外科学

外科学 · B/25

悪性乳腺腫瘍(症状・診断・治療)

Malignant breast tumors (symptoms, diagnosis, treatment)

前提:病態
乳腺の悪性腫瘍癌のグレード分類と病期分類
前提:正常
胸筋部と乳房
疾患
乳頭Paget病
症状
乳頭陥凹乳頭分泌
画像所見
マンモグラフィ石灰化

ポッドキャスト

🧠 乳癌は病変と浸潤病変に大別されるが、から浸潤癌への進展は一様ではなく非必発的。 診断は(診察+画像+)で進め、B/24で述べた診断アルゴリズムが土台になる。治療は局所治療と、受容体・に基づく全身治療を組み合わせる。1

⚠️ 本トピックで版に依存する箇所は3つある——・腋窩手術・断端の定義。 いずれも「昔はこうだった」が今も教科書や古い資料に残りやすい場所である。①分類は第何版かを言わずにT・N区分を覚えない(乳癌の現行版は第8版で、MXという区分はもう無い)、②腋窩は「センチネル陽性=全例郭清」ではない、③は「何mm離す」ではなく、しかも浸潤癌とで基準が違う。各節で現行の定義と旧い書き方を並べて示す。

1. 非浸潤癌

乳管癌in situ

  • 内細胞の悪性増殖で、基底膜への浸潤を伴わない。
  • 基底膜を越えず、を越えて周囲の正常乳腺組織へも広がっていないため「」。
  • しばしばー上のとして発見される。触知腫瘤を伴わないことが多いが、画像上は腫瘤・非腫瘤性病変として評価されることもある。1
  • によりcomedo型・型・型・型に亜分類。

乳房Paget病:

  • 基礎にあるがを上行し乳頭の皮膚に及んだもの。
  • 乳頭のと紅斑として発症。
  • ほぼ必ず基礎にを伴う。

⚠️ 乳頭の・をみたら、まずPaget病(=基礎にまたは浸潤癌がある)を疑う。 単なる皮膚炎とされやすいため注意。

小葉癌in situ

  • 小葉内細胞の悪性増殖で、基底膜への浸潤を伴わない。
  • 腫瘤も石灰化も形成しない——通常は生検で偶発的に発見される。
  • 浸潤癌へ必ず進むわけではない(非必須の)であると同時に、将来の乳癌発症リスクの指標でもある不均一な病変とされる。LCIS診断後に生じた乳癌は同側63%・対側25%・両側12%で、病変のある側に多い。2
  • ⭐ この位置づけはにも反映されている。第8版は小葉癌in situを「良性の病態」としてから除外したため、LCISにTisは付かない(Tisに入るのはと、実質病変を伴わないだけ)3。「」という見出しの下に並んでいても、とLCISは扱いが同じではない。
  • 治療:

⭐ は浸潤癌の非必発的で、LCISは主に将来の乳癌リスクを示す病変として扱う。 いずれも一律の直線的進展モデルでは捉えない。第8版ではだけがTisとしてに残り、LCISはの枠外に置かれている。

2. 浸潤性乳管癌

  • 構造を形成する浸潤癌。
  • 乳癌における浸潤癌の中で最多の型。
  • 硬い腫瘤として触知されうるが、無症候性スクリーニングでとして発見されることも多い。
  • ⭐ 検出法によって「見つかる大きさ」が違う。 古くから使われる目安では、触診で見つかる腫瘤は通常2 cmを超え、ーで見つかる腫瘤は通常1 cmを超える。数値そのものより、検出の閾値が触診>画像の順に大きいという順序が本質で、検診で発見される病変がこれより小さいのもそのためである。進行すると皮膚の陥凹やを伴う。
  • 生検で浸潤癌を確認する。特殊型として・があり、いずれも予後は比較的良好とされる。⚠️ 講義が同じ並びで挙げるは現行の分類では独立した組織型ではなく、にいたっては組織亜型ではなく臨床病型である——この2つを「構造を示す亜型」の列に並べない(分類の現状は乳腺の悪性腫瘍)。
  • 診断: 、ー、超音波、、生検。
  • 局所治療: 手術(乳房部分切除術、)、腋窩の病期評価(を基本とし、必要な症例で)、放射線療法。
  • 全身治療: 化学療法、、。

