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Drug Atlas · B9 Lipid-lowering drugs / 脂質異常症治療薬

フルバスタチン

fluvastatin

分類
Lipid-lowering drugs / 脂質異常症治療薬
商品名(日本)
ローコール
商品名(EU)
Lescol
科目
PharmacologyClinical Pharmacology
トピック
B9: Drugs affecting lipid metabolism. Drugs controlling body weight16: Dyslipidaemia
承認適応
脂質異常症
禁忌疾患
肝硬変(重篤な肝障害。日本の禁忌)
副作用
筋肉痛
監視検査値
クレアチンキナーゼ
影響検査値
血糖HbA1c

🧠 全体像:フルバスタチンは、天然物由来でない合成のスタチン()で、1日1回夕食後に飲む。肝臓のコレステロール合成を抑えてLDL受容体を増やし、を下げる。半減期が約1〜3時間と短く、主にCYP2C9で代謝される(やのCYP3A4とは別経路)。日本の用量は20〜30 mg(最大60 mg)で、米国の80 mgとは剤形も用量もかなり違う。スタチンの共通点(、、妊婦・に投与しない(日本))に加え、薬・・との併用で筋障害が起こりやすい。

薬効群の中での位置づけ

薬 主な代謝 位置づけ
・ CYP3A4・ほとんど代謝されない 。LDL低下作用が強い
・ CYP3A4 CYP3A4の阻害薬との併用に注意
・ CYP3A4にほとんど依存しない 相互作用が比較的少ない
フルバスタチン CYP2C9(約75%) 低〜中強度。などのCYP2C9阻害薬と相互作用

の薬物療法のトピックでは、フルバスタチン80 mgとフルバスタチン40 mgの1日2回が中強度(を30〜50%低下)、フルバスタチン20〜40 mgは低強度(30%未満)に分類されている。

機序

flowchart TD
    A["フルバスタチン"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='HMG-CoA reductase'>HMG-CoA還元酵素</span>を特異的・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='competitive'>競合的</span>に阻害"]
    B --> C["肝臓でのコレステロール合成が低下"]
    C --> D["肝細胞のLDL受容体活性が増強"]
    D --> E["血中からのLDL取り込みが増え<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='LDL cholesterol'>LDLコレステロール</span>が低下"]

日本の電子添文は、系のであるを特異的かつに阻害し、主に肝でのコレステロール合成を抑え、肝LDL受容体の活性を増強して血中LDLを下げると説明している1。

薬物動態

項目 内容
日本人(30 mg単回、空腹時、) Tmax 0.83時間、Cmax 266.8 ng/mL、AUC0-8 258.3 ng・h/mL、T1/2 1.32時間1
吸収(米国のカプセル剤) 1時間未満で最高濃度に達する。10 mgでのは24%(範囲9〜50%)。夕食と一緒に服用するとCmaxが50%低下するが、脂質低下作用に有意差はない2
代謝・排泄 主にCYP2C9(約75%)で代謝され、CYP2C8(約5%)とCYP3A4(約20%)の寄与は小さい。約90%が糞便中に代謝物として排泄され、未変化体は2%未満
半減期 約3時間(米国)2

⭐ CYP3A4に依存しないので、CYP3A4阻害薬の影響は小さい。その代わり、・ホス・(CYP2C9阻害)で血中濃度が上がり、リファンピシンで下がる。・・(酵素の阻害と胃内pHの変化)でも上がる1。

適応

  • 、(日本)。適用の前に十分な検査をして診断を確認する。・運動療法などので十分な効果が得られない場合にのみ投与する1。
  • 米国():冠動脈疾患での術のリスク低下と動脈硬化の進行抑制、成人の原発性、10歳以上のでの低下3。

日本の後期第Ⅱ相の(20〜40 mg、カプセル剤)の有効率は、12週で82.1%(243/296例)、52週で90.6%(192/212例)だった。血清とが著明に下がり、は上がった1。

用法・用量

日本1 米国23
剤形 (10・20・30 mg) カプセル剤(20・40 mg)と(80 mg)
成人の用量 1日1回夕食後20〜30 mg。20 mgから開始し、重症では60 mgまで増量できる カプセル:開始40〜80 mg(40 mgを1日2回)。:80 mgを1日1回のみで増減できない
小児 小児等を対象としたは実施していない カプセル:10〜16歳ので20 mgから。:10歳以上で80 mg
併用制限 またはの併用では20 mgに制限

日本では、夕食後の服用が基本である。肝機能検査は、原則として投与開始後12週以内に行い、増量後も同様に行うことが望ましい。血中脂質値を定期的に調べ、反応がなければ中止する。

禁忌・注意

日本の禁忌は次の3つである1。

禁忌(日本) 理由
本剤の成分に対する過敏症の既往
重篤な肝障害のある患者(肝硬変など) 本剤は主に肝で作用・代謝されるため、肝障害を悪化させるおそれ
妊婦または妊娠している可能性のある女性、 の周産期投与試験(3 mg/kg以上)で母動物の死亡が報告され、乳汁中へ移行する

⚠️ 米国の2つの添付文書で、禁忌の範囲が違う。 2025年のカプセル剤の添付文書の禁忌は、過敏症・活動性の肝疾患または原因不明で持続する・妊娠中や妊娠の可能性のある女性・である2。2026年のの添付文書は、またはと過敏症だけで、妊娠・授乳は禁忌に含まれていない3。同じ成分でも、改訂の時期や剤形で記載が異なることがある。

