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Disease Atlas · 運動器 · 疾患

Perthes病

Legg-Calvé-Perthes disease

別名
Legg-Calvé-Perthes病ペルテス病
臓器系
運動器小児
科目
PediatricsMacroscopic Anatomy and Embryology (Macroscopic Anatomy)
トピック
小児科 1-11:小児の関節痛解剖学 6.1:下肢:殿部と股関節
上位概念
大腿骨頭壊死
鑑別疾患
化膿性関節炎多発性骨端異形成症大腿骨頭すべり症発育性股関節形成不全
合併症
変形性関節症
症状
Trendelenburg徴候関連痛大腿部痛
画像所見
無腐性壊死

🧠 全体像:は小児のに起こる特発性のである1。⭐ 重要なのは「壊死そのもの」ではなく「壊死した骨頭が、やわらかい時期にどんな形で治るか」である——骨頭はいずれして必ず治るをとるが、に力学的に最も弱くなり、そこで潰れて非球形のまま固まると、数十年後のとにつながる1。だから治療の目的は「治すこと」ではなく containment(骨頭をという型のなかに収め続けること)になる。⚠️ そして「治療するかどうか」を決めているのは、病気の重さだけではなく発症時年齢である——8.0歳という一線の前後で、同じB群でも手術の意味が変わる2。

血流——なぜ大腿骨頭骨端が壊死するのか

の主要な血流は、の枝であるが担う1。この単一系への依存が高いため、途絶するとが虚血に陥る。

病因は多因子的で、単一の原因は同定されていない1。

領域 内容
血管・凝固 、上昇、動脈閉塞。・またはS欠乏・高値といったの合併率が対照より高いと複数の研究が報告
機械的・外傷 反復するや急性外傷。ただし外傷だけでは説明できず、二次的な引き金と考えられる
環境・全身 ・小児期のが危険上昇と相関。低い社会経済状態・都市居住・栄養不良も関連。多くの患児がまたはの遅れを示し、などの低値が報告される
遺伝 大半は孤発。家族歴陽性は8〜12%。COL2A1 などの変異が小規模な症例集積で報告される

いずれも StatPearls の記述による1。

疫学

  • 発症率は15歳未満の小児10万人あたり0.4〜29と報告に大きな幅がある1。
  • 発症は3〜12歳、ピークは5〜7歳、診断時平均年齢は6〜7歳1。
  • 男児が女児の約3〜5倍1。
  • 欧州系の小児と高緯度・都市部の集団に多く、アフリカ系・東アジア系には比較的まれ1。

⚠️ 両側性の割合は同じ章のなかでも一定しない。 StatPearls は疫学の節で10〜24%、身体所見の節で15〜20%と書いており(参照文献が別——前者は関節延伸術の系統的レビュー、後者は小児下肢疾患の総説)、左右がに発症しうるとする1。💡 どちらか一方を「正しい値」として断定しない。 他の二次資料が引く「10〜20%」も、たどるとこのStatPearlsの章にたどり着く。いずれにせよ「大半は片側性」であり、この一点がとの鑑別の柱になる(下記)。

Waldenström 病期——「いつ潰れるか」を決める時間軸

⭐ この4段階は分類のための分類ではなく、介入の窓を決める時計である。

flowchart TD
    A["初期(壊死)期<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='epiphysis'>骨端</span>の硬化・高径のわずかな低下<br>軟骨下<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lucent line'>透亮線</span>=<span class='jp-term jp-term-diagram' title='crescent sign'>三日月徴候</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='subchondral fracture'>軟骨下骨折</span>)"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fragmentation stage'>分節期</span><br>辺縁から<span class='jp-term jp-term-diagram' title='revascularization'>再血行化</span>・破骨細胞が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='necrotic bone (sequestrum)'>壊死骨</span>を吸収<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='epiphysis'>骨端</span>が断片状・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='flattening'>扁平化</span>、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lateral pillar'>外側柱</span>の高径が失われる"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='reossification stage'>再骨化期</span><br>辺縁から新生骨が置き換わる<br>骨頭の最終形態と適合性がここでほぼ決まる"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='healed stage'>治癒期</span>(発症から約2〜4年)<br>coxa magna・coxa plana・非球形の拡大などの遺残変形"]
  • 初期期:血流が途絶して骨・骨髄が死ぬが、はから栄養されるため生きている1。X線ではの硬化と高径のわずかな低下。軟骨下のであるは、を貫くを示し、圧潰の切迫を告げる1。
  • :⚠️ ここが勝負どころである。 が力学的に最も弱く、と筋力で変形しやすい。外側への逸脱が非球形の圧潰を招くので、内に収めておくことが決定的になる1。
  • :骨頭の最終形態と適合性がほぼここで決まる1。
  • :発症からおよそ2〜4年。coxa magna(大きい骨頭)・coxa plana(扁平な骨頭)などが残りうる1。

