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Drug Atlas · A22 Antiparkinson drugs / 抗パーキンソン薬 · 必修

ロチゴチン

rotigotine

分類
Antiparkinson drugs / 抗パーキンソン薬
商品名(日本)
ニュープロ
商品名(EU)
Neupro
科目
Pharmacology
トピック
A22: Drugs of neurodegenerative diseases (extrapyramidal motoric system, nootropic drugs)
承認適応
パーキンソン病
副作用
傾眠低血圧悪心幻覚衝動制御障害

🧠 全体像と同じD1/D2/作動薬だが、唯一「」であるという一点がすべての違いを生む。24時間持続的にされるため血中濃度の変動が小さく、嚥下障害・周術期の絶食など経口摂取ができない場面でも継続投与できるという代替不可能な利点を持つ。一方でへの親和性はと同様に高く、のリスクはと変わらない——が変わっても、受容体プロファイルに由来するリスクは消えないという好例になっている。

薬効群の中での位置づけ

3剤は、受容体プロファイルはほぼ共通する一方、代謝経路と剤形で明確に使い分けられる。

薬剤 剤形・ 代謝・排泄 特徴
経口 (未変化体) への選択性が特に高い
経口 半減期が短くXL製剤で1日1回化
(複数経路の抱合・N-)+ 24時間持続放出。嚥下障害・周術期でも継続可能

「経口摂取できない」というで回避できる点が、の代替不可能な位置づけを作る。 手術前後の絶食期間、嚥下機能低下、意識障害を伴う急性期など、経口のが使えない場面での継続投与を可能にする、この群で唯一の選択肢になる。

💡 であることの意味は、のような旧世代の系薬と対比するとよくわかる。 は5-HT2B受容体への強い作動作用によりを来し2007年に市場撤退した。を含む薬はこの5-HT2B作動性をほぼ持たず、弁膜症リスクを実質的に回避した世代として現行の標準治療を占めている。

機序

線条体のD1/D2/を直接刺激し、Gi蛋白(D2/D3)・Gs蛋白(D1)を介してドパミン神経伝達を模倣する点は他の薬と同じである。に特有なのはで、皮膚を介して24時間かけて持続的に吸収されるため、で起こりうる血中濃度のピーク・の変動(の受容体刺激)が小さく、より生理的なドパミン刺激に近づけられると考えられている(詳しい受容体機序はのノートを参照)。

💡 への親和性はを変えても消えない。 と同様にへの親和性が高く、のリスクを規定するのは系・の別ではなくD3親和性そのものである1。「だから穏やかで安全」という連想は、この副作用に関しては成り立たない。

薬物動態

項目 値・特徴
(1日1回貼付、24時間持続放出)
代謝 肝臓で広範なを受ける(抱合・N-
排泄 主に尿中(代謝物として)
貼付部位 腹部・大腿・臀部・肩・上腕などをローテーションし、同一部位への連続貼付は避ける

⚠️ の裏打ち層にアルミニウムが含まれるため、MRI検査・電気的の前には必ず剥がす。 剥がさずに検査・処置を受けると皮膚熱傷を起こしうる2

適応

領域 使いどころ
パーキンソン病 早期〜まで幅広く使用可能。経口摂取が困難な場面での継続投与に特に有用
中等度〜重度の一次性

用法・用量

1日1回、24時間ごとに新しいに貼り替える。パーキンソン病では病期(早期・)に応じた開始用量から週単位で漸増し、ではパーキンソン病より低用量から開始する。貼付部位は毎回ローテーションし、同一部位への連続使用は避ける。急な中止は避けるのリスク)。実際の用量は適応・病期・で大きく変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • ⚠️ 前触れのない急な入眠()が報告されている。 米国の添付文書にはが無く、この内容はWARNINGS AND PRECAUTIONSの節に置かれる2。一方日本の添付文書では冒頭の「1. ——日本で最の区分——に置かれ、突発的睡眠により自動車事故を起こした例の報告とともに、貼付中は自動車の運転・機械の操作・高所作業に従事させないよう明記されている34
  • 禁忌(日本の添付文書):妊婦または妊娠している可能性のある女性、本剤の成分に対する過敏症の既往3
  • ⚠️ MRI検査・電気的の前には必ずを剥がす。 裏打ち層のアルミニウムにより皮膚熱傷を起こしうる2
  • ⚠️ 、買い物依存など)のリスクがあり、経口の薬と同様に開始前の説明と定期的な確認が要る1
  • )を含有するため、のある患者では・喘息発作のリスクがある2
  • の既往ではを悪化させうるため慎重に投与する
  • ⚠️ 急な中止は(不安、パニック、抑うつ、発汗などの自律神経症状)を招くためする

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心傾眠、貼付部位反応(紅斑・掻痒)
注意 起立性低血圧(特に高齢者)、
重篤・まれ 前触れのないによるアレルギー反応、急な中止による

まとめ

  • と同じD1/D2/作動薬だが、唯一の型()で、24時間持続放出により経口摂取困難な場面でも継続投与できる。
  • への親和性はと同様に高く、のリスクはによって減らない。
  • の裏打ち層にアルミニウムを含むため、MRI検査・電気的の前には必ず剥がす必要がある。
  • は、米国の添付文書(なし)ではWARNINGS AND PRECAUTIONSに、日本の添付文書では最の「1. 」に位置づけられており、国によって記載上の重みづけが異なる3
  • 適応はパーキンソン病と。急な中止はを招くためする。

出典

  1. 1.NEUPRO (rotigotine) patch, extended release [Label](DailyMed (NLM) / labeler UCB, Inc.・2021)Highlights of Prescribing Informationにboxed warningが存在しないこと(RECENT MAJOR CHANGESの次に直接INDICATIONS AND USAGEが続く)、適応がパーキンソン病と中等度〜重度の一次性むずむず脚症候群であること、パッチの裏打ち層にアルミニウムが含まれるためMRI検査・電気的除細動の前には皮膚熱傷を避けるため必ず剥がす必要があること、亜硫酸塩(メタ重亜硫酸ナトリウム)含有によるアレルギー反応のリスクを確認した閲覧 2026-08-10
  2. 2.ニュープロ パッチ 患者向医薬品ガイド(大塚製薬・2016)日本の添付文書では「警告」の見出しで、前兆のない突発的睡眠・傾眠により自動車事故を起こした例が報告されていることが明記され、運転や高所作業など危険を伴う機械操作を避けるよう注意喚起されていることを確認した(同じ内容は米国DailyMedではboxed warningではなくWARNINGS AND PRECAUTIONSの節に記載される)閲覧 2026-08-10
  3. 3.ニュープロパッチ2.25mg/4.5mg/9mg/13.5mg/18mg 添付文書(2026年4月改訂・第4版)(大塚製薬(日本の電子添文、JAPIC収載)・2026)日本の添付文書では冒頭の「1. 警告」に「前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤貼付中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること」と記載されること、「2. 禁忌」が妊婦又は妊娠している可能性のある女性・本剤の成分に対する過敏症の既往歴の2項目であること、効能又は効果がパーキンソン病と中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群であること、パーキンソン病では1日1回4.5mgから開始し1週間以上の間隔で4.5mgずつ増量、1日量は36mgを超えないことを確認した閲覧 2026-08-10
  4. 4.Dopamine Agonists and Pathologic Behaviors(Parkinson's Disease (Kelley et al.)・2012)衝動制御障害のリスクを規定するのはD3受容体への親和性であって麦角系・非麦角系の別ではないこと(D3選択性を持たないブロモクリプチンでは報告が乏しい)を確認した閲覧 2026-08-10