3. 症状

新規の腫瘤・しこり(有痛性、軟性、または円形)、乳房の一部/全体の腫脹(明確な腫瘤を触れなくても)、皮膚刺激/陥凹、乳房/乳頭痛、(内方陥入)、乳頭/乳房皮膚の発赤・鱗屑・肥厚、(母乳以外の)乳頭分泌。

4. 診断

悪性を疑う所見

35歳超、家族歴陽性、不整な辺縁を持つ硬く可動性のない腫瘤、皮膚変化。

乳癌患者の代表的な3つの受診経路

  1. 無症候性スクリーニングでの異常所見
  2. 患者自身が気づいた乳房腫瘤、乳頭分泌
  3. 明らかな癌の徴候・症状——局所(、リンパ節腫大)または転移性病変としての発症

“Triple diagnosis”(三重診断)アルゴリズム

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='triple assessment'>トリプルアセスメント</span>"]
  A --> B["①<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Anamnesis'>病歴聴取</span>+乳房診察"]
  B --> C["②<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mammography'>マンモグラフィ</span>ー+超音波<br>必要に応じて<span class='jp-term jp-term-diagram' title='magnetic resonance imaging'>MRI</span>"]
  C --> D["③<span class='jp-term jp-term-diagram' title='histology'>組織診</span><br>通常は<span class='jp-term jp-term-diagram' title='core needle biopsy'>コア針生検</span>"]
  1. +乳房診察
  2. 画像診断(ー+超音波、必要に応じて)
  3. (通常は)

⭐ は乳腺腫瘤診断の骨格——診察+画像+を統合する。 B/24で述べた→触診→画像→生検と共通する。4

転移の徴候

呼吸困難、、、腹部膨満、黄疸、異常。

病期分類

  • 病期評価は局所進展、腋窩病変、遠隔転移の疑いに応じて画像検査を選択する
  • 転移は病期と予後を規定し、腋窩病期評価と全身治療方針に影響する

⚠️ 古い教科書は「乳癌と診断したら・肝機能検査・胸部X線から始め、腹部超音波とーを加える」という定型の検査セットを示す。 転移があれば遠隔部にもが潜んでいる、という考え方が背景にある。現在はこの定型セットを全例に当てない——無症候の早期乳癌に全身の病期検索を一律に行う価値は乏しく、検査は局所の進展範囲・腋窩の所見・遠隔転移を疑う症状や検査異常に応じて選ぶ。定型セットは「何を調べるか」の候補一覧として覚え、「全例に行う手順」としては覚えない。

分類(第8版): 乳癌は版が上がるたびに区分の中身が変わるため、どの版かを言わずにT・N区分を覚えない。は臓器別にVersion 9へ順次移行しているが、Version 9が公開された部位の一覧に乳房は含まれておらず、自身が「第8版のはVersion 9に置き換えられるまで現行である」と述べている——つまり乳癌の現行版は第8版(2017年刊行)である5。以下は第8版の定義である3。

分類 定義
TX を評価できない
T0 を認めない
()。実質に浸潤癌もも伴わないは(Paget)
T1 最大径20 mm以下(T1mi=1 mm以下の微小浸潤、T1a/T1b/T1cに細分)
T2 最大径20 mm超50 mm以下
T3 最大径50 mm超
T4 大きさを問わず胸壁および/または皮膚へ(または肉眼的結節)。真皮内浸潤だけではT4にしない。T4a=胸壁、T4b=潰瘍・衛星結節・浮腫、T4c=両者、T4d=
cN1 可動性のある同側レベルI・II腋窩リンパ節転移
cN2 同側レベルI・IIが固定または癒合(cN2a)/腋窩転移を伴わない同側転移(cN2b)
cN3 同側下(レベルIII腋窩)(cN3a)/レベルI・II腋窩転移を伴う同側(cN3b)/同側(cN3c)
M0 遠隔転移の臨床的・画像的所見がない(cM0の判定に画像検査は必須ではない)
cM0(i+) 臨床的・画像的な遠隔転移はないが、循環血液・骨髄・所属節組織に0.2 mm以下の腫瘍細胞を顕微鏡的または分子的に検出
M1 遠隔転移あり(cM1=臨床・画像で検出、pM1=組織学的に証明)

