Urology

Urology · N-03

腎盂・尿管腫瘍

Tumors of the pyelon and ureter

前提:病態
膀胱・尿路上皮系の腫瘍
前提:正常
泌尿生殖器系:泌尿器系

🧠 全体像:腎盂・尿管腫瘍(上部:upper tract urothelial carcinoma, UTUC)は、腎盂から尿管、膀胱、尿道までを覆う「」から発生する腫瘍であり、と同じを共有する。この共通の胎生のため、上部はしばしばを合併する。診断は非侵襲的画像から段階的に侵襲的な検査へ進める。

疫学

  • 腎盂腫瘍は全の10%、全腫瘍の5%を占める。
  • 尿管腫瘍は腎盂腫瘍よりもさらにまれ。
  • 好発年齢は70〜90歳。
  • 遺伝性疾患との関連:

病因・危険因子

  • ・腎盂の粘膜、および尿管・膀胱・尿道の粘膜はすべて同じ胎生を持ち、これらを覆う表層上皮を「」と呼ぶ。
  • この共通起源は、患者管理上重要な意味を持つ(一箇所に腫瘍があれば尿路全体を評価する必要がある)。
  • 危険因子:喫煙、曝露、飲料水中の高濃度

💡 は腎盂から尿道までひと続きの「同じ土壌」であるため、上部の既往がある患者は膀胱内再発のリスクが高く、逆にの患者は上部尿路への進展・多発を念頭に置いてフォローする必要がある。

症状

  • 血尿、な腫瘤、水腎症(尿路閉塞による)。

診断

flowchart TD
    A["血尿・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lumbar region (flank)'>側腹部</span>痛などで受診"] --> B["超音波(US)"]
    B --> C["造影CT"]
    C --> D{"腎機能が悪くCT造影が使えないか"}
    D -->|"はい"| E["MRI"]
    D -->|"いいえ"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cystoscopy'>膀胱鏡検査</span>"]
    E --> F
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='urine cytology'>尿細胞診</span>"]
    G --> H{"CT所見で診断が不十分か"}
    H -->|"はい"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='retrograde ureterography'>逆行性尿管造影</span>・診断的<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ureteroscopy'>尿管鏡</span>+生検"]
    H -->|"いいえ"| J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='treatment strategy'>治療方針</span>決定"]
    I --> J
  1. 超音波(US)(液体貯留)像として腎盂・尿管の拡張が描出される。拡張により腎皮質の神経終末が刺激され疼痛が生じる。で血流(血管新生)を認めれば、を持つ腫瘍の存在が示唆される。
  2. CT:造影CTはの形態評価に優れる。
  3. MRI:CT造影剤が使用できない腎機能低下例で選択する。
  4. を用いた:腎実質を損傷しない検査。X線でうっ滞・を認めれば腫瘍を疑う。
  5. :上部尿路癌はしばしばを合併する、または上部尿路への転移を伴うため必須。
  6. :T1・Grade 3ので陽性率が高いが、陰性でも腫瘍は否定できない。
  7. 診断的検査付きので腎盂まで到達する侵襲的手技。CT等の非侵襲的検査で診断が確定しない場合にのみ、生検目的で施行する。

治療

リスク分類 方針
限局性・非転移性・低リスク 腎温存手術(レーザー)を優先し、腎機能を温存する
高リスク 開腹による根治的腎尿管全摘術++化学療法

高リスク例の化学療法レジメン:

⚠️ 化学療法のタイミングと薬剤選択はに準じる。近年は根治的腎尿管全摘術後の高リスク例に対して、術後補助免疫療法(などのされることがあり、原資料時点の化学療法単独の枠組みから肢が広がっている。

まとめ

  • 腎盂・尿管腫瘍は膀胱と共通のから発生するため、診断時には尿路全体(上部・下部)の評価が必須である。
  • 診断はUS→CT(またはMRI)→という非侵襲的検査を優先し、診断的・生検は最終手段として位置づける。
  • 低リスク限局例では腎温存手術、高リスク例では根治的腎尿管全摘術++シスプラチンベースの化学療法(+シスプラチン、またはM-VAC)が標準治療である。