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Drug Atlas · B9 Lipid-lowering drugs / 脂質異常症治療薬

コレスチポール

colestipol

分類
Lipid-lowering drugs / 脂質異常症治療薬
商品名(EU)
Colestid
科目
PharmacologyClinical Pharmacology
トピック
B9: Drugs affecting lipid metabolism. Drugs controlling body weight16: Dyslipidaemia
承認適応
脂質異常症(原発性高コレステロール血症)
副作用
便秘腹部膨満悪心
監視検査値
脂質パネル

🧠 全体像:は、()で、腸の中で胆汁酸と結合して便に排泄させる。吸収されない薬なので(尿中に出るのは0.17%未満)、効き方は完全に腸の中だけで起こる。胆汁酸が失われると、肝臓がコレステロールから胆汁酸を新しく作る量を増やし、肝細胞のLDL受容体が増えて血中のが下がる。ただし、が上がることがある。最大の問題は便秘などの消化器症状と、他の薬やまで結合してしまうことで、他の薬は本剤の1時間前または4時間後に飲む。日本のPMDAの電子添文検索では、の品目を確認できなかった(2026年11月6日時点)。日本ではコレスチミドとがこの系統の薬として使われる。

薬効群の中での位置づけ

薬 特徴 位置づけ
。散剤。他剤との相互作用が多い 古典的な。のそう痒にも
コレスチミド 日本で使われる(コレバイン) 日本で使えるの一つ
。と顆粒(米国) 日本の電子添文は確認できない。は丸ごと飲む
相互作用が少なく、スタチンと一緒に飲める 新しい

の薬物療法のトピックでは、の主な薬として・・が挙げられ、他の薬とも結合するのでは他の薬の4時間前か1時間後に飲むこと、は相互作用が少なくスタチンと一緒に飲めることが述べられている。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='colestipol'>コレスチポール</span>(腸管内)"] --> B["胆汁酸を結合して<br>糞便中へ排泄"]
    B --> C["胆汁酸の再吸収(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Enterohepatic circulation'>腸肝循環</span>)が減る"]
    C --> D["肝臓でコレステロールから<br>胆汁酸を新しく作る量が増える"]
    D --> E["肝細胞のLDL受容体が増加<br>LDLの取り込みが増える"]
    E --> F["血清<span class='jp-term jp-term-diagram' title='total cholesterol'>総コレステロール</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='LDL cholesterol'>LDLコレステロール</span>が低下"]
    C --> G["肝臓のコレステロール合成は増える<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='triglyceride'>中性脂肪</span>は上がるか変わらない"]

米国の添付文書は、が腸内で胆汁酸と複合体を作って糞便中に排泄され、胆汁酸がから部分的に除かれて再吸収されなくなることを説明している。胆汁酸の糞便中への喪失が増えるとコレステロールから胆汁酸への酸化が増え、LDL受容体が増えて肝臓のLDL取り込みが増え、血清LDLとコレステロールが下がる。肝臓でのコレステロール合成そのものは増えるが、血清コレステロールは下がる。血清は上がるか変わらない。コレステロールの低下は通常1か月で明らかになり、投与を中止すると約1か月で元に戻る1。

薬物動態

項目 内容
吸収 高分子ので、ほぼ吸収されない。14C標識体を20 g/日で60日間投与した後でも、尿中に出るのは単回投与量の0.17%未満1
性質 だが、ほぼ水に溶けない(99.75%)。では分解されない

⭐ 吸収されないので、全身への作用はほとんどない。 妊娠中でも、推奨量では胎児に害を与えると考えにくいが、の吸収を妨げることは母体に不利になりうる、と米国の添付文書は述べている。

適応

  • 原発性(の高値)で、で十分に反応しない患者への、の(米国)。血清には通常臨床的に意味のある影響はないが、上がる患者がいる1。

使う前に、コントロール不良の糖尿病・甲状腺機能低下症・・・閉塞性の肝疾患・他の薬・などの二次性の原因を除く。が高い患者は、が低かったり正常だったりするので、適さないことがある。

用法・用量

1 顆粒2
成人の量 2〜16 g/日を1回または分割で。2 gを1日1〜2回で開始し、1〜2か月ごとに2 gずつ増やす 1日1〜6包(またはさじ)を1回または分割で。1包を1日1〜2回で開始し、1〜2か月ごとに1包ずつ増やす。1包(1さじ)に5 gを含む
服用法 1錠ずつ、水で丸ごと速やかに飲み込む。割ったり、砕いたり、噛んだりしない 乾いたまま飲まない。必ず水などの液体と混ぜて飲む(誤吸入や食道の苦痛を避ける)
他の薬との間隔 他の薬は本剤の1時間前または4時間後に飲む 同じ

