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Drug Atlas · B30 Biologics & immunomodulators / 生物学的製剤 · 必修

アフリベルセプト

aflibercept

分類
Biologics & immunomodulators / 生物学的製剤
商品名(日本)
アイリーアアイリーア8mg
商品名(EU)
Eylea
科目
Pharmacology
トピック
B30: Immunopharmacology III (Antibodies and fusion proteins)
承認適応
加齢黄斑変性(滲出型)黄斑浮腫(糖尿病黄斑浮腫・網膜静脈閉塞に伴う黄斑浮腫)糖尿病網膜症(米国のみ)近視性脈絡膜新生血管未熟児網膜症
禁忌疾患
眼内炎
副作用
結膜下出血眼痛
監視検査値
眼圧
対象疾患
点状脈絡膜内層症網膜色素線条
原因となる疾患
網膜血管炎

🧠 全体像:は、受容体そのもののをに融合させた「」で、・PlGFを血管内皮に届く前に捕まえて中和する。(など)が抗原認識部位1か所でだけを狙うのに対し、は受容体そのものの結合面を使うため親和性が高く、複数のファミリーリガンドを同時に押さえられる。この「受容体を模倣した」という発想が、通常量(2 mg)と高用量(8 mg)という2つの製剤でを延ばす戦略にそのままつながる。⚠️ 高用量製剤の名前は地域で違う——米国は EYLEA HD、は Eylea 114.3 mg/mL、日本はアイリーア8mgで、同じ「Eylea」でも指しているものが濃度で分かれる123。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 分子の型 標的 特徴
(型) ・PlGF 受容体を利用したの「」
抗体 (全) ののみ。分子量が小さく網膜透過性を意識した設計
+ Ang-2 と因子の2経路を同時に阻害

💡 「」という設計は、受容体のをそのまま切り出して使う点が核心である。 抗体がでリガンドを認識するのに対し、は天然の受容体が持つ結合面をそのまま利用するため、だけでなく構造の近いPlGFにも結合できる4。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aflibercept'>アフリベルセプト</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vascular endothelial growth factor'>VEGF</span>受容体1・2の<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='extracellular domain'>細胞外ドメイン</span>+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='immunoglobulin G1'>IgG1</span> <span class='jp-term jp-term-diagram' title='Fc fusion protein'>Fc融合蛋白</span>)"] --> B["血中・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intravitreal'>硝子体内</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vascular endothelial growth factor A'>VEGF-A</span>・PlGFに結合"]
    B --> C["内皮細胞の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='VEGF receptor 1'>VEGFR-1</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='VEGF receptor 2'>VEGFR-2</span>への<br>結合・活性化を阻害"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neovascularization (new vessels)'>新生血管</span>の増殖・遊走シグナル遮断"]
    C --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='increased vascular permeability'>血管透過性亢進</span>シグナル遮断"]
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='choroidal neovascularization'>脈絡膜新生血管</span>・網膜<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neovascularization (new vessels)'>新生血管</span>の抑制"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='macular edema'>黄斑浮腫</span>の軽減"]

薬物動態

項目 値・特徴
のみ
構造 受容体1・2の+ヒト (分子量約115 kDa)
のため血中濃度は低く保たれるが、全身の阻害作用(など)が完全にゼロではない

適応

⚠️ は3極で一致していない。 同じ分子・同じでありながら、は米国だけ、は日本だけ、におけるは米国だけが持たない。「の適応」を1つのリストで覚えると必ずどこかで外れる。

適応 米国 日本
(日本は下を伴うもの) 2 mg・8 mg 2 mg・8 mg 2 mg・8 mg
2 mg・8 mg 2 mg・8 mg 2 mg・8 mg
に伴う 2 mg・8 mg 2 mg・8 mg 2 mg・8 mg
そのもの 2 mg・8 mg ✗ ✗
における ✗ 2 mgのみ 2 mgのみ
✗ ✗ 2 mgのみ(日本固有)
2 mgのみ 2 mgのみ 2 mgのみ