⚠️ 次の3つは、古い模式図や旧版由来の資料に今も残っている書き方で、いずれも現行版と食い違う。 見かけたら第8版の定義に置き換えて覚え直す。

旧版由来の書き方 第8版 なぜ問題か
T1 <2cm / T2 2〜5cm T1は20 mm以下、T2は20 mm超50 mm以下 「未満」と「以下」の取り違えで、ちょうど20 mmの腫瘍がT1とT2の両方に読める(50 mmでも同じ)
N3 = 同側内胸リンパ節転移 腋窩転移を伴わないはcN2b。cN3になるのは下・、または腋窩転移を伴う内胸 一段階分の病期がずれる。だけを見てN3と判定すると過大評価になる
MX = 転移が疑われるが未確定 MXという区分は第8版に存在しない。 M0・cM0(i+)・cM1・pM1の4つ 「調べていないからMX」という逃げ道は無く、臨床的・画像的に転移の所見がなければM0(画像検査を行っていなくてもよい)

⭐ の扱いにも版の動きがある。 第8版でに入るのはDCISと実質病変を伴わないだけで、小葉癌in situは「良性の病態」としてから外された3。LCISを「必ずしも浸潤癌へ進まないであり、同時に将来の乳癌リスクの指標でもある病変」として扱う(§1)のは、この整理と揃っている。

解剖学的病期群と予後病期群

⭐ 第8版の乳癌で最も大きい変更は、解剖学的な広がりだけで病期を決めるのをやめたことである。 改訂にあたった多職種パネルは、腫瘍グレード・・ER/PR発現・発現・遺伝子発現に基づく予後パネルという生物学的因子をへ組み込む必要を認め、世界的な通用性を保つため基盤は解剖学的に据えたまま、グレード・・増幅をへ組み入れた。Oncotype DX再発スコアが低い症例では病期が変わりうる6。

浸潤癌の表は3つある3。

使う場面
解剖学的 グレードやER/PR・の検査がに利用できない地域で用いる。T・N・Mだけで決まる
臨床群 病歴・診察・画像・生検に基づく臨床のT・N・Mに、グレードとER・PR・を加えて決める。を先行させた症例は臨床と治療反応を記録し、病理は付けない
病理群 手術を初回治療とし、病理学的なT・N情報が得られた症例に用いる

💡 同じT・N・Mでも、生物学的因子によってが動く。 T2 N0 M0は解剖学的ではIIAだが、臨床群ではG1でER・PRとも陽性ならIBへ下がり、G3で・ER・PRがいずれも陰性ならIIBへ上がる3。「病期=腫瘍の大きさとリンパ節」という理解のままだと、同じ解剖学的病期の患者で治療の重みが違う理由が説明できない。という解剖学的な枠組みに分子情報が組み込まれた代表例である。

5. 治療

内科的治療

  • 非に使用——手術後の全身性再発リスクを低減するとして。
  • 局所進行例や手術前縮小を要する症例では術前全身治療としても用いられる。
  • 高齢者や手術に耐えられない患者では、全身治療(主に)が手術に代わる主たる治療になりうる。 ・とは位置づけが違い、ここでは手術の前後ではなく手術の代わりに置かれる。
  • : 乳癌に対してSERMs、SERDs、などを用いる
  • 化学療法: 古典的にはリンパ節陽性・若年といった高リスク因子を目安に適応を判断してきた。現在はこれに加えて腫瘍(とくに・陽性)と多の結果を組み合わせて判断する
  • : ER/PR/などのに基づいて選択する7
  • 放射線療法: 、の疼痛緩和

⭐ 全身治療は「病期で決まる」のではなく「病期との2軸で決まる」。 上の群がグレードとER・PR・を取り込んでいるのと同じ理由で、どの薬が効くかは受容体・の状態が決める。

生物学的 全身治療の軸
/陰性 が基本。化学療法のは病期・グレード・リンパ節・多・閉経状況で判断する
陽性 を軸に化学療法を組み合わせる
が中心。高リスク早期ではを含む枠組みが用いられる

⚠️ 個々のレジメン・薬剤の承認内容は国(・日本・米国)で一致するとは限らないので、薬剤名と適応を「世界共通」として覚えない。 薬剤別・国別の詳細は乳癌と外科学S-32:乳癌の診断と治療で扱う。

