Internal Medicine

Internal Medicine · L-26

脂質異常症

Dyslipidemia

前提:病態
脂質異常症の分類;原発性高リポタンパク血症続発性高リポタンパク血症に関連する症候群脂質代謝に作用する薬・体重管理薬
前提:正常
コレステロールの代謝;血中コレステロール輸送
疾患
脂質異常症

🧠 全体像はLDL-C、トリグリセリド、などの異常で、治療の中心はLDL-C低下によるASCVD予防である。単一の「正常値」で治療を決めず、既往ASCVD、糖尿病、CKD、(FH)と総リスクから目標・治療強度を決める。

評価

  • 脂質profile:、LDL-C、、トリグリセリド、。高TGや極低LDLでは直接LDL-CまたはapoBを検討する。
  • 二次性原因:、糖尿病、CKD・ネフローゼ、胆汁うっ滞、肥満、飲酒、妊娠、薬剤。
  • 家族歴、若年ASCVD、からFHを疑い、などで評価する。
  • は遺伝的に規定されるため、成人で少なくとも生涯1回測定しリスクとして扱う。

主な表現型

表現型 主な原因・危険
LDL-C優位高値 、FH、、ネフローゼ。ASCVDリスク
高トリグリセリド 肥満、糖尿病、飲酒、薬剤、家族性。
混合型 、糖尿病、
インスリン抵抗性、喫煙、高TG。HDLを薬で上げること自体をにしない

Fredrickson表現型分類

は、増加するリポ蛋白のパターンをI〜V型で表す歴史的な表現型分類である。現在の診療では、apoB、LDL-C、TG、家族歴と臨床リスクを直接評価するため、この型だけで治療を決めない。

主に増えるリポ蛋白 代表的病態・機序 臨床の手掛かり
I ;LPLまたはapoC-II機能不全など 著明高TG、反復性膵炎、腹痛、、肝脾腫、動脈硬化は目立たない
IIa LDL ;LDL受容体/apoB関連 、著明高LDL-C、ASCVD
IIb LDL+VLDL コレステロールとTGがともに上昇し、ASCVDを来し得る
III (VLDL・ (dysbetalipoproteinemia);apoE異常 、結節性/ASCVD
IV VLDL 家族性、肝VLDL過剰産生 高TG、では
V +VLDL 混合型 著明高TG、、腹痛・膵炎、

代謝症候群

、高血糖、高TG、低が集積し、2型糖尿病とASCVDのリスクが高い状態である。WHO 1999基準では、/糖尿病/インスリン抵抗性に加えて、血圧≥140/90 mmHg、TG ≥1.7 mmol/L、低のうち2項目以上を用いる。これは歴史的基準であり、現在は地域・民族に応じたを含む採用基準を明示し、構子を個別に治療する。

LDL-C目標の考え方

ESC/EASではリスクが高いほど低い目標を用いる。代表的に、非常に高リスクではベースラインから50%以上低下かつ <1.4 mmol/L、高リスクでは50%以上低下かつ <1.8 mmol/L を目指す。反復ASCVDイベントではさらに低い目標を検討する。地域指針で目標値・器が異なるため、採用基準を明示する。

LDL-C低下治療

flowchart TD
    A["ASCVDリスク・二次性原因を評価"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='maximum tolerated dose, MTD'>最大耐用量</span>スタチン+生活介入"]
    B --> C{"目標達成?"}
    C -->|"いいえ"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ezetimib'>エゼチミブ</span>追加"]
    D --> E{"なお未達?"}
    E -->|"はい"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='PCSK9 inhibitor'>PCSK9阻害薬</span>/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inclisiran'>インクリシラン</span>/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bempedoic acid'>ベンペド酸</span>を個別選択"]
    C -->|"はい"| G["継続・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='adherence'>アドヒアランス</span>と安全性確認"]

を中心に選び、筋症状、相互作用、肝疾患を評価する。CK上昇のない筋症状もあり、・再投与・別スタチン・で真の不耐性を検証する。、PCSK9モノクローナル抗体、をリスク・必要低下量・費用に応じ追加する。

高トリグリセリド血症

二次性原因、特に飲酒・高血糖・薬剤を修正する。(概ね ≥5.6 mmol/L、特に≥10 mmol/L)では膵炎予防を優先し、超、処方オメガ3を検討する。ASCVD高リスクでスタチン治療中もTGが中等度高値なら、を適格例で考える。を「HDLを上げる薬」として一律追加しない。

生活介入

  • 飽和脂肪酸/を減らし、、ナッツ、魚、不飽和脂肪を増やす。
  • 体重減少、週150分程度の運動、禁煙、飲酒削減を行う。
  • 薬を開始しても生活介入を継続し、4〜12週後に脂質と服薬を再評価する。

まとめ

  • 脂質治療はLDL-C単独値ではなく、ASCVD・糖尿病・CKD・FHを含む総リスクで決める。
  • スタチンを軸に、PCSK9系などを必要低下量に応じ追加する。
  • 高TGでは二次性原因を除き、ではASCVDより先に膵炎予防を行う。