出典は米国が2 mg製剤4と8 mg製剤(EYLEA HD)1の添付文書、が2 mg製剤・8 mg製剤を1つにまとめた2、日本が2 mg製剤5・8 mg製剤3の電子添文である。

⚠️ は3極とも2 mg製剤のみで、しかも用量は0.4 mg(0.01 mL)と他の適応の2 mgとは異なる425。のはさらに病期まで書き込み、zone I の stage 1+・2+・3・3+、zone II の stage 2+・3+、AP-ROP(aggressive posterior ROP)に限っている2。日本の電子添文は病期で絞らない代わりに 5.4 で、自然治癒が期待できる軽症例と外科的手術の適応となる重症例では投与意義が明確でないとして、病変の位置・病期・病型による重症度を考慮して投与の要否を判断するよう求めている5。

💡 日本固有のの適応は、この薬の機序から素直に導ける。 虚血網膜が産生するが隅角・にを作ってを塞ぐのがなので、を中和すればそのものを退縮させられる。日本の電子添文は1回2 mgを投与し、必要なら1か月以上あけて再投与すると定め、5.3 で前緑内障期における有効性・安全性は確立していないと限定を付けている5。

用法・用量

⭐ 通常量(2 mg)と高用量(8 mg)でのが違う。 2 mgは月1回(4週毎)の導入後に2か月毎のへ移行し、8 mgは同じ導入を経てより長い維持間隔を狙う。⚠️ ただしその「より長い間隔」の上限は3極でまったく違う。

米国 日本
2 mg・滲出型AMD 4週毎3回のあと8週毎4 月1回3回のあと2か月毎。以降は treat-and-extend で2週または4週刻みに延長してよい(4か月超・4週未満は未検討)2 1か月ごと3回のあと2か月ごと。調節時も1か月以上あける5
2 mg・ 4週毎5回のあと8週毎4 月1回5回のあと2か月毎2 1か月ごと連続5回のあと2か月ごと5
2 mg・に伴う 4週毎のままで延長の規定が無い4 初回後は月1回を継続。その後 treat-and-extend で延長しうるが間隔の長さをづけるにはデータが不十分と明記2 1回2 mgで間隔1か月以上5
8 mg・滲出型AMD/ 4週毎3回のあと8〜16週毎。1年後に良好な反応があれば20週まで1 月1回3回のあと最長4か月毎まで延長でき、さらに treat-and-extend で最長6か月毎まで2 4週ごと3回のあと通常16週ごと。調節時も8週以上あける3
(0.4 mg) 同一眼への間隔は10日以上4 同一眼への間隔は4週以上、開始から6か月以内に1眼あたり最大2回2 必要時に1か月以上あけて再投与5

⚠️ treat-and-extend方式は「実臨床の慣行」ではなく、のに書き込まれた用法である。 反応が良ければ次回投与までの間隔を少しずつ延ばし、すれば短縮するという運用は、では滲出型AMD・・に伴うのいずれについても本文に明記されている2。日本の電子添文も8 mg製剤のに伴うについて、4週ごとで開始したのち治療反応性に応じて徐々に間隔を延長することを考慮するよう 7.3 で求めている3。一方米国の添付文書は固定間隔で書かれており、この方式を用法として掲げていない——同じ薬の同じ運用が、地域によって「添付文書の中」と「添付文書の外」に分かれる。

  • ⚠️ 8 mgでも適応ごとに上限が違う——米国ではが最大12週、に伴うは3〜5回の導入後8週毎で固定である1。
  • 8 mg製剤は2 mg製剤と濃度(114.3 mg/mL 対 40 mg/mL)も1回の注入量(0.07 mL 対 0.05 mL)も異なる別製剤であり、バイアル・シリンジを流用できない12。
  • ⚠️ 両眼に病変があっても初回は同日に両眼へ打たない。 日本の電子添文 7.1 は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価したうえで、初回治療における両眼同日投与は避け、片眼での安全性を十分に評価してから対側眼を治療するよう求めている5。のも両眼同時投与は系統的に検討されておらずが増える可能性があるとする2。⚠️ ただし日本の 7.1 の見出しは〈、に伴う、における、、〉であって、はこの見出しに含まれない——実際、承認の根拠となったでは75例中71例が両眼に投与されている5。米国・の添付文書もについては同日の両眼投与を明文で認めている42。適応ごとに書き分けられた注意を、全適応共通に読み替えない。

