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Drug Atlas · B7 PDE5 inhibitors / PDE5阻害薬 · 必修

バルデナフィル

vardenafil

分類
PDE5 inhibitors / PDE5阻害薬
商品名(日本)
レビトラ
商品名(EU)
LevitraStaxyn
科目
Pharmacology
トピック
B7: Ca++-channel blockers and other vasodilatorsB14: Androgens, anabolic steroids, antiandrogens. Agents affecting the sexual activity
承認適応
勃起不全(ED)
副作用
頭痛顔面紅潮持続勃起症
相互作用
イソソルビドモノニトラートニトログリセリンモルシドミンリオシグアト硝酸イソソルビド

🧠 全体像:は・と同じ阻害薬で、機序と・とのを共有する。3剤の中では最もに近い(半減期約4〜5時間の、で吸収遅延)が、⚠️ の添付文書はQT延長について明示的な記載を持つ点が特徴である(3剤の添付文書を横並びで比較した出典は本ノートに無く、他剤との優劣は断定しない)。(10 mg)と(80 mg)のいずれでもmoxifloxacin(QT延長を起こす代表的な抗菌薬)と同程度の延長が確認されており、やクラスIA・III服用中の患者では避けるべきとされる。

シルデナフィル・タダラフィルとの違い

項目
半減期 約4時間 約17.5時間() 約4〜5時間
約40% ― 約15%と3剤中最も低い
食事の影響 で吸収遅延・Cmax低下 ほぼ受けない でCmaxが18〜50%低下(と同様の課題)
QT延長の記載 本ノートでは未確認 本ノートでは未確認 ⚠️ ・ともmoxifloxacinと同程度の延長が明記される1
PAH適応 あり(レバチオ) あり(アドシルカ) 無し(EDのみ)
阻害薬併用時の規定 減量の目安が記載される 同様 用量ごとに厳密な上限が数値で規定(・との併用で1回量・まで指定)

⭐ の固有性はQT延長と阻害薬併用時の厳密な減量規定に集約される。 半減期・食事の影響・はとほぼ重複するため、ここを繰り返す意義は薄い。を選ぶ・避ける判断で他の2剤と分かれるのは、QT延長リスクのある患者(、クラスIA・III服用中)を除外できるかどうかという一点である1。

機序

flowchart TD
    A["性的刺激で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='corpus cavernosum'>陰茎海綿体</span>内皮からNOが産生"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='guanylate cyclase'>グアニル酸シクラーゼ</span>活性化→cGMP↑"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cavernosal smooth muscle'>海綿体平滑筋</span>の弛緩→勃起"]
    D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='phosphodiesterase type 5'>PDE5</span>がcGMPを分解し勃起を終わらせる"] -.->|"分解"| C
    E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vardenafil'>バルデナフィル</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='phosphodiesterase type 5'>PDE5</span>を阻害"] -.->|"分解を阻止"| D
    F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nitrates'>硝酸薬</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nitric oxide donor'>NO供与体</span>を追加投与"] --> G["cGMP産生と分解阻止が同時に働く"]
    G --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vascular smooth muscle'>血管平滑筋</span>が過度に弛緩→重篤な低血圧"]
    E -.->|"心筋の再分極にも関与"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='QT interval'>QT間隔</span>の延長"]

💡 の機序はと同一(cGMPの産生と分解阻止が重なる二重増強)だが、ではQT延長という別の懸念が添付文書に明記される点が相違点である。

薬物動態

項目 値・特徴
約15%(3剤中最も低い)
Tmax 中央値60分(30分〜2時間)
食事の影響 でCmaxが18〜50%低下
代謝 主に(一部CYP3A5・CYP2C)で。M1を生じる(血漿濃度はの約26%、は約28%)
半減期 約4〜5時間
剤形 フィルムコーティング錠に加え、水なしで服用できる(ODT)があるが、フィルムコーティング錠10 mgとは生物学的に同等ではなくがより高いため用量を単純に読み替えられない2

