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Drug Atlas · B14 Sex hormones & modulators / 性ホルモン関連薬 · 必修

クラスコテロン

clascoterone

分類
Antiandrogens / 抗アンドロゲン薬
商品名(EU)
Winlevi
科目
Pharmacology
トピック
B14: Androgens, anabolic steroids, antiandrogens. Agents affecting the sexual activity
承認適応
尋常性痤瘡
副作用
紅斑掻痒皮膚乾燥
影響検査値
カリウム

🧠 全体像を理解する軸は「約40年ぶりの新しい作用機序」という一点である。(酸化的殺菌)、(角化是正)、(抗菌+角化是正)、外用抗菌薬()のいずれとも異なり、・毛包のに阻害する、初の外用である。の全身投与でしか得られなかった「アンドロゲンを標的にする」という発想を、局所限定・を抑えた形で実現した点が最大の特徴になる。

薬効群の中での位置づけ

のうち、は唯一の外用・である。

薬剤 作用部位 特徴
・毛包(局所) 外用薬。DHTとを阻害。は限定的
全身( 経口。女性のに用いるが、によるに注意
全身( 経口避妊薬に配合。作用も併せ持つ
全身(阻害) DHT産生自体を減らす。が主適応で適応はない

に使える」のうち、で完結するのはだけ。 は全身投与のため女性にしか使いにくく、妊娠可能性・電解質異常への配慮が要るが、は男女・幅広い年齢層(12歳以上)に使える外用薬として設計されている。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='clascoterone'>クラスコテロン</span>を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sebaceous gland'>皮脂腺</span>・毛包に外用"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='DHT'>ジヒドロテストステロン</span>と<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='androgen receptor'>アンドロゲン受容体</span>への結合を競合"]
    B --> C["DHTの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='receptor binding'>受容体結合</span>を阻害"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='androgen-responsive gene'>アンドロゲン応答遺伝子</span>の転写を抑制"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sebum'>皮脂</span>産生の低下"]
    D --> F["毛包での<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inflammatory mediator'>炎症性メディエーター</span>産生の低下"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='comedone'>面皰</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Inflammatory Lesions'>炎症性病変</span>の形成が抑制される"]
    F --> G

💡 「なぜより安全に使えるのか」は、標的臓器だけで薬が働き、全身への曝露が少ないよう設計されているから。 経口のなど)は全身のを阻害するためなどのリスクがあるが、は皮膚局所での代謝が速く、に到達する量が限られるよう設計されている——とはいえではカリウム値の軽度上昇がみられており、完全にがゼロというわけではない1

適応

領域 使いどころ
12歳以上のの治療2

添付文書上の作用機序は「不明」と記載されており、上記のはもっとも支持されている想定機序という位置づけである1

用法・用量

1%を1日2回(朝・夕)、洗浄・乾燥させた患部に薄く均一に塗布する。分注前は冷蔵保管(2〜8℃)が指定され、患者に渡した後は室温保管に切り替える。実際の使用回数・期間は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 既知の過敏症以外に明確な禁忌は乏しいが、視床下部-下垂体-軸抑制が投与中または投与後に生じることがあり、疑われた場合は中止を検討する(試験では中止後4週間で正常化)1
  • カリウム値の軽度上昇が報告されており、のリスクが高い患者(併用など)では注意する
  • 広範囲・長期間の使用や皮膚バリア障害がある部位への使用ではが増える可能性があるため、指示された範囲・期間を超えて使用しない

副作用

頻度 内容
高頻度(7〜12%) 紅斑皮膚乾燥掻痒
注意 カリウム上昇(群で約5%)

いずれの局所反応も軽度で、多くは治療継続のなかで軽快する1

まとめ

  • ・毛包のでDHTと競合する、初の外用。約40年ぶりの新しい治療の作用機序として承認された。
  • など経口のと異なり、で完結するよう設計されている。
  • 主な副作用は紅斑・乾燥・掻痒などの局所反応。やカリウム値上昇など、限定的ながらを示唆する所見も報告されている。
  • 12歳以上のに承認されており、1日2回の外用で使用する。

出典

  1. 1.Clascoterone: First Approval(Drugs誌(PubMed収載)・2020)2020年8月にFDAが12歳以上の尋常性痤瘡を適応にクラスコテロン1%クリームを承認したこと、ジヒドロテストステロンと競合して皮脂腺・毛包のアンドロゲン受容体に結合する機序であることを確認した。閲覧 2026-08-10
  2. 2.WINLEVI (clascoterone) cream, for topical use — full prescribing information(U.S. FDA(DailyMed収載の添付文書)・2020)最も頻度の高い有害事象が紅斑(12.2%)、落屑・乾燥(10.5%)、掻痒(7.7%)であること、視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸抑制が投与中止後4週間で正常化すること、カリウム上昇がクラスコテロン群で約5%にみられたことを確認した。閲覧 2026-08-10