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NEWS2(早期警告スコア)

NEWS2

別名
NEWSNational Early Warning Score早期警告スコア
臓器系
全身
科目
Internal MedicineMedical Microbiology
トピック
内科学 I-11:敗血症・敗血症性ショック微生物学 1/36:敗血症(定義・病態機序・微生物学的診断)
構成:症状
頻呼吸頻脈徐脈低血圧発熱錯乱(新規発症の意識変容)
構成:検査値
低酸素血症(SpO2低下)

🧠 全体像:NEWS2は「この患者は今どれくらいに近いか」を、すでにに測っているだけから一つの数値に集約するのための集計スコアである。個々の異常値の意味を診断するためのではなく、閾値を超えたら誰がどれくらい急いで診に行くかを機械的に決めるためのという位置づけが軸になる。

目的と適用場面

内容
目的 急性疾患の重症度を標準化して評価し、臨床的増悪を早期に検出する
対象 16歳以上の急性期入院患者、救急外来、病院前救護
使う場面 入院時の初期評価、入院中の定期的なモニタリング、敗血症を疑う場面のスクリーニング
評価しないもの 16歳未満の小児、妊婦(施設によっては別の産科用を使う)、確定診断そのもの

構成要素と配点

⭐ 6つの生理学的に、酸素投与の有無による加点を加えた7要素、合計0〜20点で構成する1。

呼吸数(回/分)

3点 1点 0点 2点 3点
8以下 9〜11 12〜20 21〜24 25以上

:Scale 1(通常の患者)

3点 2点 1点 0点
91%以下 92〜93% 94〜95% 96%以上

:Scale 2(性呼吸不全〈主に〉で目標飽和度88〜92%の患者専用)

3点 2点 1点 0点 1点 2点 3点
83%以下 84〜85% 86〜87% 88〜92% 93〜94%() 95〜96%() 97%以上()

酸素投与

0点 2点
何らかの酸素投与を受けている

(mmHg)

3点 2点 1点 0点 3点
90以下 91〜100 101〜110 111〜219 220以上

脈拍(回/分)

3点 1点 0点 1点 2点 3点
40以下 41〜50 51〜90 91〜110 111〜130 131以上

(ACVPU)

0点 3点
新規の・声に・痛みに・反応なし(Unresponsive)

体温(℃)

3点 1点 0点 1点 2点
35.0以下 35.1〜36.0 36.1〜38.0 38.1〜39.0 39.1以上

Scale 2は性呼吸不全と確認された患者にのみ、または専門的訓練を受けたの判断で使用を開始する。通常はScale 1を用いる1。

解釈とカットオフ

合計点 区分 対応
0点 最低リスク 定期的なモニタリングを継続
1〜4点 LOW 等による評価。モニタリング頻度の見直しを検討
単一で3点(レッドスコア) 要注意 稀だが臨床医による速やかな評価を要する
5〜6点 MEDIUM 5点以上は緊急臨床対応の鍵となる閾値。敗血症を含むを積極的に疑う
7点以上 HIGH 緊急・の臨床対応(相当の評価)を要する

⭐ SSC 2026は、院内の急性期患者の敗血症スクリーニングにおいて、qSOFA単独よりNEWS・NEWS2・・を用いることを強く推奨している(エビデンスの確実性は中等度)2。は特異度は高いが感度が不足するため、院内モニタリングの初期スクリーニングにはNEWS2のような多項目スコアが選ばれる。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 16歳未満の小児、妊婦には使用しない。 急性疾患に対する生理学的反応が年齢・妊娠によって修飾されるため、成人一般のが当てはまらない1。

⚠️ (特に・)ではが低下しうる。 の障害により脈拍・血圧・体温の変動パターンが通常と異なり、感度・特異度のいずれもぶれうる1。

⚠️ NEWS2は臨床判断の補助であり、代替ではない。 個々のの異常やスコアの上昇によらず、患者の状態に懸念があれば緊急評価を行う1。

⚠️ NEWSからNEWS2への改訂点を混同しない。 はから新規のを含むACVPUへ、は性呼吸不全患者向けのScale 2が追加された。旧版NEWSの記述が残る教材ではこの2点が欠けていることがある1。