乳房の手術

術式 適応
腫瘍をで切除でき、を保てる場合。原則として術後のと一体で行う
(完全切除) 腫瘍と乳房のサイズ比から温存が難しい場合、広範な石灰化・多中心性病変、放射線療法が行えない場合、再発例、患者の希望
乳房全体(皮膚・・乳頭を含む)の切除にレベルI・IIのを加え、・を温存する術式3

⚠️ 「」はを含む術式名である。 乳房だけを取ってで腋窩の病期を見る術式は、この名前では呼ばない(単純+にあたる)。名前が指す範囲を取り違えると、腋窩をどこまで触ったかが伝わらなくなる。

断端の定義

⭐ 「」の定義は、浸潤癌とで違う。 ここを一つにまとめると、片方で過剰な再切除を、もう片方で不十分な切除を招く。

病変 十分な断端の基準 根拠
浸潤癌(病期I・II) 腫瘍にインクがかからないこと(no ink on tumor) で足り、それより広い断端を取っても同側乳房内再発率はさらに低下しない 断端幅と同側乳房内再発の関係を調べた33研究28,162例のに基づく多職種コンセンサス8
() 2 mm。これより狭いでは同側乳房内再発が増え、2 mmより広く取っても有意に減らない 20研究7,883例の系統的レビューとに基づく多職種コンセンサス9

⚠️ で断端が2 mm未満だったこと自体は、乳房切除の適応にはならない。 再切除の要否は、同側乳房内再発に影響する他の因子を考慮して臨床的に判断する9。逆に浸潤癌では「何cm離す」という固定の切除幅を基準にするのは現行の考え方ではない。

腋窩の手術

  • が、における腋窩病期評価の初回標準手技である。より合併症(・上肢機能障害)が少ない3
  • ⚠️ 「が陽性なら全例で」は現行の考え方ではない。 ACOSOG Z0011試験は、臨床T1またはT2のでが触知されず、1〜2個に転移がある891例を、を追加する群としない群に無作為に割り付けた。全例が乳房部分切除・接線照射による・術後を予定しており(第3のは禁止)、観察9.3年での10年全生存率は郭清単独86.3%・83.6%で(0.85、P=0.02)、10年も80.2%対78.2%だった。著者らはこの集団でをに行うことを支持しないとしている10
  • ⚠️ このを「センチネル陽性なら郭清は要らない」と一般化しない。 上の組入れ基準(cT1-2・腋窩非触知・陽性センチネル1〜2個)と、全例が乳房温存++を受けたという治療の前提の外では、試験のはそのまま当てはまらない。広範な腋窩病変や固定した腋窩病変ではまたは照射を個別に検討する
  • 腋窩病期評価をどこまで行うかは縮小の方向にあり、より新しい枠組みは外科学S-32:乳癌の診断と治療と乳癌ノートで扱う

💡 局所治療(手術・放射線)と全身治療(化学・ホルモン・)は「腫瘍そのものを取り除く/縮小させる」ことと「目に見えないを制御する」ことという異なる役割を担う。 転移陽性は後者(全身治療の必要性)を強く示唆する所見として位置づけられる。だからこそ、腋窩を「治療」するために郭清を足すことと、腋窩の情報を得るために病期評価をすることは、分けて考える必要がある——Z0011が示したのは、と照射が行われる前提では、郭清を足しても生存が変わらなかったということである。

まとめ

  • 乳癌は病変と浸潤癌に大別されるが、から浸潤癌への進展は非必発的で、LCISは主に将来リスクを示す病変として扱う。第8版はだけをTisとしてに残し、LCISをから外している。
  • 診断は(診察+画像+)を基本骨格とする。
  • は分類で行うが、版を言わずにT・N区分を覚えない。乳癌の現行版は第8版で、T1は20 mm以下・T2は20 mm超50 mm以下、腋窩転移を伴わないはcN2b(cN3ではない)、MXという区分は存在しない。第8版はさらに、グレードとER・PR・を組み込んだ群を解剖学的とは別に設けている。
  • 転移は病期・予後・全身治療方針に影響する。腋窩病期評価はが初回標準で、cT1-2・腋窩非触知・センチネル1〜2個陽性で乳房温存++を受ける集団ではを省略できる(Z0011)。「センチネル陽性なら全例郭清」ではない。
  • 乳房温存の断端の基準は病変で違い、浸潤癌は「腫瘍にインクがかからないこと(no ink on tumor)」、は2 mmである。固定の切除幅を一律に当てはめない。
  • 治療は局所治療(手術・放射線)と全身治療(化学療法・・)を組み合わせ、全身治療は病期と(HR・)の2軸で選ぶ。LCISに対するのようにリスク低減目的の薬物療法も存在する。

