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Disease Atlas · 運動器 · 症候群

肩峰下疼痛症候群

Subacromial pain syndrome

別名
肩峰下インピンジメント症候群肩峰下滑液包炎インピンジメント症候群
臓器系
運動器
科目
Traumatology and OrthopedicsMacroscopic Anatomy and Embryology (Macroscopic Anatomy)
トピック
外傷学 15:肩甲帯の軟部組織・骨・関節損傷解剖学 5.2:上肢:肩と腋窩
鑑別疾患
化膿性肩峰下滑液包炎肩鎖関節症凍結肩腱板断裂
症状
肩痛圧痛
下位分類
石灰沈着性腱炎

🧠 全体像:このノートは「」「」と別々に呼ばれてきた病態をひとつの傘として扱う。理由は単純で、⚠️ が腱板をこすっているという解剖学的な仮説そのものが裏づけを失ったからである。オランダ整形外科学会の多職種ガイドラインは、Neerの仮説は画像との進歩によって裏づけられず、いまは腱板腱の変性の役割が重視されるとして、(SAPS)という呼称を採った1。名前が変わったのは言葉遊びではない。「挟まっているなら削ればよい」という治療の筋道が、との比較で否定されたからである。

何をこの傘に入れるか

ガイドラインはSAPSを「非で、通常は片側性の、周囲に限局し、腕の挙上中または挙上後に増悪する肩の愁訴」と定義し、⭐ ・・・腱板の・・腱板の変性という臨床的/画像的な病名はいずれもSAPSに含まれるとする1。

⚠️ 2026年の改訂で傘の縁が引き直された。 同学会の改訂版は定義に「非」を明記したうえで、含めるものを・・腱板の変性(変性による孤立性のを含む)とし、逆に孤立性の病変・・およびの・多/修復不能な腱板断裂・関節内病変・を対象外とした2。

2014年版 2026年改訂版
含めない(まで) ⭐ 変性による孤立性のは含める(最適治療が議論中であるため)
含める ⚠️ 孤立性の腱病変は対象外
疾患 「原因」として別扱い ⚠️ 定義の段階で「非」と除外

💡 どちらの版を読んでいるかで「SAPSに腱板断裂は入るのか」の答えが逆になる。 文献を読むときは版を確かめる。

💡 「」を独立した診断名として立てにくい理由がここにある。 挙上時のという同じ臨床像に対して、超音波でが厚ければ、腱に変性があれば、と画像で名前が決まってしまう。ところが治療の入口(・運動療法・必要ならステロイド注射)は共通で、名前を分けても方針が変わらない。

⚠️ ただし例外がある。 そのものが標的になる病態——感染()、、、下出血、関節リウマチなどの自己免疫疾患——は、原因として別に挙げられている3。発熱を伴う急性のでは、この傘に入れずにと同じで扱う。

解剖

は、上方を・・・近位部に境され、下方の・とのあいだにある。の高さはおよそ1.0〜1.5 cmである3。この狭い空間で腱板が滑るための潤滑装置がで、腱板断裂の項で述べるの走行と同じ場所を共有する。

診断:単独の検査では決まらない

⚠️ 有名な誘発試験はどれも決め手にならない。 によるに対する統合精度は次のとおりである4。

検査
72% 60%
79% 59%
53% 76%

ガイドラインも、単一の所見では各種の肩疾患を区別できず腱板の状態も判定できないとして、・試験・筋力試験の組み合わせでSAPSを判断し、腱板断裂にはと・の筋力試験を用いるよう推奨している1。

