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Symptoms · Published

無尿

Anuria

臓器系
腎・泌尿器
科目
Urology
トピック
泌尿器科学 U-08:泌尿器科救急疾患泌尿器科学 U-11:急性腎障害と慢性腎不全
関連疾患
ネフリティック症候群急性腎障害尿路結石症溶血性尿毒症症候群膀胱癌

🧠 全体像乏尿の延長ではない。尿量が少ないのではなく、ゼロに近いという事実そのものが鑑別を絞る。・腎性・の枠組みは乏尿のノートに譲り、ここでは固有の意味だけを扱う。完全に尿が出ないという状態は、両側の尿路が塞がっているか、両腎への血流が絶たれたか、腎皮質が壊死したかのいずれかを強く示唆する。いずれも時間で予後が変わる。

定義と、まず尿閉を外すこと

100 mL/日未満を目安とする。乏尿(400〜500 mL/日未満)との差は量ではなく意味である。

⚠️ と尿閉を混同しない。 尿閉は腎が尿を作っているのに膀胱から出せない状態で、は腎が尿を作っていない状態である。訴えも記録上の尿量も同じになるが、膀胱カテーテルを1本入れれば数分で決着する

膀胱カテーテルは診断と治療を兼ねる。 大量の尿が返ればで、それ自体が治療になる。返らなければ膀胱より上流の問題であり、直ちにへ進む。カテーテルが留置済みなら、閉塞・屈曲・逸脱を先に確認する。

無尿が示唆するもの

機序 代表的な状況 決め手になる検査
両側性の尿路閉塞 の尿管浸潤、、両側結石、の片側閉塞、による閉塞、 )、造影CT
、前立腺癌、 膀胱カテーテル、
の途絶 両側閉塞、へ及ぶ、大動脈術後、心房細動を背景とした塞栓 造影CT、
・重症 造影CT、血小板・・LDH
重症の 、血管炎 尿沈渣、自己抗体、腎生検

⚠️ 突然の・胸痛・血圧左右差・が伴えばを考える。 が解離腔に巻き込まれると両腎が同時に虚血になる。腎のは短く、疑った時点で造影CTを急ぐ。

⚠️ の患者にが出たら、両側尿管の閉塞を第一に考えるであれば、で腎機能はしばしば回復する。腫瘍の進行と決めつけて減圧の機会を逃さない。

完全な無尿は尿細管壊死らしくない

は乏尿を伴うことも、非乏尿のこともあるが、完全なを来すことは稀である。したがって「まったく尿が出ない」という所見自体が、から鑑別を遠ざけ、閉塞と血管性の破綻へ寄せる。

💡 逆に言えば、の患者で尿量が完全にゼロになったときは、新たな閉塞が加わったか、が起きたか、カテーテルが詰まったかを疑い直す合図になる。経過中の尿量の「」は、緩やかな低下より情報量が多い。

⚠️ 閉塞を解除したあとにはが起こりうる。貯留していた尿素によるが重なって大量の多尿となり、脱水と電解質異常を招く。減圧して終わりにせず、尿量・体重・電解質を追って補液する。

原因を探しながら並行してやること

では排泄がほぼ止まっているため、原因の診断がつく前に合併症のほうが先に致命的になりうる。原因検索と並行して次を確認する。

  • カリウム血症:心電図変化の有無を含めて評価する。⚠️ 薬物治療に反応しない高K血症は、原因が未確定でも緊急透析の適応になる。
  • と肺水腫:輸液は「かもしれないから」という理由だけで続けない。のまま輸液を重ねれば行き場のない水が肺に溜まる。
  • 代謝性アシドーシス、性の合併症。
  • 性の薬剤:すべて用量を見直すか中止する。

💡 これらの適応判断は乏尿のノートに整理してある。で違うのは猶予がないことで、判断の枠組み自体は同じである。

まとめ

  • 100 mL/日未満。量の問題ではなく、鑑別が絞られるという意味を持つ。
  • 最初に尿閉を外す。膀胱カテーテルが診断と治療を同時に果たす。
  • はほぼ、両側性の尿路閉塞か血管性の破綻(閉塞、)を意味する。
  • では両側尿管閉塞を疑い、減圧で腎機能が戻る機会を逃さない。
  • 完全なでは稀。ゼロという所見が閉塞・血管性へ寄せる。
  • による脱水・電解質異常に備える。