💡 「containment はに入る前か、入って早期に始めなければ効かない」——時計の読み方がそのままになる1。

臨床像

数週から数か月かけて緩徐に進むが典型で、疼痛は股関節・・大腿・膝の活動時痛である1。

⚠️ だけを訴える児がいる。 股関節の疾患がとして膝に出るため、膝ばかり調べて股関節を撮らないという誤りが起こる1。小児のでは股関節を診察する。

病歴 身体所見
数週〜数か月の緩徐な または
活動時の股関節・・大腿・(のみのこともある) 股関節可動域の制限、とくに外転と
、一日の終わりの疲労感 可動域の終末での疼痛、
進行例では 相対的、慢性例で大腿・殿筋の萎縮

いずれも StatPearls の記述による1。

⚠️ 全身徴候は無い。 発熱・発赤・炎症反応の上昇があれば、ではなく・骨髄炎・を評価する1。血液検査は正常で、除外のために行う1。

一過性股関節滑膜炎との関係——「6週後に撮り直すか」

小児の股関節痛でまず出会うのはだが、その一部はの初期像である。

と診断された小児2,617例を含む19研究のでは、のは全体で2.7%(95%CI 1.4〜5.1)、症状が遷延または再発した小児では36.3%(95%CI 21.6〜54.2)であった3。

⭐ この2つの数字の差が、追跡の指針そのものである。 同は、を除外するための6週後の定期的な股関節X線は、症状が遷延または再発する患者に限ってされるとした3。⚠️ 裏返せば、「数日で治った」を全例追跡する根拠は乏しく、「なかなか治らない/また痛くなった」を放置する言い訳は無い。

画像

  • と frog-leg lateral 像が標準1。
  • ⚠️ 早期は単純X線が正常でありうる。 は早期にX線より鋭敏で、骨髄変化とを捉える1。
  • 造影・は灌流の保たれたの割合を定量でき、灌流容積が小さいほどの圧潰が強く予後が悪い1。
  • 超音波はを示すがを診断しない。はに取って代わられた1。

分類

実務では、発症時年齢と Herring 群の組み合わせが治療アルゴリズムの土台になる1。

Herring 外側柱分類(分節期に評価する)

の外側3分の1()の高径低下で分ける。は骨頭の形を保つ支柱だからである1。

群 の高径低下 転帰
A なし ほぼ常に良好
B 50%未満 中間
B/C 境界(B50) 追補された区分 —
C 50%超 高度変形の危険が高い

そのほかの分類

分類 何を見るか 内容
Catterall の I:25%未満/II:25〜50%/III:50%超/IV:ほぼ全体。head-at-risk 徴候(外側の石灰化・・水平化した・)は予後不良を示す。⚠️ 観察者間のばらつきが大きく単独ではが落ちる
Salter-Thompson 線()の範囲 A:50%未満/B:50%超。明瞭ながあるときにしか使えないが、壊死範囲を早期に見積もれる
Stulberg 時の遺残形態と適合性 I:正常球形/II:球形+軽微な異常/III:非球形だが適合/IV:扁平・非球形+浅い(適合するが著しく異常)/V:扁平・非球形+正常な(不適合)。I〜IIが良好、IIIが中等度、IV〜Vが不良で、早期との必要性に強く相関する