  • が起こりやすい背景(慎重投与):甲状腺機能低下症、遺伝性の筋疾患やその家族歴、薬剤性の筋障害の既往、感染症、外傷後の日の浅い患者、重症な代謝・や電解質異常、コントロール困難なてんかん、者。腎障害のある患者は、のほとんどがを伴い、で急激に腎機能が悪化することがある。高齢者も起こりやすい。
  • 重症筋無力症:・全身型が悪化または再発することがある。
  • 併用注意(日本):
    • 薬(など)・(など)・・:急激な腎機能悪化を伴うのおそれ。腎機能に関するに異常がある患者でとくに注意する。薬との併用は、治療上やむを得ない場合に限る。
    • などの:本剤が吸着されて吸収が減るため、投与後少なくとも3時間あけて本剤を服用することが望ましい。
    • ワルファリン:抗凝血作用が増強することがある。
    • ジゴキシン:AUCは変わらないがが上がったとの報告がある。
  • 米国:とは20 mgに制限、薬や1 g/日以上のは筋障害のリスクを上げる、・フェニトイン・ワルファリンは血糖・血中濃度・を確認する2。

副作用

頻度(日本) 内容
0.1〜5%未満 発疹・、胃不快感・・腹痛・・便秘・下痢・・、AST・ALT・ALP・LDH・γ-GTP・LAPの上昇、BUN・の上昇、CK上昇・筋肉痛、めまい・頭痛、
0.1%未満 蕁麻疹・湿疹、嘔吐・・口渇、コリンエステラーゼ上昇、頻尿、脱力感、睡眠障害・、貧血・血小板減少・好酸球増多
頻度不明 脱毛・、膵炎

重大な副作用は、・(筋肉痛・脱力感・CK上昇・上昇・)、(近位筋の脱力・CK高値・抗抗体陽性。中止後も続く例がある)、重症筋無力症、、過敏症状、である1。国内の副作用の発現率は4.5%(14/313例)と3.7%(8/217例)だった。

米国のカプセル剤の対試験(フルバスタチン2,326例、960例)では、7.9%(3.2%)、頭痛8.9%(7.8%)、筋肉痛5.0%(4.5%)、腹痛4.9%(3.8%)、下痢4.9%(4.2%)、不眠2.7%(1.4%)などが報告された2。海外では、スタチンを含むを投与中の患者で糖尿病の発症リスクが高かったとの報告がある(日本の電子添文)。

まとめ

  • 合成のスタチン。を阻害してLDL受容体を増やす。半減期は約1〜3時間と短く、主にCYP2C9で代謝される。
  • 日本では1日1回夕食後に20〜30 mg(最大60 mg)。米国は80 mgとカプセル剤40 mg 1日2回が基本で、剤形も用量も違う。
  • 日本の禁忌は、過敏症、重篤な肝障害、妊婦・。米国は添付文書で禁忌の記載が異なる。
  • ・・、に注意する。薬・・・との併用で筋障害のリスクが高い。
  • などのとは、3時間以上あけて服用する。(CYP2C9阻害)で血中濃度が上がる。

出典

  1. 1.ローコール錠10mg/ローコール錠20mg/ローコール錠30mg 電子添文(サンファーマ/医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2024)2024年7月改訂(第2版)の電子添文で、効能が高コレステロール血症・家族性高コレステロール血症、用法が1日1回夕食後20〜30 mg(20 mgから開始、重症は60 mgまで)であること、禁忌が過敏症・重篤な肝障害・妊婦または妊娠の可能性のある女性および授乳婦であること、主にCYP2C9で代謝されること、併用注意(フィブラート系薬・シクロスポリン・ニコチン酸・エリスロマイシン・ワルファリン・コレスチラミン・フルコナゾール・リファンピシンなど)、重大な副作用(横紋筋融解症・免疫介在性壊死性ミオパチー・重症筋無力症など)、30 mg単回投与の薬物動態(Tmax 0.83時間・T1/2 1.32時間)、国内臨床試験の有効率を確認した。閲覧 2026-11-06
  2. 2.Fluvastatin capsules — full prescribing information (Teva Pharmaceuticals USA, Inc.)(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)/Teva Pharmaceuticals USA, Inc.・2025)2025年4月21日有効の米国のカプセル剤の添付文書で、用量範囲が20〜80 mg/日で成人の開始量が40〜80 mg(40 mgを1日2回)であること、禁忌が過敏症・活動性の肝疾患または原因不明で持続する血清トランスアミナーゼ上昇・妊娠中または妊娠の可能性のある女性・授乳婦であること、シクロスポリンとフルコナゾールの併用では20 mgに制限すること、経口の絶対バイオアベイラビリティが24%・半減期が約3時間・主にCYP2C9(約75%)で代謝されることを確認した。閲覧 2026-11-06
  3. 3.Fluvastatin sodium extended-release tablets — full prescribing information (Lannett Company, Inc.)(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)/Lannett Company, Inc.・2026)2026年3月18日有効の米国の徐放錠の添付文書で、適応が冠動脈疾患での冠血行再建術のリスク低下・動脈硬化進行の抑制、原発性高脂血症と、10歳以上のヘテロ接合体家族性高コレステロール血症でのLDLコレステロール低下であること、成人の開始量が80 mg(80 mgの徐放錠のみで増減できない)であること、禁忌が急性肝不全または非代償性肝硬変と過敏症であり妊娠・授乳は禁忌に含まれないことを確認した。閲覧 2026-11-06