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Lab values · Published

純音聴力検査

Pure-tone audiometry

別名
標準純音聴力検査オージオグラム
臓器系
耳鼻咽喉科
科目
Otorhinolaryngology
トピック
耳鼻咽喉科 04:純音聴力検査・ティンパノメトリーと主観的・客観的聴力検査耳鼻咽喉科 03:囁語・会話音・音叉による古典的聴力検査と聴覚生理の基礎
関連疾患
成人Refsum病聴覚ニューロパチースペクトラム障害発達性言語障害

🧠 全体像:(PTA)は、とを別々に測って比較することで、難聴を「音の通り道(外耳・中耳)の問題」と「音をに変える先(内耳・)の問題」に切り分ける検査である。はで外耳から内耳までの全経路を、は乳突部ので外耳・中耳を迂回して内耳から先だけを測る。⭐ との差()こそが読み取りの核心——差があれば、両方が同程度に落ちていれば感音難聴、両方が落ちてなお差があればである。ベッドサイドのWeber・Rinne検査()は同じ・の考え方を簡便に行う補助手段であり、PTAはそれを周波数ごとに定量したものと理解するとつながりやすい。

検査の原理と実施方法

防音室で、周波数(一般に250〜8,000 Hz)ごとに聞き取れる最小の()を左右別々に測る。

  • (AC):で音を提示する。外耳道・中耳・内耳・路のすべてを通った結果を反映する。
  • (BC):乳突部に置いたで頭蓋骨を直接振動させる。外耳・中耳を迂回し、内耳から先だけを反映する。

非検耳への(音が骨を伝わって反対側の内耳に届いてしまうこと)が疑われる場合は、非検耳へ雑音を流すを行う。結果は横軸に周波数、縦軸に(dB HL、下へ行くほど難聴が強い)をとったに、・・左右・の有無を記号で描く。

判読の指標と基準

の難聴等級(2021年改訂)は、500・1000・2000・4000 Hzの4周波数平均をで判定し、次のように区分する1。

等級
正常 20 dB未満
軽度 20〜35 dB未満
中等度 35〜50 dB未満
中等度高度 50〜65 dB未満
高度 65〜80 dB未満
極高度 80〜95 dB未満
全 95 dB以上

2021年の改訂で正常の上限が26 dB HLから20 dB HLへ引き下げられ、性難聴という区分も新設された1。⚠️ 区分境界は採用する分類や年齢によって多少異なるため、報告書がどの版に基づくかを確認する。

異常パターンの意味

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='air conduction (AC)'>気導</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone conduction (BC)'>骨導</span>とも測定"] --> B{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='air conduction (AC)'>気導</span>は低下しているか"}
    B -->|"いいえ"| C["正常"]
    B -->|"はい"| D{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone conduction (BC)'>骨導</span>は保たれているか"}
    D -->|"はい(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='air-bone gap'>気骨導差</span>あり)"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='conductive hearing loss'>伝音難聴</span>"]
    D -->|"いいえ(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='air conduction (AC)'>気導</span>と同程度に低下)"| F{"それでも<span class='jp-term jp-term-diagram' title='air-bone gap'>気骨導差</span>が残るか"}
    F -->|"いいえ"| G["感音難聴"]
    F -->|"はい"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mixed hearing loss'>混合性難聴</span>"]
パターン 主な機序・原因
正常 正常 正常 なし —
低下 正常域 あり 外耳・中耳の音(耵聹塞栓、中耳炎、、など)
感音難聴 低下 同程度に低下 通常なし(わずかな差は生じうる) 内耳()またはの障害(加齢性、性、、、など)
低下 低下 あり と感音難聴の合併

⚠️ は中耳の伝音障害だけで生じるわけではない。 年齢や感音難聴の程度そのものによっても影響されるため、1つの周波数だけの小さな差での有無を決めず、周波数パターン全体・条件・や中耳の診察所見と統合して読む2。

⚠️ 実施上・判読上の注意

  • 検査である。 患者の理解と協力を要するため、新生児・乳幼児、意識障害、が疑われる例では信頼できる閾値が得られない。この場合は・などの検査で確認する。
  • を怠るとにつながる。 高度〜重度の片側性難聴では、音が骨を伝って反対側の内耳に届き、検査耳ではなくが反応してしまうことがある。適切なをかけないと、実際にはの耳が「軽度〜中等度の難聴」として記録されてしまう。
  • Weber・Rinne検査は補助であってPTAの代わりにならない。 の診断精度は難聴の程度・の当て方・検査環境によって変わり、正常所見でも難聴を除外しない3。同じ理由で、ではRinne検査が偽陰性(をの内耳が拾ってしまい、あたかものように見える)になりうる。
  • 防音室の環境雑音、機器の、検査距離・手技の標準化も結果に影響する。

次に進むべき検査 / 使い分け

  • があるのにで明らかな異常が無い、あるいはの性質をさらに絞りたいときは、中耳の圧・可動性を評価するへ進む。
  • 患者が協力できない、または結果が臨床像と合わないときは、(機能)や(〜脳幹の伝導)といった検査でクロスチェックする。
  • Weber・Rinne検査はベッドサイドでの一次スクリーニングに位置づけ、異常があれば必ずPTAで定量する。

まとめ

  • PTAは(外耳・中耳・内耳・すべて)と(内耳から先だけ)を左右別・周波数別に測り、に記録する。
  • の有無で・感音難聴・を分類する。 2021年版は4周波数平均()を正常20 dB未満から全95 dB以上まで7段階に区分する。
  • は伝音障害以外に年齢・感音難聴の程度でも動くため、単一周波数の小さな差だけで判断しない。
  • 検査であり、協力不良例では検査(・)でのクロスチェックが要る。不足は片側性難聴の見落としにつながる。
  • Weber・Rinne検査は迅速なベッドサイドスクリーニングであり、PTAの代替にはならない。

出典

  1. 1.Die WHO-Klassifikation von Hörverlusten: Ein Konsens zu einer deutschen Fassung(The WHO grades of hearing loss: A consensus on the German version)(HNO・2024)WHOの難聴等級(World Report on Hearing、2021年版)が500・1000・2000・4000 Hzの4周波数平均聴力レベルを良聴耳で判定し、正常20 dB未満・軽度20〜35 dB未満・中等度35〜50 dB未満・中等度高度50〜65 dB未満・高度65〜80 dB未満・極高度80〜95 dB未満・全聾95 dB以上に区分すること、2021年の改訂で正常の上限が26 dB HLから20 dB HLへ引き下げられ一側性難聴のカテゴリが新設されたことを確認した。閲覧 2026-08-28
  2. 2.Impact of age and sensorineural hearing loss on sound transmission to the inner ear based on analysis of air-bone gaps(Hearing Research・2026)気骨導差(air-bone gap)が中耳の伝音障害だけでなく年齢や感音難聴の程度によっても影響を受けることを確認した。閲覧 2026-08-28
  3. 3.Diagnostic Accuracy of Tuning Fork Tests for Hearing Loss: A Systematic Review(Otolaryngology–Head and Neck Surgery・2018)Weber検査・Rinne検査の診断精度は難聴の程度や検査条件によって変わり、単独の音叉検査で純音聴力検査を代替できないことを確認した。閲覧 2026-08-28