画像診断学

画像診断学 · 01

画像診断学入門

Introduction to medical imaging

前提:正常
X線の重積画像音響インピーダンスと音の反射率MRIコントラスト―プロトン密度、T1・T2強調PETの構成と作動原理ALARA原則

🧠 全体像:画像診断は「画像を読む」ことではなく、臨床の問いに画像で答えることである。そのために、①信号の出どころ(透過・反射・放出)でを分け、②と分解能という2つの物差しで得意・不得意を比べ、③・造影剤・金属などの安全性を確かめ、④その問いに最も適した検査を選ぶ。この入口のノートでは各を俯瞰し、詳しい原理と臨床は兄弟ノート(02〜08)へ渡す。

1. 放射線科医の仕事

放射線科医の役割は、フィルムの前に座って所見を書くことにとどまらない。

役割 中身
検査を選ぶ 臨床の問いに対して最も適した撮影法を選ぶ(不要な検査・被ばくを避ける)
プロトコルを最適化する 撮像条件、造影の有無と、撮影範囲を問いに合わせる
病態を理解する 疾患の生物学・病理を知っていて初めて、画像所見の意味を解釈できる
不確実性を伝える 「どの程度確からしいか」「次に何をすべきか」を依頼医に伝える
画像下治療を行う 、生検、ドレナージなど
に参加する 腫瘍カンファレンスなどでの決定に加わる
AIを補助として使う 検出・優先度付け・の自動化(下記8節)

⭐ 画像診断医は、パターン・痕跡・徴候を探す探偵にたとえられる。ただし答えるべきは常に「依頼医の臨床的な問い」であり、画像だけで診断が完結するわけではない。

2. 画像診断の歴史

年 出来事
1794 スパランツァーニがコウモリの反響を研究し、超音波研究の始まりとされる
1880 キュリー兄弟がを発見(超音波の原理)
1895 レントゲンがX線を発見し、放射線医学の父と呼ばれる
1943 ヘヴェシーが研究でノーベル化学賞を受け、核医学の父と呼ばれる
1972 ハウンズフィールドとコーマックによる最初の
1977 ダマディアンによる最初の全身(体幹)
2000年前後 ンゼントとナットによる最初の商用
2011 最初の商用-
2020年代 光子型検出器(2021年)、7 T 超高磁場の臨床利用

💡 1枚目の画像は粗いの頭部断面で、現在の光子型は臓器・血管を立体的に色分けして描出できる。約50年でとデータ量が桁違いに増えた(AIが必要とされる背景、8節)。

3. 信号の出どころで分ける3つの画像

どのも「体に何かを当てる(または入れる)→ 戻ってきた信号を画像にする」という点は共通で、画像の濃淡が何を反映しているかが違う。

flowchart TD
    A["医用画像"] --> B["透過画像<br>X線を体に通す"]
    A --> C["反射画像<br>超音波を当てて反射を受け取る"]
    A --> D["放出画像<br>体の中から出る信号を受け取る"]
    B --> B1["濃淡=減弱・密度<br>単純X線・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mammography'>マンモグラフィ</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fluoroscopy'>透視</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='computed tomography'>CT</span>"]
    C --> C1["濃淡=<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acoustic impedance'>音響インピーダンス</span>の差<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='B-mode ultrasonography'>Bモード</span>・ドプラ・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='elastography'>エラストグラフィ</span>"]
    D --> D1["核医学<br>投与した<span class='jp-term jp-term-diagram' title='radioisotope'>放射性同位元素</span>からの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gamma radiation'>γ線</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='positron'>陽電子</span>"]
    D --> D2["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='magnetic resonance imaging'>MRI</span><br>水素原子核からのラジオ波信号"]

3.1 透過画像(X線系)

高エネルギーの光子線を体に通すと、一部が減弱・遮られる。検出器に届いた量の差が濃淡になるので、灰色の濃淡は減弱(密度)を反映する。

3.2 反射画像(超音波系)

