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Drug Atlas · B14 Sex hormones & modulators / 性ホルモン関連薬 · 必修

フィナステリド

finasteride

分類
Sex hormones & modulators / 性ホルモン関連薬
商品名(日本)
プロペシア
商品名(EU)
PropeciaProscar
科目
Pharmacology
トピック
B14: Androgens, anabolic steroids, antiandrogens. Agents affecting the sexual activity
承認適応
前立腺肥大症男性型脱毛症
副作用
勃起障害女性化乳房自殺念慮血管性浮腫
対象疾患
前頭部線維化性脱毛症

🧠 全体像:は2型だけを選択的に阻害し、テストステロン→変換を止める薬である。同じ標的()を持つが1型・2型の両方を阻害するのに対し、は「2型優位の組織(前立腺・毛包)」にほぼ絞って効く——このI型/II型の選択性の違いが、低下率の差(約70% vs 90%超)を説明する軸になる。⚠️ ただし半減期の桁違いの差(数時間 vs 数週間)は選択性から導かれるものではなく、別個の上の性質として覚える。

薬効群の中での位置づけ

前立腺癌の(作動・拮抗、CYP17阻害、AR拮抗)とは異なり、(5-ARI)はアンドロゲンそのものは減らさず、末梢での活性化だけを止めるという一段違うレベルで作用する。

レベル 代表薬 主な適応
作動・拮抗 ・ 精巣でのテストステロン産生 前立腺癌
合成阻害 CYP17(精巣・副腎・腫瘍) 前立腺癌()
阻害 (2型のみ)・(1+2型) テストステロン→変換 前立腺肥大症・
AR拮抗(ルタミド系) ・ 前立腺癌

⚠️ は前立腺「肥大症」の薬であり、前立腺「癌」の治療薬ではない。 同じ「アンドロゲンに関わる薬」というくくりで前立腺癌の治療薬(療法・・AR拮抗薬)と混同しやすいが、適応領域が根本的に異なる点を必ず区別する。

⭐ BPHの薬物治療は「効果発現の速さ」で2系統に分かれ、5-ARIはその遅いほう。 (など)が平滑筋緊張というを数日で緩めるのに対し、5-ARIはテストステロン→変換を止めて前立腺体積という静的閉塞成分を縮小させる。効果発現は緩徐で、英国SmPC・米国添付文書とも「効果を判定するには少なくとも6か月の治療を要する」としているが、前立腺体積そのものを縮小できる点はにない利点である(PLESSでは4年時に前立腺体積が群で-17.9%、プラセボ群で+14.1%)12。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='finasteride'>フィナステリド</span>が2型<span class='jp-term jp-term-diagram' title='5-alpha reductase'>5α還元酵素</span>を選択的に阻害(2型への選択性は1型の約100倍)"] --> B["テストステロン→<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dihydrotestosterone'>DHT</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dihydrotestosterone (DHT)'>ジヒドロテストステロン</span>)への変換が低下"]
    B --> C["血中<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dihydrotestosterone'>DHT</span>が低下(5 mg/日を4年間までで約70%、1 mg単回では24時間以内に65%抑制)"]
    C --> D["前立腺(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transformation zone (prostate: transition zone)'>移行帯</span>):<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dihydrotestosterone'>DHT</span>刺激低下→腺・間質の増殖が抑制→体積縮小"]
    C --> E["毛包:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dihydrotestosterone'>DHT</span>刺激低下→ミニチュア化の進行が抑制→脱毛の進行を遅らせる"]
    F["1型<span class='jp-term jp-term-diagram' title='5-alpha reductase'>5α還元酵素</span>(頭皮を含む皮膚の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sebaceous gland'>脂腺</span>・肝臓に多く、循環<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dihydrotestosterone'>DHT</span>の約1/3を担う)"] -.->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='finasteride'>フィナステリド</span>はほとんど阻害しない"| G["1型経路の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dihydrotestosterone'>DHT</span>産生は温存される"]

💡 なぜ「2型のみ」で前立腺にもにも効くのか。 2型は前立腺・・精巣上体・毛包(および肝臓)に優位で、循環の約2/3を産生する。はこの2型に1型の約100倍選択的(IC50はそれぞれ4.2 nMと500 nM)なので、前立腺との両方をカバーできる3。

💡 逆に、この「循環の2/3しか担っていない」という数字が、血中低下率が約70%で頭打ちになる理由でもある。 1型まで阻害するが90%超まで下げられるのは、残り1/3を担う1型経路も止めるからである。