身体所見としては、の下・肩の前外側に限局した圧痛と、75〜80度を超えるでの疼痛が挙げられる3。

flowchart TD
    A["非<span class='jp-term jp-term-diagram' title='traumatic'>外傷性</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='subacromial pain'>肩峰下痛</span>"] --> B["組み合わせ検査<br>(Hawkins-Kennedy・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='painful arc'>有痛弧</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='infraspinatus'>棘下筋</span>筋力)"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='relative rest'>相対的安静</span><br>必要なら<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nonsteroidal anti-inflammatory drug'>NSAID</span>を1〜2週間"]
    C --> D["低強度・高頻度の運動療法<br>(遠心性訓練+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='scapula'>肩甲骨</span>の安定化)"]
    D --> E{"6週を超えて症状が続くか"}
    E -->|"いいえ"| F["経過観察"]
    E -->|"はい"| G["超音波で腱板断裂を除外<br>職場での対策をとる"]
    G --> H["持続・再発例には<br>ステロイドの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='subacromial injection'>肩峰下注射</span>"]

画像

症状が6週を超えてから行い、まず超音波で腱板断裂を除外する(必要に応じ単純X線を追加)1。超音波のに対する診断精度は通常のと同等だが、⚠️ とについては研究間で結果が一致しない1。超音波でのの厚さは無症状で0.75±0.23 mm、で1.27±0.41 mmと報告されている3。

⚠️ 2026年改訂版では「6週を超えてから」という時期の縛りが推奨文から外れ、「の全層またはを疑う患者に超音波を行い、超音波が使えないかが出ない場合にを考慮する」という形になった2。

治療

2014年版の結論12項目

まず2014年版の12項目のうち、実務で効くものを挙げる1。

方針 内容
保存治療を優先 手術が保存治療より有効だという説得力のある証拠は無い
と、必要ならを1〜2週間
運動療法 低強度・高頻度。訓練との安定化訓練を組み合わせ、弛緩と姿勢に注意する
ステロイド注射 持続・再発する症状に有効。⚠️ ただし効果が確認できるのは最初の8週までで、3か月以上の長期効果は不明
⚠️ やらないこと 厳密な固定と手技は推奨されない
またはの()。⚠️ はの無い患者ではやに勝らない
無症候性腱板断裂 手術の適応は無い

⚠️ 2026年改訂版で変わったところ

⭐ いちばん大きいのはステロイド注射の位置づけである。 2014年版はこれを「持続・再発する症状に有効」な治療として掲げていたが、改訂版の文献分析では運動療法単独と運動療法+ステロイド注射のあいだで疼痛・機能に有意差が無く、運動療法単独のほうがむしろ再発リスクを下げうるとされた2。そのため推奨は「症状が強くて運動療法に参加できない患者で、運動療法を可能にするために(を併用して)考慮する」という補助的な位置づけに変わり、あわせての長期使用と頻回のステロイド注射を控えるよう助言することが求められている2。

項目 2026年改訂版の推奨2
・予防 健康的なの効果を説明し、スポーツ・就労のなかで段階的に運動して腱板の耐荷重能を上げる。作業では肩より上での到達・屈曲・外転と可動域端の回旋を制限する
診察 単一検査ではなく組み合わせで診断する(腱板断裂・・腱病変を除外するため)
画像 の全層または部分を疑えば超音波。⚠️ 超音波が使えないかが出ないときにを考慮(2014年版の「6週を超えてから」という時期の縛りは推奨文からは外れた)
ステロイド注射 ⚠️ 単独治療ではなく運動療法の補助。 運動療法に参加できないほど症状が強い場合に考慮する
⭐ まずへのステロイド注射から始める。 無効例にを考慮するが、⚠️ 近年の証拠ではステロイド注射単独に対する効果は限定的。大きなで初回注射が無効だった例が最も恩恵を受けうる。高エネルギーは低エネルギーより成績が良いが、日常診療では利用しにくく非常に痛い
治療抵抗例 を考慮する(新規)

⚠️ 手術は2021年に「行わないことを強く推奨」へ格上げされ、改訂版でもそのまま据え置かれた——がにの利益をもたらさないという証拠に基づく。ガイドライン導入後、オランダでは下形成術が37%減少した2。

⭐ 変性による孤立性のは、まず運動療法(ステロイド注射を併用しうる)から入り、3〜6か月で改善しなければを考慮する5。時に危険にさらされる場合を除き、健常な腱に・を行わない。術後の固定は3週間を超えない5。

