Surgery

Surgery · S-10

胆石症の合併症と治療

Gallstones complications and treatment

前提:病態
黄疸の病態生理/ビリルビン代謝異常/胆石症胆道系・胆嚢の炎症と腫瘍
疾患
胆石症
画像所見
磁器様胆嚢
スコア
Charcot三徴

🧠 全体像は「閉塞部位」と「感染・膵炎の有無」で整理する。閉塞ならなら、そこに感染が加われば、乳頭部を一過性に塞げばとなる。治療の軸は、感染時の蘇生・抗菌薬と、内視鏡または手術による閉塞解除である。

胆石合併症の見取り図

病態 主な閉塞部位・機序 代表所見 治療の要点
の持続閉塞 6時間を超える、発熱、 早期
反復する・軽微な炎症 胆嚢壁の線維化・肥厚 症候性なら
内結石 黄疸、ALP・GGT・ビリルビン上昇 適応例でERCPによる結石除去
胆道閉塞+感染 、重症では循環・意識障害 抗菌薬+早期
乳頭部の一過性閉塞 痛、リパーゼ上昇 膵炎支持療法+再発予防の
flowchart TD
    A["胆嚢内の結石"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cystic duct'>胆嚢管</span>を持続閉塞"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acute cholecystitis'>急性胆嚢炎</span>"]
    A --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='common bile duct (CBD)'>総胆管</span>へ移動"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='choledocholithiasis'>総胆管結石症</span>"]
    E --> F["胆汁うっ滞に感染が加わる"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acute cholangitis'>急性胆管炎</span>"]
    D --> H["十二指腸乳頭部を閉塞"]
    H --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gallstone pancreatitis'>胆石性膵炎</span>"]

急性胆嚢炎

胆石がに嵌頓して胆嚢内圧が上がり、虚血と炎症を来す。典型像は持続する、発熱、悪心・嘔吐、陽性である。血液検査では白血球・を認め、超音波で胆石、胆大、壁肥厚、周囲液体貯留、超音波を評価する。

合併症には胆嚢、穿孔、、周囲膿瘍がある。

治療

  1. 循環評価、補液、鎮痛、必要に応じたを行う。
  2. 感染の重症度と地域の耐性状況に応じて抗菌薬を開始する。市中感染の一例はセフトリアキソンメトロニダゾールであるが、敗血症ではより広域にする。
  3. 手術可能なら、同一入院中のできるだけ早期にを行う。発症72時間以内は望ましいが、72時間を超えたことだけを理由に一律延期しない。

⚠️ 、麻酔の禁忌、手術に耐えない重篤なでは緊急手術を避け、抗菌薬と経皮的または内視鏡的胆嚢ドレナージで感染源を制御する。高齢という理由だけでを否定しない。

慢性胆嚢炎

反復するまたは不炎症により胆嚢壁が線維化・肥厚し、収縮能が低下する。症候性ではとなる。

は胆嚢壁石灰化を示す。リスクは石灰化の型によって異なり、従来考えられたほど一様に高くないため、無症候例の予防的手術は年齢、、石灰化様式を含め個別化する。

総胆管結石症

または、黄疸、肝障害を来す。超音波で胆管拡張を確認し、中間確率例ではまたはで不要なERCPを避ける。

ERCPは診断目的だけにルーチン施行せず、結石除去・乳頭切開・ドレナージが必要な高確率例に用いる。胆嚢結石を伴う場合は、結石除去後に同一入院または早期のを計画する。

急性胆管炎

胆道閉塞に細菌感染が加わった緊急病態である。は発熱、、黄疸であり、低血圧と意識障害が加わるを示唆する。ただし三徴が揃わなくても否定できない。

初期対応と閉塞解除

  • 血液培養を採取し、補液、臓器支持、を開始する。
  • は重症例の選択肢だが、腎機能、既往培養、の有無に応じて選ぶ。
  • 中等症以上、保存的治療反応不良、臓器障害を伴う重症例ではERCPによる早期を行う。重症例では蘇生と並行して可能な限り速やかに実施する。
  • ERCP不能時はまたはを検討する。

胆石性膵炎

胆石が乳頭部を一過性に閉塞し、を起こす。持続する、悪心・嘔吐に加え、血清リパーゼまたはの3倍以上となることが多い。

  • 循環状態を反復評価しながら適切に補液し、鎮痛する。
  • 軽症ではに応じ24〜48時間以内にを再開し、単純な「腸管安静」を長引かせない。
  • 胆管炎を合併すれば24時間以内を目安にERCPを行う。胆管炎や持続性胆道閉塞がなければ、緊急ERCPをルーチンには行わない。
  • 軽症では、再発予防のため退院前にを行う。重症では局所炎症が落ち着くまで手術時期を個別化する。

まとめ

  • 閉塞は、閉塞+感染は胆管炎、乳頭部閉塞はを来す。
  • は同一入院中の早期が基本で、ドレナージは手術例のに用いる。
  • ERCPは治療手技であり、の中間確率例ではMRCPまたはEUSを先行する。
  • は抗菌薬だけでなくが重要である。
  • 軽症では早期経口摂取と退院前で再発を防ぐ。