⚠️ 前身のMEWS(Modified Early Warning Score)とは別物。 は施設・研究ごとに構成項目や配点が異なり、酸素投与も組み込んでいなかった。NHS全体での標準化を目的にNEWSが作られ、2017年の改訂でNEWS2になった経緯を踏まえる3。SSC 2026はも許容されるスクリーニング手段の一つとして併記しているが、現在のNHS標準はNEWS2である。

まとめ

  • NEWS2は呼吸数・・酸素投与の有無・・脈拍・(ACVPU)・体温の7要素、合計0〜20点で急性疾患の重症度を集計するスコアである。
  • 合計5点以上が緊急臨床対応の鍵となる閾値、7点以上はHIGHとしての対応を要する。単一3点(レッドスコア)も見逃さない。
  • NEWSからNEWS2への改訂点は、への新規の追加(→ACVPU)と、性呼吸不全患者向け Scale 2の追加である。
  • 前身のは施設ごとに構成が不統一だった。NHS標準化を経てNEWS、その改訂版としてNEWS2が現行の主流になった。
  • SSC 2026は院内の敗血症スクリーニングで単独よりNEWS2を含む多項目スコアを強く推奨している。
  • 16歳未満・妊婦には使用せず、例では低下に注意する。あくまで臨床判断の補助であり代替ではない。

出典

  1. 1.National Early Warning Score (NEWS) 2: Standardising the assessment of acute-illness severity in the NHS. Updated report of a working party(Royal College of Physicians・2017)2017年12月発行の公式改訂報告書で、2012年発表の原版NEWSを更新したNEWS2が呼吸数・経皮的酸素飽和度・収縮期血圧・脈拍・意識レベル(新規の錯乱を含む)・体温の6つの生理学的パラメータに、酸素投与を要する患者への加点2点を加えた7要素で構成されること、各パラメータが0〜3点に配点され合計0〜20点になること、NEWS2での主要な変更点が①意識レベルのAVPUスケールに新規発症の錯乱・見当識障害・せん妄を加えてACVPU(Cが新規錯乱)としたこと、②高二酸化炭素血症性呼吸不全(主にCOPD)患者向けにSpO2 Scale 2(目標飽和度88〜92%)の専用欄を設けたこと、③敗血症を疑う患者での使用と合計スコア5点以上を緊急臨床対応の鍵となる閾値として強調したことであること、合計スコア1〜4点をLOW、単一パラメータで3点(レッドスコア)を要注意、5〜6点をMEDIUM(5点以上が緊急臨床対応の鍵となる閾値)、7点以上をHIGHとする4段階のトリガーを推奨すること、NEWS2は16歳未満の小児と妊婦には使用しないこと(小児・妊娠による生理的反応の変化のため)、脊髄損傷(特に四肢麻痺・高位対麻痺)では自律神経系の障害により信頼性が低下しうるため注意を要すること、NEWS2はあくまで臨床判断の補助であり代替ではないことを確認した。閲覧 2026-09-07
  2. 2.Surviving Sepsis Campaign: International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock 2026(Society of Critical Care Medicine / European Society of Intensive Care Medicine・2026)院内の急性期患者の敗血症スクリーニングでは、単一のツールとしてqSOFAを用いるよりNEWS・NEWS2・MEWS・SIRSを用いることを推奨する(強い推奨、エビデンスの確実性は中等度)こと、敗血症は臨床診断であり単一のバイオマーカーや検査で確定も除外もしないこと(good practice statement)を確認した。2021年版も同じ向きの推奨(qSOFAを単独スクリーニング手段として用いないことを強く推奨)を掲げており、2026年版はこれを踏襲している。閲覧 2026-09-07
  3. 3.Validation of a modified Early Warning Score in medical admissions(QJM: An International Journal of Medicine・2001)NEWSの前身にあたるModified Early Warning Score(MEWS)の妥当性検証研究で、地域総合病院の内科救急病棟に入院した709例を対象に、MEWSが死亡・ICU入室・HDU入室・心停止などの重篤な転帰を予測しうることを確認した。MEWSは酸素投与の有無を組み込んでおらず、各施設・研究ごとに構成項目や配点が統一されていなかった点がNHS全体で標準化されたNEWSへの改訂動機になった。閲覧 2026-09-07