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Lab values · Published

針筋電図

Needle electromyography

別名
針電極筋電図needle EMG
臓器系
神経
科目
Neurology
トピック
神経内科 G2-23:臨床神経生理検査:EEG・EMG・ENG・TMS・誘発電位
関連疾患
GNEミオパチースティッフパーソン症候群ポリオ後症候群顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー急性弛緩性脊髄炎筋萎縮性側索硬化症肢帯型筋ジストロフィー糖尿病性筋萎縮封入体筋炎良性線維束攣縮症候群腕神経叢損傷頸椎症性筋萎縮症

🧠 全体像:は、筋へ細い針電極を刺し、安静時の異常なと時の・動員を読む検査である。が末梢神経の「速さと反応量」を測るのに対し、は筋を窓としてから筋線維までの機能を評価する。単一の波形で診断する検査ではなく、異常がどの筋・神経・神経根・に分布するかを組み合わせて局在、活動性、慢性度を推定する。

何を測っているか

針電極で筋内の限られた領域から電位を記録し、安静、軽い、最大の順に観察する1。

観察段階 主な評価項目 読み取ること
針の刺入・移動時 刺入活動 の興奮性。延長はの不安定化、低下は線維化・などを示唆する
安静時 、、性電位、複合反復放電など 活動性、の異常興奮、反復放電の有無
軽い の振幅・・相数 1つの運動ニューロンが支配する筋線維群の
収縮を強めた時 動員と干渉波形 力を増す際に新しいがどの程度参加するか

💡 と性電位は別物である。 ・は個々の筋線維がする所見で活動性を支持する。性電位は全体ので、良性にもにも出現するため、それだけで診断しない。

実施法

診察で立てた仮説に沿って筋を選ぶ。筋力低下の分布、感覚障害、腱反射、の結果を基に、同じ神経根で異なる末梢神経に支配される筋、同じ末梢神経で異なる神経根に支配される筋などを組み合わせる。必要最小限の筋を調べ、各筋では安静を十分に保ってから段階的に収縮してもらう。

flowchart TD
    A["病歴・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neurological examination'>神経診察</span>で局在仮説を立てる"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nerve conduction study (NCS)'>神経伝導検査</span>で末梢神経の速度・振幅を評価"]
    B --> C["仮説を検証できる筋を複数選ぶ"]
    C --> D["安静時の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='spontaneous discharge (electrical)'>自発放電</span>を確認"]
    D --> E["軽い収縮で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='motor unit potential'>運動単位電位</span>を評価"]
    E --> F["強い収縮で動員・干渉波形を評価"]
    F --> G["筋の分布と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='clinical signs'>臨床所見</span>を統合して局在・活動性・慢性度を判定"]

結果の読み方

安静時と時の波形は、病型だけでなくと重症度の判断にも使う2。

パターン 安静時 動員 主な解釈
活動性 ・ 発症早期は残存単位のみ 低下しうる が進行中または比較的新しいことを支持する
慢性 は無いこともある ・長・多相性 低下 残存軸索からの側芽形成によるを示唆する
炎症・壊死があればを伴いうる 低振幅・短・多相性 早期動員 1内で発火に参加する筋線維が減っていることを示唆する
通常のでは非特異的または正常 単回評価では診断困難 変動しうる やで評価する

⭐ かかは振幅だけで決めない。 、動員、分布、、臨床経過を合わせて判断する。多相性はにも筋疾患にも現れ、単独では非特異的である。

分布による局在

異常の分布 考えやすい局在
同一末梢神経に支配される筋に限局 末梢神経障害
同一筋節で、異なる末梢神経の筋にまたがる
複数領域に活動性・慢性が広がる 運動ニューロン障害を含む広範な病変
近位筋優位または特定の筋群に 。臨床像に応じ炎症性・遺伝性・代謝性などを絞る

⚠️ 測定上・判読上の注意

  • 検査時期に依存する。 直後は遠位筋にがまだ現れず、早期の正常所見だけでは病変を否定できない。臨床経過と合わなければ、対象筋を見直すか時間を置いて再検する。
  • サンプリング検査である。 針先周囲の狭い範囲しか記録しないため、病変が不均一な筋では異常を見逃しうる。筋の選択と針位置は性が高い。
  • 正常波形でも病変を否定できない。 感覚神経のみの障害、、軽度または非常に早期の病変は通常ので捉えにくい。
  • 疼痛・少量出血は起こりうる。 重篤な有害事象はまれだが、、血小板減少、抗凝固薬・の使用、感染部位、胸郭近傍や深部筋の穿刺では個別に利益とリスクを評価する3。抗凝固薬は自己判断で中止しない。
  • 気胸に注意する。 横隔膜、、など胸膜に近い筋では、解剖と安全な刺入方向を熟知した検者が行う。検査後の呼吸困難・胸痛は速やかに評価する。

次に進むべき検査/使い分け

  • 脱髄かかを定量したい:で・・CMAP・SNAPを評価する。だけではやを直接測れない。
  • が疑わしい:を行い、陰性でも疑いが強ければへ進む。
  • 筋疾患が疑わしい:などの血液検査、、遺伝学的検査、必要に応じを組み合わせる。生検予定筋へ先に針を刺すと組織所見に影響しうるため、反対側または別の筋を選ぶ。
  • 神経根・神経叢・末梢神経の構造病変を確認したい:臨床局在に応じてまたは神経超音波を追加する。学的異常は機能障害を示すが、圧迫・腫瘍・炎症の形態を直接描出しない。

まとめ

  • は安静時、、動員を読み、と、活動性と慢性度、病変分布を評価する。
  • とは相補的であり、はの反応やを直接測らない。
  • ・は活動性を支持するが、多相性や性電位は単独で診断的ではない。
  • と不均一な病変では偽陰性があり、臨床像と合わなければ筋選択または検査時期を見直す。
  • 重篤な合併症はまれだが、、感染、胸膜近傍・深部筋の穿刺では安全性を個別評価する。

出典

  1. 1.Needle electromyography: Basic concepts(Handbook of Clinical Neurology・2019)針筋電図は筋内へ針電極を挿入し、安静時と随意収縮時の筋線維・運動単位の電気信号を記録・増幅・解析する検査であること、電極・フィルタ・増幅設定が波形に影響し、疼痛・出血・気胸が潜在的リスクであることを確認した。閲覧 2026-08-30
  2. 2.Needle Electromyography Waveforms During Needle Electromyography(Neurologic Clinics・2021)安静時の自発放電と随意収縮時の運動単位電位の変化が、神経筋疾患の病型・時間経過・重症度を判断する中核であることを確認した。閲覧 2026-08-30
  3. 3.Potential risks of iatrogenic complications of nerve conduction studies (NCS) and electromyography (EMG)(Clinical Neurophysiology Practice・2016)神経伝導検査・筋電図は熟練した検者が行えば重篤な有害事象は少ない一方、患者背景と検査部位によってリスクが高まるため、検査の目的・利益・合併症を説明し個別に同意を得る必要があることを確認した。閲覧 2026-08-30