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Microbe Atlas · 真菌

Trichophyton tonsurans

分類
皮膚糸状菌 / DermatophytesTrichophyton
科目
Medical Microbiology
トピック
4/5: Mycoses of the skin and its adnexes: dermatophytoses
原因となる疾患
皮膚糸状菌症(白癬)
作用する薬剤
グリセオフルビンテルビナフィン

🧠 全体像Trichophyton tonsuransは北米・日本を含む多くの地域での最多原因菌となっている種で、毛の内部に胞子を作る感染様式(endothrix)が「黒点状に折れた毛」というを生む。柔道・レスリングなど接触の多いスポーツでのが典型的な感染様式で、無症候のを介して静かに広がる。

微生物学的な特徴

  • Trichophyton)に属し、皮膚・毛髪・爪すべてを侵しうる(3属の守備範囲のTrichophyton rubrumのノートを参照)
  • :ヒト-ヒト間の直接接触や、・帽子・枕・道着・マットなど共有物を介して伝播する
  • 感染:胞子が内部に形成されるため、感染毛は皮膚表面近くで折れ、黒い点が皮膚に散在するように見える()——毛の外側を胞子が覆うMicrosporum canisとは対照的なパターン
  • 培養:コロニー表面は粉状〜ビロード状まで多様で、色調も色〜黄褐色〜赤褐色まで幅がある。表面が折り重なるように盛り上がる(heaped)ことが多く、が菌糸沿いに見られる

病原性の仕組み

のため感染初期はT. rubrumと同様に炎症が乏しいことが多いが、毛包内への深い感染という点でのような表層感染とは異なる。免疫反応が強く出た場合は毛包周囲に膿瘍性の炎症()を来し、続発性の細菌感染を合併することもある。

  • 内部で胞子が増殖 → 毛がして皮膚表面近くで折れる → 黒点状の脱毛斑として顕在化
  • 病変から離れた部位に、菌体を含まない免疫反応性の丘疹・小水疱()が生じることもある

感染経路と疫学

  • 小児のの最多原因菌(米国・英国など)で、者(・帽子・枕などの共有)が感染源として重要
  • 柔道・レスリングでの:組み合う競技特有のに加え、共有マット・防具を介した伝播で選手間に急速に広がる
  • 家庭内・保育施設・学校での接触伝播も多く、感染力が強いためのスクリーニングが重要になる

起こす疾患

病型 特徴
endothrix型の。強い炎症では(疼痛性膿瘍状局面)に進展しうる
(レスラーの皮膚病変) 格闘競技での直接接触により生じる(tinea corporis gladiatorum)

詳細は(白癬)を参照。

診断

  • 抜毛・折れた毛と鱗屑をし、毛内部のを確認する
  • 蛍光陰性——Microsporum canisなど蛍光陽性のMicrosporumとの重要な鑑別点で、小児のでこの2菌を見分ける実践的な手がかりになる
  • 集団発生のには培養によるが重要(同一菌種によるかの確認)

治療と予防

まとめ

  • T. tonsurans種で、多くの地域での最多原因菌
  • 感染により黒点状に折れた毛を作り、Microsporumとは所見(陰性)で鑑別できる。
  • 柔道・レスリングでのが典型的な感染様式で、スクリーニングと共有物の管理が対策の柱。
  • は外用単独では無効で、経口抗真菌薬が必須。