⚠️ 肩峰下除圧術はプラセボ手術に勝たなかった

英国32施設のCSAW試験は、3か月以上続くがあり腱板腱がしておらず運動療法と1回以上のステロイド注射を終えた313例を、・のみ(骨と軟部組織の切除を省いた)・無治療の3群に割り付けた(は除外)6。

6か月時の(0〜48)は32.7点・のみ34.2点で差が無く(−1.3点、95%信頼区間−3.9〜1.3)、両手術群は無治療29.4点にわずかに勝ったが(との差2.8点、のみとの差4.2点)、試験の目標差4.5点に照らして臨床的に重要ではないと著者らは述べている6。

⚠️ 試験関連の合併症6件はすべてで、3群それぞれに2例ずつ生じた6。手術群だけでなく無治療群にも生じている点が重要で、の経過中にが起こりうることを示す。

まとめ

  • ⭐ ・・・は、という1つの傘にまとめて扱う。定義は「非・非で、主に上肢挙上で増悪する肩の愁訴」。
  • ⚠️ 傘の縁は版で動く。 2014年版は腱板部分とを含めたが、2026年改訂版は変性による孤立性のを含める一方、孤立性の病変・・およびのを除外した。
  • ⚠️ Neerの仮説は裏づけを失っており、名前を「」から離した理由がそこにある。
  • ・・はいずれも感度も特異度も中等度で、組み合わせて判断する(Hawkins-Kennedy++筋力)。
  • 画像はまず超音波で腱板断裂を評価する(2014年版は「症状が6週を超えてから」、2026年改訂版はが出ないときの追加)。
  • 治療は低強度・高頻度の運動療法が軸。厳密な固定は推奨されない。⚠️ ステロイド注射は2014年版の「持続・再発例に有効」から、2026年改訂版では「運動療法に参加できない患者で運動療法を可能にするための補助」へ格下げされた——運動療法単独と併用で疼痛・機能に差が無く、単独のほうが再発を減らしうる。
  • ⚠️ CSAW試験ではに勝てず、無治療との差も臨床的に重要ではなかった。オランダの改訂版でも「行わないことを強く推奨」が据え置かれている。
  • 発熱を伴う急性例、、関節リウマチ、はそのものが標的のとして扱う(2026年改訂版は定義の段階でを除外している)。

