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Drug Atlas · B14 Sex hormones & modulators / 性ホルモン関連薬

スタノゾロール

stanozolol

分類
Sex hormones & modulators / 性ホルモン関連薬
商品名(EU)
Winstrol
科目
Cardiology, Heart Surgery, Angiology, Vascular Surgery
トピック
B-10: Symptoms, physical and imaging diagnosis, and treatment of chronic venous insufficiency
承認適応
脂肪皮膚硬化症遺伝性血管性浮腫(HAE)
禁忌疾患
肝硬変前立腺癌乳癌
副作用
多毛黄疸
影響検査値
アミノトランスフェラーゼ(AST/ALT)脂質パネル
原因となる疾患
肝細胞腺腫

🧠 全体像:スタノゾロールは、によりできるようにした合成で、・血液内科領域ではアンドロゲン作用そのものよりも「線溶能増強」という副次的なを目的に使われてきた薬である。(HAE)では肝でのC1エステラーゼインヒビター(C1-INH)産生を高めて発作を予防し、では線溶能を高めての改善を助ける、という「筋肉を増やす薬」とは別の使い方が主目的である点が理解の核心になる。ただしステロイドに共通する強い肝毒性を持ち、C1-INH補充療法・など新規薬剤の登場で、HAEでは既に第一選択の座を譲っている。

薬効群の中での位置づけ

項目 スタノゾロール
構造 弱アンドロゲン(エチステロン誘導体)
HAE予防の導入量 4〜6mg/日 400〜600mg/日
HAE 2mg/日または隔日 200mg/日または隔日
での使用 へ併用(RCTあり)1 オキサンドロロンと並び代替に挙げられる
現在の位置づけ HAEでは第二選択(新規の後) 同左

⭐ HAEの弱アンドロゲン2剤は、量の桁が違うだけで発想は同じ。 どちらもによりできるようにしたで、C1-INH産生を高めるという機序を共有する2。

機序

flowchart TD
    A["スタノゾロール(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='17alpha-alkylation'>17α-アルキル化</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='synthetic androgen'>合成アンドロゲン</span>)を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oral'>経口投与</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='androgen receptor'>アンドロゲン受容体</span>に結合"]
    B --> C["肝でのC1エステラーゼインヒビター(C1-INH)・C4産生を増加"]
    C --> D["HAE発作の頻度低下"]
    B --> E["血漿<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fibrinogen'>フィブリノーゲン</span>低下・線溶因子増加"]
    E --> F["組織の線溶能増強"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lipodermatosclerosis'>脂肪皮膚硬化症</span>・クリオフィブリノゲン血症の症状改善"]

💡 「なぜがや皮膚硬化に効くのか」は、正確ながまだ十分に解明されていない。 C1-INH産生増加についても「機序は十分に検討されていない」と明記されており2、経験的に確立した用法という理解が実情に近い。

薬物動態

項目 値・特徴
経口
高い(C17α-によりに抵抗性)3
半減期 約9時間3
代謝・排泄 後、3

適応

領域 使いどころ
免疫・アレルギー (HAE)の長期予防・前の2
皮膚・血管 (への併用)、続発性、クリオフィブリノゲン血症3

⭐ でのエビデンスはRCT1本に基づく。 を全例へ併用したうえでスタノゾロール5mgを1日2回6ヵ月投与した群の病変面積縮小率は平均28%で、プラセボ群の14%を上回った。一方、はいずれの群でも改善せず、酸素そのものへの効果は示されなかった1。

用法・用量

  • HAEの長期予防:は4〜6mg/日、その後は効果を保てる最小量(通常2mg/日または隔日)へ減量する2。
  • HAEの前:処置前後の限られた期間、高用量で用いる(レジメンはで確立されたものが中心で、スタノゾロールでも同様の考え方が適用される)2。
  • :5mgを1日2回、()へ併用する1。

