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SCORAD(アトピー性皮膚炎重症度スコア)

SCORAD

別名
SCORing Atopic Dermatitis
臓器系
皮膚
科目
Dermatology
トピック
皮膚科 1-06:アトピー性皮膚炎
構成:症状
紅斑浮腫丘疹滲出・湿潤痂皮掻破痕苔癬化皮膚乾燥そう痒不眠
適用疾患
アトピー性皮膚炎

🧠 全体像は、の重症度を、が診察して評価する皮疹の範囲・強度(客観所見)と、患者本人が申告する症状(そう痒・睡眠障害)の両方から数値化する、でも広く使われるである。3要素をA/5+7B/2+Cという重みづけ式で合算する構造そのものが、評価のみ)・(患者報告のみ)との違いを生む。

目的と適用場面

内容
目的 の重症度を、皮疹の範囲・強度という客観所見と、そう痒・睡眠障害という症状の両方から数値化する
対象 成人・小児の患者。の評価に年齢別の図を用いる
使う場面 指標、専門外来での重症度の記録・経過追跡
位置づけ ではない。既にと診断された患者の重症度を評価する尺度である

構成要素と配点

は、A(範囲)B(強度)C(症状)の3要素をそれぞれ独立に採点したうえで、A/5+7B/2+Cという重みづけ式で合算する。強度Bに7/2という大きな係数がかかるため、3要素は単純平均ではなく、強度が合計点に占める比重が最も大きい1

A:皮疹の範囲(

内容 配点
で算出したの割合 0〜100(%のまま)
式での重み A/5(最大20点)

💡 は成人・年長児用と、体表に占める頭部・頸部の割合が相対的に大きい2歳未満の乳幼児用とで、面積の配分が異なる図を用いる。乳幼児では頭部・頸部の占める割合を成人より大きく、下肢の割合を小さく見積もる2

B:皮疹の強度(6所見、各0〜3点)

代表的な病変部位で、次の6所見をそれぞれ4段階(なし・軽度・中等度・高度)で評価し合計する(最大18点)。乾燥のみ、炎症のない部位で評価する点に注意する1

紅斑

0点 1点 2点 3点
なし 軽度 中等度 高度

浮腫丘疹

0点 1点 2点 3点
なし 軽度 中等度 高度

滲出痂皮

0点 1点 2点 3点
なし 軽度 中等度 高度

0点 1点 2点 3点
なし 軽度 中等度 高度

0点 1点 2点 3点
なし 軽度 中等度 高度

乾燥(非炎症部で評価)

0点 1点 2点 3点
なし 軽度 中等度 高度

式での重み:7B/2(最大63点)

C:症状(2項目、

直近のそう痒睡眠障害を、それぞれ「症状なし」を0、「想像しうる最悪」を10とするで患者本人(年少児では保護者)が申告し、単純合計する。

項目 配点
そう痒( 0〜10
0〜10
式での重み Cそのまま(最大20点)

合計:A/5+7B/2+C=最大103点2

という、症状Cを除いてA/5+7B/2(最大83点)だけで算出する版が別に存在する。患者による自己申告に左右されず、診察者だけで完結して評価できる利点があり、患者が症状を訴えられない状況や、C項目のそのものを評価したい研究で使われる3

解釈とカットオフ

合計点 重症度
25点未満 軽症
25〜50点 中等症
50点超 重症

この点数帯はの合計点(最大103点)に対するものである2

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 算出が煩雑で、日常診療の毎回の診察には重い。 で見積もり、6所見をそれぞれ4段階で評価し、患者にを記入させ、決められた重みで合算するという多段階の手順を要し、や専門外来での定期評価には向くが、一般外来で毎回算出するには時間的負担が大きい。

⚠️ 症状(C)はによる患者の主観評価であり、同じ客観所見(A・B)でも患者の感じ方や記入時の状態によって点数が動きうる。 経過を追う際は、合計点だけでなく症状を分けて見ることで、変化がどちらに由来するかを区別できる。

⚠️ とは測定対象が異なり、置き換えにならない。 評価の客観所見のみを範囲×強度で数値化し症状を含まない。は逆に患者の症状の頻度だけを申告制で測り、の診察所見を含まない。はこの両方を1つの合計点に統合する点で独自だが、その分だけ算出の手間も大きい。

⚠️ 色素の濃い皮膚では、紅斑・の評価が白色皮膚と見え方が異なり、標準的な評価が特に難しいとされる。 炎症を反映する所見を過小・過大に見積もるおそれがあり、な比較でも同じ観察者・条件で評価することが望ましい4

⚠️ ではない。 診断はそう痒・典型的な形態と分布・慢性再発性経過を統合して行い、は既に診断された患者の重症度評価にのみ用いる。

まとめ

  • は、の割合(A、最大100)・6所見の強度(B、各0〜3点で最大18)・症状(C、そう痒と睡眠障害ので最大20)をA/5+7B/2+Cの式で合算し、最大103点で重症度を数値化する。
  • Bの6所見は紅斑・浮腫/丘疹・滲出/痂皮・・乾燥で、いずれも0〜3の4段階評価であり、乾燥のみ非炎症部で評価する。
  • 症状Cを除いた(最大83点)が別に存在し、患者の主観に左右されない評価に使われる。
  • 点数帯は軽症25点未満・中等症25〜50点・重症50点超に対応する。
  • 算出の煩雑さ、症状の主観性、色素の濃い皮膚での紅斑評価の難しさが限界であり、評価のみ)・(患者報告のみ)とは測定対象が異なるため使い分ける。

出典

  1. 1.SCORAD (scoring atopic dermatitis)(DermNet・2009)SCORADが体表面積の割合(A、9の法則で算出し最大100)、6所見の強度(B、それぞれ0〜3点の4段階評価で合計最大18)、自覚症状(C、そう痒・睡眠障害を視覚アナログ尺度でそれぞれ0〜10点評価し合計最大20)の3要素からA/5+7B/2+Cの式で算出されること、B の6所見が紅斑・浮腫/丘疹・滲出/痂皮・掻破痕・苔癬化・乾燥であることを確認した(合計の最大値と重症度の点数帯はこの資料には記載が無く、mdhb-scorad-worksheet-2012 で確認した)閲覧 2026-08-04
  2. 2.Practical issues on interpretation of scoring atopic dermatitis: the SCORAD index, objective SCORAD and the three-item severity score(British Journal of Dermatology・2007)自覚症状Cを除きA/5+7B/2(最大83点)のみで算出するobjective SCORADが、European Task Force on Atopic Dermatitisにより日常診療の簡便化を意図して考案されたことを確認した閲覧 2026-08-04
  3. 3.Validation of the Patient-Oriented SCORing for Atopic Dermatitis tool for black skin(Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology・2019)紅斑・苔癬化は色素の濃い皮膚では白色皮膚と見え方が異なり、標準的な評価が特に難しいとされる所見であることを確認した閲覧 2026-08-04
  4. 4.Severity Scoring of Atopic Dermatitis Index (SCORAD)(MidCentral District Health Board・2012)採点用紙に「Total SCORAD score = A/5 + 7B/2 + C、Score out of 103」と印字されており合計の最大値が103点であること、重症度の点数帯が軽症25点未満・中等症25〜50点・重症50点超であること、体表面積Aの評価に用いる9の法則の図が2歳未満の乳幼児用と年長児・成人用とで別に用意されており乳幼児では頭部・頸部の占める割合が成人より大きく下肢の割合が小さいことを確認した閲覧 2026-08-04