禁忌・注意

  • 禁忌:成分に対する過敏症、眼または眼周囲の感染症、活動性の。⚠️ ただし文言の強さが3極で違う——米国は「ocular or periocular infections」「active intraocular inflammation」4、EUは「活動性または疑いのある」感染と「活動性の重度」2、日本は「感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者」と「眼内に重度の炎症のある患者」である5
  • ⚠️ 妊婦を禁忌に置くのは日本だけである。 日本の電子添文 2.4 は「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」をに挙げる5。のは禁忌ではなく 4.4 に置き、有益性が胎児への危険性を上回る場合を除いて妊娠中に使用しない、妊娠可能な女性は治療中および最終投与後少なくとも3か月は有効な避妊を行う、という書き方をしている2
  • ⚠️ に共通する合併症として・・・医原性があり、注射後の眼痛・充血・・急激なは直ちに評価する42。米国の添付文書はこれに(閉塞性を伴うものを含む)を加えて 5.1 の見出しに掲げている4
  • ⚠️ 注射後60分以内にが上昇しうる。 投与直後にとの灌流を確認する。⭐ のはここに具体的な数値の線を引いており、コントロール不良の緑内障では特に注意し、が30 mmHg以上のあいだは注射しないと定めている2
  • ⚠️ すべき場面がのに具体的に列挙されている2。またはstage 3・4の黄斑円孔がある間はする。が生じたら適切に修復されるまで再開しない。前回評価から最高が30文字以上低下したとき、または中央に及ぶ網膜下出血(もしくは病変面積の50%以上を占める出血)が生じたときは、次回予定日より早く再開しない。眼内手術の前後28日以内もする
  • (脳卒中・心筋梗塞等)はの全身的な阻害に伴う理論上のリスクとしてされるが、⚠️ で対照群との差が示されたわけではない——のは滲出型AMD・・・CNV・のいずれの試験でも発現率は低く、対照群との間に notable な差は観察されなかったと明記している2。ただし日本の電子添文は8 mg製剤の重大な副作用として脳卒中0.2%・0.03%を頻度つきで挙げており3、は直近6か月以内の脳卒中・・心筋梗塞の既往がある患者への投与に注意を求めている2。2 mg製剤の日本の電子添文 15.1.1 は、適応ごとのにおける動脈血栓塞栓関連事象の発現率を3.3%(1,824例中60例)・0.6%(317例中2例)・0.6%(158例中1例)・CNV 0.9%(116例中1例)・2.9%(730例中21例)・1.5%(66例中1例)・5.1%(79例中4例、非重篤のと脳症)と示している5。⚠️ これらはいずれも本剤投与群だけの発現率で、対照群との比較ではない——高低を薬の作用として読まない(の心血管リスクがそもそも大きく違う)

副作用

⚠️ 「高頻度」と書かれた眼の所見の多くは、薬そのものではなくという手技に由来する。 のは第III相8試験3,102例(うち2,501例が2 mg)に基づき、注射手技に関連する重篤な眼副作用は1,900回あたり1回未満としている2。

頻度 内容
5%以上() 25%、 11%、 11%、眼痛 10%、 8%、上昇 8%、剥離 7%、 7%2
common(1/100以上1/10未満、) 裂孔・同剥離、、、・、、注射部位疼痛・出血、、、、、2
uncommon(1/1,000以上1/100未満、) 、、、、ぶどう膜炎、、、フレア2
rare(1/10,000以上1/1,000未満、) 失明、、、2
日本の電子添文(8 mg製剤の重大な副作用) 3.5%、はく離1.0%、0.5%、0.4%、0.4%、裂孔0.3%、0.2%、0.07%、網膜はく離0.05%、はく離0.02%、0.02%/脳卒中0.2%、0.03%3
米国の市販後(頻度が桁違いに低い) ・は、2011年11月〜2023年11月の市販後経験に基づき注射100万回あたりそれぞれ0.6回・0.2回4

