Psychiatry

Psychiatry · A-11

気分(感情)障害の急性期・長期治療

Mood (affective) disorders: acute and long-term treatment

疾患
気分障害(うつ病・双極性障害)緊張病重篤気分調節症

🧠 全体像の最初の分岐はかである。うつ病では重症度・希望に応じてと抗うつ薬を選び、では抗うつ薬単剤によるを避け、を軸にする。どちらでも自殺リスクと不能は最優先で扱う。

初期評価と緊急対応

flowchart TD
    A["抑うつ・躁・混合症状"] --> B["自殺・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='harm to others'>他害</span>・食事水分・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='decision-making capacity'>判断能力</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='psychosis'>精神病症状</span>を評価"]
    B --> C["切迫リスクまたは<span class='jp-term jp-term-diagram' title='self-care'>セルフケア</span>不能"]
    C --> D["緊急精神科評価・必要なら入院"]
    B --> E["躁病・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hypomania'>軽躁病</span>の生涯歴を確認"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='unipolar depression'>単極性うつ病</span>として治療"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bipolar disorder'>双極性障害</span>として治療"]

大うつ病性障害

急性期

治療は重症度、既往反応、併存症、自殺リスク、妊娠可能性、本人の希望を共有して選ぶ。軽症では能動的経過観察、などが選択肢となる。中等症〜重症ではと抗うつ薬の併用を検討する。

選択肢 要点・注意
SSRI 多くの患者でと安全性から第一選択。開始初期の不安・、低Na血症、出血リスク、に注意
SNRI など。血圧、、併存疼痛を考慮
その他 は鎮静・体重増加、は不眠・けいれんリスクなど、症状と副作用像で選ぶ
TCA・MAOI 毒性や相互作用が大きく、専門的な後方選択。MAOIとSSRI/SNRI/TCAの危険な併用を避ける
など。重症度と本人の希望に合わせる

抗うつ薬は即効薬ではない。早期に副作用、、服薬状況を再評価し、十分な用量・期間で反応を判定する。急に中止せず、を防ぐため段階的に減量する。

電気けいれん療法

は、で迅速な反応が必要、が無効、過去に良好な反応があり本人が希望する場合などに検討する。例は生命を脅かす拒食・拒水、切迫した自殺リスク、である。全身麻酔と筋弛緩下に行い、認知副作用を含む利益・不利益を継続評価する。

⚠️ けいれんを30〜60秒という固定値だけで捉え、有効性を判定してはならない。発作の質、臨床反応、副作用を専門チームが総合評価し、利益を副作用が上回らなくなれば終了する。

維持期

  • 寛解後も通常少なくとも6か月は抗うつ薬を継続し、再発歴、、重症度により長期化する。
  • 再発予防には継続薬物療法、、睡眠・運動・ストレス管理を用いる。
  • 精神病性うつ病では抗うつ薬と抗精神病薬の併用を専門診療で検討する。

持続性抑うつ障害

慢性経過と併存症、幼少期からの機能障害を評価し、と抗うつ薬を単独または併用する。定期的な目標評価を行い、「性格だから」と治療可能性を過小評価しない。

双極性障害

急性躁病

  • 安全確保、刺激低減、睡眠回復、物質・薬剤誘発の除外を行う。
  • 抗精神病薬を中心に選択し、反応不十分なら別の抗精神病薬、またはバルプロ酸系薬の追加を専門的に検討する。
  • 短期のベンゾジアゼピンを重い興奮・不眠に補助使用することがある。
  • 抗うつ薬使用中に躁病が出現した場合は、中止を検討する。

双極性うつ病

うつ病には、、ルラシドン、などを病歴・地域の承認・ガイドラインに応じて選ぶ。抗うつ薬単剤はの懸念があるため避け、使用するなら抗躁治療と併用し専門的に監視する。

維持療法

治療 役割・監視
躁・うつ再発と自殺リスク低減に有用。血中濃度、腎・甲状腺機能、Ca、相互作用、脱水・中毒症状を監視
バルプロ酸系薬 主に躁病・再発予防。妊娠可能性がある人では重大な催奇形性・神経から厳格なと専門判断が必要
うつ病とその再発予防に有用。急性躁病薬ではない。発疹を避けるため漸増
薬剤ごとに急性期・の適応が異なる。代謝・運動・心血管副作用を監視

、再発早期徴候の共有、家族介入、で、と規則的な睡眠・生活リズムを支える。

その他の病態

  • :SSRIを連日またはに投与できる。特定のも選択肢となる。
  • 、睡眠・物質使用の調整を行い、症状・機能障害に応じてに準じた薬物療法を専門的に検討する。
  • 、学校調整を基盤とし、ADHD・不安・うつなどの併存症を個別に治療する。

まとめ

  • 治療前に必ず躁病・歴を確認する。
  • で迅速な効果が必要、またはが無効ならECTを検討する。
  • は抗躁・気分安定治療を軸にし、抗うつ薬単剤を避ける。