いずれも StatPearls の記述による1。

治療

目的はcontainment の維持、可動域とくに外転との温存、・の変形の最小化、疼痛緩和である1。

⚠️ 前向き多施設研究が示した「治療が効く人・効かない人」

未治療の発症時6.0〜12.0歳の患者438例451股を対象に、各研究者が自分の患者全員に同じ治療法を適用するという形で5つの(無治療・・・・)を比べた前向きの結果が、いまもの土台になっている2。⚠️ ではない。 また時まで追跡できたのは337例345股(登録股の76.5%)である2。

比較 結果
無治療 対 対 差が無かった
対 差が無かった
8.0歳以下(または6.0歳以下)で発症 治療は有意な効果を持たなかった
B群・境界B/C群 かつ 発症時8.0歳超 手術治療が保存治療より有意に良好(p≦0.05)
B群 かつ 発症時8.0歳以下 保存でも手術でも同等に良好
C群(全年齢) 転帰が最も悪く、手術群と保存群に差が無かった

数値・比較はいずれもこの研究による2。分類(p<0.0001)と発症時年齢(p=0.0001)はいずれも強い予後因子であり、発症時8.0歳超では女児が男児より有意に転帰不良であった(p=0.004)2。

💡 この表は「手術で得をする層は狭い」と読む。 若ければ何をしても治り、C群であれば何をしても悪い。⭐ 手術が意味を持つのは「8歳超 × B/B-C」という帯だけである。

実際の組み立て

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Perthes disease'>Perthes病</span>と診断"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='activity modification'>活動調整</span>・鎮痛・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='physiotherapy'>理学療法</span><br>外転と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='medial rotation'>内旋</span>を保つ"]
    B --> C{"発症時年齢は"}
    C -->|"6歳未満で軽症<br>(Herring A・一部のB)"| D["保存治療を続ける"]
    C -->|"8歳超"| E{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lateral pillar'>外側柱</span>群は"}
    E -->|"B・B/C 境界<br>かつ可動域が保たれている"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='surgical'>手術的</span> containment を検討<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='femoral varus osteotomy'>大腿骨内反骨切り術</span>/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pelvic osteotomy'>骨盤側骨切り術</span>"]
    E -->|"C"| G["手術の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='add-on (incremental benefit)'>上乗せ</span>は示されていない<br>可動域維持と長期の経過観察"]
    B --> H{"可動域が制限されているか"}
    H -->|"はい"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='examination under anesthesia'>麻酔下診察</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='arthrography'>関節造影</span>で<br>containable かを判定"]
    I --> F
  • 保存治療:高衝撃活動の回避、必要に応じた(・歩行器)、の短期投与、(外転・の維持、と屈筋のストレッチ、と体幹の強化、)1。重度の疼痛とには短期の安静やを用いうる1。
  • 非 containment:(後に用いることが多い)、Atlanta Scottish Rite などの1。⚠️ の証拠は一定していない。 系統的レビューとは、とくに6〜8歳未満の軽症例で、・に対する一貫した優位性を示していない1。遵守も難しい。
  • 手術:(脚短縮・の増強・過が短所)、骨盤側の Salter innominate ・Pemberton/Dega ・shelf 1。

予後

予後因子 内容
発症年齢 6歳未満は良好。8〜9歳以降は遺残変形と早期の危険が有意に高い。11〜12歳超はリモデリング能に乏しく侵襲的に経過しうる
壊死範囲・の圧潰 Catterall III〜IV、での大きな壊死容積、Herring C は治療しても Stulberg IV〜V へ進みやすい
骨頭の逸脱 と被覆の喪失は不良。被覆80%超を保てば良好にリモデリングしやすい
可動域 外転との温存は良好と関連。固定したと hinge abduction は不良
性・両側性 8歳超の女児は男児より転帰が悪い(少数派ではあるが)

いずれも StatPearls の記述による1。

  • 主に保存治療された長期コホートでは、Stulberg I〜IIの股関節の60〜80%がまで無症状か軽症にとどまる一方、Stulberg III〜Vでは40〜50歳代までに疼痛・機能低下・X線上のの危険が実質的に高い1。
  • ⚠️ 高度な遺残変形では、成人早期からにを要する。 しかも変形のない一次性に比べ、技術的要求と合併症プロファイルが不利である1。

