺から進む点が正反対。と並ぶ高齢者の不可逆的失明原因として対比して覚える
遺伝性 50歳未満で発症する場合に疑う1

治療

flowchart TD
    A["病期を確定"] --> B{"どの段階か"}
    B -->|"早期"| C["エビデンスのある治療は無い<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='smoking cessation counselling'>禁煙指導</span>と自己モニタリング"]
    B -->|"中<span class='jp-term jp-term-diagram' title='interphase'>間期</span>・片眼晩期"| D["AREDS2<span class='jp-term jp-term-diagram' title='supplement'>サプリメント</span>"]
    B -->|"晩期:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='geographic atrophy'>地図状萎縮</span>"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='complement inhibitor'>補体阻害薬</span>を個別に検討"]
    B -->|"晩期:滲出型"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intravitreal anti-VEGF injection'>抗VEGF硝子体内注射</span>"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dosing interval'>投与間隔</span>を反応に応じて調整"]
    E --> H["滲出型への転換を監視"]

AREDS2サプリメント

⚠️ 対象は中AMD、または片眼が晩期AMDの患者に限られる。 中未満の患者に使う根拠はなく、AMDの所見がない家族への予防効果もない1。

成分 1日量
ビタミンC 500 mg
ビタミンE 400 IU
/ 10 mg/2 mg
80 mgまたは25 mg
2 mg

⚠️ 「5年で晩期AMD発症25%減・3行以上の19%減」は原AREDSの成績であって、AREDS2の成績ではない。 原AREDSでと・を併用した群において、5年での晩期AMD発症が25%、3行以上の(視角の倍化)が19%減少した1。⭐ AREDS2が担っているのは「を/へ置き換えてよい」という根拠のほうであり、原処方と各改変処方の間でAMD進行にがなかったことがその裏づけである1。を除くことで、補充に伴う肺癌増加を避けられる1。を加えるのは、高用量による性貧血を防ぐためである1。

滲出型:抗VEGF硝子体内注射

⭐ が第一選択であり、これが滲出型AMDを「失明する病気」から「治療できる病気」へ変えた1。・・・が承認され、はとして広く用いられる。CATT試験ではとの視力改善が同等であり3、を含む3剤の比較はCATTそのものではなく、その後のに基づく1。

⚠️ 共通の有害事象は・・まれなである1。注射後の眼痛・充血・急激なはまたはを疑って直ちに評価する1。ではの報告があり1、⚠️ のはの2回のを8週未満にしないと定める(4週毎ので・の発現率が8週毎・12週毎より高かったことを根拠に挙げる)4。⭐ が掛かるのはであってではない——は4週毎3回、または6週毎2回である4。

投与レジメン——間隔の決め方に定まった正解はない

2 mgでは、4週間隔の負荷投与3回に続く8週ごとのが、または2 mgを4週ごとに打つのと1年目の効果で同等であることが示されている1。の組み方には次の型がある1。

レジメン 中身
固定投与 毎月または隔月で、そのときの活動性によらず打ち続ける
必要時投与(PRN) 毎回診察し、活動性があるときだけ打つ
treat-and-extend 打つたびに次回までの間隔を延ばし、再発したら縮める。⭐ 受診のたびに必ず打つ点でPRNと違う
personalized treatment interval treat-and-extend を、あらかじめ決めた基準で運用する形

⚠️ 理想的なについてのコンセンサスは無く、患者ごとに組み立てる1。LUCAS試験では・のいずれでも毎月投与とtreat-and-extendの効果が同等だった1。⚠️ ただしのPRNには注意が要る——他剤の毎月投与や、他剤のPRNよりわずかに効果が劣る可能性がある1。

⚠️ 長期の成績は最初の2年ほど良くない。 CATTで得られた1〜2年目の視力改善は5年後の受診時には維持されておらず、20/40(小数視力0.5)を保っていたのは患者の50%だった1。💡 「打てば治る」ではなく「打ち続けて進行を抑える」病気であり、この通院負担そのものが治療中断の理由になる。

萎縮型:補体阻害薬

2023年、に対して(C3・C3bを阻害)と(C5を阻害)が米国で承認された5。💡 CFHの機能低下というから素直につながる、補体を標的とした最初の眼科治療である。

