Gynecology

Gynecology · 30

尿失禁

Urinary incontinence

前提:正常
膀胱の機能と排尿の調節骨盤・会陰:神経
疾患
尿失禁排尿筋低活動
症状
失禁切迫性尿失禁腹圧性尿失禁

🧠 全体像:尿失禁は「どの状況で漏れるか」と「膀胱が空にできているか」で分類する。咳で漏れる腹圧性、強い尿意とともに漏れる切迫性、が多いを区別し、全例で尿検査と基本評価を行ってから治療する。

分類と機序

機序 典型像
または内因性不全 咳、くしゃみ、運動、挙上で尿意なく漏れる 通常少ない
を含む 、頻尿、に伴って漏れる 通常少ない
SUIとUUIの併存 腹圧時と切迫時の両方で漏れる 病態による
またはによる 、持続性 多い
など 昼夜を問わず持続的に漏れる 病態による
flowchart TD
    A["尿失禁"] --> B["咳・運動で漏れる"]
    A --> C["強い尿意とともに漏れる"]
    A --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='decreased urinary stream'>尿勢低下</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='voiding difficulty'>排尿困難</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dribbling'>滴下</span>"]
    A --> E["昼夜持続して漏れる"]
    B --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='stress urinary incontinence, SUI'>腹圧性尿失禁</span>"]
    C --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='urgency urinary incontinence, UUI'>切迫性尿失禁</span>/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='overactive bladder'>過活動膀胱</span>"]
    D --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='post-void residual measurement'>残尿測定</span><br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='overflow'>溢流性</span>を評価"]
    E --> I["瘻孔・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ectopic ureter'>異所性尿管</span>を評価"]

基本評価

  1. 発症時期、誘発状況、尿意、頻尿、夜間尿、、薬剤、分娩・骨盤を確認する。
  2. 3日程度ので頻度・量・漏れを記録する。
  3. 腹部・下のを行う。
  4. 尿検査で感染・血尿・糖尿を確認し、を超音波またはで測る。
  5. 診断不明、手術前の複雑例、、著明な、既治療不成功ではを選択する。

⚠️ Q-tipテストや一律のは、単純な初期評価で必須ではない。の「正常値」は状況により異なり、単一の固定値だけで判断しない。

腹圧性尿失禁

骨盤底支持が失われると腹圧が膀胱と近位尿道へ等しく伝わらず、膀胱内圧が尿道閉鎖圧を上回って漏れる。

治療

  • 体重管理、便秘・慢性咳嗽の治療、を第一選択とする。
  • または尿失禁用支持具を選択できる。
  • 手術はなどから選ぶ。
  • 局所腟エストロゲンはの症状に有用だが、全身性エストロゲンはSUIに用いない

切迫性尿失禁・過活動膀胱(UUI/OAB)

治療の考え方(2024年AUA/SUFU改訂)

2024年のAUA/SUFUガイドライン改訂は、行動療法→薬物療法→第三選択治療という一律のを明確に退けた。エビデンスは厳格な段階的進行を支持しておらず、患者の希望・副作用への耐性に応じて治療を選ぶ、による「メニュー方式」が現行の枠組みである。

  • 行動療法(水分・調整、体重管理、、時間排尿、)は全例に提案する。
  • 薬物療法は(oxybutynin、tolterodineなど)と(mirabegron、vibegron)のどちらを優先すべきかという明確な序列は設けられておらず、、便秘、緑内障、血圧などの患者背景で選ぶ。では認知症のリスクを患者と話し合う。
  • 膀胱注射、などの第三選択治療は、薬物療法が不十分・の場合に検討するだけでなく、のもとで行動療法・薬物療法を経ずに早期から提示することもできる。

溢流性・持続性尿失禁

  • では閉塞、、脊髄疾患、薬剤、術後状態を評価し、を基本に原因を治療する。
  • 長期は感染・結石などの合併症があるため、他の方法が困難な場合に限定する。
  • 瘻孔が疑われるでは色素試験、、画像検査で交通を確認し、時期を選んで手術修復する。

⚠️ 偽は、女性尿失禁の標準的第一選択ではない。は一部地域でSUIに用いられるが、副作用と中止症状を考慮し、手術を望まない選択例に限られる。

まとめ

  • 咳で漏れるSUI、尿意とともに漏れるUUI、を伴うを症状とPVRで区別する。
  • 初期評価は病歴・・診察・尿検査・が中心である。
  • SUIはと支持・手術、UUIは行動療法から薬物、・神経調節へ段階的に治療する。