💡 同じ「」でも、の頻度区分(uncommon=1/1,000〜1/100)と日本の実測値(0.2%)は同じ桁を指している。 一方では、日本の電子添文が0.02%(1万回に2回)とするのに対し、米国の市販後集計は100万回に0.6回である。⚠️ 前者はのを分母とし、後者は注射回数を分母とする自発報告なので、そのまま比較できない(自発報告は必ず過少である)。

まとめ

  • は受容体のをFcに融合した「」で、とPlGFを同時に中和する。
  • 通常量2 mgと高用量8 mgの2製剤があり、どちらも月1回の導入後、8 mgの方がより長い維持間隔を狙って設計されている。⚠️ その上限は3極でまったく違う——米国は8〜16週(1年後に20週まで)、日本は通常16週ごと(最短8週)、は最長4か月毎、さらに treat-and-extend で最長6か月毎である132。
  • ⚠️ も3極で一致しない。 滲出型AMD・・に伴うは共通だが、そのものは米国だけ41、におけるはと日本だけ25、は日本だけである5。は3極とも2 mg製剤のみ・0.4 mgで、同一眼への再投与間隔は米国10日以上・ 4週以上(6か月以内に1眼2回まで)・日本1か月以上と異なる。
  • ⚠️ treat-and-extend方式は「実臨床の慣行」にとどまらず、のに用法として書き込まれている(米国の2添付文書には全文で1件も現れず、固定間隔で書かれている)2。
  • 禁忌は成分過敏症・眼または眼周囲の感染・活動性の(重度)。⚠️ 妊婦をに置くのは日本だけで、は「有益性が危険性を上回る場合を除く」という書き方である52。
  • に共通する・・一過性の上昇に注意する。⭐ は「30 mmHg以上のあいだは注射しない」と数値で線を引き、眼内手術の前後28日以内や最高30文字以上の低下ではすると定めている2。
  • ⚠️ はの全身的阻害に伴う理論上のリスクであって、で対照群との有意差が示されたものではない2。「として確立している」と書かない。