  • はOAKS試験で12か月時に病変拡大を21%抑制したが、DERBY試験ではを達成できず(12%)、24か月時点でそれぞれ22%・19%であった1。はGATHER2試験で12か月時に14%抑制した1。
  • ⚠️ ⭐ どちらも視力(BCVA)の改善は示していない。 抑えているのは萎縮病変の拡大速度である(⚠️ ただしの post hoc 解析では、持続的な視力喪失への進行が遅くなる可能性が示唆されている)15。⚠️ 欧州ではこの2剤とも使えない。 は再審査を経た2024年9月19日の最終見解で(申請時の販売名Syfovre)の承認拒否を確定し、病変の拡大は遅らせたが患者の日常の機能に及ぶ利益は示されず、有効性の大きさが潜在的なリスクを上回らないとした6。(同Izelvay)は申請企業が2024年10月24日に承認申請を取り下げており、その時点での同庁の暫定見解も「承認できなかったであろう」というものだった7。「承認された=視力が保たれる」ではないという点を、患者に説明する前に自分が理解しておく。
  • ⚠️ 滲出型への転換が増える。 OAKS試験の24か月時点で新規の滲出型AMD発症は毎月投与11%・隔月8%に対し2%であった1。投与中は滲出型の出現を監視し、生じればを行う1。
  • ⚠️ ではでが注射あたり0.01%、とくに初回注射後に4,000回に1回の頻度で報告され、は2.1〜3.8%であった1。の報告もある5。
  • 以上から、投与は個々の患者と利益・リスクを話し合ったうえで決める1。

まとめ

  • は先進国における重度・不可逆的視力障害の主要原因で、米国では40歳超の重度の約46%を占める。
  • 患者の約80%はだが、重度の約90%は滲出型が起こす。この非対称が治療体系を規定する。
  • 病期は63 µm・125 µmという径の閾値で早期・中に分け、大との2項目で進行リスクを見積もる。
  • ⭐ 喫煙が最大の。CFH Y402Hホモ接合で7.4倍、ARMS2-HTRA1も関連するが、ルーチンのは推奨されない。
  • AREDS2の対象は中AMDまたは片眼晩期AMDに限られ、それ未満には根拠がない。⚠️ 「晩期AMD発症25%減・19%減」は原AREDSの成績であり、AREDS2の寄与はを/へ置換する根拠を与えた点にある。
  • 滲出型の第一選択は。早期発見のために片眼ずつの・による自己モニタリングを指導する。
  • ⚠️ に定まった正解はない。 固定投与・PRN・treat-and-extend・personalized treatment interval があり、理想的な間隔についてコンセンサスは無い。CATTの視力改善は5年時点では維持されておらず、20/40(小数視力0.5)を保っていたのは50%だった。
  • ⚠️ のは病変拡大を遅らせるだけで視力を改善せず、滲出型への転換・のリスクを伴う。米国で承認されたこの2剤は欧州では使えない——は承認拒否が確定し、は申請が取り下げられた。