薬物動態

項目 値・特徴
1 mg錠で約65%(範囲26〜170%)、5 mg錠で約63%(範囲34〜108%)31
半減期 幅ではなく年齢の勾配。1 mgの添付文書は「18〜60歳で約5〜6時間、70歳超で8時間」3、5 mgの添付文書は「健常若年者6時間[範囲3〜16時間]、70歳以上で約8時間[範囲6〜15時間]。45〜60歳は6時間[範囲4〜12時間]」1
代謝 主にで
低下率 5 mg/日を4年間まで投与して血中が約70%低下(1 mg単回では24時間以内に65%抑制)。の90%超より小さい13

⚠️ 「半減期6〜8時間」を1人の中での幅と読まない。 英国のProscar SmPCは「18〜60歳の男性で約6時間から、70歳超の男性で8時間まで」と、年齢層の違いとしてこの2つの数字を並べている2。高齢者でが上がる(5 mg17日目の 0-24hr が70歳以上で45〜60歳より15%高い、p=0.02)のはこの延長を反映したものである1。

⭐ 制限の違いは半減期の差で説明できるが、その「1か月」を決めているのは添付文書ではなく血液事業者である。 ⚠️ 米国のPROSCAR・PROPECIA添付文書にはに関する記載が一切無い13(対照的に、のAVODART添付文書には5.5項に「最終投与から少なくとも6か月はしない」と明記があり、その目的は妊娠中の輸血患者への曝露を防ぐことである4)。日本で言われる「1か月」は日本赤十字社の基準の数字であり、同基準ではが中止後6か月である5。国によって基準は異なりうるので、数字を暗記する前に「どこの誰が決めた基準か」を確かめる。

適応

領域 としての位置づけ
(BPH) 5 mg製剤(Proscar)。英国SmPCの適応は「前立腺が腫大したBPHの治療・管理——前立腺の縮小、尿流と症状の改善、および手術(・)の必要性の低減」。米国も同じくBPHのみ21
() 。米国は「男性のみの」、日本は「男性におけるの進行遅延」36

⚠️ の適応は「」に限られ、全般の薬ではない。 日本の電子添文は「男性におけるのみの適応である。他のに対する適応はない」と明記しており、・には適応が無い。女性への適応も無く(閉経後女性を対象とした海外の12か月プラセボ対照試験 n=137 で有効性が示されなかった)、20歳未満での安全性・有効性も確立していない63。

💡 国・地域で承認されている製剤が異なる。 日本のプロペシアは用の0.2 mg錠・1 mg錠で、電子添文は5 mgを「本剤承認用量の5〜25倍用量」と呼び、5 mg投与例のデータをすべて海外試験として引用している——5 mgはこの製剤の承認用量を超える量である6。⚠️ ただし、この電子添文はプロペシアという製剤のを述べているだけで、日本の製剤を網羅した一覧ではない。 日本国内のBPH治療でを使う場面では(アボルブ0.5 mg)やが選ばれる。欧米ではBPH用のProscar(5 mg)と用のPropecia(1 mg)が別製品として流通する23。

用法・用量

PO。適応と国で用量が1桁違うのがこの薬の要点である。

適応・国 用量 効果判定
BPH(英国・米国、Proscar) 5 mgを1日1回 有効性の判定に少なくとも6か月2
(米国、Propecia) 1 mgを1日1回 効果が見えるまで通常3か月以上3
(日本、プロペシア) 0.2 mgを1日1回。必要に応じて増量できるが1日1 mgが上限 効果確認に通常6か月の連日投与。6か月以上投与しても進行遅延がみられなければ中止6