から出た音波は、の異なる組織の境界で一部が反射する。戻ってきたエコーから画像を作るので、灰色の濃淡はの差を反映する。

  • :通常の白黒の断層像。画面上で構造物の径をそのままできる
  • ドプラ:血流の向きと速度をカラー表示し、で流速波形を得る(例:頸動脈)
  • :組織の硬さを色分けして表示する(例:肝臓の硬さをkPaで評価)

詳しくは臨床と超音波実習。

3.3 放出画像(核医学とMRI)

核医学
信号の源 体内に投与したから出る・消滅放射線 強い磁場の中で水素原子核が出すラジオ波信号
代表例 (全身の)、(ブドウ糖代謝。正常でも尿路へ排泄されるため腎・膀胱に強く集積する) 、造影剤なしで血流を描く3D TOF MRアンギオグラフィ(例:)
あり なし
詳しく 核医学 の基礎

画像で確かめる

ごとの「濃淡が何を意味するか」は、最初の6症例で一通り確かめられる。

4. 分解能:モダリティを比べる2つの物差し

4.1 空間分解能

は、細かい解剖構造をどこまで描き分けられるかを表す。画素()が小さいほど、元の形の輪郭を忠実になぞれる。が粗いと、同じ形がカクカクした大まかな塊になってしまう。

はおおむね次の順に高くなる。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gamma camera'>ガンマカメラ</span>(核医学)<br>最も粗い"] --> B["超音波"]
    B --> C["MRI"]
    C --> D["CT"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fluoroscopy'>透視</span>"]
    E --> F["単純X線撮影<br>最も細かい"]
  • ⭐ 単純X線(特に)は1 mm未満のを描出できる。 これは乳癌検出の土台になる(の石灰化)。
  • 核医学のは比較的低い。 全身では骨の輪郭がぼんやりとしか分からないが、代わりに代謝・機能の情報が得られる。
  • CTは()でを上げられる。例えばでは、同じ120 kVの撮影でもを1.00 mmから0.80 mmへ薄くしたのほうが、耳小骨やの細かい輪郭が明瞭になる。
  • 研究段階では、階層的位相トモグラフィーで摘出したヒトの脳全体をに近い局所分解能で撮像した報告(2021年)もある。

4.2 コントラスト分解能

分解能は、似た性質をもつ組織どうしを見分ける能力である。高いほど、正常組織と異常組織のわずかな違いを検出しやすい。

  • 体内の物体そのものの物理的には高低がある。軟部組織・液体どうしの差は小さく、骨・・と周囲の差は大きい。
  • 撮影法のが高いと、差の小さい対象も1つずつ区別して描けるが、低いと差の小さい対象は背景に埋もれる。
  • ⭐ 単純X線とが区別できる濃度は、金属・骨・水(軟部組織)・脂肪・空気の5つだけである(詳しくはX線撮影の基礎)。
  • ⭐ は分解能が最も高く、軟部組織の描き分けに優れる。 同じ前立腺でも、では腺全体がほぼ均一な灰色の塊にしか見えないが、では辺縁域と移行域の違いまで区別できる。
  • 造影剤は、組織・血管・体腔のあいだのを人工的に高めるために使う。

4.3 造影剤の種類

造影剤は診断精度を上げるためので、ごとに使うものが違う。

造影剤 使う 代表的な使い方
(微小) 超音波() 肝腫瘤のを評価する
空気+(二重造影) 大腸のを描出し、憩室などを見る
(動脈内) ・DSA などの血管病変
() などを3D再構成で描出する
など、炎症・腫瘍のを見る

5. 画像の見え方を表す用語

同じ「黒い/白い」でも、ごとに呼び方が違う。所見の記載ではこの用語を正確に使い分ける。

黒い(信号が少ない)側 中間 白い(信号が多い)側
単純X線 透過性亢進、、低減弱() — 透過性低下、、高減弱(陰影)
低吸収(低減弱) 中等度吸収 (高減弱)
超音波 → — → 強エコー
低信号 中間信号 高信号
核医学 の — (表示色は装置・カラーマップで異なる)