出典

  1. 1.EYLEA HD (aflibercept) injection, for intravitreal use — Highlights of Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)・2026)8 mg製剤(EYLEA HD)が滲出型AMD・糖尿病黄斑浮腫・糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞に伴う黄斑浮腫に適応を持つこと、nAMD・DMEでは4週毎3回投与後8〜16週毎(1年後の良好な反応があれば20週まで延長可)、DRでは維持間隔が最大12週にとどまること、RVOでは導入が3〜5回必要であることを確認した。本文末尾の改訂表示は Revised 4/2026 で、適応は1.1〜1.4の4項目、未熟児網膜症と病的近視における脈絡膜新生血管は含まれない。閲覧 2026-08-31
  2. 2.Eylea (aflibercept) Summary of Product Characteristics (Annex I)(European Medicines Agency・2026)EUの製品概要(全165ページ、2 mg製剤と8 mg製剤の両方を1つの文書に収める)を取得して確認した。2 mg製剤(Eylea 40 mg/mL)の4.1は成人で滲出型加齢黄斑変性・網膜静脈閉塞(BRVO/CRVO)に伴う黄斑浮腫による視機能障害・糖尿病黄斑浮腫による視機能障害・病的近視における脈絡膜新生血管(myopic CNV)による視機能障害の4つ、および早産児の未熟児網膜症(zone I の stage 1+・2+・3・3+、zone II の stage 2+・3+、AP-ROP)で、糖尿病網膜症は適応に含まれない。8 mg製剤(Eylea 114.3 mg/mL)の4.1は成人の滲出型AMD・糖尿病黄斑浮腫・網膜静脈閉塞(分枝・中心・半側)に伴う黄斑浮腫の3つのみで、病的近視CNVも未熟児網膜症も糖尿病網膜症も含まれない。4.2は滲出型AMDについて月1回3回導入後2か月毎とし、そのうえで「further extended using a treat-and-extend dosing regimen」と treat-and-extend を明文で認めている(2週または4週刻みで延長、悪化時は短縮、4か月超と4週未満の間隔は未検討)。網膜静脈閉塞に伴う黄斑浮腫も初回後は月1回を続け、その後 treat-and-extend で延長しうるが「間隔の長さを結論づけるにはデータが不十分」とする。糖尿病黄斑浮腫は月1回5回導入後2か月毎。未熟児網膜症は0.4 mg(0.01 mL)を1眼1回で、治療開始から6か月以内に1眼あたり最大2回まで、同一眼への2回目までの間隔は少なくとも4週。8 mg製剤の滲出型AMD・糖尿病黄斑浮腫は月1回3回導入後、最長4か月毎まで延長でき、さらに treat-and-extend で最長6か月毎まで延長しうる。4.3の禁忌は有効成分・添加剤への過敏症、活動性または疑いのある眼・眼周囲の感染、活動性の重度眼内炎症の3項目。4.4は注射後60分以内の眼圧上昇に触れ「コントロール不良の緑内障では特に注意し、眼圧が30 mmHg以上のあいだは注射しない」と数値で定め、裂孔原性網膜剥離・stage 3または4の黄斑円孔では休薬、網膜裂孔が生じたら修復されるまで再開しない、前回評価から最高矯正視力が30文字以上低下したときや中心窩中央に及ぶ網膜下出血(または病変面積の50%以上の出血)では次回予定日より早く再開しない、眼内手術の前後28日以内は休薬、と定める。4.8は第III相8試験3,102例(うち2,501例が2 mg)に基づき、5%以上に見られた副作用として結膜出血25%・網膜出血11%・視力低下11%・眼痛10%・白内障8%・眼圧上昇8%・硝子体剥離7%・硝子体浮遊物7%を挙げ、注射手技に関連する重篤な眼副作用は硝子体内注射1,900回あたり1回未満とする。眼内炎・網膜剥離・網膜裂孔・虹彩炎・ぶどう膜炎はいずれも uncommon、失明は rare。動脈血栓塞栓症については「VEGF阻害に伴う理論上のリスク」と述べ、AMD・DME・RVO・病的近視CNV・未熟児網膜症の臨床試験では発現率が低く対照群との間に notable な差は観察されなかったと明記している。なお本PDFの10.(DATE OF REVISION OF THE TEXT)は空欄で、EMAのProduct informationページの Last updated 表示は04/03/2026である閲覧 2026-09-07