⚠️ 日本の標準用量は 1 mg ではなく 0.2 mg である(1 mg は上限量)。「は1 mg」と覚えると日本の電子添文と食い違う。実際の用量は適応・地域の承認内容で変わるため、添付文書・電子添文で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌(日本の電子添文)6
    • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
    • ⚠️ 妊婦又は妊娠している可能性のある女性、および授乳中の女性(2型阻害により男子胎児の外性器の正常発育を妨げるおそれがある。はコーティングされているが、分割・したに妊娠可能性のある女性が触れないよう指導する)
    • なお米国・英国の添付文書/SmPCも妊婦および女性・小児等への使用を禁忌または適応外としている12
  • ⚠️ 女性の高アンドロゲン症・にとして使われる場面があり、そこでは肝毒性の注意が付く。 2023年の国際PCOSガイドラインは、へを用いるときの実施上の注意(4.6.5。一般集団の推奨に基づく practice point であって、PCOS集団で得られたエビデンスではない)として、は25〜100 mg/日で有害事象のリスクが低いようであること、は10 mg以上の用量ではを含むリスク増加のため勧められないこと、は肝毒性のリスクが高いこと、とは重篤な肝毒性のリスクが高いことを挙げている。同ガイドライン自身が、PCOSにおけるのエビデンスは研究数・参加者数とも限られると断っている7。💡 日本の電子添文がを「重大な副作用」(頻度不明)に置き、その他の副作用に上昇・上昇・γ-GTP上昇を並べているのと向きは一致する。 電子添文はさらに9.3で「本剤は主に肝臓で代謝される。患者を対象としたは実施していない」と述べる6
    • ⚠️ ただしこれはの話ではない。この使い方は適応外である。 日本の電子添文は5.3で「女性に対する適応はない」と明記し、禁忌2.2に妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性を置く。米国のPROPECIAは適応を「MEN ONLY」とし「PROPECIA is not indicated for use in women」と繰り返したうえで、禁忌を妊娠中または妊娠している可能性のある女性としている(授乳は米国の禁忌欄には無い)。⚠️ どちらの文書も、女性一般を禁忌にしているのではなく妊娠の可能性で線を引いている——ただし適応が無い以上、使うならとしての説明と確実な避妊が前提になる。同ガイドラインもは確実な避妊との併用を条件とし(推奨4.6.1。および/または美容的治療を最低6か月行っても反応が不十分な場合に検討してよい、という条件付き推奨)、男児胎児の外性器のを避けるため確実な避妊を強く勧めるよう求めている(実施上の注意4.6.3)637
  • ⚠️ を低下させる。低下率は用量で違う。
    • BPH(5 mg):投与6か月以内に血清が約50%低下する。6か月以上投与している患者では測定値を2倍した値を未治療男性のと比較する12
    • (低用量):米国の18〜41歳の試験では平均が0.7→0.5 ng/mL(12か月)、日本の24〜50歳の患者では約40%低下した。日本の電子添文は患者でも2倍した値を目安に評価するよう求めている36
    • ⚠️ free/total 比(% free )は変わらないので、% free を使うときは補正不要である12
    • ⚠️ 前立腺癌が存在していてもは下がる。服用中の最低値からの確認された上昇は、値が未治療男性の内であっても癌を疑って精査する1
  • ⚠️ 前立腺癌の発現率が上昇しうる。 PCPT(55歳以上・正常・ 3.0 ng/mL以下の男性18,882例、7年間)で、8〜10の前立腺癌は5 mg群1.8%対プラセボ群1.1%1、1.70[95%CI 1.23-2.34]だった6。の4年間試験でも1.0%対0.5%と同様である1。⚠️ PCPTの組入れはBPH患者ではなく健康男性である——BPH治療中の患者にそのまま当てはめない。いずれにせよは前立腺癌の予防には承認されていない1
  • :日本赤十字社の基準では服薬中止後1か月はできない(は6か月)。⚠️ これは血液事業者の基準であって添付文書の記載ではない——米国のPROSCAR・PROPECIA添付文書にはの記載が無い51
  • ⚠️ ・・自殺既遂が報告されている(は不明)。日本の電子添文は2023年改訂でこれを重要な基本的注意に格上げし、うつ病・うつ状態やその既往、・の既往を有する患者を「特定の背景を有する患者」に挙げている。米国の添付文書も市販後有害事象としてうつ・および自殺行動を記載する63
  • が服薬中止後も遷延したとするがあり(日本の電子添文は減退・・に「投与中止後も持続したとの報告がある」と注記)、「post-finasteride症候群」と呼ばれる。症候群としての実在には議論があるが、投与前に説明し経過を追う6

副作用

頻度 内容
高頻度(PLESS 1年目、5 mg。カッコ内は)1 8.1%(3.7%)、6.4%(3.4%)、量減少3.7%(0.8%)。2〜4年目には差が消失する(新規発現は投与期間とともに減る)
注意 ・(MTOPSで2.2%対0.7%)、1。日本の電子添文はこれに加え状・めまい・//γ-GTP上昇・精液の質低下を挙げる6
重篤・まれ (日本の電子添文で重大な副作用、頻度不明)、・(不明)6、を含む過敏症反応(そう痒症・じん麻疹・口唇や舌・咽頭・顔面の腫脹)、1

⚠️ は「不明」であって「確立した副作用」ではない。 主要試験の内訳は方向がそろっていない——MTOPS(3,047例、4〜6年)で群4例・非投与群0例だった一方、PLESS(3,040例、4年)ではプラセボ群2例・群0例、PCPT(18,882例、7年)では両群1例ずつだった。長期使用と男性乳腺腫瘍の関係は不明のままである16

