Pediatrics

Pediatrics · 07

新生児呼吸適応障害と肺疾患

Neonatal respiratory adaptation disorders and lung disease

前提:正常
肺胞の表面張力とコンプライアンス呼吸器系:喉頭・気管・気管支・肺心血管系:胎児循環
疾患
新生児呼吸窮迫症候群胎便吸引症候群

🧠 全体像:新生児の急性はいずれも「頻呼吸・努力呼吸・チアノーゼ」という共通の臨床像を呈するため、発症のタイミング・在胎週数・危険因子・胸部X線所見の組み合わせで鑑別する。肺高血圧、感染(先天性肺炎)、哺乳関連誤嚥という6つの機序を区別することが診断の軸になる。

新生児呼吸窮迫症候群

による肺疾患で、在胎週数が低いほど発症頻度が高く、特に児に多い

  • 病態:サーファクタント産生・分泌障害→肺胞上昇→呼気終末の低下→低酸素血症±→炎症・
  • 危険因子:早産、母体糖尿病(胎児→サーファクタント)、陣痛発来前の帝王切開、など。は別機序のであり、重要な鑑別となる。
  • 症状:頻呼吸、チアノーゼ、努力呼吸増強(、肋骨下・肋間・頸静脈の)、生後4時間以内の
  • 診断:胸部X線で両側性の低下(所見)。SpO₂モニタリングと血液ガス分析。
  • 治療
    • 自発呼吸がある早産児ではを第一選択とし、必要時に酸素をし、呼吸不全なら挿管・へ進む。酸素投与中の児ではSpO₂を概ね90〜94%(警報89〜95%)に保つ目標が提案されるが、在胎週数・病態・施設プロトコルで調整する。「新生児は約90%が生理的」「100%なら即中毒」という表現では判断しない。
    • CPAP下でもが増えるRDSには、早期救済サーファクタント(可能なら低侵襲投与)を検討する。全例への出生後2時間以内の一律投与ではない。
    • 肺炎・敗血症を臨床的に否定できない場合は培養採取後に経験的抗菌薬を開始し、経過・培養・炎症所見で早期に再評価する。
    • 栄養:状態安定までは輸液、その後最小量からを開始し漸増(不安定な場合は生後24〜48時間以降に)。
  • 合併症:未熟な肺発達を背景に、酸素曝露、、炎症などが重なるとを生じうる。
  • 予防:早産リスクが高い妊婦には、予測される分娩時期と在胎週数に応じて/)の1コースを投与する。は最終投与後24時間〜7日だが、分娩まで48時間確保できなくても適応があれば開始する。

急性新生児呼吸器疾患(いずれも呼吸窮迫の徴候を呈する)

疾患 発症時期 病態・危険因子 胸部X線所見 治療
(湿性肺) 出生直後〜生後数時間 肺液クリアランスの遅延→間質・肺胞内水分増加。陣痛前帝王切開、早産、母体喘息/糖尿病、男児、がリスク 周囲、葉間胸水、増加 酸素・CPAPなどの支持療法。抗菌薬は感染を否定できない場合に限る
出生時から 子宮内または分娩時の→気道閉塞、化学性肺炎、サーファクタント不活化。がリスク 全体的な+斑状の虚脱/浸潤影±air leak 必要に応じ、重症例でサーファクタント・HFOV、PPHNには吸入NO、治療抵抗性低酸素血症ではECMO。抗菌薬は感染が疑われる場合
出生直後 胎児循環から新生児循環への移行不全→の持続的上昇→低下。肺、低形成、可逆性、心筋機能不全を伴う。胎児低酸素血症、、MASがリスク (心エコーで肺高血圧を確認) 支持療法+持続的、重症例で吸入NO、最終手段としてECMO
先天性肺炎 出生直後〜生後早期 GBS、大腸菌など。長時間破水、母体発熱・子宮内感染がリスク 斑状陰影・浸潤影(RDSと鑑別困難なことがある) 培養採取後、地域のプロトコルに基づく経験的抗菌薬+呼吸循環支持
ミルク誤嚥 哺乳中・哺乳後 嚥下協調不全(早産児、)、上気道/食道疾患(など)が原因。突然のむせこみ・呼吸窮迫を呈する 哺乳を中止して呼吸状態を評価し、反復例では嚥下・解剖学的原因を検索。抗菌薬は細菌性肺炎が疑われる場合に限る

⚠️ 胎便染色羊水だけを理由にルーチンの口鼻・は行わない。非活発児では通常の初期処置後、無呼吸・または心拍100回/分未満ならを遅らせない。換気しても胸郭挙上や心拍上昇が得られず気道閉塞が疑われる場合に、喉頭展開・を検討する。

まとめ

  • による早産児の肺疾患で、母体ステロイドと出生後の人工サーファクタント投与が治療の柱である。
  • TTN・MAS・PPHN・先天性肺炎・ミルク誤嚥はいずれも頻呼吸・努力呼吸を呈するが、発症時期・危険因子・胸部X線所見で鑑別する。
  • 酸素はし、児では過剰酸素と低酸素の双方を避けて目標域を維持する。
  • 胎便染色羊水でもルーチン吸引はせず、非活発児では有効な換気を優先する。