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Imaging findings · Published

下垂体MRI

Pituitary MRI

別名
下垂体ダイナミックMRIトルコ鞍部MRIpituitary MRI
臓器系
内分泌・代謝神経
科目
Internal MedicinePediatrics
トピック
内科学 E-01:下垂体・視床下部疾患内科学 S-07:下垂体機能低下症内科学 L-32:Cushing症候群小児科 3-15:小児下垂体疾患
関連疾患
クッシング症候群下垂体機能低下症先端巨大症・プロラクチノーマ(下垂体腺腫)頭蓋咽頭腫尿崩症

🧠 全体像が答えるのは「腺腫が良性か悪性か」ではなく、次に何をするかという一手である。この検査はが確定した後に病変を局在させるために行うのが原則で、MRI所見から内分泌診断そのものを始めてはならない。たとえばでは、ACTH依存性であることが生化学的に確定して初めてで局在を探す。「生化学→画像」という順序を逆にしないことが本ノートの軸である。

所見の定義

正常下垂体の高さは年齢・性・妊娠で変わる。思春期や妊娠中・は生理的な肥大でより背が高くなり得るため、成人男性を基準にした一律の見た目をそのまま女性・小児へ当てはめない。

は最大径で二分する。

  • :最大径10 mm未満
  • :最大径10 mm以上

⭐ この10 mmという境界は、大きさの分類にとどまらず局在診断の進め方そのものを左右する。明瞭なは画像単独で局在が完結しやすいが、は写らないことも多く、生化学的所見との整合を確認する作業が重くなる。

は正常では画像で高信号を示す。この高信号の消失はを支持する所見になるが、単独では診断を確定しない。の偏位、視交叉への圧迫、への進展(で段階づける)も評価し、視交叉に近接する病変では視野検査を追加する。

モダリティと写り方

写り方・使いどころ
の評価、出血・脂肪成分の検出に有用
嚢胞性変化・浮腫の評価、腺腫の性状を補う
正常下垂体はを介して先にし、腺腫はからの直接動脈供給を受けるためにのタイミングがずれる(腺腫が遅れる)とされる。で腺腫が周囲より相対的低信号として浮かび上がるため、の検出にはダイナミック撮像が要る
薄いスライス厚・ のような小さな構造を評価する標準的な撮像条件
CT 骨・石灰化の評価、MRI禁忌例、などの緊急時に限って役割を持つ

リスクを上げる形態

腫瘤そのものの性状と、腫瘤以外の背景所見に分けて見ると鑑別を絞りやすい。

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pituitary hormone abnormality'>下垂体ホルモン異常</span>を生化学的に確定"] --> B["過去画像があれば必ず比較"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pituitary MRI'>下垂体MRI</span>を施行"]
    C --> D{"所見と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='biochemical diagnosis'>生化学的診断</span>が整合するか"}
    D -->|"整合する明瞭な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='macroadenoma'>大腺腫</span>"| E["MRI所見で局在診断が完結"]
    D -->|"MRI陰性・所見が不一致・微小で判断がつかない"| F["追加検査へ進む<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inferior petrosal sinus sampling, IPSS'>下錐体静脈洞サンプリング</span>など)"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='treatment strategy'>治療方針</span>の決定へ"]
    F --> G

過去画像との比較は増大速度や新規病変の判断に必須であり、初回MRIの評価だけで完結させない。手術適応にならない無症候性の病変も経過観察という行動が必要で、画像的にに相当する所見(10 mm以上)は初回から6か月後・以後変化がなければ毎年、に相当する所見(10 mm未満)は1年後を目安にMRIを追跡する1

⚠️ 紛らわしいもの

まとめ

  • が確定した後の局在診断に用いる検査であり、画像所見から内分泌診断を始めない。
  • (10 mm未満)と(10 mm以上)の境界は、局在診断の進め方そのものを左右する。
  • は正常下垂体と腺腫のタイミングの差を利用し、の検出に必須である。
  • は既存腺腫の・梗塞による内分泌救急であり、画像確定を待たず治療を優先する。
  • 健常者の一定割合に偶発的な下垂体病変が見つかるため、MRI陽性は内分泌疾患を証明しない。逆にではがしばしば写らず、MRI陰性は否定材料にならない。

出典

  1. 1.Pituitary Incidentaloma: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline(Endocrine Society・2011)剖検研究では下垂体腺腫の平均頻度が10.6%でそのほぼ全てが微小腺腫であること、頭部MRI・CT研究でも偶発的な下垂体微小病変が高頻度(MRIで10〜38%)に見つかること、下垂体偶発腫の管理はホルモン過剰・下垂体機能低下のスクリーニングと視野検査を行い、手術非適応例はマクロインシデンタローマなら6か月後・以後毎年、マイクロインシデンタローマなら1年後を目安に画像を追跡するという枠組みを確認した。閲覧 2026-08-03
  2. 2.High-resolution contrast-enhanced MRI with three-dimensional fast spin echo improved the diagnostic performance for identifying pituitary microadenomas in Cushing's syndrome(European Radiology・2023)クッシング病のACTH産生微小腺腫は従来の造影MRI(2D FSE法)では最大50%が偽陰性になりうると報告されていること、高解像度3D FSE法がこれを改善しうることを確認した。閲覧 2026-08-03