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Gorelick score

Gorelick score

臓器系
小児
科目
Pediatrics
トピック
小児科 2-40:急性胃腸炎の原因と治療小児科 2-20:小児の体液平衡異常、重度脱水と輸液療法
構成:症状
傾眠毛細血管再充満時間延長眼窩陥凹涙液分泌低下口腔乾燥頻呼吸橈骨脈拍減弱皮膚緊張低下頻脈乏尿

🧠 全体像:Gorelick scoreは、下痢・嘔吐で受診した乳幼児・小児を対象に、全身状態・・涙・粘膜・眼・呼吸様式・・心拍数・尿量という10項目の診察所見を「正常か異常か」の2値で採点し、異常の数(0〜10点)で脱水の程度を推定するである。CDSが4項目を各0〜2点の3段階で採点するのに対し、Gorelick scoreは項目数が多い代わりに1項目あたりは単純な有無判定にとどめている。

目的と適用場面

内容
目的 の所見だけで小児の脱水程度(換算)を層別化する
対象 下痢・嘔吐による脱水が疑われる乳幼児・小児
使う場面 救急外来・外来でのかの初期判断
評価しないもの 電解質異常の種類・程度、治療前後の実測体重差そのもの

構成要素と配点

⭐ 10項目、各0点(正常)または1点(異常)、合計0〜10点12

全身状態

0点 1点
正常 落ち着きがない〜傾眠・意識障害

0点 1点
正常 延長(戻りが遅い、またはほとんど戻らない)

0点 1点
出る 消失

粘膜

0点 1点
湿潤 乾燥(高度乾燥を含む)

0点 1点
正常 陥凹(軽度〜高度)

呼吸様式

0点 1点
正常 深い、または深く速い(頻呼吸を伴うことがある)

0点 1点
正常 弱い、または触知不能

0点 1点
つまむとすぐ戻る 戻りが遅い、または2秒超で戻る

心拍数

0点 1点
正常 頻脈

尿量

0点 1点
正常 減少(長時間排尿がないことを含む)

解釈とカットオフ

合計点 目安 対応
0〜2点 明らかな脱水所見に乏しい 経口摂取の継続を指導し、通常のフォローで足りる
3〜6点 5%以上の脱水を示唆(感度87%・特異度82%)1 を中心に、頻回の再評価で反応を確認する
7点以上 10%以上の脱水(高度)の目安2 を含む積極的な補正を検討し、を継続的に監視する

💡 3項目以上の異常という比較的低い閾値で「5%以上の脱水」を拾いにいく設計であり、点数が上がるほど高度脱水を示す7点以上へ近づく。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 10項目のうち「呼吸様式」は評価者間のが低い所見として報告されている1。単独の項目判定のばらつきが合計点を動かしうる。

⚠️ 独立コホートでの外部検証では、Gorelick scoreの予測能はAUC 0.71の「fair」レベルにとどまり、年齢層別の解析では統計的有意性を失った3。原著の単一施設コホートでの性能がそのまま再現されるとは限らない。

⚠️ 検証対象は下痢・嘔吐による脱水が疑われる乳幼児・小児である。熱傷、など胃腸炎以外が原因の体液喪失にそのまま外挿しない。

⚠️ 10項目とも診察者の判定を含み、「軽度陥凹」と「高度陥凹」の境界のように経験で判定がばらつきうる。単独のスコアだけで補液方針を決めず、尿量・など他の所見と併せて評価する。

まとめ

  • Gorelick scoreは全身状態・・涙・粘膜・眼・呼吸様式・・心拍数・尿量の10項目を各0点(正常)/1点(異常)で採点し、合計0〜10点とする。
  • 3項目以上の異常で5%以上の脱水、7項目以上の異常で10%以上の脱水を示唆する。
  • CDSと並ぶ「点数化された小児脱水評価」だが、CDSが4項目を段階評価するのに対しGorelick scoreは10項目の有無判定である。
  • 「呼吸様式」はが低く、外部検証でも予測能はfairレベルにとどまるため、単独のスコアだけで補液方針を決めない。

出典

  1. 1.Validity and Reliability of Clinical Signs in the Diagnosis of Dehydration in Children(Pediatrics (American Academy of Pediatrics)・1997)Gorelick scoreが10項目の臨床徴候の異常の数を数える方式であり、3項目以上の異常で5%以上の脱水を感度87%・特異度82%で予測すること、「呼吸様式」の判定は評価者間信頼性が低い所見として報告されていることを確認した。閲覧 2026-08-10
  2. 2.Comparing the accuracy of the three popular clinical dehydration scales in children with diarrhea(International Journal of Emergency Medicine・2011)Gorelick score 10項目(全身状態・毛細血管再充満・涙・粘膜・眼・呼吸・脈拍の性状・皮膚緊張・心拍数・尿量)それぞれの正常/異常の判定基準の表と、3項目以上の異常で5%以上、7項目以上の異常で10%以上の体重減少(脱水)を示すという解釈区分を、原著(Gorelick)の引用として確認した。閲覧 2026-08-10
  3. 3.External Validation and Comparison of Three Pediatric Clinical Dehydration Scales(PLOS ONE・2014)独立コホートでの外部妥当性検証でGorelick scoreのAUCが0.71にとどまり、年齢層別の解析では統計的有意性を失ったことを確認した。閲覧 2026-08-10