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Drug Atlas · B34 Antineoplastics / 抗腫瘍薬

フルタミド

flutamide

分類
Antineoplastics / 抗腫瘍薬Sex hormones & modulators / 性ホルモン関連薬
商品名(日本)
オダイン
商品名(EU)
Eulexin
科目
PharmacologyPathologyUrologyGynecology
トピック
B34: Drugs used in cancer treatment IV (Hormonal agents)B14: Androgens, anabolic steroids, antiandrogens. Agents affecting the sexual activity病理学 C/83:前立腺癌泌尿器科学 N-01:泌尿器科腫瘍における抗腫瘍薬の分類婦人科 37:男性化と多毛症
副作用
下痢女性化乳房黄疸
対象疾患
前立腺癌

🧠 全体像史上初の非ステロイド性(AR)拮抗薬である。ステロイド性のと違いプロゲステロン様・様作用を持たず、ARだけをに塞ぐ「純粋な抗アンドロゲン」の設計を初めて実現し、フレア予防やの出発点になった。しかし重篤な肝毒性(米国添付文書の)のため、より安全なに置き換わり、現在は使われない——「歴史的に重要だが今は使われない」という位置づけ自体が学習ポイントである。

薬効群の中での位置づけ

は、ステロイド性か非ステロイド性か、受容体外作用を持つかどうかで整理できる。

薬剤 種類 受容体外作用 肝毒性 現在の位置づけ
ステロイド性 あり(プロゲステロン様・様) 比較的軽度 地域により現役
非ステロイド性・最初期(初の非ステロイド性AR拮抗薬) なし(純粋拮抗薬) 重篤例・死亡例あり( 歴史的薬剤。肝毒性のため主流ではない
非ステロイド性・第1世代 なし 低頻度 の後継として主流
など 非ステロイド性・第2世代 なし 低頻度 現行の主力

「受容体だけをし、他のには作用しない」という設計の出発点がである。 はAR以外の受容体にも作用するが、はAR以外に作用しない。この違いが後続世代にも引き継がれた。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='active metabolite'>活性代謝物</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='hydroxyflutamide'>ヒドロキシフルタミド</span>が<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='androgen receptor'>アンドロゲン受容体</span>へ<span class='jp-term jp-term-diagram' title='competitive'>競合的</span>に結合"] --> B["テストステロン・DHTの結合を妨げる<br>(プロゲステロン様・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glucocorticoids'>糖質コルチコイド</span>様作用はなし)"]
    B --> D["視床下部・下垂体でもARを遮断し<br>負のフィードバックが外れLH分泌が増加"]
    D --> E["精巣テストステロン産生が増加し<br>末梢でエストロゲンへ変換される"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gynecomastia'>女性化乳房</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mastodynia'>乳房痛</span>"]
    A --> G["さらに代謝された中間体が<br>肝細胞のミトコンドリア機能を障害する"]
    G --> H["肝毒性(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transaminases'>トランスアミナーゼ</span>上昇〜<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fulminant hepatitis'>劇症肝炎</span>・肝不全)"]

💡 単剤は精巣のテストステロン産生を止めない、むしろ増やす。 ARを遮断すると視床下部・下垂体は「アンドロゲン作用不足」と感知しLH分泌を増やすため、精巣性テストステロンはかえって上昇する。去勢とは仕組みが異なり、単剤ではの代替にならない。

薬物動態

項目 値・特徴
(親薬より強い活性を持ち、実質的な薬効を担う)
半減期 で約6時間(単回投与時)、高齢者の定常状態では約9.6時間
代謝 (CYP3A4など)。代謝過程で生じる中間体が肝毒性に関与すると考えられている
排泄 主に尿中。糞中排泄は5%未満

適応

適応 使いどころ
前立腺癌(歴史的) GnRH作動薬開始時のフレア予防、(CAB/MAB)の一角として1980〜90年代に広く使われた
前立腺癌(現在) 肝毒性のためなど後継薬に置き換わり第一選択にならない
・男性化(かつて) を期待して使われたが、内分泌学会ガイドラインは肝毒性を理由に推奨していない

⚠️ CABは去勢単独に比べ生存へのがきわめて小さい。 Prostate Cancer Trialists’ Collaborative Groupの(27試験・8,275例、Lancet 2000)では5年25.4%対23.6%(差1.8%、非有意)にとどまった。現在はなどのARPIやの早期併用に置き換わっている。

用法・用量

1日3回、8時間ごとの内服が基本で、1日1回投与のよりが大きい(1回用量は日本125 mg・米国250 mgと添付文書により異なる)。GnRH作動薬開始前後の短期間だけ先行・併用し、フレア予防の目的が終われば中止するのが現在の位置づけで、長期継続は推奨されない。実際の用量・期間は添付文書・施設プロトコルで確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:重度。投与開始前に肝を行い、投与中も定期的にモニタリングする。
  • ⚠️ 黄疸・感・悪心が出現したら直ちに中止し肝機能を評価する。 米国添付文書のは、・肝不全による死亡例に基づく。
  • 単剤ではテストステロン産生自体は止まらないため、GnRH作動薬・去勢との併用が前提。

副作用

頻度 内容
高頻度 下痢(LHRH作動薬併用下で約12%、群約4%と他のより目立つ)、(併用療法で約9%)
注意 による尿の緑〜青色変化
重篤・まれ 肝毒性——上昇は長期投与で高頻度だが多くは無症候性、黄疸を伴う明らかな肝障害は0.1〜1%、・肝不全による死亡例もある

まとめ

  • は史上初の非ステロイド性AR拮抗薬。プロゲステロン様・様作用を持たない「純粋な抗アンドロゲン」という設計の出発点になった。
  • GnRH作動薬開始時のフレア予防との歴史を作ったが、生存へのは1.8%(非有意)と小さく現在の標準治療ではない。
  • 最大の弱点は肝毒性——米国添付文書にがあり、・肝不全による死亡例が報告されている。
  • 1日1回投与で肝毒性頻度も低いが後継薬として主流になり、治療も含め現在は推奨されない。
  • 下痢の頻度が他のより高く、による尿のという特徴的な副作用も持つ。