遺残変形

coxa magna、coxa plana、非球形骨頭と短縮した頸部、骨頭の、による、、cam型のと、早期の1。

鑑別

鑑別 見分ける手がかり
・骨髄炎 発熱・・全身徴候。では血液検査が正常1
、数日で軽快する急性経過。⚠️ 遷延・再発例の36.3%が3
思春期・肥満。での骨頭のすべり1
複数関節、持続する、炎症反応1
⚠️ 両側対称で、膝・手・足のにも異常がある。を追う経過をとらない
の遅発例 痛くないことが多く、乳児期の危険因子との像

⚠️ 両側対称の様所見を見たら、を疑って全身骨X線に進む。 の両側性は少数派であり、の側でも「両側性とされうる」ことが問題として挙げられている。

まとめ

  • 小児(3〜12歳、ピーク5〜7歳)のの特発性。男児が3〜5倍。欧州系に多く東アジア系にはまれ。
  • ⭐ 自然に治るが、治り方が問題。 に骨頭が最も弱く、そこで潰れると非球形のまま固まる。治療の目的は containment。
  • Waldenström の4期(初期・分節・・治癒)は介入の窓を決める時計。は圧潰の切迫を告げる。
  • ⚠️ だけで来る児がいる。 全身徴候は無く、あれば感染・炎症性疾患を考える。
  • ⚠️ の2.7%、遷延・再発例の36.3%が。 6週後のX線追跡は遷延・再発例に絞る。
  • ⭐ 治療は「発症時年齢 × Herring群」で決まる。 8.0歳以下は何をしても差が出ず、Cは何をしても悪い。手術が有意に勝るのは「8.0歳超 × B/B-C」だけ。
  • ⚠️ の優位性は示されていない。 とくに6〜8歳未満の軽症例では・に勝らない。
  • 予後は で読む。I〜IIの60〜80%はまで無症状、III〜Vは40〜50歳代までにへ進む危険が高い。
  • ⚠️ 両側性は少数派(同じStatPearls章のなかで10〜24%と15〜20%が併記されている)。両側対称ならなどのを疑う。