の数値はいずれも1による。

適応

(ED)の治療薬。・と異なり、(PAH)の適応は持たない1。

用法・用量

通常成人1回10 mgを性行為の約60分前に食事の有無を問わず内服し、効果・に応じて5〜20 mgの範囲で調整する。1日1回までとする1。を既に安定して服用している患者に開始する場合は最低用量(5 mg)から始める1。阻害薬併用時は用量・が数値で厳密に規定される(例:200 mg/日併用で最大5 mg/日、併用で72時間に単回2.5 mgまで)1。実際の用量は年齢・肝腎機能・併用薬で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • :・・などの・、(など)との併用2
  • ⚠️ ⭐ QT延長のため、の既往、クラスIA・III(・、・など)を服用中の患者では使用を避ける。 10 mg・80 mgのいずれでもmoxifloxacin 400 mgと同程度の延長が確認されており、臨床的な影響の大きさは確立していないが、QT延長のリスクを持つ患者では他の阻害薬より慎重な判断を要する1
  • との併用:血圧低下が増強されうるため、治療で安定していない患者には開始しない。開始する場合は最低用量から1
  • 慎重投与:重度の、低血圧、直近の心筋梗塞・脳卒中、
  • 性行為自体がにとって危険な患者(重症弁膜症・など)には処方しない

副作用

頻度 内容
高頻度 頭痛(約15%)、(約11%)、鼻炎(約9%)
注意 低血圧、めまい、、
重篤・まれ (4時間以上持続する場合は緊急受診)、(NAION)、、QT延長

まとめ

  • 阻害薬で、機序・とのは・と共通。
  • はに近い(半減期約4〜5時間、で吸収遅延)が、は約15%と3剤中最も低い。
  • ⚠️ 固有の最重要点はQT延長。 ・ともmoxifloxacinと同程度の延長が確認され、・クラスIA/III服用中の患者では使用を避ける。
  • はEDのみで、・にあるPAHの適応は持たない。
  • 併用時は患者が安定していることを確認し最低用量から開始する。阻害薬併用時は用量・間隔が数値で厳密に規定される。
  • 日本では(錠)が流通する。(レビトラ)を含め実際の流通状況は変わりうるため、処方時に最新の情報を確認する。

出典

  1. 1.LEVITRA (vardenafil hydrochloride) tablets, for oral use — Highlights of Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)・2011)添付文書上、適応が勃起不全(ED)のみであること、開始用量10 mg(食事の有無を問わず服用可、性行為の約60分前)で効果・忍容性に応じ5〜20 mgへ調整すること、硝酸薬・NO供与体との併用が禁忌であること、10 mgおよび過量投与80 mgでmoxifloxacin 400 mgと同程度のQTc延長が認められその臨床的意義は不明とされていること、先天性QT延長症候群の既往やクラスIA・III抗不整脈薬服用中の患者では使用を避けるべきとされていること、アルファ遮断薬との併用は患者がアルファ遮断薬治療で安定している場合に限り最低用量(5 mg)から開始すること、CYP3A4阻害薬(ケトコナゾール・リトナビルなど)との併用時に減量規定(ケトコナゾール200 mg併用で最大5 mg/日、400 mg併用で24時間に単回2.5 mg、リトナビル併用で72時間に単回2.5 mg)があること、薬物動態が半減期約4〜5時間・経口バイオアベイラビリティ約15%・Tmax中央値60分・主にCYP3A4で代謝され活性代謝物M1(親化合物の28%の活性)を生じることを確認した。閲覧 2026-09-01
  2. 2.VARDENAFIL tablet, orally disintegrating — prescribing information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)・2025)口腔内崩壊錠(バルデナフィルODT)が水なしで服用できる剤形として承認されており、フィルムコーティング錠のバルデナフィル10 mgとは生物学的に同等ではなく全身曝露がより高くなること、性行為の約60分前に1日1回を上限として服用することを確認した。閲覧 2026-09-01