出典

  1. 1.Guideline for diagnosis and treatment of subacromial pain syndrome: A multidisciplinary review by the Dutch Orthopaedic Association(Acta Orthopaedica / Netherlands Orthopedic Society・2014)本ガイドラインが「肩峰下疼痛症候群(SAPS)」を、非外傷性で通常は片側性の、肩峰周囲に限局し腕の挙上中または挙上後に増悪する肩の愁訴の総称と定義し、滑液包炎・石灰沈着性腱炎・棘上筋腱症・腱板部分断裂・上腕二頭筋腱炎・腱板の変性といった臨床的・画像的な病名はいずれもSAPSに含まれるとしていること。Neerの解剖学的インピンジメント仮説は画像と関節鏡の進歩によって裏づけられず、現在は腱板腱の変性とそこから生じる断裂の役割が重視されるため、SAPSという呼称のほうが病態をよく表すとしていること。診断は単一の所見では決められず、Hawkins-Kennedy試験・有痛弧試験・棘下筋筋力試験の組み合わせを用いるべきで、腱板断裂にはdrop-arm試験と棘下筋・棘上筋の筋力試験を用いるとしていること。結論の12項目として、非手術治療を優先すること、急性痛には助言・説明と必要ならNSAIDを最大2週間用いること、症状が6週を超えたら職場での対策をとること、運動療法は低強度・高頻度で遠心性収縮訓練と肩甲骨の安定化訓練を組み合わせ弛緩と姿勢に注意すること、筋膜のトリガーポイント治療は運動療法を補助しうること、持続または再発する症状にはステロイドの肩峰下注射が有効であること、症状が6週を超えたら腱板断裂を除外するために超音波を行い必要に応じ単純X線を追加すること、厳密な固定と関節モビライゼーション手技は推奨されないこと、石灰沈着性腱炎には体外衝撃波または超音波ガイド下穿刺洗浄(バーボタージュ)が用いうること、慢性で治療抵抗性のSAPSには専門施設でのリハビリテーションを考慮しうること、SAPSに対する手術が保存治療より有効だとする説得力のある証拠は無いこと、無症候性腱板断裂に手術の適応は無いことを掲げていること。ステロイド注射の効果は最初の8週では認められるが3か月以上の長期効果は不明であること、高エネルギー体外衝撃波は石灰沈着性腱炎では有効だが腱内に石灰沈着の無い患者ではプラセボや他治療に勝らないこと、超音波の完全断裂に対する診断精度は通常のMRIと同等だが部分断裂・腱症については結果が一致しないことを確認した。閲覧 2026-09-03
  2. 2.Update of guideline for diagnosis and treatment of subacromial pain syndrome: a multidisciplinary review by the Dutch Orthopedic Association Part 1: preventive measures, diagnostics, and non-surgical treatment of subacromial pain syndrome(Acta Orthopaedica / Dutch Orthopedic Society・2026)2013年の初版(2014年に英文公表)を改訂した最新版であり、作業部会がSAPSを「非外傷性・非リウマチ性の、主として上肢挙上時の疼痛を特徴とする肩の愁訴」と定義しなおし、棘上筋腱症・石灰沈着性腱炎・腱板の変性(変性による孤立性の棘上筋腱全層断裂を含む)を含む一方、凍結肩・孤立性の上腕二頭筋長頭腱病変・肩甲上腕関節および肩鎖関節の変形性関節症・多腱断裂や修復不能な腱板断裂・関節内病変・神経疾患を対象外としたこと。2021年に手術治療のモジュールが更新され、肩峰下除圧術を行わないことが強く推奨されており、本改訂ではこのモジュールを更新しなかったこと。ガイドライン導入後に肩峰下形成術が37%減少したこと。推奨が、①健康的な生活習慣の効果を説明しスポーツ・就労のなかで段階的な運動を勧めること(あわせてNSAIDの長期使用と頻回のステロイド注射を控えるよう助言し、これらは運動療法の補助と位置づけること)、②SAPSの診断には身体診察を組み合わせて行うこと、③棘上筋腱の全層または部分断裂を疑う場合に超音波を行い、超音波が利用できないか結論が出ない場合にMRIを考慮すること、④石灰沈着性腱炎ではまず肩峰下滑液包へのステロイド注射から始め、無効なら滑液包へのステロイド注射を併用したバーボタージュを考慮すること(ただし近年の証拠はステロイド注射単独に対する上乗せ効果が限定的であることを示す)、⑤運動療法に参加できないほど症状が強い患者で、運動療法を可能にするために局所麻酔薬を併用した肩峰下ステロイド注射を考慮すること、⑥他の非手術治療が無効な治療抵抗性SAPSに肩甲上神経ブロックを考慮すること、の6項目であること。ステロイド注射に関する文献分析では、運動療法単独と運動療法+ステロイド注射のあいだで疼痛・機能に有意差が無く、運動療法単独のほうが再発リスクを下げうるとされたこと。高エネルギー体外衝撃波は低エネルギーより成績が良いが日常診療では利用しにくく非常に疼痛を伴うこと。PDF全文(Acta Orthopaedica 2026;97:91–98)を取得して確認した。閲覧 2026-09-04