出典

  1. 1.Legg-Calve-Perthes Disease(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2026)2026年3月25日更新版の全文を取得して確認した。Perthes病が小児の大腿骨頭骨端の特発性阻血性壊死であり、1910年にLegg・Calvé・Perthesが独立に記載したこと、4〜10歳に最も多く男児優位であること。大腿骨頭の主要な血流が内側大腿回旋動脈の枝である外側骨端動脈であり、その途絶が骨端の虚血をもたらすこと、寛骨臼内での containment が保たれなければ骨頭が変形しうること、管理の全体目標が骨頭を球形かつ適合した形で寛骨臼内で治癒させ大腿骨寛骨臼インピンジメントと早期変形性関節症のリスクを最小化することであること。病因が多因子性で、外側骨端動脈の血管解剖・機能の異常や静脈うっ滞・骨内圧上昇・動脈閉塞、第V因子Leiden・プロテインCまたはS欠乏・リポ蛋白(a)高値といった血栓性素因の合併率が対照より高いこと、反復する微小外傷や急性外傷は二次的な引き金と考えられること、母体喫煙や小児期の受動喫煙が危険の上昇と相関すること、低い社会経済状態・都市居住・栄養不良も関連すること、多くの患児が低身長または骨成熟の遅れを示しインスリン様成長因子1などの低値が報告されること、大半は孤発だが家族歴陽性が8〜12%にみられCOL2A1などの変異が小規模な症例集積で報告されていること。発症率が15歳未満の小児10万人あたり0.4〜29と幅広く報告されること、発症は3〜12歳で5〜7歳にピークがあり診断時平均年齢が6〜7歳であること、男児が女児の約3〜5倍であること、両側罹患が10〜24%に生じ左右が非同期でありうること(同じ章のHistory and Physical節では両側例を15〜20%と記す)、欧州系の小児と高緯度・都市部の集団に多くアフリカ系・東アジア系には比較的まれであること、近年発症率が低下している地域があること。Waldenströmの4つのX線病期が初期(壊死)・分節期・再骨化期・治癒期であること、初期には骨端の硬化と高径のわずかな低下がみられ軟骨下の透亮線(crescent sign)が壊死骨を貫く軟骨下骨折を示し圧潰の切迫を告げること、分節期には辺縁から再血行化が始まり破骨細胞が壊死骨を吸収して骨端が断片状・斑状・扁平にみえ外側柱の高径が失われうること、この時期に骨頭が力学的に最も弱く寛骨臼内での containment が決定的であること、再骨化期に骨頭の最終形態と適合性がほぼ決まること、治癒期は発症からおよそ2〜4年でcoxa magna・coxa plana・非球形の拡大といった遺残変形を残しうること。臨床像が数週から数か月かけて緩徐に進む跛行、股関節・鼠径部・大腿・膝の活動時痛(膝痛のみのこともある)、朝のこわばりや一日の終わりの疲労感であり、発熱・発赤・炎症反応上昇といった全身徴候は無く、あれば化膿性関節炎・骨髄炎・炎症性関節症を評価すべきこと。診察で疼痛性跛行またはTrendelenburg歩行、股関節可動域とくに外転と内旋の制限、屈曲拘縮、相対的脚長差、慢性例での大腿・殿筋の萎縮を認めること。評価は臨床像とX線によること、骨盤正面像とfrog-leg lateral像が標準であること、MRIが早期には単純X線より鋭敏で灌流低下や骨髄変化を捉えること、造影・灌流MRIで灌流の保たれた骨端の割合を定量でき、灌流容積が小さいほど外側柱の圧潰が強く予後が悪いこと、超音波は関節液貯留を示すがPerthes病を診断しないこと、骨シンチはMRIに取って代わられ歴史的なものであること、血液検査は正常で感染や炎症性疾患の除外のために行うこと。Herring外側柱分類が分節期の骨端外側3分の1の高径低下でA(低下なし)・B(50%未満)・C(50%超)に分け、境界B/C(B50)が追補されていること、A群はほぼ常に良好、B群は中間、C群は高度変形の危険が高いこと。Catterall分類が骨端の罹患範囲でI(25%未満)・II(25〜50%)・III(50%超)・IV(ほぼ全体)に分けhead-at-risk徴候(外側の石灰化・Gage徴候・水平化した骨端線・外側亜脱臼)を記載したこと、Salter-Thompson分類が軟骨下骨折線の範囲でA(50%未満)・B(50%超)に分けること、Stulberg分類が骨成熟時の遺残形態をI〜Vで表しI〜IIが良好・IIIが中等度・IV〜Vが不良に対応し早期変形性関節症と人工股関節置換の必要性に強く相関すること。治療は containment の維持・可動域とくに外転と内旋の温存・分節期と再骨化期の変形の最小化・疼痛緩和を目的とし、発症年齢・病期・罹患範囲・逸脱の程度・可動域で決めること、6歳未満でとくに軽症(Herring A・一部のB)は保存治療でよいこと、8歳超および罹患範囲が広い例(Herring B/B-CまたはC、Catterall III〜IV)は予後不良の危険が高く可動域が保たれていれば手術的 containment の恩恵を受けやすいこと。