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Drug Atlas · B6 Antihypertensives / 降圧薬

カンデサルタン

candesartan

分類
Antihypertensives / 降圧薬
商品名(日本)
ブロプレス
商品名(EU)
Atacand
科目
PharmacologyClinical Pharmacology
トピック
B6: Drugs acting on the renin-angiotensin-aldosterone-system (RAAS)19: Hypertension
承認適応
高血圧症慢性心不全
副作用
めまい低血圧血管性浮腫
監視検査値
カリウムクレアチニン

🧠 全体像:カンデサルタンは、1日1回のⅡ受容体拮抗薬(ARB)で、のカンデサルタン シレキセチルが吸収の過程で加水分解されて活性体のカンデサルタンになり、のでⅡと拮抗する。半減期は約9時間で、1日1回で投与する。ほとんど代謝されず、未変化体のまま尿と胆汁に出る。高血圧だけでなく、にも使え、CHARM試験で心血管死と心不全による入院が減った。ACE阻害薬と同様に、妊婦には禁忌(米国では)で、・腎機能悪化・に注意する。日本と米国で用量が大きく違う(日本の用量は4〜8 mg、米国は16 mgから)。

薬効群の中での位置づけ

系統 代表薬 特徴
ACE阻害薬 ・・ の分解も抑えるため、とが多い
ARB ・・カンデサルタン・テルミサルタン・・ の遮断。が少ない。ACE阻害薬が使えない場合の代替
ARNI ・ ARBにを組み合わせる

ACE阻害薬とARBの使い分けは、高血圧の薬物療法のトピックのACE阻害薬・ARBの節も参照する。

機序

flowchart TD
    A["カンデサルタン シレキセチル(経口)"] --> B["吸収の過程で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ester hydrolysis'>エステル加水分解</span>"]
    B --> C["活性体カンデサルタン"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vascular smooth muscle'>血管平滑筋</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='angiotensin II type 1 (AT1) receptor'>AT1受容体</span>で<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='angiotensin'>アンジオテンシン</span>Ⅱと拮抗"]
    D --> E["血管収縮・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aldosterone secretion'>アルドステロン分泌</span>が抑えられる"]
    E --> F["血圧が下がる<br>心不全では心血管死・入院が減る"]

日本の電子添文は、カンデサルタン シレキセチルが吸収の過程で速やかに加水分解されてのカンデサルタンとなり、主にのⅡタイプ1(AT1)受容体でⅡと拮抗して、強力な血管収縮作用を抑えることでを示すと説明している1。

薬物動態

項目 内容
吸収・活性化 で速やかに活性体カンデサルタンになる。血中には、活性体と非(M-Ⅱ)が検出され、未変化体()はほとんど検出されない。投与4〜6時間後にピークに達する(日本)1
代謝・排泄 ほとんど代謝されず、未変化体のまま尿と糞便(胆汁)に排泄される。一部がで非になる。14C標識体の静注後、の約59%が尿中、約36%が糞便中に回収された2
半減期 約9時間。1日1回ので蓄積しない(米国)
蛋白結合 99%
CYP CYP2C9で非ができるが、の影響は少ない。主要なCYPの代謝活性を阻害しない
肝障害患者(AST値40超またはALT値35超)でクリアランスが45%低下すると推定された

適応

  • 高血圧症・高血圧症(日本)。小児は1歳以上で使える。
  • (軽症〜中等症):日本では、の投与が適切でない場合に限る。ACE阻害薬で前治療されていない患者での有効性は確認されておらず、ACE阻害薬から切り替えて投与するのが原則である1。
  • 米国:成人と1歳以上17歳未満の高血圧症、心不全(NYHA II〜IV)で心血管死と心不全による入院を減らす2。

CHARM-Overallでは、の7,601例(40%以下でACE阻害薬に不耐だった患者、ACE阻害薬を服用中の患者、が40%超の患者)にカンデサルタン(32 mgまで増量)かを投与し、中央値37.7か月の追跡で、心血管死は691例(18%)対769例(20%)、心不全による入院は757例(20%)対918例(24%)とカンデサルタン群が少なかった。は886例(23%)対945例(25%)で、補正前のは0.91(p=0.055)だった。腎機能・低血圧・を理由に中止した患者が、カンデサルタン群で多かった3。

用法・用量

日本1 米国2
成人の高血圧 1日1回4〜8 mg、必要なら12 mgまで。腎障害を伴う場合は2 mgから開始し8 mgまで 開始16 mg、1日量8〜32 mg(1日1〜2回)。の大半は2週間以内、最大は4〜6週間
高血圧症 2 mgから開始し、必要なら8 mgまで
4 mgから開始し、必要なら8 mgまで。120 mmHg未満、腎障害、利尿剤の併用、重症度が高い患者は2 mgから 4 mgから開始し、約2週間ごとに倍量にして目標32 mg
小児 1歳以上6歳未満は0.05〜0.3 mg/kg、6歳以上は2〜8 mg(12 mgまで) 1歳以上6歳未満は0.20 mg/kg()から、6〜17歳は体重で分ける