出典

  1. 1.Age-Related Macular Degeneration Preferred Practice Pattern (2024, Updated 2026)(American Academy of Ophthalmology・2024)先進国における重度・不可逆的視力障害の主要原因であること・米国で40歳超の重度視力低下(20/200以下)の約46%を占めること・患者の約80%が非滲出型だが重度視力低下の約90%は滲出型によること(Incidence and Prevalence節)、疾患定義(63 µm以上の中等大ドルーゼン、網膜色素上皮の異常、地図状萎縮/黄斑新生血管/網状偽ドルーゼン)とAREDSカテゴリー1〜4の閾値(早期は63〜124 µm、中間期は125 µm以上の大ドルーゼン1個以上)(Disease Definition節)、喫煙が最大の修正可能危険因子でルーチンの遺伝子検査は推奨されないこと・CFH Y402Hホモ接合で7.4倍・ARMS2-HTRA1領域の関連(Highlighted Findings節・Genetic Factors節)、晩期AMD(AREDSカテゴリー4)の地図状萎縮が中心窩を含む型と含まない型の2亜型として定義されること(Disease Definition節)、2024年更新版の簡易重症度スケールが中心窩外の地図状萎縮を危険因子ではなく晩期AMDのアウトカムに含めるよう変更したことと5年進行率(Table 1とその直前の段落)、AREDS2の組成(ビタミンC 500 mg、ビタミンE 400 IU、ルテイン10 mg/ゼアキサンチン2 mg、酸化亜鉛80 mgまたは25 mg、酸化銅2 mg)と適応対象が中間期AMDまたは片眼晩期AMDに限られること・5年での晩期AMD発症25%減と3行以上の視力低下19%減が原AREDSの成績であること(Table 3の表題が「SUMMARY OF RESULTS OF THE ORIGINAL AREDS」でその出典はAREDS report number 8)・AREDS2の寄与はβカロテンをルテイン/ゼアキサンチンへ置換する根拠であることとβカロテン除去が肺癌増加を避ける理由(Table 2・Table 3・Intermediate Age-Related Macular Degeneration節)、滲出型に対する抗VEGF硝子体内注射が第一選択であること、CATTがラニビズマブとベバシズマブの2剤を比較した試験であり、アフリベルセプトを含む比較は後続のメタ解析に基づくこと(Exudative Neovascular AMD節)、ペグセタコプラン(OAKSで12か月21%減、DERBYは主要評価項目未達で12%減、24か月で22%と19%減)とアバシンカプタドペゴル(GATHER2で12か月14%減)がいずれもBCVAを改善せず滲出型への転換を増やすこと・ペグセタコプランの網膜血管炎が注射あたり0.01%で初回注射後は4,000回に1回であり眼内炎症が2.1〜3.8%であること(Non-Neovascular AMD with Geographic Atrophy節)、片眼近見視力(読書・Amslerグリッド)による自己モニタリング(Counseling and Referral節・Follow-up Evaluation節)を確認した。2026年更新版で新たに加わったのは2箇所のみで、①Valeda光線力学デバイスの記述が "FDA approved a device" から "FDA authorized a device via the de novo pathway" へ変わったこと、②SCANLY Home OCT の段落(2024年5月にNotal Visionへ De Novo marketing authorization、Breakthrough Device指定、患者自己操作型OCTとして初、OCT画像に対するAIアルゴリズムとして初、"The use of this system in clinical practice will evolve over time.")が新設されたことである(旧版PDFとの全文差分で確認)。自己モニタリングは "monocular vision testing (i.e., Amsler grid or electronic home monitoring)" として両者を並置していること。⚠️ 「約80%」は原文が "an estimated 80% of patients with AMD have non-neovascular or atrophic AMD"・"the neovascular form is responsible for nearly 90% of the severe VA loss (20/200 or worse)" と書いているものであり、滲出型の有病割合そのものを示す数値(約20%)は掲げていないこと。抗VEGFの投与レジメンについて、アフリベルセプト2 mgの4週間隔負荷投与3回に続く8週ごとの維持が1年目にラニビズマブまたはアフリベルセプト2 mgの4週ごとと同等であること、毎月または隔月の注射・treat-and-extend・PRN・personalized treatment interval を "numerous protocols" として列挙したうえで理想的な間隔についてコンセンサスは無く個別に調整するとしていること、LUCASでベバシズマブ・ラニビズマブとも毎月投与とtreat-and-extendが同等だったこと、PRNのベバシズマブは他剤の毎月投与や他剤のPRNよりわずかに効果が劣りうるとして注意を促していること、CATTの1〜2年目の視力改善が5年の追跡受診では維持されず20/40を保っていたのが50%であったこと(Exudative Neovascular AMD節・Other Studies節)も確認した閲覧 2026-09-05