まとめ

  • 2型を選択的に阻害する5-ARI(2型への選択性は1型の約100倍)。2型は循環の約2/3を担うため、血中の低下は5 mg/日を4年間までで約70%にとどまる。1型も阻害する(90%超)との差はここから来る。
  • 前立腺(体積縮小。PLESSで4年時-17.9%)・毛包(脱毛進行の抑制)の両方に効くが、効果判定には6か月を要する。
  • 適応と国で用量が1桁違う:BPHは5 mg(英国・米国)、は米国1 mg・日本0.2 mg(上限1 mg)。日本のプロペシアの電子添文は5 mgを「本剤承認用量の5〜25倍用量」と呼び、5 mgのデータをすべて海外試験として引用している。前立腺癌の治療薬ではない。
  • 低下は用量で違う——BPH(5 mg)で6か月以内に約50%、低用量では日本の国内データで約40%。いずれも2倍してと比較し、% free 比は不変なので補正しない。
  • PCPT(55歳以上・ 3.0 ng/mL以下、7年)でGleason 8〜10の前立腺癌が1.8%対1.1%。予防薬として承認されていない。
  • 半減期は年齢で6時間(18〜60歳)→8時間(70歳超)と短く、日本赤十字社の制限は中止後1か月(は半減期約5週間で6か月)。⚠️ この1か月は添付文書ではなく血液事業者の基準である。
  • 妊婦・妊娠可能性のある女性・は禁忌で、分割・破損したに触れない。の報告があり、が中止後も遷延しうる。
  • 女性のへとして使われる場面では肝毒性の注意が付く——2023年の国際PCOSガイドラインは一般集団の推奨に基づく実施上の注意として、25〜100 mg/日は有害事象のリスクが低いよう、は10 mg以上でを含むリスク、は肝毒性、とは重篤な肝毒性のリスクが高い、としている。⚠️ 日本・米国とも女性への適応は無いのでであり、妊娠している/妊娠の可能性がある女性が禁忌という線引きも動かない(日本はさらに授乳中の女性を禁忌に含む)。

