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Drug Atlas · C3 Antiparasitics / 抗寄生虫薬 · 必修

プログアニル

proguanil

分類
Antiparasitics / 抗寄生虫薬
商品名(日本)
マラロン(アトバコンとの配合剤)
商品名(EU)
Malarone(アトバコンとの配合剤)Paludrine(単剤)
科目
Pharmacology
トピック
C11: Chloramphenicol. Polymyxins. Antifolate drugsC3: Antiprotozoal and antihelminthic drugs
禁忌疾患
慢性腎臓病
標的微生物
Plasmodium falciparumPlasmodium vivax
副作用
腹痛下痢

🧠 全体像を止める」という機序を持つ予防薬で、単独で処方されることはほぼなく、常にとの配合剤(マラロン/Malarone)として使われる。細菌のを狙うST合剤()とちょうど同じを、標的をに置き換えて再利用した薬と考えると理解しやすい——として活性化されてはじめてDHFR阻害薬になる」という代謝依存性が最大の特徴。

薬効群の中での位置づけ

グループ 代表薬 標的 特徴
赤血球内ヘム代謝 治療の主役になりうる薬
赤血球内蛋白/膜 ACTの速効成分
薬(予防主体) 原虫DHFR+ミトコンドリア 予防の定番配合剤
を叩く薬 P. vivax/P. ovaleの根治

は単独でも使われた歴史はあるが、現在の主戦場は「との配合剤」一択に近い。 単剤での耐性化が早く進んだ経緯があり、機序の異なる阻害)と組み合わせることで、それぞれの単独耐性株に対してもに効果を発揮する設計になっている。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='proguanil'>プログアニル</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prodrugs'>プロドラッグ</span>)を内服"] --> B["肝臓のCYP2C19により<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='active metabolite'>活性代謝物</span>cycloguanilへ変換"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Plasmodium'>マラリア原虫</span>のdihydrofolate reductase<br>(DHFR)を阻害"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='folate synthesis'>葉酸合成</span>が止まり<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='DNA/RNA'>核酸</span>合成の材料が作れなくなる"]
    D --> E["原虫の増殖停止"]
    F["CYP2C19の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='poor metabolizer'>個人差</span>"] -.->|"cycloguanil生成が不十分"| G["予防効果が不安定になりうる"]

💡 細菌感染症で使う(ST合剤)と「を止める」という発想は同じだが、標的が違う。 SMXは細菌のdihydropteroate合成酵素、TMPは細菌のDHFRを狙うのに対し、が狙うのはのDHFR——「を止める」という戦略が細菌にも原虫にも応用されている好例として対比すると覚えやすい。

薬物動態

項目 値・特徴
性質 (活性本体はcycloguanil)
代謝 肝臓のCYP2C19により活性化。CYP2C19のにより活性化の効率にがある
排泄 主に(未変化体・代謝物とも)
半減期 約12〜21時間

が主体のため、腎機能低下例では蓄積しやすい。 これが「重度腎障害では推奨されない」という禁忌・注意の根拠になっている。

適応

領域 使いどころ
との配合剤として予防に使用。渡航前後の内服期間が短くて済む(帰国後7日間)
マラリア治療 との配合剤として軽症〜中等症のP. falciparumマラリア治療にも使用

用法・用量

配合剤として、渡航1〜2日前から開始し、渡航中および帰国後7日間まで内服を継続する(食事とともに服用)。ではより高用量を3日間投与する。実際の用量は適応・体重・腎機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌・非推奨:重度腎障害(が低下した例では推奨されない)
  • 妊娠中の使用は他の予防薬とのリスク・を比較して判断する
  • CYP2C19の代謝活性のにより、まれに予防効果が不安定になりうる点に留意する

副作用

頻度 内容
高頻度 腹痛下痢などの消化器症状、
注意 状(脱毛、可逆性)
重篤・まれ 血液障害(骨髄抑制)、

まとめ

  • としてCYP2C19によりcycloguanilへ変換され、のDHFRを阻害してを止める予防・治療薬。
  • 細菌のDHFRを狙うST合剤と発想は同じだが、標的はのDHFRである点が異なる。
  • 現在はほぼとの配合剤(マラロン/Malarone)として使われ、予防の代表的レジメンになっている。
  • 肝臓期にも作用するため、他の予防薬より帰国後の内服継続期間(7日間)が短くて済む。
  • が主体のため重度腎障害では推奨されない。