禁忌・注意

副作用

頻度 内容
高頻度 女性における、、体重増加、脂質異常2
重篤・まれ 肝毒性(胆汁うっ滞性黄疸、、まれに)、への悪影響3

まとめ

  • スタノゾロールはされた経口で、・血液内科領域では線溶能増強・C1-INH産生増加という副次的を目的に用いられる。
  • 適応は(HAE)の予防と、への併用(RCTで面積縮小率28% vs 14%)。
  • ⚠️ 肝毒性が共通の最大の懸念で、定期的な肝機能・脂質モニタリングを要する。
  • ⚠️ HAEでは新規(C1-INH補充療法・など)の登場により既に第二選択に位置づけられている。
  • 妊娠・重度肝障害・前立腺癌・乳癌が禁忌。

出典

  1. 1.Efficacy of fibrinolytic enhancement with stanozolol in the treatment of venous insufficiency(Australian and New Zealand Journal of Surgery(McMullin GM, Watkin GT, Coleridge Smith PD, Scurr JH)・1991)脂肪皮膚硬化症患者60名を対象に膝下クラス2弾性ストッキングを全例へ併用したうえでスタノゾロール5 mgまたはプラセボを1日2回6か月間投与する前向き二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行い、脂肪皮膚硬化症の面積縮小率が対照群で平均14%(95%CI −2.6〜31%)、スタノゾロール群で平均28%(95%CI 5.3〜46%)であったこと、一方で経皮酸素分圧の測定ではいずれの群にも変化がなく線溶能増強が酸素拡散障害そのものを改善する証拠は示されなかったことを、抄録(PMID 2018441)で確認した閲覧 2026-09-06
  2. 2.Therapeutic Management of Hereditary Angioedema: Past, Present, and Future(Balkan Medical Journal・2021)弱アンドロゲン(ダナゾール・スタノゾロール)によるHAE予防が導入期にはスタノゾロール4〜6mg/日、その後は効果を保つ最小量(通常スタノゾロール2mg/日または隔日)へ減量するという2段階の用法を取ること、観血的処置前の短期予防にはダナゾール2.5〜10mg/kg/日(上限600mg/日)を処置3〜5日前から処置後2〜3日まで用いること、肝毒性が最も重大な懸念で肝細胞腺腫やまれに肝細胞癌のリスクがあること、月経異常・多毛・痤瘡・体重増加・抑うつ・脂質プロファイル異常などの有害事象があり6ヵ月ごとの肝機能・脂質・血算検査と年1回の腹部超音波検査が推奨されること、妊娠中は胎児の男性化リスクから絶対禁忌であること、C1-INH補充療法・ラナデルマブ・ベロトラルスタットなど新規薬剤の登場によりアンドロゲン製剤は長期の安全性・忍容性の懸念から第二選択に位置づけられるようになったことを確認した閲覧 2026-09-06
  3. 3.Stanozolol in dermatology: Clinical applications and safety considerations(Journal of Skin and Sexually Transmitted Diseases・2025)スタノゾロールが17α-アルキル化により高い経口生体利用率を持つ合成アナボリックステロイドで半減期が約9時間であり肝代謝を受けたのち腎排泄されること、遺伝性血管性浮腫(HAE)では肝でのC1エステラーゼインヒビター(C1-INH)産生を高めることで発作頻度を減らすため1日0.5〜2mgで維持し観血的処置前の短期予防には最大6mg/日を用いること、脂肪皮膚硬化症では圧迫療法単独と比べ圧迫療法への併用で潰瘍治癒・症状改善が「2倍近い」とされること、続発性レイノー現象で末梢循環を改善しクリオフィブリノゲン血症では速やかな疼痛緩和・治癒をもたらすこと、肝毒性が最大の懸念であり投与前のベースライン肝機能評価と3ヵ月ごとの肝逸脱酵素の継続評価が必須であること、女性における男性化・脂質異常・心血管合併症が主な有害事象であること、妊娠・授乳・重度肝機能障害が絶対禁忌であることを確認した閲覧 2026-09-06