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小児ネフローゼ症候群と腎炎症候群

Nephrotic and nephritic syndromes

前提:正常
腎臓(糸球体濾過障壁・足細胞)
疾患
巣状分節性糸球体硬化症
症状
圧痕性浮腫眼瞼浮腫

🧠 全体像障壁の障害による大量蛋白尿とを中心に、浮腫・脂質異常を伴う。小児ではが多く、初回ステロイド反応が予後を強く予測する。血尿・高血圧・腎機能低下が前景に立つとの違いを押さえる。

ネフローゼ症候群

定義

所見 小児での目安
蛋白/Cr比2 mg/mg以上(200 mg/mmol以上)または尿蛋白40 mg/m²/時以上
30 g/L未満を目安
浮腫 眼瞼から始まり、下腿・陰嚢/、腹水、全身浮腫へ進むことがある
脂質異常

成人基準の「3.5 g/日」だけでは体格の小さい小児を正しく評価できないため、UPCRまたは補正を使う。

原因

  • 一次性/特発性が最多。など。
  • 遺伝性・先天性:乳児発症、家族歴、症候性所見、で疑う。
  • 二次性:SLE、IgA血管炎、感染、薬剤、悪性疾患など。

臨床像と合併症

朝に目立つ、体重増加、が典型。見かけ上浮腫が強くてもが低下することがあり、頻脈、、腹痛、乏尿、低血圧を確認する。

合併症 手掛かり・対応
感染 発熱、腹痛では自然発症細菌性腹膜炎、蜂窩織炎、肺炎、敗血症を考え培養後速やかに治療
血栓症 片側下肢腫脹、胸痛・呼吸困難、神経症状。カテーテル、重度脱水、感染でリスク増加
低下 頻脈、末梢、腹痛、乏尿、低血圧。無分別な利尿・水分制限で悪化
低灌流、感染、血栓、薬剤などを鑑別

診断

  • ・沈渣、UPCR、尿培養、、クレアチニン・電解質、CBC、脂質、C3/C4。
  • 、低C3、持続高血圧、低灌流で説明できないAKI、関節炎・皮疹、12歳超発症、家族歴・症候性所見は非典型。
  • 典型的初発例はステロイド反応が病理より予後をよく予測するため、腎生検を一律に行わない。非典型例、4〜6週で、遺伝性疑いで腎生検・遺伝学的検査を検討する。

治療

初発ステロイド感受性ネフローゼ

KDIGO 2025では、を次のいずれかで行う。

  • 60 mg/m²/日または2 mg/kg/日(最大60 mg/日)を4週、その後40 mg/m²または1.5 mg/kg(最大40 mg)を隔日4週。
  • または同用量を連日6週、その後隔日6週。

初発全例の入院は必須ではない。年齢、浮腫、、感染・、家族の自己管理能力で決める。尿蛋白、体重、浮腫、血圧、ステロイド副作用を追跡する。

支持療法

  • 塩分制限を基本とし、水分制限は低Na血症、重度浮腫など選択例に限定する。
  • 利尿薬はを評価して慎重に使用する。重度浮腫+低下ではアルブミン静注+利尿薬を専門管理下で検討する。
  • 感染時は速やかに評価・治療するが、肺炎球菌などに対するな抗菌薬予防を全例に行わない
  • 、肺炎球菌、インフルエンザ、水痘免疫を確認し、免疫抑制中の生ワクチンは禁忌・接種間隔を確認する。
  • 予防的抗凝固は一律には行わず、既往、カテーテル、重度低アルブミン、感染、不動などを個別評価する。

再発・ステロイド抵抗性

腎炎症候群との比較

項目
非炎症性を含む濾過障壁透過性亢進 糸球体炎症
尿 大量蛋白尿、 血尿、、蛋白尿
血液 低アルブミン、脂質上昇 クレアチニン上昇、原因により
臨床 全身浮腫、感染・血栓 高血圧、乏尿、赤

まとめ

  • 小児の大量蛋白尿はUPCRで評価し、成人のg/日基準だけに頼らない。
  • 典型例では初回ステロイド反応が重要で、腎生検は一律には行わない。
  • 浮腫があっても血管内脱水を合併しうるため、利尿・水分制限前に循環を評価する。
  • 感染、血栓、AKIを早期に見つけ、再発・抵抗性は専門的に分類して治療する。