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Lab values · Published

リパーゼ

Lipase

別名
血清リパーゼ
臓器系
肝胆膵消化器
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 L-53:急性膵炎内科学 G-07:膵疾患
関連疾患
急性膵炎小児虐待・非事故性外傷胆石症鈍的腹部外傷慢性膵炎
監視対象薬
アキサチリマブアシミニブスチボグルコン酸ナトリウムテデュグルチド
影響する薬剤
アログリプチンサキサグリプチンシタグリプチンリナグリプチン

🧠 全体像:血清リパーゼは主に由来の活性を測る。ではより膵特異性が高く、遅れて受診した患者でも上昇が残りやすいが、高値だけで膵炎を診断せず、値の高さで重症度を決めない。低値は進行したの手掛かりになり得るが、感度は低い。

何を測っているか

リパーゼはトリグリセリドを脂肪酸とグリセロールへ分解する酵素で、血清検査は主にその酵素活性をU/Lで測定する。膵が主な由来だが、胃腸管などにも関連酵素があり、腎での除去や高分子化も血中値に影響する。

ではから血中へ漏出する。一般に発症後数時間で上昇し、約24時間でピークとなり、1〜2週間程度高値が続くことがある。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='duct obstruction'>膵管閉塞</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acinar cell injury'>腺房細胞傷害</span>"] --> B["膵内酵素活性化と炎症"]
    B --> C["リパーゼが血中へ漏出"]
    C --> D["血清リパーゼ上昇"]
    E["腎での除去低下"] --> D
    F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='macrolipase'>マクロリパーゼ</span>形成"] --> D

基準値と診断閾値

は試薬・分析装置で大きく異なるため、絶対値ではなく施設のに対する倍率で読む。

値・状況 解釈
を完全には除外しない。発症時刻・病型を確認
ULN未満の低値 単回では意義が乏しい。進行慢性膵疾患では低くなり得る
ULNの3倍未満 非膵疾患を含め非特異的。臨床像を優先
ULNの3倍超 典型痛と合わせの1項目

は、①典型的な持続性上腹部痛、②リパーゼまたはがULNの3倍超、③特徴的画像所見の3項目中2項目で診断する。酵素高値があるだけでは1項目しか満たさない。

高値の意味

機序 代表例 読み方
、ERCP後 痛み、発症時刻、画像、原因評価
膵周囲・腹腔内炎症 胆嚢炎、・穿孔、消化性潰瘍など 腹部所見と画像で原発部位を確認
除去低下 AKI、CKD 腎機能と推移を確認
全身性代謝・重症病態 DKA、敗血症、ショック 酸塩基、循環、感染を優先
持続性 無症候で長期持続、他検査と不一致
薬剤・治療関連 一部薬剤、処置後 時間関係と他原因を評価

⚠️ 激しい腹痛、、ショック、臓器障害があれば、リパーゼが3倍未満または正常でも画像・外科的評価を遅らせない。性膵炎や発症早期・晩期では酵素が典型値にならないことがある。

低値の意味

リパーゼ低値は、進行した、嚢胞性線維症、広範な膵切除などで膵実質・外分泌能が失われた場合にみられる。しかし感度が低く、正常値でもを除外できない。

疑う状況 次に進む検査
・体重減少・栄養不良 、栄養指標
慢性上腹部痛・疑い CT、MRI/MRCP、EUS
膵切除・嚢胞性線維症 症状、栄養、

アミラーゼとの比較

項目 リパーゼ
膵特異性 比較的高い 唾液腺など膵外由来が多い
上昇持続 長い 比較的短い
遅れて受診した 検出しやすい 正常化していることがある
マクロ酵素 マクロ
日常診療 疑いでは一般に優先 併測しても診断能の追加が乏しいことが多い

測定上の注意

  • 採血時刻と腹痛発症時刻を対応させる。
  • 溶血・・黄疸の干渉は測定法で異なるため、検査室コメントを確認する。
  • 高度ではによるも疑う。
  • 腎機能低下では膵炎がなくても上昇し、では無症候性高値が持続する。
  • 施設・装置が変わればULNも変わるため、絶対値の単純比較を避ける。

経時変化と次の一手

flowchart TD
    A["腹痛とリパーゼ結果"] --> B{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acute pancreatitis'>急性膵炎</span>の3項目中2項目か"}
    B -->|"はい"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acute pancreatitis'>急性膵炎</span>として原因と臓器不全を評価"]
    B -->|"いいえ"| D{"典型痛・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='severe features'>重症所見</span>が続くか"}
    D -->|"はい"| E["画像と他の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acute abdomen'>急性腹症</span>を評価"]
    D -->|"いいえ"| F["腎機能・薬剤・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='macrolipase'>マクロリパーゼ</span>を検討"]
    C --> G["重症度は臓器不全・BUN・Hct・臨床推移で判断"]

診断後にリパーゼを連日測定しても、壊死、臓器不全、治癒を反映しない。だけで画像や絶食を決めず、新たな痛み・発熱・臓器障害など臨床変化を根拠に再評価する。

まとめ

  • リパーゼは主に膵由来の酵素活性で、ULNに対する倍率で読む。
  • ULNの3倍超はの1項目であり、単独では確定しない。
  • 高値の程度は重症度と相関せず、連日測定は通常不要である。
  • 腎機能低下、腹腔内炎症、重症病態、でも高値になる。
  • 低値・正常値でを除外しない。