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Imaging findings · Published

Hollenhorst斑

Hollenhorst plaque

別名
網膜コレステロール塞栓
臓器系
眼科循環器
科目
CardiologyAnatomyNeurology
トピック
循環器内科 B-13:大動脈弓上分枝・上肢動脈疾患の症状・診断・治療解剖学 7.4:頭部:眼窩と眼神経内科 G2-22:脳血管の超音波検査
関連疾患
アテローム性動脈硬化症

🧠 全体像は「目の所見」ではない。眼底に見えているのは、多くは同側、ときにや心臓から飛んだであり、が答えるべきは良悪性ではなく、の検索と全身の管理へ進むかどうかである。約75%は無症候で健診の見つかる1が、無症候であることはが良性であることを意味しない。「見えているのに困っていない」という一見矛盾した所見こそが、この所見の本質を表している。

所見の定義

は外観で3型に大別され、由来との手掛かりになる。

外観 由来 症状との関係
黄色〜橙色に輝く屈折性の結晶。細動脈の分岐部に多発しやすい 同側した、まれに 可動性が高く、眼球マッサージ後などに消失しうる2。持続すればの原因になる
鈍い灰白色で細長く、血管の一部を断続的に占める 可動性が高く早期に自然再灌流しやすい
白色で大きく単発、鈍い光沢 石灰化した心弁膜(大動脈弁など)、大動脈・頸動脈の 近位の網膜動脈分枝に嵌頓しやすく2、視力への影響が大きくなりやすい

見かけの大きさと血流遮断の程度は一致しない。 は光を強く反射するため血管径より大きく見えるが、必ずしも血流を完全に遮断していない。これが多くの症例で症状を残さず発見される理由である。塞栓がのようなを欠く本幹に嵌頓すれば話は別で、持続する閉塞は不可逆なに至る。

モダリティと写り方

検査 写り方・使いどころ
動く塞栓を含め動的に観察できる。ベッドサイドで最初に行う検査
静止画として記録が残り、後日の過去画像との比較に使える
OCT は、の高反射領域とその後方のとして描出される3
造影剤なしに塞栓遠位の灌流状態を評価できるが、塞栓そのものの性状は直接描出しない
塞栓部でのなど灌流異常を評価する。塞栓の性状同定より灌流の可視化に向く

リスクを上げる形態

  • 多発性:シャワー状に複数の塞栓が見える例は、単一のではなく持続的なを示唆する
  • 近傍への嵌頓:より近位の太い血管を巻き込んでおり、広範なのリスクが高い
  • )やを伴う:塞栓が実際に灌流を障害していることの直接証拠であり、無症候の所見とは扱いを変える
  • 両眼性:片側のだけでは説明できず、心房細動の疣贅など、より近位・を疑う手掛かりになる

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fundus examination (fundoscopy)'>眼底検査</span>で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Hollenhorst plaque'>Hollenhorst斑</span>を確認"] --> B["過去の眼底写真と比較する"]
    B --> C{"新規または増加か"}
    C -->|"経過観察中の既知病変で不変"| D["経過観察を継続"]
    C -->|"新規・増加、または初回発見"| E{"随伴症状はあるか"}
    E -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='amaurosis fugax'>一過性黒内障</span>などTIA相当の症状あり"| F["脳卒中に準じ緊急評価<br>(即日の頸動脈画像・専門科紹介)"]
    E -->|"無症候"| G["無症候でも<span class='jp-term jp-term-diagram' title='embolic source'>塞栓源</span>検索の適応あり"]
    F --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='carotid ultrasonography'>頸動脈超音波</span>・心エコーで<span class='jp-term jp-term-diagram' title='embolic source'>塞栓源</span>を検索"]
    G --> H
    H --> I["脳卒中危険因子を包括的に評価<br>(血圧・脂質・血糖・心房細動)"]
    I --> J["内科・脳神経内科と連携し<span class='jp-term jp-term-diagram' title='secondary prevention'>二次予防</span>を開始"]

無症候のであっても、それ自体が有意な頸動脈の指標であるため、による検索を省略しない1。症状がありに相当するなら、視力が戻っていてもと同格の緊急対応へ進む4。頸動脈評価が陰性でも心房細動など源の検索を並行し、最終的にはの一次・という枠組みに合流させる。

⚠️ 紛らわしいもの

  • 下に生じる境界明瞭な黄白色沈着で、血管の外にあり分岐部に限局しない。血管内に嵌頓するとは位置関係で区別する
  • 網膜内脂質浸出(:血管の外、に染み出た脂質で、輝きが鈍く血管走行とはに散在する
  • 中にするの粒子で、動眼時に揺れながらもには付着しない。すると可動性の質が異なる
  • の光反射や:光源の反射は眼球運動や角度で位置が変わるが、真の塞栓は血管に固定されて動かない
  • から連続する白色の羽毛状病変で、血管の走行とは独立してに沿う点で塞栓と区別できる

まとめ

  • は全身の動脈硬化を映す所見であり、の目的は良悪性の判断ではなく検索と管理へ進むかどうかの判断である。
  • (黄色・分岐部・可動性)、(灰白色・可動性)、(白色・単発・近位でしやすい)の3型は、由来と症状の持続性が異なる。
  • 見かけの輝きの強さと血流遮断の程度は一致せず、多くは血流を保ったまま無症候で発見される。
  • 多発性、近傍への嵌頓、の合併、両眼性はいずれもリスクを引き上げる所見で、両眼性は特になど近位のを示唆する。
  • 無症候例でもを含む検索の適応があり、を伴えば視力が戻っていてもと同格の緊急対応に進む。
  • ・光反射・との鑑別は、血管内か外か、分岐部へのの有無、可動性の質で見分ける。

出典

  1. 1.Hollenhorst Plaque(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2024)Hollenhorst斑が黄色く屈折性で網膜細動脈の分岐部に多発しうる、同側頸動脈または大動脈弓由来のコレステロール塞栓であること、約75%が無症候で偶然発見されること、石灰化塞栓(心弁膜・大動脈石灰化由来で白色)およびフィブリン血小板塞栓(頸動脈血栓由来で鈍い白色)と外観・起源が異なること、評価に頸動脈超音波・心エコー・CT/MR血管造影・フルオレセイン蛍光眼底造影を用いること、70%を超える頸動脈狭窄では血管外科的介入が検討されることを確認した。閲覧 2026-08-04
  2. 2.Retinal Emboli in Cholesterol Crystal Embolism(Case Reports in Ophthalmological Medicine・2013)コレステロール塞栓が潰瘍化した頸動脈のアテローム硬化巣に由来し細動脈分岐部に多発性・黄色反射性として現れ、可動性が高く眼球マッサージ後に消失しうること、石灰化塞栓は大きく白色・単発で近位の網膜動脈分枝に嵌頓し、石灰化した大動脈弁または頸動脈・上行大動脈のプラークに由来することを確認した。閲覧 2026-08-04
  3. 3.Spectral domain optical coherence tomography findings of acute branch retinal artery occlusion from calcific embolus(Indian Journal of Ophthalmology・2010)石灰化塞栓がOCT上で血管内腔の高反射領域とその後方の光学的シャドウイングとして描出されると報告されていることを確認した。閲覧 2026-08-04
  4. 4.Amaurosis Fugax(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2025)網膜塞栓に一過性黒内障を伴う場合はAHA/ASAが一過性脳虚血発作と同格に扱い緊急の頸動脈画像評価・専門医紹介を求めていること、頸動脈超音波が第一選択の画像検査であることを確認した。閲覧 2026-08-04