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Drug Atlas · B9 Lipid-lowering drugs / 脂質異常症治療薬 · 必修

コレスチミド

colestimide

分類
Lipid-lowering drugs / 脂質異常症治療薬
商品名(日本)
コレバイン
科目
Pharmacology
トピック
B25: Drugs used in constipation (laxatives) and diarrhea. Drugs promoting digestion. Pharmacology of liver and biliary tractB9: Drugs affecting lipid metabolism. Drugs controlling body weight
承認適応
脂質異常症
禁忌疾患
イレウス・腸閉塞
副作用
便秘腹痛
監視検査値
CK
相互作用
ウルソデオキシコール酸エゼチミブレボチロキシンワルファリン

🧠 全体像:コレスチミドは日本で使われる()で、商品名「コレバイン」として臨床で処方される。「コレバイン」という名前の響きが「」に似ているために混同されやすいが、両者は別の薬剤であり、は日本で承認されていない。 腸管内で胆汁酸を吸着しを増やすことで肝のコレステロール消費を促す、という基本設計はと共通する(腸管内で完結し全身に吸収されない非全身性の薬という点も同じ)が、選択性がほど高くない旧世代の樹脂であるため、・甲状腺ホルモン製剤・など多くの薬剤との間隔投与が必要になる。

薬効群の中での位置づけ

国・地域 備考
日本 コレスチミド(コレバイン)・ 富士製薬工業のコレバイン錠500mg/コレバインミニ83%が現行の国内製品1。日本動脈硬化学会の予防ガイドライン2022年版もとしてこの2剤だけを挙げる2
米国・EU 選択性・を高めた新しい世代の樹脂。日本には承認製品が無い

⭐ 「コレバイン」と「」は名前が似ているだけの別薬剤である。 日本動脈硬化学会のガイドライン全文(参考文献を含む)にcolesevelamは一度も現れず、挙げられるはコレスチミドとの2剤だけである2。国内でを下げるを検討するときの選択肢は、この2剤に限られる。

機序

flowchart TD
    A["コレスチミドを内服(腸管内で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='non-absorbable'>非吸収性</span>)"] --> B["腸管内で胆汁酸と結合し複合体を形成"]
    B --> C["胆汁酸の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fecal excretion'>糞中排泄</span>が増加"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='in the hepatocyte'>肝細胞内</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bile acid pool'>胆汁酸プール</span>が減少"]
    D --> E["コレステロール7-α-水酸化酵素が誘導され<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='bile acid synthesis'>胆汁酸合成</span>が亢進"]
    E --> F["肝のコレステロール需要が増加"]
    F --> G["肝LDL受容体が増加"]
    G --> H["血中LDL-コレステロールが低下"]

💡 全身に吸収されないことが最大の特徴。 ・イヌを用いた実験で、¹⁴C標識コレスチミドは消化管内で代謝・分解も吸収もされず、すべて糞中に排泄された1。腸管内だけで完結する薬であるため、CYP450を介した全身性の相互作用は起こさない。一方で「腸管内で他の薬を物理的に巻き込む」相互作用は避けられず、これがコレスチミドの相互作用の中心的な学習ポイントになる。

適応

領域 使いどころ
電子添文の効能・効果の1項目
もう1つの効能・効果。⚠️ でLDL受容体が完全に欠損する例では効果は期待できない——本剤の作用は肝LDL受容体の増加を介するため、受容体そのものが無ければ効きようがない1

用法・用量

通常、成人にはコレスチミドとして1回1.5 gを1日2回、朝夕食前に水とともにする(症状・服用状況により朝夕食後投与も可)。年齢・症状により適宜増減するが、最高用量は1日4 gである1。

禁忌・注意

副作用

頻度 内容
5%以上 便秘(12.1%)
0.1〜5%未満 腹部膨満、腹痛、・嘔吐、下痢、、、舌荒れ、痔の悪化、(AST・ALT・γ-GTP・ALP・LDH・)、そう痒・発疹、CK上昇・関節痛・など
重大(頻度不明) ・腸閉塞(高度の便秘・持続する腹痛・嘔吐などに注意し、認めたら投与中止)、CK上昇を伴う(筋肉痛・脱力感・上昇に注意)1