2〜16 g/日で十分な効果が得られないときは、併用療法や別の治療を考える。

禁忌・注意

米国の禁忌は、構成成分への過敏症だけである12。

  • 便秘:本剤は便秘を新たに起こしたり、既存の便秘を著しく悪化させたりする。を避けるために少しずつ増量し、便秘のある患者は2 gから始める。水分とを増やし、必要ならを使う。症状のある冠動脈疾患の患者では、とくに便秘を避ける。痔も悪化しうる。
  • ・葉酸の吸収低下:A・D・Kなどの吸収が減り、長期使用でによるとが起こりうる。ビタミンK1の注射で速やかに改善し、経口のビタミンK1で再発を防げる。
  • の上昇:が高い患者では、が低くてもが高いことがあり、本剤が適さないことがある。
  • 甲状腺機能低下症・:甲状腺機能が正常な人での報告はないが、理論上はの低い患者で起こりうる。塩化物型の樹脂のため、長期使用でが起こる可能性がある。
  • :フレーバー付き顆粒は7.5 gあたり18.2 mgを含む(顆粒の添付文書)。
  • 妊娠:ほぼ吸収されないため、推奨量で胎児に害を与えるとは考えにくい。ただしの吸収を妨げる点は、補充していても母体に不利になりうる。妊娠中や妊娠可能な女性では、治療の利益と母体・胎児への危険を比べて判断する。

⚠️ 他の薬の吸収を妨げる。 は、胆汁酸以外のにも強い親和性をもつ。ヒトの試験では、クロロの吸収は1時間前に服用しても大きく減り、テトラサイクリン・・・・は同時に服用すると有意に減った。は吸収の程度は変わらず、吸収速度が約30分遅れた。アスピリン・クリンダマイシン・クロ・・・・フェニトイン・ワルファリンでは、血中濃度を下げる作用は認められなかった。は結果が一貫せず、注意する。経口のリン酸補充薬・、の曝露も減る可能性がある。本剤でされた薬を、本剤の中止後もそのまま使うと危険なことがある1。

副作用

区分 内容
よくみられる 消化器症状。便秘が主な訴えで、ときに重い。ほとんどは軽度で一過性。痔の悪化
消化器(頻度が低い) (腹痛・けいれん)、腹部膨満・、・、下痢・軟便、悪心・嘔吐。痔からの出血やはまれ
で 、一過性のがまれに報告されている
AST・ALT・ALPの一過性の軽度上昇が、一部の患者でみられた

胃腸以外の副作用は、・顆粒・でほぼ同じ頻度だった。消化器症状を少なくして効果を得るには、2 gを1日1〜2回から始めて少しずつ増やす1。

まとめ

  • 腸内で胆汁酸を吸着して糞便に排泄させる。吸収されず、LDL受容体を増やしてを下げる。は上がることがある。
  • 米国では(丸ごと水で飲む)と顆粒(必ず液体と混ぜる)があり、2 g/日から始めて1〜2か月ごとに増やす。他の薬は本剤の1時間前または4時間後に飲む。
  • 最大の副作用は便秘。による、・葉酸の吸収低下にも注意する。
  • 日本の電子添文は確認できない。日本ではコレスチミド(コレバイン)やを使う。

出典

  1. 1.COLESTID (colestipol hydrochloride) Tablets — prescribing information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)/Pharmacia & Upjohn Company LLC(Pfizer)・2024)2024年10月24日有効の米国添付文書(錠剤)で、食事療法で反応が不十分な原発性高コレステロール血症の補助療法であること、成人2〜16 g/日で2 gから開始し1〜2か月ごとに2 gずつ増やすこと、錠剤は割らずに丸ごと水で飲むこと、他の薬は本剤の1時間前または4時間後に飲むこと、禁忌が構成成分への過敏症のみであること、陰イオン交換樹脂としてクロロチアジド・テトラサイクリン・フロセミド・ペニシリンG・ヒドロクロロチアジド・ゲムフィブロジルなどの吸収を減らすこと、脂溶性ビタミンや葉酸の吸収低下・ビタミンK欠乏による出血傾向・便秘・高クロール性アシドーシスの注意、中性脂肪が上がる患者がいること、全身にほとんど吸収されない(尿中0.17%未満)ことを確認した。閲覧 2026-11-06
  2. 2.COLESTID Granules and FLAVORED COLESTID Granules (colestipol hydrochloride) — prescribing information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)/Pharmacia & Upjohn Company LLC(Pfizer)・2024)2024年6月27日有効の米国添付文書(顆粒)で、1包・1さじで5 gのコレスチポール塩酸塩を含み、1日1〜6包を1回または分割で、1包から開始して1〜2か月ごとに1包ずつ増やすこと、乾いたまま飲まず必ず水などの液体と混ぜて飲むこと(誤吸入や食道の苦痛を避けるため)、フレーバー付きの製剤は7.5 gあたりフェニルアラニン18.2 mgを含みフェニルケトン尿症患者に注意が必要であること、禁忌が構成成分への過敏症のみであることを確認した。閲覧 2026-11-06