保存治療が高衝撃活動の回避・必要に応じた免荷・イブプロフェンなどNSAIDの短期投与・理学療法(外転と内旋の維持、内転筋と屈筋のストレッチ、外転筋と体幹の強化、水中運動)であること、重度の疼痛や筋攣縮に短期の安静や介達牽引を用いうること、非手術的 containment としてPetrieギプス(内転筋腱切離後に用いることが多い)とAtlanta Scottish Rite装具などの外転装具があること、装具の証拠は一定せず系統的レビューとメタ解析では理学療法・活動調整に対する一貫した優位性を示していないこと、とくに6〜8歳未満の軽症例でそうであること、装具の遵守が難しいこと。手術は大腿骨内反骨切り術と骨盤側骨切り術(Salter innominate骨切り、Pemberton・Dega臼蓋形成術、shelf臼蓋形成術)が containment を目的とすること、大腿骨内反骨切り術には脚短縮・跛行の増強・過内反という短所があること。予後因子が発症年齢(6歳未満は良好、8〜9歳以降は遺残変形と早期変形性関節症の危険が有意に高い、11〜12歳超の発症はリモデリング能に乏しく侵襲的に経過しうる)・壊死範囲と外側柱の圧潰(Herring CはStulberg IV〜Vへ進みやすい)・骨頭の逸脱(被覆80%超を保てば良好にリモデリングしやすい)・可動域(外転と内旋の温存が良好な転帰と関連、固定した拘縮とhinge abductionは不良)・性と両側性(8歳超の女児は男児より転帰が悪い)であること。主に保存治療された長期コホートでStulberg I〜IIの股関節の60〜80%が中年期まで無症状か軽症にとどまる一方、Stulberg III〜Vは40〜50歳代までに疼痛・機能低下・X線上の変形性関節症の危険が実質的に高いこと、高度な遺残変形では成人早期から中年期に人工股関節置換を要する例が多く、変形のない一次性変形性関節症に比べ技術的要求と合併症プロファイルが不利であること。疾患由来の合併症がcoxa magna・coxa plana・非球形骨頭と短縮した頸部・骨頭の外側亜脱臼・骨端線早期閉鎖による脚長差・臼蓋形成不全・cam型大腿骨寛骨臼インピンジメントと関節唇損傷・早期変形性関節症であること。鑑別が大腿骨頭すべり症・一過性股関節滑膜炎・化膿性関節炎・若年性特発性関節炎であること。閲覧 2026-09-04
  2. 2.Legg-Calve-Perthes disease. Part II: Prospective multicenter study of the effect of treatment on outcome(The Journal of Bone and Joint Surgery (American Volume)・2004)発症時年齢6.0〜12.0歳で未治療の患者438例451股を登録し、各施設が自施設の方法(無治療・装具・可動域訓練・大腿骨骨切り術・寛骨骨切り術の5群)を全患者に適用した前向き多施設研究。骨成熟時に337例345股を追跡できた。無治療・装具・可動域訓練のあいだに転帰の差は無く、大腿骨内反骨切り術と寛骨骨切り術のあいだにも差は無かった。発症時の暦年齢8.0歳以下または骨年齢6.0歳以下の小児では治療が有意な効果を持たなかった。外側柱B群と境界B/C群では、発症時8.0歳超の小児で手術治療の転帰が保存治療より有意に良好であった(p≦0.05)。外側柱B群でも発症時8.0歳以下なら保存治療と手術治療で同等に良好であった。外側柱C群は転帰が最も悪く手術群と保存群に差が無かった。外側柱分類(p<0.0001)と発症時年齢(p=0.0001)はいずれも強い予後因子であった。発症時8.0歳超では女児が男児より有意に転帰不良であった(p=0.004)。抄録のみを閲覧しており全文は未取得。閲覧 2026-09-04
  3. 3.The prevalence of Legg-Calvé-Perthes disease among paediatric patients with transient synovitis of the hip: a systematic review and meta-analysis(Journal of Orthopaedic Surgery and Research・2024)一過性股関節滑膜炎と診断された18歳以下の小児2,617例を含む19研究のシステマティックレビューとメタ解析で、一過性股関節滑膜炎の小児全体におけるPerthes病の統合有病率が2.7%(95%CI 1.4〜5.1)、症状が遷延または再発した小児では36.3%(95%CI 21.6〜54.2)であったこと。追跡期間は6週から24か月まで幅があり、Perthes病の同定に主に用いられた画像検査は単純X線であったこと。結論として、Perthes病を除外するための6週後の定期的な股関節X線による追跡は、症状が遷延または再発する患者に限って正当化されるとしたこと。抄録のみを閲覧しており全文は未取得。閲覧 2026-09-04