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Microbe Atlas · 真菌

Microsporum canis

犬小胞子菌

分類
皮膚糸状菌 / DermatophytesMicrosporum
科目
Medical Microbiology
トピック
5/11: Zoonotic infections (list) and their prevention4/32: Toxocara canis, T. cati
原因となる疾患
皮膚糸状菌症(白癬)
作用する薬剤
グリセオフルビン

🧠 全体像Microsporum canisの中で(ネコ・イヌが)の代表種で、ペットとの接触がそのまま感染経路になる。ヒトに適応していないため強い炎症反応を起こしやすい一方、での鮮緑色蛍光という他のどのにもない明確な診断的手がかりを持つ。

微生物学的な特徴

  • Microsporum)に属し、皮膚・毛髪を侵すが爪は侵さない(3属の守備範囲のTrichophyton rubrumのノートを参照)
  • ectothrix()感染:胞子が外側を鞘状に覆う——これがでの鮮やかな緑色蛍光の正体で、の中でも臨床的に重要な蛍光陽性種の代表
  • 培養:・厚壁で表面にを持つ(6分節以上)が特徴的。コロニー表面は白色〜黄褐色の羊毛状、裏面は黄橙色の色素を伴う

病原性の仕組み

のためがこの菌を強い異物として認識し、感染初期から著明な炎症反応を起こす。特に小児のでは、この強い免疫応答が(疼痛性の膿瘍状局面、毛包から膿が滲出する)に進展することがある。一方でこの激しい炎症は同時に菌の排除にも働くため、Trichophyton rubrumのような慢性遷延化はきたしにくい。

感染経路と疫学

  • イヌ・ネコ(特に無症候のまま保菌する子ネコが感染源として重要)で、家庭内でのペットとの接触が主要な感染経路
  • ペット飼育率の高い地域・年代層では、小児のの主要な原因菌になる
  • ヒト-ヒト間の伝播も起こりうるが、疫学の中心は動物→ヒトの伝播

小児のM. canisTrichophyton tonsuransが二大原因菌だが、感染源もも対照的である。

項目 M. canis Trichophyton tonsurans
感染源 ネコ・イヌ ヒト(・共有物)
胞子の位置 ectothrix(毛外) endothrix(毛内)
陽性(鮮緑色) 陰性
炎症 強い(になりやすい) 軽度〜中等度
典型的な集団発生 家庭内(ペット由来) 柔道・レスリング(tinea gladiatorum)

起こす疾患

病型 特徴
強い炎症を伴う脱毛斑。重症例では(疼痛性膿瘍状局面)に進展しうる
複数の局面として現れることが多い

詳細は(白癬)を参照。

診断

  • 検査で鮮緑色の蛍光——小児のでこの所見があればM. canisを強く示唆する、臨床上きわめて有用なベッドサイド検査
  • 外側を覆う胞子鞘(ectothrix)を確認する
  • 培養で・厚壁・を持つを確認し確定する

⚠️ 同じでもMicrosporum gypseumは通常で蛍光を示さない。「Microsporum属はすべて陽性」という単純化は誤りで、蛍光陽性はM. canisなど一部の種に限られる。

治療と予防

まとめ

  • M. canis代表種で、イヌ・ネコ(特に子ネコ)が
  • ヒトに適応していないため炎症反応が強く、ではに進展しうる。
  • で鮮緑色の蛍光を示す代表種——ただし同属のM. gypseumは通常蛍光陰性であり、属全体に一般化できない。
  • 治療は経口抗真菌薬に加え、感染源となるペットの評価・治療が再発予防の鍵。