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Symptoms · Published

視神経萎縮

Optic atrophy

臓器系
眼科神経
科目
Neurology and Neurosurgery
トピック
神経内科 03:脳神経の診察(Cranial nerves I〜XII)
関連疾患
Krabbe病Leber遺伝性視神経症ビオチニダーゼ欠損症メタノール中毒圧迫性視神経症眼窩尖端症候群後部虚血性視神経症常染色体優性視神経萎縮前部虚血性視神経症

🧠 全体像:は病名ではなく、の軸索が失われた最終像である。眼底に見える「が白い」という所見は、緑内障・圧迫・虚血・炎症・中毒・遺伝性疾患などのどこかで軸索が変性した結果を映しているにすぎず、原因そのものではない。この位置づけを取り違えると、を見た時点で思考が止まってしまう。⚠️ 原因の中には圧迫性のように可逆でありうるものが含まれるため、を見たら緑内障だけを想定せず、画像で腫瘍を除外する姿勢が要る。

定義:終末像であって原因ではない

は、の軸索が変性・脱落した結果として視神経が萎縮する終末像を指す用語であり、それ自体は疾患ではない1。でとして観察され、進行すると「チョーク様の白さ」を呈する。

所見

  • : での中心的所見。健常乳頭に比べ色調が薄く、進行例では境界明瞭な白色調を呈する1。
  • (): 左右非対称な障害でのみ出現する。健常側から患側へ光を移すと患側の瞳孔がかえってする所見で、で検出する2。⚠️ 両側対称性の障害ではが出ない——陰性は両側性病変を除外する根拠にはならない。
  • OCTでの(RNFL)菲薄化: 軸索脱落を定量的に捉える所見で、経過を追う指標にもなる1。

原因の分類

群 代表疾患・機序
緑内障性 緑内障。機械的・血管性の機序で独立した病態として扱われる
圧迫性 、、などによる視神経・視交叉圧迫
虚血性 ・の
炎症性 などの脱髄性、
遺伝性 (のmtDNA点変異による亜型)、
栄養/ 、ビタミンB12欠乏、薬剤性
脱髄性 後の遷延・萎縮化

⚠️ 圧迫性は可逆でありうる——画像で腫瘍を除外する

⚠️ は、他の原因と違い早期に減圧すれば視機能が回復しうる。 軸索が保たれている急性期の圧迫病変は後に回復する可能性がある一方、既にまで進行した慢性圧迫は視機能予後が不良である3。この「早ければ戻る」という性質があるからこそ、を認めたら緑内障や既知の原因で説明を終わらせず、造影MRI(脳・眼窩)で腫瘍・動脈瘤などの圧迫病変を除外することが診療上の要点になる13。

評価の進め方

flowchart TD
    A["眼底で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='optic disc pallor'>視神経乳頭蒼白</span>を確認"] --> B["片側性か両側性か<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='relative afferent pupillary defect'>RAPD</span>の有無を確認)"]
    B --> C["OCTで<span class='jp-term jp-term-diagram' title='retinal nerve fiber layer'>網膜神経線維層</span>菲薄化を定量"]
    C --> D["造影MRI(脳・眼窩)で圧迫病変を除外"]
    D --> E{"圧迫病変あり"}
    E -->|"あり"| F["早期減圧を検討<br>(可逆性が期待できる)"]
    E -->|"なし"| G["緑内障・虚血性・炎症性・中毒/栄養性・遺伝性を鑑別"]

まとめ

  • は軸索が変性した終末像であって、原因そのものではない。
  • 所見は・(片側性障害でのみ出現)・OCTでのRNFL菲薄化。
  • 原因は緑内障性・圧迫性・虚血性・炎症性・遺伝性(・)・栄養/・脱髄性に分類する。
  • 圧迫性は早期減圧で回復しうるため、を見たら造影MRIで腫瘍・動脈瘤を除外する。

出典

  1. 1.Optic Atrophy(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2024)視神経萎縮が疾患名ではなく網膜神経節細胞軸索の変性による視索前部視覚伝導路障害の終末像であること、原因を血管性・炎症性/感染性・腫瘍性/圧迫性・脱髄性・中毒性/外傷性・先天性/遺伝性(Leber遺伝性視神経症・常染色体優性視神経萎縮を含む)・代謝/内分泌性・変性性に分類できること、眼底の視神経乳頭蒼白・OCTでの網膜神経線維層菲薄化が診断所見であること、造影MRI(脳・眼窩)を可能な限り全例で施行すべきとされることを確認した。閲覧 2026-08-11
  2. 2.Marcus Gunn Pupil(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2026)相対的求心路瞳孔反応異常(RAPD、Marcus Gunn瞳孔)が左右非対称な視覚伝導路障害の徴候であり、健常側から患側へ光を移すと患側で瞳孔が散大すること、対称性の両側障害では出現しないこと、スイングフラッシュライトテストで検出することを確認した。閲覧 2026-08-11
  3. 3.Compressive Optic Neuropathy(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2025)軸索が保たれている急性圧迫病変は減圧により回復しうるが、既に視神経萎縮を来した慢性圧迫は視機能予後が不良であること("acute lesions with preserved axons may recover after decompression, whereas longstanding cases with optic atrophy generally have poor visual prognosis")、造影ガドリニウム・脂肪抑制併用の菲薄スライスMRIが評価のゴールドスタンダードであることを確認した。閲覧 2026-08-11