  3. 3.Subacromial Bursitis(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2023)肩峰下滑液包が上方を肩峰・烏口突起・烏口肩峰靱帯・三角筋近位部に境されること、肩峰下腔の高さがおよそ1.0〜1.5 cmであること。原因として肩峰下インピンジメント、頭上動作の反復・過用、直達外傷、結晶沈着、肩峰下出血、感染、関節リウマチなどの自己免疫疾患が挙がること。滑液包炎がプライマリケア受診のおよそ0.4%を占め性差が無く、運動選手・工場労働者・肉体労働者に多いこと。身体所見が肩峰の下・肩の前外側の限局した圧痛と、75〜80度を超える抵抗下外転での疼痛であること。超音波での滑液包の厚さが無症状で0.75±0.23 mm、滑液包炎で1.27±0.41 mmであること。単純X線が滑液包の石灰化・肩峰の形態(平坦・湾曲・鉤状)・os acromialeの有無を示すこと。治療は安静・NSAID・理学療法・ステロイド注射といった非手術治療が通常の経路で、難治例に鏡視下または直視下の滑液包切除を行うことを確認した。2023年6月26日更新版を閲覧した。閲覧 2026-09-03
  4. 4.Which physical examination tests provide clinicians with the most value when examining the shoulder? Update of a systematic review with meta-analysis of individual tests(British Journal of Sports Medicine・2012)肩の徒手検査のシステマティックレビュー・メタ解析で、肩峰下インピンジメントに対する統合感度・特異度がNeer試験72%・60%、Hawkins-Kennedy試験79%・59%、有痛弧53%・76%であったこと、こわばりを伴う疾患(変形性関節症と癒着性関節包炎)および腱板腱症に対しては肩すくめ徴候が感度80%超・陰性尤度比0.20以下の感度の高い検査として挙げられていることを確認した(抄録のみを閲覧しており全文は未取得)。閲覧 2026-09-03
  5. 5.Update of guideline for diagnosis and treatment of subacromial pain syndrome: a multidisciplinary review by the Dutch Orthopedic Association Part 2: Operative considerations and treatment of various conditions related to subacromial pain syndrome(Acta Orthopaedica / Dutch Orthopedic Society・2026)改訂版の第2部が棘上筋腱断裂・上腕二頭筋腱病変・石灰沈着性腱炎を扱い、推奨として、孤立性で有症状の非外傷性棘上筋腱断裂にはまず運動療法(ステロイド注射を併用しうる)から始め3〜6か月で改善しなければ腱板修復を考慮すること、腱板修復時に危険にさらされる場合を除いて健常な上腕二頭筋腱に腱切離・腱固定を行わないこと、患者側と断裂側の因子を評価しMRIを詳細な評価に用いること、石灰沈着性腱炎にバーボタージュを考慮し必要なら1回まで反復し遷延する大きな石灰沈着に手術を留保すること、術後の固定は3週間を超えないこと、を掲げていること(抄録のみを閲覧しており全文は未取得)。閲覧 2026-09-04
  6. 6.Arthroscopic subacromial decompression for subacromial shoulder pain (CSAW): a multicentre, pragmatic, parallel group, placebo-controlled, three-group, randomised surgical trial(The Lancet・2018)英国32施設・51名の術者により、3か月以上続く肩峰下痛があり腱板腱が断裂しておらず、運動療法と1回以上のステロイド注射を含む非手術治療を終えた患者313例を、関節鏡下肩峰下除圧術106例・関節鏡のみ(骨と軟部組織の切除を省いたプラセボ手術)103例・無治療104例に1対1対1で無作為に割り付けたこと(全層腱板断裂は除外基準)。主要評価項目である6か月時のOxford Shoulder Score(0〜48)が、除圧術32.7点(標準偏差11.6)と関節鏡のみ34.2点(9.2)のあいだで差が無く(平均差−1.3点、95%信頼区間−3.9〜1.3、p=0.3141)、両手術群は無治療29.4点(11.9)に対しわずかに勝ったが(除圧術との平均差2.8点、0.5〜5.2、p=0.0186、関節鏡のみとの平均差4.2点、1.8〜6.6、p=0.0014)、この差は臨床的に重要ではないと著者らが述べていること。試験の目標差が4.5点(標準偏差9.0)に設定されていたこと。試験関連の合併症は6件でいずれも凍結肩であり、3群それぞれに2例ずつ生じたこと。著者らが結論で、この手術の価値に疑問を投げかけ、それを患者との意思決定の場で共有すべきだとしていることを確認した(抄録のみを閲覧しており全文は未取得)。閲覧 2026-09-03