薬剤ノート一覧へ

Drug Atlas · A8 Beta-blockers / β遮断薬 · 必修

チモロール

timolol

分類
Beta-blockers / β遮断薬
商品名(日本)
チモプトール
商品名(EU)
Timoptol
科目
Pharmacology
トピック
A8: β-receptor antagonists
禁忌疾患
気管支喘息徐脈性不整脈(洞不全症候群・房室ブロック)
監視検査値
眼圧
対象疾患
血管腫高眼圧症緑内障
原因となる疾患
徐脈性不整脈(洞不全症候群・房室ブロック)

🧠 全体像的にはと同じ「純粋な」だが、臨床で出会う場面はほぼ点眼薬としての緑内障治療という点でまったく別の顔を持つ。全身投与ではなく局所(眼局所)に使う薬だからこそ問題になる「点眼でも全身性のβ遮断が起こる」という落とし穴が、この薬を理解する鍵になる。

薬効群の中での位置づけ

グループ 代表薬 特徴 主な適応
非選択β(純粋型) 追加作用なし 緑内障(点眼)・高血圧・不整脈
非選択β+α1遮断 ・高血圧
β1選択・点眼特化 を持つ点眼薬

はどちらも緑内障の点眼薬だが、選択性がまったく違う。 は非選択的(β1+β2)で下降効果が強い一方、全身性の・徐脈のリスクを伴う。下降効果はやや弱いとされるが、喘息患者などβ2遮断を避けたい場面で選ばれる。

機序

点眼された・角膜から吸収され、のβ受容体を遮断してを減らすことでを下げる(緑内障治療の基本戦略は「の産生を減らす」か「流出を増やす」のどちらかで、は前者に属する)。全身のβ1・も非選択的に遮断する点は経口のと同じ機序(の機序節を参照)。

⚠️ 点眼薬でも全身に吸収される。 を通ってから吸収された薬はを受けずにへ入るため、よりもむしろが高くなりうる。「目薬だから全身への影響はない」という思い込みが最大の落とし穴で、を誘発した例が知られている。

適応

領域 使いどころ
眼科 (点眼、の一つ)
循環器 高血圧、不整脈の(経口製剤)
神経・頭痛 (経口、と同様の位置づけ)

用法・用量

緑内障・:通常0.25〜0.5%点眼液を1日1〜2回点眼する。点眼後はを圧迫して1〜2分ほどすることで全身への吸収を減らせる。経口製剤を用いる場合の用量は適応・年齢・腎肝機能で変わる。実際の用量は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌(点眼でも非選択的β2遮断によるを誘発しうる)、(高度徐脈・・房室ブロック。の増悪)
  • ⚠️ 点眼薬であっても全身性の禁忌がそのまま適用される。だからには影響しない」と判断しない
  • 経口のに共通する注意(での新規開始を避ける、突然の中止を避ける)は経口製剤使用時に準用する

副作用

頻度 内容
高頻度 点眼時の刺激感・
注意 全身性の徐脈・低血圧(点眼でも起こりうる)
重篤・まれ (喘息患者での点眼使用)、

まとめ

  • 的にはと同じ純粋なだが、臨床上の主戦場は緑内障の点眼治療。
  • のβによりを減らしてを下げる。
  • 点眼薬でもからの吸収でに入り、を受けないためが高くなりうる。
  • は点眼薬であっても禁忌がそのまま適用される。
  • 点眼後の圧迫・で全身吸収をある程度減らせる。
  • 点眼は、喘息などβ2遮断を避けたい場面での代替になる。