Pulmonology

Pulmonology · 40

サルコイドーシス

Sarcoidosis

前提:病態
肺の肉芽腫性疾患
前提:正常
過敏反応(I〜IV型)
疾患
サルコイドーシス
画像所見
遅延造影

🧠 全体像を形成する原因不明の多臓器疾患で、約90%に胸部病変を認める。診断は臨床像・画像・必要時組織を合わせ、結核、真菌、曝露、悪性疾患などを除外して行う。

1. 病理と疫学

  • 腫中心部はマクロファージ、からなり、周囲をリンパ球、単球、線維芽細胞が囲む。
  • 肺では腫、、進行例の線維化を来し、となりうる。
  • 若年〜中年成人に多い。と環境・感染性刺激の相互作用が想定されるが、原因は確定していない。
  • は類似腫を起こす別疾患であり、曝露歴を聴取してを除外する。

2. 臨床像

臓器・系統 所見
肺・縦隔 無症状、、呼吸困難、胸痛、
全身・リンパ 感、体重減少、リンパ節腫脹
眼・皮膚・関節 ぶどう膜炎、関節炎、皮下結節
心臓 房室ブロック不整脈、心不全、
肝脾 肝脾腫
代謝 マクロファージの産生による高Ca血症

、急性関節炎の組合せは(Löfgren syndrome)を示唆する。

3. 胸部画像

胸部X線は初期検査で、無症状者のとして見つかることも多い。

胸部X線所見
0 胸部X線異常なし
I のみ
II BHL+肺実質陰影
III BHLなしで肺実質陰影
IV

これは画像分類であり、臨床重症度や時間的進行を直接表す病期ではない。HRCTはX線が不明瞭な場合や実質・の詳細評価に用いる。

4. 診断

flowchart TD
  A["適合する臨床像・画像"] --> B["感染・曝露・悪性疾患を除外"]
  B --> C["組織確認が必要か判断"]
  C --> D["EBUS/TBLBなどで<span class='jp-term jp-term-diagram' title='noncaseating granuloma'>非乾酪性肉芽腫</span>"]
  D --> E["臓器障害・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='therapeutic indications'>治療適応</span>を評価"]
  • 血清ACE上昇・高Ca血症は補助所見で、感度・特異度が不十分なため単独診断に使わない。
  • 組織では、時にを認めるが、これらもではない。
  • 生検部位は安全で診断率の高い病変を選び、胸部リンパ節には気管支内超音波などを用いる。
  • 典型的など臨床的疑いが非常に高い場合は生検を省略し、慎重に追跡できる。組織が必要な胸部リンパ節病変では、縦隔鏡より先にEBUSリンパ節採取を選ぶ1

診断時の臓器スクリーニング

  • 症状がなくても、眼科診察、血算、、血清Ca、心電図を基礎評価として行う1
  • 心症状・心電図異常がなければ、心エコーやを全例に一律施行しない。心臓病変が疑われる場合はを優先し、実施できなければ専用FDG-PETを用いる1

5. 治療

  • 無症状で自然軽快が期待でき、臓器機能障害がない患者は経過観察できる。
  • 将来の死亡・永続的障害リスクが高い症候性肺病変、視機能を脅かす、心臓・神経病変、高Ca血症などでは副腎皮質ステロイドを第一選択とする2
  • 肺病変がステロイドで持続する、または副作用が許容できない場合はメトトレキサートを追加し、症例に応じなどのを検討する2
  • 治療は画像だけでなく症状、肺機能、臓器障害リスクに基づく。

まとめ

  • は多臓器性の性疾患で、胸部病変が最も多い。
  • 診断には適合する臨床像、必要時の組織、他原因の除外が必要で、ACE単独では診断できない。
  • 全例を治療せず、生命・臓器機能・QOLを脅かす病変にステロイドを中心とした治療を行う。

出典

  1. 1.Diagnosis and Detection of Sarcoidosis: An Official American Thoracic Society Clinical Practice Guideline(American Thoracic Society・2020)診断の3要素、EBUSによるリンパ節採取、眼・腎・肝・Ca・血算・心電図の基礎スクリーニングと心臓画像の選択閲覧 2026-08-03
  2. 2.ERS clinical practice guidelines on treatment of sarcoidosis(European Respiratory Society・2021)肺サルコイドーシスの治療適応、副腎皮質ステロイド、メトトレキサート追加の位置づけ閲覧 2026-08-03