  3. 3.アイリーア8mg硝子体内注射液114.3mg/mL 電子添文(バイエル薬品株式会社(PMDA 医療用医薬品情報。2026年5月改訂・第5版)・2026)8 mg製剤の電子添文を全文確認した。「4. 効能又は効果」は中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の3項目のみで、2 mg製剤が持つ病的近視CNV・血管新生緑内障・未熟児網膜症は8 mg製剤の適応ではない。「6. 用法及び用量」は加齢黄斑変性・糖尿病黄斑浮腫について8 mgを4週ごとに1回、通常連続3回の導入期のあと、維持期は通常16週ごとに1回とし、症状により調節する場合も8週以上あけると定める(米国のEYLEA HDが維持期を8〜16週毎と幅で書き1年後に20週まで延長可とするのに対し、日本は16週ごとを既定値として書く点が異なる)。網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫は1回8 mgで間隔4週以上とし、7.3で4週ごとに開始したのち治療反応性に応じて徐々に間隔を延長することを考慮するよう求める。「2. 禁忌」は2 mg製剤と同じ4項目で妊婦を含む。「11.1.1 眼障害」は眼内炎0.2%・眼圧上昇3.5%・硝子体はく離1.0%・外傷性白内障0.5%・網膜出血0.4%・硝子体出血0.4%・網膜色素上皮裂孔0.3%・網膜裂孔0.07%・網膜はく離0.05%・網膜色素上皮はく離0.02%・網膜血管炎0.02%を重大な副作用として頻度つきで挙げ、「11.1.2」は脳卒中0.2%・心筋虚血0.03%を挙げる。「11.2 その他の副作用」の5%以上は結膜出血14.1%のみである閲覧 2026-09-07
  4. 4.EYLEA (aflibercept) injection, for intravitreal use — Highlights of Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)・2024)アフリベルセプトがVEGF受容体1・2の細胞外ドメインをヒトIgG1のFc部分に融合した可溶性デコイ受容体でVEGF-AとPlGFに結合しこれらの受容体への結合・活性化を阻害するという機序、適応(滲出型AMD・網膜静脈閉塞に伴う黄斑浮腫・糖尿病黄斑浮腫・糖尿病網膜症・未熟児網膜症)、2 mgを4週毎に導入後8週毎(DME/DRでは20週後、AMDでは12週後から)へ移行する一方、網膜静脈閉塞に伴う黄斑浮腫では4週毎のまま延長規定が無いこと、未熟児網膜症のみ0.4 mg(40 mg/mL液0.01 mL)で同一眼への再投与間隔を10日以上あけること、眼または眼周囲感染・活動性眼内炎症が禁忌であること、注射後60分以内の眼圧上昇と動脈血栓塞栓症のリスクを確認した。閲覧 2026-08-31
  5. 5.アイリーア硝子体内注射液40mg/mL 電子添文(バイエル薬品株式会社(PMDA 医療用医薬品情報。2026年4月改訂・第6版)・2026)2 mg製剤の電子添文を全文確認した。「4. 効能又は効果」は中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障、未熟児網膜症の6項目で、糖尿病網膜症そのものは適応に含まれない。血管新生緑内障は米国添付文書にもEUの製品概要にも無く、日本だけが持つ適応である。「2. 禁忌」は2.1成分への過敏症の既往、2.2眼または眼周囲に感染のある患者あるいは感染の疑いのある患者、2.3眼内に重度の炎症のある患者、2.4妊婦又は妊娠している可能性のある女性、の4項目で、妊婦を絶対禁忌に置くのは3極で日本だけである(EUは4.4で「potential benefit が potential risk を上回る場合を除き妊娠中に使用しない」とし、米国は禁忌に妊娠を挙げない)。「6. 用法及び用量」は適応ごとに分かれ、加齢黄斑変性は2 mgを1か月ごとに3回導入後2か月ごと(間隔は1か月以上あける)、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫と病的近視における脈絡膜新生血管は1回2 mgで間隔1か月以上、糖尿病黄斑浮腫は1か月ごとに連続5回のあと2か月ごと、血管新生緑内障は1回2 mgで必要時に1か月以上あけて再投与、未熟児網膜症は1回0.4 mg(0.01 mL)で必要時に1か月以上あけて再投与。すなわち未熟児網膜症の再投与間隔は日本が1か月以上、EUが4週以上かつ6か月以内に1眼あたり2回まで、米国が10日以上と3極で異なる。「5.3」は血管新生緑内障の前緑内障期における有効性・安全性は確立していないとし、「5.4」は未熟児網膜症について自然治癒が期待できる軽症例と外科的手術の適応となる重症例では投与意義が明確でないとする。「7.1」は両眼に病変がある場合も初回治療の両眼同日投与を避け、片眼の安全性を評価してから対側眼を治療するよう求めるが、その見出しは〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障〉であって未熟児網膜症を含まない(17.1 の第III相試験では75例中71例が両眼投与を受けている)。「15.1.1」は適応ごとの第III相試験における動脈血栓塞栓関連事象の発現率を、滲出型加齢黄斑変性3.3%(1,824例中60例)・網膜中心静脈閉塞症0.6%(317例中2例)・網膜静脈分枝閉塞症0.6%(158例中1例)・病的近視CNV 0.9%(116例中1例)・糖尿病黄斑浮腫2.9%(730例中21例)・血管新生緑内障1.5%(66例中1例)・未熟児網膜症5.1%(79例中4例、非重篤の脳出血と脳症)と示すが、いずれも本剤投与群全体の発現率であって対照群との比較ではない閲覧 2026-09-07