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Imaging findings · Published

異所性ACTH産生腫瘍の局在画像

Imaging for ectopic ACTH tumor localization

別名
異所性ACTH症候群の原発巣検索occult ACTH tumor localization
臓器系
内分泌・代謝腫瘍
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 L-32:Cushing症候群内科学 L-80:肺悪性腫瘍内科学 E-07:神経内分泌腫瘍
関連疾患
クッシング症候群

🧠 全体像:この検査群を行ってよいのは、生化学的にがACTH依存性と確定し、かつによって下垂体性が否定された後だけである。順序を逆にして画像から入ると、健常者の1〜2割に見つかるに引きずられてする。が「そこにあるはず」の病変を探す検査であるのに対し、本ノートが担うのは「下垂体ではないどこか」を探す全身検索であり、両者は互いの裏返しとして役割を分担する。内分泌診断の手順そのものはのノートに譲る。

モダリティと写り方

写り方・使いどころ
胸部・腹部の 第一選択。同定されたの約半数を占めるは数mm〜1cm台と小さく、標準スライス厚では見落とされるためが要る
胸部MRI CTで不明のときの追加。の高信号を手掛かりに探す
など) 高分化型を発現し集積する。CT/MRI陰性例の追加検索にも、CTで疑わしい陰影の裏付けにも使う
FDG-PET 増殖の速いで有用。分化のよいが低く陰性になりやすい
頸部超音波(甲状腺)・副腎の検索 頻度は落ちるがになり得るため、胸腹部が陰性なら検索範囲を広げる

は頸部から骨盤まで理論上どこにでも生じ得る。心膜近傍病変を疑う場合は、心電図同期のCT・MRIで拍動によるぼけを抑えて撮像する1

見つからないとき

⚠️ 徹底的な画像検索を行っても、なお約2割はが同定できないまま残る1初回の画像検索で見つからないことは、そのものを否定する根拠にならない。

  • 単施設の観察研究では、初回に不明だった10例中6例が、中央値2年の経過観察の末に局在が確定した2。画像技術の進歩や病変の増大により、当初写らなかった腫瘍が後から見えてくることがある。
  • コルチゾール過剰が薬物療法で制御できていても、が未切除のままなら腫瘍が進行しうるため、寛解後も定期的な画像による再検索を続ける1
  • の切除は治癒の第一選択であり、観察研究では切除例の76%が治癒した3が同定できない・切除できない間は、などのを第一選択とした内科的コントロールで橋渡ししながら、間隔をおいて再検索する3

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ACTH-dependent Cushing syndrome'>ACTH依存性クッシング症候群</span>が生化学的に確定"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pituitary MRI'>下垂体MRI</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='high-dose dexamethasone suppression test, HDDST'>高用量デキサメタゾン抑制試験</span><br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='inferior petrosal sinus sampling, IPSS'>下錐体静脈洞サンプリング</span>で下垂体性を除外"]
    B --> C["胸部・腹部の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='contrast-enhanced thin-section CT'>造影薄切CT</span>"]
    C --> D{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='primary tumor'>原発巣</span>を同定できたか"}
    D -->|"できた・生化学的所見と整合"| E["切除を検討"]
    D -->|"陰性・所見が不一致"| F["SSTR PET/CTまたは胸部MRIを追加"]
    F --> G{"同定できたか"}
    G -->|"できた"| E
    G -->|"なお陰性"| H["低分化・急速進行を疑うならFDG-PETを検討"]
    H --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='primary tumor'>原発巣</span>不明として間隔をおいた再検索へ<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='steroid synthesis inhibitor'>ステロイド合成阻害薬</span>で内科的に制御"]

⚠️ 紛らわしいもの

所見 なぜ紛らわしいか
下垂体 健常者の1〜2割に見つかり、生化学的所見と一致しなければと決めない
副腎の 頻度が高く、機能性かどうかを別に確認する必要がある
肺の非特異的 大きさや形態だけでは良悪性を判定できず、生化学的所見と一致する病変かを優先する
若年者でに集積・軟部影を示すことがあり、腫瘍と誤認しやすい

⚠️ 生化学的所見と一致しない病変をと決めない。 68Ga-SSTR PET/CTでも副腎・膵・炎症部位へのが少なくなく、慎重なを要する2についても、真のの12%で偶発的な異常所見がみられ、と紛れうる3

まとめ

  • この検査群は、が確定し下垂体性が否定された後に限って行う。順序を逆にすると下垂体・副腎のに引きずられる。
  • 第一選択は胸腹部の。最多のであるは小さく、でなければ写らない。
  • は高分化型の検出に、FDG-PETは低分化・型の検出に、それぞれ相補的に使う。
  • 徹底的な検索でも約2割はが同定できず、初回陰性は否定材料にならない。寛解後も定期的な再検索を続ける。
  • 不明・の間は、による内科的コントロールで橋渡しする。
  • 下垂体・副腎の、肺の非特異的が解釈を乱す。生化学的所見と一致しない病変をと決めない。

出典

  1. 1.Recognition and Management of Ectopic ACTH Secreting Tumors(Journal of the Endocrine Society(Elenius H, Nieman LK)・2025)生化学的に異所性ACTH症候群が確定した後は頸部から骨盤までを対象に構造画像(CT/MRI)と機能画像(68Ga-DOTATATE PET/CTが望ましい)を系統的に行うこと、心膜近傍病変には心電図同期CT/MRIが有用なこと、原因腫瘍は増殖が遅く代謝が低いためFDG-PETは有用性に乏しいことが多いこと、徹底的な画像検索でも約2割は原発巣が同定できないまま残ること、コルチゾール制御後も原発巣切除のため定期的な画像による再検索を続けるべきことを確認した。閲覧 2026-08-04
  2. 2.The role of 68Ga-DOTA derivatives PET-CT in patients with ectopic ACTH syndrome(Endocrine Connections(Ceccato F, et al.)・2020)68Ga-SSTR PET/CTがCTより検出率でわずかに優れ(18例中12例 vs 11例)、初回に原発巣不明だった10例中6例が中央値2年の経過観察の末に局在が確定したこと、副腎・膵・炎症部位などへの非特異的集積が読影を難しくすることを確認した。閲覧 2026-08-04
  3. 3.Treatment of Cushing's Syndrome: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline(Endocrine Society(Nieman LK, et al.、Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism)・2015)異所性ACTH症候群患者の12%で下垂体MRIに偶発的な異常所見がみられること、原発巣の切除を第一選択として推奨し観察研究では切除例の76%が治癒したこと、原発巣不明・転移性の異所性ACTH症候群にはステロイド合成阻害薬を第一選択の内科的治療として推奨することを確認した。閲覧 2026-08-04