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Drug Atlas · C3 Antiparasitics / 抗寄生虫薬 · 必修

アトバコン

atovaquone

分類
Antiparasitics / 抗寄生虫薬
商品名(日本)
マラロン(プログアニルとの配合剤)
商品名(EU)
Malarone(プログアニルとの配合剤)Mepron(単剤、PJP適応)
科目
Pharmacology
トピック
C3: Antiprotozoal and antihelminthic drugs
標的微生物
Plasmodium falciparumPneumocystis jirovecii
副作用
頭痛皮疹
相互作用
リファンピシン

🧠 全体像は「原虫のミトコンドリアを止める」という一つの機序でマラリアとという一見な2つの感染症をカバーする薬。単独ではPJPの治療・予防に使う一方、マラリアではとの配合剤(マラロン/Malarone)として予防・治療の定番になる——「単剤か配合剤か」で適応が分かれる点を押さえておくと迷わない。

薬効群の中での位置づけ

グループ 代表薬 狙う病期・標的 特徴
赤血球内 地域の耐性で使い分ける治療薬
赤血球内 の速効成分
を叩く薬 P. vivax/P. ovaleの根治
ミトコンドリア・葉酸阻害薬(予防主体) 〜赤血球内 予防の定番はPJPにも使う

配合剤(マラロン)は、「肝臓期にもにも効く」数少ない予防薬。 多くの予防薬はにしか効かず発症を遅らせるだけだが、この配合剤は肝臓期(が寄与)にも作用するため、渡航後の内服継続期間が7日間と短くて済むは4週間)という実用上の利点がある。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='atovaquone'>アトバコン</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='CoQ'>ユビキノン</span>類似構造で<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='inner mitochondrial membrane'>ミトコンドリア内膜</span>へ取り込まれる"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cytochrome'>シトクロム</span> bc1複合体<br>(Complex III)を阻害"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='electron transport chain'>電子伝達鎖</span>が停止"]
    C --> D["膜電位が崩壊し<br>ATP産生・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pyrimidine synthesis'>ピリミジン合成</span>が止まる"]
    D --> E["原虫・真菌様病原体の増殖停止・死滅"]
    F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='proguanil'>プログアニル</span>併用"] -.->|"別経路(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='folate synthesis'>葉酸合成</span>)を同時に阻害"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='synergistic'>相乗的</span>な殺虫効果"]

💡 標的がヒトのミトコンドリアではなく、寄生虫・Pneumocystis特有のである点がの根拠。 bc1自体はヒトにも存在するが、は病原体側の酵素への親和性が数桁高く、通常量ではヒトのにほとんど影響しない。

薬物動態

項目 値・特徴
低く、かつ食事(特に脂肪分)で数倍に増加
分布 高い脂溶性、蛋白結合率が高い
代謝 ほとんど代謝を受けない
排泄 主に糞便中へ未変化体のまま排泄に関与)
半減期 約2〜3日

「必ず食事とともに服用」がこの薬の吸収を左右する最 空腹時投与では血中濃度が不十分になり、予防・治療の失敗につながりうる。

適応

領域 使いどころ
呼吸器 Pneumocystis jirovecii治療(軽症〜中等症、ST合剤不耐例)・予防(ST合剤不耐例)
マラリア ・治療:との配合剤として使用(予防の代表的レジメン)

用法・用量

PJP治療:食事とともに、通常21日間程度。PJP予防:ST合剤が使えない場合の代替として継続投与。配合剤として、渡航1〜2日前から開始し、渡航中および帰国後7日間まで継続する(他の予防薬より投与期間が短くて済む)。実際の用量は適応・体重で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:過敏症
  • ⚠️ リファンピシン・との併用は避ける。 によりの血中濃度が大きく低下し、・PJP治療の失敗につながりうる
  • 食事とともに服用しないと吸収不良となる。 嘔吐が続く患者では効果不十分のリスクがある

副作用

頻度 内容
高頻度 頭痛、消化器症状(悪心・下痢)
注意 皮疹
重篤・まれ 、過敏反応

まとめ

  • 原虫・Pneumocystis bc1)を阻害し、ATP・を止める薬。
  • マラリアとPJPという2つの感染症に使われる——マラリアでは主にとの配合剤(マラロン)、PJPでは単剤で治療・予防に用いる。
  • 食事(特に脂肪分)で吸収が大きく上昇するため、必ず食事とともに服用させる。
  • 肝臓期にも作用するため、での帰国後内服期間が7日間と他剤より短くて済む。
  • リファンピシン・との併用での血中濃度が大きく低下するため避ける。