との対比・共通の診断アルゴリズムはB/24: を参照。

出典

  1. 1.Ductal Carcinoma in Situ: State-of-the-Art Review(Radiology・2022)DCISは浸潤癌への非必発的前駆病変で、画像所見と進展が一様でないこと閲覧 2026-08-09
  2. 2.Lobular Carcinoma in Situ: A 29-Year Longitudinal Experience Evaluating Clinicopathologic Features and Breast Cancer Risk(Journal of Clinical Oncology・2015)抄録と全文(PMC4934644、Wayback保存版)で、同時性乳癌のないLCIS 1,060例(経過観察1,004例、うち化学予防173例)を中央値81か月追跡し150例に168の乳癌が発生したこと(同側63%・対側25%・両側12%)、乳癌の年間発生率は約2%、10年累積リスクは化学予防なし21%・あり7%(化学予防のハザード比0.27)であったこと、考察でLCISを「非必須の前駆病変であると同時に高リスクの指標でもある不均一な病変」と位置づけていることを確認した。閲覧 2026-09-24
  3. 3.Breast Cancer Treatment (PDQ®)–Health Professional Version(National Cancer Institute (PDQ)・2025)2025年4月25日更新版の全文で、AJCC第8版の乳癌T・N・M定義がAJCCの許諾を得て転載されており、TはTX・T0・Tis(DCIS)・Tis(Paget)・T1(20mm以下)・T2(20mm超50mm以下)・T3(50mm超)・T4(大きさを問わず胸壁または皮膚への直接浸潤。T4dが炎症性乳癌)であること、cN1が可動性の同側レベルI・II腋窩リンパ節、cN2が固定・癒合した同側レベルI・II腋窩または腋窩転移を伴わない同側内胸リンパ節(cN2b)、cN3が同側鎖骨下(レベルIII腋窩)・レベルI/II腋窩転移を伴う同側内胸・同側鎖骨上であること、M区分がM0・cM0(i+)・cM1・pM1でMXが置かれていないこと、小葉癌in situが良性の病態としてAJCC第8版のTNM病期分類から除外されたこと、侵襲癌の病期群表が解剖学的病期群・臨床予後病期群・病理予後病期群の3つであること、胸筋温存乳房切除術が乳房全摘とレベルI・IIの腋窩郭清であること、センチネルリンパ節生検が浸潤性乳癌における腋窩病期評価の初回標準手技であること、限られたセンチネル陽性例では腋窩郭清が不要であることを確認した。閲覧 2026-09-21
  4. 4.Overview of Breast Cancer Therapy(PET Clinics・2018)乳癌のトリプルアセスメント、乳房温存、腋窩病期評価、術前・術後全身治療閲覧 2026-08-09
  5. 5.AJCC Version 9 Cancer Staging System(American College of Surgeons(AJCC)・2026)掲載ページを取得して確認した。逐語で「All disease sites in the 8th Edition Cancer Staging Manual remain current until replaced with Version 9.」「Updated Version 9 disease sites go into effect on January 1 following their release.」とある。同ページが年別に掲げる Version 9 プロトコルの一覧は、2026年が Salivary Glands(唾液腺)と Oropharynx (HPV-Associated)(HPV関連中咽頭)、2025年が Lung(肺)・Thymus(胸腺)・Diffuse Pleural Mesothelioma(びまん性胸膜中皮腫)・Nasopharynx(上咽頭)、2024年が NET Appendix・NET Colon and Rectum・NET Duodenum and Ampulla of Vater・NET Jejunum and Ileum・NET Pancreas・NET Stomach の神経内分泌腫瘍6部位と Vulva(外陰)、2023年が Appendix(虫垂)・Anus(肛門)・Brain & Spinal Cord(脳脊髄)、2021年が Cervix Uteri(子宮頸部)である。ここに挙がっていない部位(乳房、食道および食道胃接合部、皮膚黒色腫を含む)は第8版が現行版である。閲覧 2026-09-21
  6. 6.Breast Cancer-Major changes in the American Joint Committee on Cancer eighth edition cancer staging manual(CA: A Cancer Journal for Clinicians(American Joint Committee on Cancer)・2017)抄録で、AJCC第8版の乳癌TNM改訂を担った多職種パネルが、腫瘍グレード・増殖能・ER/PR発現・HER2発現・遺伝子発現に基づく予後パネルという生物学的因子を病期分類へ組み込む必要を認めたこと、世界的な通用性を保つため病期分類は解剖学的TNMを基盤に据えたままとしつつ、グレード・ホルモン受容体・HER2増幅の予後への影響からそれらの病期分類への組み入れが必須とされたこと、腫瘍バイオマーカーとOncotype DX再発スコアが低い場合には予後と病期が変わりうることを確認した。全文は未取得。閲覧 2026-09-21