まとめ

  • 日本で使われる()で、商品名はコレバイン。「」とは別の薬剤であり、は日本で承認されていない——日本動脈硬化学会のガイドラインがとして挙げるのはコレスチミドとの2剤だけである。
  • 機序はと共通(腸管内で胆汁酸を吸着・→減少→肝LDL受容体増加)。全身に吸収されない非全身性の薬で、CYP450を介した全身性相互作用は起こさない。
  • ⚠️ (ワルファリン・テトラサイクリン・・甲状腺ホルモン製剤・等)・胆汁酸製剤・・カンデサルタンシレキセチルとの間隔投与が必要。 本剤投与前1時間または投与後4〜6時間以上あけるのが原則。
  • 禁忌は胆道・過敏症・腸閉塞の3つ。重大な副作用は・腸閉塞と(いずれも頻度不明)。
  • 適応はとだが、LDL受容体が完全に欠損するでは効果は期待できない(作用機序が肝LDL受容体の増加を介するため)。

出典

  1. 1.コレバイン錠500mg/コレバインミニ83% 電子添文(医薬品医療機器総合機構(富士製薬工業)・2024)2024年7月改訂(第2版)の電子添文全文を取得して確認した。4. 効能又は効果が「高コレステロール血症」「家族性高コレステロール血症」の2項目であること(ただし家族性高コレステロール血症ホモ接合体でLDL受容体が完全に欠損する例では効果が期待できないと注記される)。6. 用法及び用量が「通常、成人にはコレスチミドとして1回1.5gを1日2回、朝夕食前に水とともに経口投与する」、最高用量は1日4gであること。2. 禁忌が①胆道の完全閉塞した患者(胆汁酸との結合を介した作用機序上、効果が期待できないため)、②本剤成分への過敏症の既往、③腸閉塞の患者の3項目であること。10.2 併用注意の表に、酸性薬物(ワルファリン、クロロチアジド等、テトラサイクリン、フェノバルビタール、甲状腺及びチロキシン製剤、ジギタリス)は本剤投与前1時間または投与後4〜6時間以上あけるべきこと(併用薬の吸収遅延・減少による作用減弱のおそれ)、胆汁酸製剤(ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸)は間隔を空けて投与すべきこと(胆汁酸製剤の作用減弱のおそれ)、エゼチミブ・カンデサルタンシレキセチルは併用薬の血中濃度が低下するおそれがあるため間隔を空けて投与すべきことが記載されていること。11.1 重大な副作用が腸管穿孔・腸閉塞(いずれも頻度不明)と横紋筋融解症(頻度不明、筋肉痛・脱力感・CK上昇・ミオグロビン上昇に注意)の2項目であること。11.2 その他の副作用で便秘が12.1%と頻度表の中で唯一5%以上に区分されていること。16.2 薬物動態の吸収の項が、14C標識コレスチミドをラット・イヌに経口投与した実験で消化管内で代謝・分解されず吸収もされずすべて糞中に排泄されたと述べていること(腸管内で胆汁酸と結合しその糞中排泄を増大させる、という非吸収型の作用機序を裏づける)を確認した閲覧 2026-09-29
  2. 2.Japan Atherosclerosis Society (JAS) Guidelines for Prevention of Atherosclerotic Cardiovascular Diseases 2022(Japan Atherosclerosis Society・2024)Europe PMC(PMC11150976)の全文XMLで確認した。薬剤各論の陰イオン交換樹脂の項が逐語「3) Anion-Exchange Resin (Resin): Cholestimide, Cholestyramine」と題され、日本のガイドラインが陰イオン交換樹脂として挙げるのはコレスチミドとコレスチラミンの2剤だけであること、参考文献一覧を含む全文でcolesevelamが一度も出てこないことを確認した(この照合は[[drugs/colesevelam|コレセベラム]]のノート作成時に既に行われており、本ノートでも同じ出典・同じ確認結果を用いる)閲覧 2026-09-29