日本では、初回投与時と4 mg・8 mgへの増量時に、一過性の急激な血圧低下が起こりうるため、血圧などを観察する。

禁忌・注意

日本の禁忌は3つである1。

禁忌(日本) 理由
本剤の成分に対する過敏症の既往
妊婦または妊娠している可能性のある女性 胎児・新生児に、腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡などの報告がある。妊娠中期・末期に投与された患者ではなどが報告されている。妊娠が判明したら直ちに中止する
を投与中の糖尿病患者(他の治療でも血圧の管理が著しく不良の患者を除く) 、、、低血圧のリスクが増える

米国の禁忌は、過敏症と、糖尿病患者でのとの併用である。はで、妊娠が分かったら可能な限り早く中止する。にする薬は、発育中の胎児に障害や死亡を起こしうる2。

  • 慎重投与(日本):両側性またはでの、、厳重な療法中、、心不全(過度の)、・、低血圧、III等の重い心不全、腎障害・中、薬剤過敏症の既往。
  • 手術前24時間は投与しないことが望ましい:ARB投与中は、麻酔・手術中にの抑制作用で高度な血圧低下を起こすことがある。
  • 併用注意:カリウム保持性利尿剤(など)・・カリウム補給剤(。で危険が高い)、利尿剤(が増強。少量から開始)、、(・・低血圧)、(の報告)。でACE阻害薬とβ遮断薬、またはループ利尿剤とカリウム保持性利尿剤との併用では、本剤を加えると・・低血圧の頻度と程度が増える。
  • めまい・:高所作業や運転に注意させる。

副作用

頻度(日本) 内容
0.1〜5%未満 発疹・湿疹・蕁麻疹・そう痒・、めまい・・・・、頭痛・・不眠・眠気・舌の感、悪心・嘔吐・・胃部不快感・下痢・、AST・ALT・Al-P・LDH・γ-GTPの上昇、貧血・・血小板減少、BUN・クレアチニンの上昇・蛋白尿
0.1%未満 ・心房細動、四肢の感、

重大な副作用は、、ショック・失神・、(では0.1〜5%未満)、、・黄疸、、、、低血糖である1。

まとめ

  • を遮断するARB。が吸収の過程で活性体に変わり、半減期は約9時間で1日1回。ほとんど代謝されず、尿・胆汁に排泄される。
  • 高血圧症・高血圧症のほか、ACE阻害薬が適切でない場合のにも使える。CHARM-Overallで心血管死と心不全による入院が減った。
  • 日本の用量は4〜8 mg(12 mgまで)、米国は16 mgから8〜32 mg。心不全は日本4〜8 mg、米国は目標32 mg。
  • 妊婦は禁忌(米国は)。は糖尿病患者で禁忌。・・に注意し、手術前24時間は投与しないことが望ましい。
  • ACE阻害薬と比べてが少ない。カリウム保持性利尿剤・・利尿剤との併用に注意する。

出典

  1. 1.ブロプレス錠2/ブロプレス錠4/ブロプレス錠8/ブロプレス錠12 電子添文(T's製薬/医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2025)2025年9月改訂(第5版)の電子添文で、効能が高血圧症・腎実質性高血圧症と、アンジオテンシン変換酵素阻害剤の投与が適切でない場合の慢性心不全(軽症〜中等症)であること、用法が成人の高血圧症で1日1回4〜8 mg(12 mgまで)、慢性心不全で4 mgから8 mgまでであること、禁忌が過敏症・妊婦または妊娠している可能性のある女性・アリスキレンを投与中の糖尿病患者であること、血液中ではほぼ活性代謝物のカンデサルタンとして存在し投与4〜6時間後にピークに達すること、CYP2C9の遺伝的多型の影響が少ないこと、重大な副作用の一覧を確認した。閲覧 2026-11-06
  2. 2.ATACAND (candesartan cilexetil) tablets, for oral use — full prescribing information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)/ANI Pharmaceuticals, Inc.・2025)2025年12月22日有効の米国添付文書で、枠組み警告が胎児毒性であること、適応が成人と1歳以上17歳未満の高血圧症および心不全(NYHA II〜IV。心血管死と心不全による入院を減らす)であること、成人高血圧症の開始量が16 mg・1日量8〜32 mg、心不全は4 mgから開始して約2週間ごとに倍量にし目標32 mgであること、禁忌が過敏症と糖尿病患者でのアリスキレンとの併用であること、カンデサルタン シレキセチルがエステル加水分解で速やかに活性体カンデサルタンになり、排泄半減期が約9時間で、ほとんどが未変化体のまま尿・糞(胆汁)中に出ることを確認した。閲覧 2026-11-06
  3. 3.Effects of candesartan on mortality and morbidity in patients with chronic heart failure: the CHARM-Overall programme(The Lancet(Pfeffer MA ら、CHARM 研究)・2003)抄録(PMID 13678868)で、左室駆出率40%以下でACE阻害薬に不耐だった患者・ACE阻害薬を服用中の患者・左室駆出率40%超の患者の計7,601例を対象にしたカンデサルタン(32 mgまで増量)対プラセボの試験で、中央値37.7か月の追跡で全死亡が886例(23%)対945例(25%)、心血管死が691例(18%)対769例(20%)、心不全による入院が757例(20%)対918例(24%)と、心血管死と心不全入院が有意に少なかったこと、腎機能・低血圧・高カリウム血症を理由とする中止が多かったことを確認した。全文は読んでいない。閲覧 2026-11-06