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Drug Atlas · C8 Antibiotics / 抗菌薬

ナフシリン

nafcillin

分類
Antibiotics / 抗菌薬
科目
Pharmacology
トピック
C8: Penicillins
標的微生物
Staphylococcus aureus
副作用
皮疹白血球減少
対象疾患
化膿性関節炎(敗血症性関節炎)

🧠 全体像:はと並ぶ米国の注射用で、・の「版」に近い立ち位置にある。側鎖のでブドウ球菌のから逃れMSSAを狙う設計・無効という限界は同じ系統すべてに共通する。の体内動態上の個性はが主体であること——腎不全でもが通常不要な一方、炎・という投与部位のトラブルが特徴的に知られている。

オキサシリンとの違い

項目
静注(炎に注意) 静注・筋注
蛋白結合率 約90% 約94%
半減期 約0.5〜1時間 約0.5時間
排泄 肝の不活化・胆汁排泄が主体(は約3割) 腎(・)が主体で、肝の不活化・胆汁排泄も一部あり
時 腎不全でも半減期は大きく変わらず、通常は不要。肝硬変・胆道閉塞ではが低下 の減量とを検討
特徴的な有害事象 炎・(投与部位の炎症・) (発熱・悪心・嘔吐とSGOT上昇などを伴う肝炎様反応)

💡 腎機能に応じたが要らないことと、肝毒性が起きないことは別。 も肝で消失する薬である以上、上昇の報告はあり、肝硬変・胆道閉塞ではが有意に低下するため、を併存する患者ではとくに注意が要る1。

適応・用法

MSSAによる皮膚軟部組織感染、骨髄炎・、菌血症、心内膜炎などが適応で、と並び米国でMSSA感染症の静注治療に標準的に用いられる。添付文書は、感受性が確認された産生ブドウ球菌感染症を適応とし、感受性菌やブドウ球菌には用いないとしている1。小児の細菌性関節炎では、市中型による関節炎が約10%未満と推定される地域で、軽症〜中等症の児に/またはでを開始するがいる2。成人では通常1回500 mgを4時間ごと、重症例では1回1 gを4時間ごとに30〜60分以上かけて静注する。実際の用量は適応・重症度で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意・副作用

まとめ

  • はと並ぶ米国の注射用で、MSSAの皮膚軟部組織感染・・菌血症・心内膜炎が主な適応。には無効。
  • 肝の不活化・胆汁排泄が消失の主体で、腎不全でも通常は不要。ただし肝硬変・胆道閉塞ではクリアランスが低下する。
  • 特徴的な有害事象は炎・。・間質性腎炎、上昇の報告もある。

出典

  1. 1.NAFCILLIN injection, solution [Baxter Healthcare Corporation](U.S. Food and Drug Administration (Baxter Healthcare Corporation, DailyMed)・2024)適応はペニシリナーゼ産生ブドウ球菌のうち感受性が確認された株による感染症で、ペニシリンG感受性菌・メチシリン耐性ブドウ球菌には用いないとしている。禁忌はペニシリン系へのアナフィラキシー反応の既往。腎尿細管障害・間質性腎炎(血尿・蛋白尿・急性腎障害)、注射部位の疼痛・腫脹・静脈炎・血栓性静脈炎・皮膚壊死の報告がある。蛋白結合率89.9±1.5%、静注時の血清半減期33〜61分、主に肝での不活化と胆汁排泄という非腎経路で消失し尿中未変化体排泄は約3割にとどまることを確認した。腎不全でも半減期は大きく変わらず血液透析でもクリアランスは促進されないため通常は腎機能による用量調整を要さないが、肝クリアランスが主体のため肝硬変・胆道閉塞では血漿クリアランスが有意に低下し、腎機能障害を併存する場合は注意するとしている。閲覧 2026-09-08
  2. 2.Clinical Practice Guideline by the Pediatric Infectious Diseases Society (PIDS) and the Infectious Diseases Society of America (IDSA): 2023 Guideline on Diagnosis and Management of Acute Bacterial Arthritis in Pediatrics(Pediatric Infectious Diseases Society / Infectious Diseases Society of America・2023)市中型MRSAによる関節炎が約10%未満の地域では、軽症〜中等症の小児の細菌性関節炎に対してオキサシリン/ナフシリンまたはセファゾリンで経験的治療を開始する専門家がいると述べていることを確認した(適用範囲は生後1か月〜17歳、新生児は除外)。同ガイドラインはまた、市中型MRSAを狙った薬剤で開始する場合でも*Kingella kingae*を覆うにはアンピシリンまたはセファロスポリンの追加を検討すべきとし、抗ブドウ球菌ペニシリン単剤では同菌に活性が不十分であることを明記している。閲覧 2026-09-08