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頸部奇形と頸部軟部組織の炎症性疾患

Malformations of the neck. Inflammatory diseases of the soft tissue of the neck

前提:正常
頭頸部:咽頭(鰓)装置頭頸部:舌と甲状腺頸部:骨と筋膜
疾患
リンパ管奇形咽後膿瘍化膿性リンパ節炎先天性頸部嚢胞(甲状舌管嚢胞・鰓裂嚢胞)頸部膿瘍
症状
開口障害
画像所見
椎前軟部組織腫脹

🧠 全体像は「先天性遺残」か「感染・炎症」かをまず見分ける。では、診断名より先に気道、敗血症、縦隔進展を評価する。

先天性頸部病変

鰓性嚢胞・洞・瘻

第2が第3・第4を覆って形成するが消失しないと、上皮で裏打ちされた遺残病変となる。

形態 定義
嚢胞 内外への開口を持たない
またはの一方のみを持つ
の両方を持つ
  • 第1鰓裂由来:耳介前・外耳道・耳下腺周辺。
  • 第2鰓裂由来:最も多く、前縁の腫瘤として現れる。
  • 第3・第4鰓裂由来:との交通、反復性のを示すことがある。
  • 診断:・触診、超音波、必要に応じ造影コンピュータ断層撮影(CT)/や瘻孔評価。
  • 治療:急性感染を制御したうえで、を含め完全切除する。

甲状舌管嚢胞・瘻

の遺残で、舌骨近傍の正中腫瘤として現れる。嚥下だけでなく舌突出でも挙上することが特徴で、時に増大する。超音波で甲状腺の存在と病変を確認し、治療は嚢胞・舌骨中央部・舌根方向の管をに切除するが基本となる。

リンパ管奇形

旧称。現在は主に胞性、性、混合型に分類され、に多い。多くは2歳までに明らかになる。超音波やで広がりと気道への影響を評価し、嚢胞型、病変部位、症状に応じて、手術、その併用、または経過観察を選択する1

炎症性疾患

頸部リンパ節腫脹

感染性(細菌、EBV・CMV・HIV、結核、真菌、寄生虫)、炎症性(、薬剤)、腫瘍性〔リンパ腫、転移〕(neoplastic)を区別する。大きさだけで断定せず、持続期間、圧痛、硬さ、可動性、全身症状、を評価する。

頸部膿瘍と蜂窩織炎

  • 原因:化膿性リンパ節炎、扁桃・歯性・感染、など。
  • 症状:発熱、・腫脹、、嗄声、。喘鳴、呼吸困難、嗄声の増悪はを示す。
  • 診断:気道を妨げない範囲で診察し、必要に応じて軟性内視鏡で上気道を評価する。病変範囲のには造影コンピュータ断層撮影(CT)を用い、胸部進展が疑われる場合は縦隔まで評価する。血液培養・膿培養も行う。
  • 治療:気道確保、静注、感染源処置を行う。膿瘍形成、ガス、臨床悪化、縦隔進展、大きい病変または多間隙病変ではを積極的に行い、必要に応じて反復画像評価や追加ドレナージを行う2
flowchart TD
    A["発熱を伴う頸部腫脹"] --> B{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='airway emergency'>気道危機</span>・敗血症?"}
    B -->|"あり"| C["気道確保と蘇生を優先"]
    B -->|"なし"| D["造影画像・感染源検索"]
    C --> D
    D --> E{"膿瘍・深部進展?"}
    E -->|"あり"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='IV antibiotics'>静注抗菌薬</span> + ドレナージ/感染源処置"]
    E -->|"明確でない"| G["抗菌薬と厳密な再評価"]

⚠️ で咽頭を無理に刺激すると気道が悪化しうる。気道確保は・麻酔科を含む経験あるチームで行う。

まとめ

  • 正中で舌突出に伴い動く腫瘤は前縁の腫瘤は第2鰓裂由来を考える。
  • 成人の新規嚢胞性病変は、先天性と決めつけず悪性腫瘍のリンパ節転移も除外する。
  • 頸部感染では気道・敗血症・縦隔進展が優先評価項目である。

出典

  1. 1.Surgery versus sclerotherapy versus combined therapy in head and neck lymphatic malformations in the pediatric population: systematic review and meta-analysis(European Archives of Oto-Rhino-Laryngology・2024)頭頸部リンパ管奇形の治療効果は嚢胞型と病期に左右され、硬化療法・手術・併用療法を個別化すること閲覧 2026-08-09
  2. 2.Deep neck infections: a study of 365 cases highlighting recommendations for management and treatment(European Archives of Oto-Rhino-Laryngology・2012)深頸部感染ではCTに基づく厳密な再評価を行い、大きい膿瘍・多間隙病変・重い併存症では積極的ドレナージを要すること閲覧 2026-08-09