  2. 2.Drusen and pigment abnormality predict the development of neovascular age-related macular degeneration in Japanese patients(PLOS ONE・2021)片眼性滲出型AMDの日本人297例(典型AMD 170例、ポリープ状脈絡膜血管症119例=40.2%、網膜血管腫状増殖7例)を5年以上追跡した後方視的コホートであること、僚眼の5年滲出型AMD発症率がAREDSカテゴリー1(小ドルーゼン)で0%、カテゴリー2(中間ドルーゼンまたは色素異常)で18.2%、カテゴリー3(大ドルーゼン)で27.0%、pachydrusenのみの群で0%であったこと、Cox比例ハザードモデルで年齢ではなくカテゴリーが有意な因子であったことを確認した(Methods節・Results節)閲覧 2026-08-20
  3. 3.Ranibizumab and Bevacizumab for Neovascular Age-Related Macular Degeneration(CATT Research Group・2011)CATTは新生血管型加齢黄斑変性1208例をラニビズマブまたはベバシズマブと月1回または必要時投与へ割り付け、同一投与スケジュールでは両剤の1年視力効果が同等だったことを確認した閲覧 2026-08-31
  4. 4.Beovu (brolucizumab) Summary of Product Characteristics (Annex I)(European Medicines Agency・2026)4.2が滲出型加齢黄斑変性の導入を4週毎3回または6週毎2回(12週時点の疾患活動性により3回目を追加しうる)とし、維持期は疾患活動性が無ければ12週毎・あれば8週毎、2回の投与間隔は8週未満にしないと定めることを確認した。4.4はこの規定の根拠として、4週毎の維持投与を受けた患者の眼内炎症(網膜血管炎を含む)と網膜血管閉塞の発現率が第III相試験の8週毎・12週毎の患者より高かったという比較を明記している。EMAのProduct informationページの Last updated 表示は07/05/2026。閲覧 2026-09-07
  5. 5.Drug Approval for the Treatment of Geographic Atrophy: How We Got Here and Where We Need to Go(American Journal of Ophthalmology・2024)ペグセタコプランが2023年2月17日に、アバシンカプタドペゴルが2023年秋に地図状萎縮に対して米国で承認されたこと、両剤の第3相試験がいずれも視機能の利益を示さなかったこと(ペグセタコプランは読書速度を含む事前規定の主要・副次視機能評価項目のいずれにも利益を示さなかった)、虚血性視神経症・閉塞性網膜血管炎・滲出型AMDの誘発という有害事象、欧州医薬品庁が「病変の拡大は抑制したが患者にとって臨床的に意味のある利益にはつながらなかった」としてペグセタコプランを承認しなかったことを確認した(Results節・Discussion節)閲覧 2026-08-20
  6. 6.Refusal of the marketing authorisation for Syfovre (pegcetacoplan): re-examination confirms refusal(European Medicines Agency・2024)欧州医薬品庁の公式文書(EMA/432931/2024、EMEA/H/C/005954)で確認した。Apellis Europe B.V. が2024年6月27日の承認拒否勧告に対して再審査を請求し、同庁が2024年9月19日の最終見解で地図状萎縮に対するSyfovre(ペグセタコプラン)の承認拒否勧告を確定したこと。根拠となった2試験は計1,258例・24か月で、主要評価項目は12か月時の病変面積の変化であったこと。病変の拡大は遅らせたものの患者にとって臨床的に意味のある利益にはつながらず、治療の利益は患者の日常の機能に及ぶべきであるのにそれが示されなかったとしたこと。反復する硝子体内注射は他の型のAMDの発症や眼内の炎症を含む重大な有害事象のリスクを伴うこと。再審査でも判断は変わらず、有効性の大きさが潜在的なリスクを上回らないため利益とリスクの均衡が確立できないと結論したことを確認した閲覧 2026-09-05
  7. 7.Withdrawal of application for the marketing authorisation of Izelvay (avacincaptad pegol)(European Medicines Agency・2024)欧州医薬品庁の公式文書(EMA/522714/2024、EMEA/H/C/006153、2024年11月15日付)で確認した。Astellas Pharma Europe B.V. が地図状萎縮を適応とするIzelvay(アバシンカプタドペゴル。欧州での申請時の販売名)の承認申請を2024年10月24日に取り下げたこと。取り下げ時点での同庁の暫定見解は「Izelvayは地図状萎縮の治療として承認できなかったであろう」というものであったこと。計734例の2試験(主要評価項目は12か月時の病変面積の変化)で病変拡大の遅延は示されたが視機能の臨床的に意味のある改善にはつながらず、反復する硝子体内注射による結膜出血・眼圧上昇・脈絡膜新生血管のリスクを踏まえて利益とリスクの均衡を確立できないと結論したことを確認した閲覧 2026-09-05