  7. 7.Targeted and cytotoxic inhibitors used in the treatment of breast cancer(Pharmacological Research・2024)受容体・分子プロファイルに応じた内分泌療法、分子標的療法、化学療法の選択閲覧 2026-08-09
  8. 8.Society of Surgical Oncology-American Society for Radiation Oncology consensus guideline on margins for breast-conserving surgery with whole-breast irradiation in stages I and II invasive breast cancer(Society of Surgical Oncology / American Society for Radiation Oncology・2014)断端幅と同側乳房内再発の関係を検討した33研究28,162例のメタ解析に基づく多職種コンセンサスで、浸潤癌に対する十分な断端の基準は「腫瘍にインクがかからないこと(no ink on tumor)」で足り、それより広い断端を取っても同側乳房内再発率はさらに低下しないこと。本実行では原文を直接取得できておらず、内容は本コーパスの既存エントリとNCIのPDQ要約の記述で照合した。⚠️ 本文書は Ann Surg Oncol 21巻3号704-716頁(10.1245/s10434-014-3481-4)・Int J Radiat Oncol Biol Phys 88巻3号553-564頁(10.1016/j.ijrobp.2013.11.012)・J Clin Oncol 32巻14号1507-1515頁(10.1200/JCO.2013.53.3935)の3誌へ併載されており、Crossrefで3件とも題名が逐語一致・著者12名が同一・参考文献71〜72件であることを確認した。DOIが3つあるのは別文書だからではないので、DOIでgrepするときは3つとも引く。本コーパスのidは `moran-ijrobp-ssoastro-margins-2014` に統一した。閲覧 2026-09-21
  9. 9.Society of Surgical Oncology-American Society for Radiation Oncology-American Society of Clinical Oncology Consensus Guideline on Margins for Breast-Conserving Surgery With Whole-Breast Irradiation in Ductal Carcinoma In Situ(Society of Surgical Oncology / American Society for Radiation Oncology / American Society of Clinical Oncology・2016)抄録で、乳房温存手術と全乳房照射を受けた非浸潤性乳管癌について、20研究7,883例の系統的レビューとメタ解析を根拠とした多職種コンセンサスが、陰性断端は「非浸潤性乳管癌にインクがかかる」と定義される陽性断端に比べ同側乳房内再発を半減させること、2 mmの断端がそれより狭い陰性断端に比べ同側乳房内再発を最小化すること、2 mmより広い断端は2 mmに比べ同側乳房内再発を有意に減らさないこと、2 mm未満の陰性断端であることだけでは乳房切除の適応にならず再切除の要否は同側乳房内再発に影響する因子を考慮して臨床的に判断すべきことを述べていることを確認した。全文は未取得。閲覧 2026-09-21
  10. 10.Effect of Axillary Dissection vs No Axillary Dissection on 10-Year Overall Survival Among Women With Invasive Breast Cancer and Sentinel Node Metastasis: The ACOSOG Z0011 (Alliance) Randomized Clinical Trial(JAMA・2017)抄録で、組入れ基準が臨床T1またはT2の浸潤性乳癌・腋窩リンパ節が触知されない・センチネルリンパ節1〜2個に転移あり、かつ全例が乳房部分切除と接線照射による全乳房照射と術後全身療法を予定していた(第3の照射野は禁止)891例の第3相無作為化試験で、観察期間中央値9.3年の10年全生存率がセンチネルリンパ節郭清単独群86.3%・腋窩郭清群83.6%(ハザード比0.85、非劣性P=0.02)、10年無病生存率が80.2%対78.2%であり、この集団では腋窩郭清の定型的実施を支持しないと結論されたことを確認した。全文は未取得。閲覧 2026-09-21