出典

  1. 1.PROSCAR (finasteride) Tablets — Full Prescribing Information(米国FDA(DailyMed収載の添付文書)・2026)2026年3月改訂。米国の適応は前立腺肥大症のみで、前立腺癌の予防には承認されていないこと。5 mg/日を4年間まで投与したとき血清DHT濃度を約70%低下させること。健常若年者での平均消失半減期は6時間(範囲3〜16時間)、70歳以上では約8時間(範囲6〜15時間、45〜60歳では6時間)であること。5 mg錠の生物学的利用率が63%(範囲34〜108%)であること。投与6か月以内に血清PSAが約50%低下し、6か月以上投与例では測定値を2倍して未治療男性の基準値と比較すること、free/total PSA比(% free PSA)は一定に保たれるので補正不要であること。PCPT(55歳以上・直腸診正常・基線PSA 3.0 ng/mL以下の男性18,882例、7年間)でGleasonスコア8〜10の前立腺癌がフィナステリド1.8%対プラセボ1.1%であったこと。PLESS(4年間)1年目の薬剤関連有害事象がインポテンス8.1%対プラセボ3.7%、性欲減退6.4%対3.4%、射精量減少3.7%対0.8%であり、2〜4年目には差が消失したこと。MTOPSでの末梢性浮腫がフィナステリド単剤1.3%・プラセボ0.9%・ドキサゾシン2.6%・併用3.3%であったこと。市販後に血管浮腫を含む過敏症反応、うつ・自殺念慮および自殺行動が報告されていること。添付文書に献血に関する記載は無いこと閲覧 2026-09-05
  2. 2.Proscar 5mg film-coated Tablets — Summary of Product Characteristics(electronic Medicines Compendium(英国)・2025)2025年1月6日更新(本文改訂2024年12月20日)。英国の承認適応は前立腺が腫大した前立腺肥大症患者における治療および管理(前立腺の縮小、尿流と症状の改善、急性尿閉と手術[TURP・前立腺摘除術]の必要性の低減)であること。用量は5 mgを1日1回で、効果の判定には少なくとも6か月を要すること。平均半減期が18〜60歳で約6時間、70歳超で8時間であること。血清PSAを約50%低下させ、6か月以上投与例では2倍して比較すること、% free PSAは有意に低下せず比は一定であること閲覧 2026-09-05
  3. 3.PROPECIA (finasteride) tablets for oral use — Full Prescribing Information(米国FDA(DailyMed収載の添付文書)・2023)2023年11月改訂。米国の適応は男性の男性型脱毛症のみで、女性・小児には適応が無いこと。用量は1 mgを1日1回で、効果の判定に3か月以上を要すること。1型5α還元酵素は皮膚(頭皮を含む)の脂腺と肝臓に優位で循環DHTの約1/3を、2型は前立腺・精嚢・精巣上体・毛包および肝臓に優位で約2/3を担うこと。フィナステリドの2型に対する選択性は1型の約100倍(IC50はそれぞれ4.2 nMと500 nM)であること。1 mg単回投与後24時間以内に血清DHTが65%抑制されること。1 mg錠の生物学的利用率が65%(範囲26〜170%)、平均終末消失半減期が18〜60歳で約5〜6時間、70歳超で8時間であること。18〜41歳の男性型脱毛症患者では平均血清PSAが基線0.7 ng/mLから12か月後0.5 ng/mLへ低下したこと。市販後にうつ・自殺念慮および自殺行動が報告されていること。添付文書に献血に関する記載は無いこと閲覧 2026-09-05
  4. 4.AVODART (dutasteride) soft gelatin capsules — Full Prescribing Information(米国FDA(DailyMed収載の添付文書)・2023)デュタステリドの米国添付文書は5.5項に「最終投与から少なくとも6か月間は献血しない」ことを定めており、その目的が妊娠中の輸血患者へのデュタステリド曝露を防ぐことであること。フィナステリドの添付文書(PROSCAR・PROPECIA)に同様の記載が無いことと対照的である閲覧 2026-09-08
  5. 5.服薬と献血について(日本赤十字社(福岡県赤十字血液センター)・2026)日本の献血基準では、フィナステリド(プロペシア・プロスカー等)は服薬中止後1か月、デュタステリド(ザガーロ・アダボート等)は服薬中止後6か月、献血できないと定められていること。なおページに改訂年月の記載が無く、year は閲覧年である閲覧 2026-09-05
  6. 6.プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg 電子添文(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2023)2023年8月改訂(第4版)。プロペシアの規格は0.2 mg錠と1 mg錠で、効能又は効果は「男性における男性型脱毛症の進行遅延」のみ、他の脱毛症・女性には適応が無く、20歳未満での安全性・有効性は確立していないこと。用法は男性成人に0.2 mgを1日1回、必要に応じて増量できるが1日1 mgを上限とすること。効果確認には通常6か月の連日投与を要し、6か月以上で進行遅延がみられなければ中止すること。禁忌は本剤成分への過敏症の既往と、妊婦・妊娠している可能性のある女性・授乳中の女性であること。国内の24〜50歳の男性型脱毛症患者で血清PSAが約40%低下し、海外の高年齢の前立腺肥大症患者では約50%低下するため、投与中のPSAは2倍した値を目安に評価すること。自殺念慮・自殺企図・自殺既遂が報告されており(因果関係は不明)、うつ病・自殺企図の既往を有する患者が「特定の背景を有する患者」に挙げられていること。フィナステリド5 mgが「本剤承認用量の5〜25倍用量」と記載され、5 mg投与例のデータはすべて海外試験として引用されていること。PCPTの相対リスクが1.70[95%信頼区間1.23-2.34]であること閲覧 2026-09-05
  7. 7.Recommendations From the 2023 International Evidence-based Guideline for the Assessment and Management of Polycystic Ovary Syndrome(The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism・2023)PMC10505534の全文で実施上の注意4.6.5 PPを逐語確認した。原文は「When prescribing anti-androgens, based on general population recommendations, healthcare professionals should consider that」に続けて「Spironolactone at 25-100 mg/day appears to have lower risks of adverse effects.」「Cyproterone acetate at doses ≥ 10 mg is not advised due to an increased risk including for meningioma.」「Finasteride has an increased risk of liver toxicity.」「Flutamide and bicalutamide have an increased risk of severe liver toxicity.」「The relatively limited evidence on anti-androgens in PCOS needs to be appreciated with small numbers of studies and limited numbers of participants.」の5項目を挙げる——⚠️ 冒頭の限定のとおり一般集団の推奨に基づく注意であって、PCOS集団で得られたエビデンスではない。また区分はPP(実施上の注意)なので推奨の強さ(❖)もエビデンスの質(⊕)も付かない。関連して推奨4.6.1 EBR ❖❖❖ ⊕◯◯◯は「In combination with effective contraception, anti-androgens could be considered to treat hirsutism in women with PCOS, if there is a suboptimal response after a minimum of 6 months of COCP and/or cosmetic therapy.」、実施上の注意4.6.3 PPは男児胎児の外性器の発達不全(undervirilization)を避けるため確実な避妊を強く勧めるよう求める。全文で finasteride と meningioma はいずれも4.6.5の1回しか現れない。閲覧 2026-09-14