💡 超音波の用語は「どれだけ反射するか」、は「信号強度」、は「減弱の程度」、単純X線は「どれだけ透けるか」を言っている。濃淡の物理的な意味が違うので、「で高信号」「で」のような混用は誤りである。詳しくは超音波の、の。

6. 電離放射線と放射線防護

6.1 電離放射線を使うモダリティ

本科目で扱う主なのうち、単純X線・・(DSAを含む)・・核医学がを使う。超音波とは使わない。

X線系(単純X線・・) 核医学
被ばくのタイミング 撮影している間だけ 投与したが崩壊・排泄されるまで
検査後 患者は放射線源にならない 患者自身が一時的に放射線源になる(多くので数時間〜約1日)

は原子から電子をはぎ取るだけのエネルギーをもち、細胞やを傷つける可能性がある。

6.2 代表的な線量

線量は「胸部X線何枚分か」で比べると桁の感覚がつかみやすい。下の表の「線量の幅」と「胸部X線に換算」は、胸部X線1回を0.02 mSvとしたときの成人の値で、「代表値の例」は北米の患者向け情報(・ACR)が示す値である。1

検査 成人のの幅 胸部X線に換算 代表値の例(自然放射線に換算)
歯科X線 0.005〜0.01 mSv 0.25〜0.5枚 —
四肢X線 — — 0.001 mSv未満(3時間未満)
胸部X線 0.02 mSv 1枚 0.1 mSv(約10日)
0.4 mSv 20枚 スクリーニングのデジタル撮影で0.28 mSv
2〜16 mSv 100〜800枚 頭部1.6 mSv(約7か月)、肺癌検診の 1.5 mSv、胸部6.1 mSv、腹部骨盤7.7 mSv(約2.6年)
核医学 0.2〜41 mSv 10〜2,050枚 検査とで大きく違う(核医学)
インターベンション 5〜70 mSv 250〜3,500枚 手技の長さで大きく違う

自然放射線は世界平均でおよそ年2.4 mSvとされ(地域差が大きい)、米国の推定では年約3 mSvである。1 そこで、胸部X線はほぼできる量、は自然放射線の1年分弱、腹部は数年分と覚える。

💡 胸部X線1枚の値を0.02 mSvと置くか0.1 mSvと置くかで「何枚分」は5倍変わる。 1回の線量も、どこを何相撮るかで一桁近く動く(1相のと多相の腹部では大きく違う)。全般を「5〜20 mSv」とする資料もあり(の原理)、表の値はどれも桁の感覚をつかむための目安である。線量の物理量はを参照。

6.3 防護の2原則

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ionizing radiation'>電離放射線</span>を使う検査の依頼"] --> B{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='justification (radiological protection principle)'>正当化</span><br>臨床的に必要か"}
    B -->|"不要"| C["行わない<br>または非電離の検査で代える"]
    B -->|"必要"| D["最適化<br>診断に足る<span class='jp-term jp-term-diagram' title='image quality'>画質</span>を保つ最小線量<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='as low as reasonably achievable'>ALARA</span>)"]
    D --> E["撮影範囲・条件・回数を絞る"]
  • :臨床的に必要なときだけ検査する。
  • 最適化:診断に十分なが得られる最小の線量を使う(:合理的に達成できる限り低く)。

撮影室では、照射中は扉の上の赤ランプが点灯し、赤ランプが点いているときは入室しない。扉や機器には放射線標識(黄色の三角に三つ葉のマーク)が掲示される。・に立ち会うスタッフは入りのプロテクター(エプロン・頸部の甲状腺防護)を着ける。

特に注意する対象は、妊娠の可能性がある女性と乳幼児・小児である。

⚠️ 患者のは、かつてはに行われていた(歴史的)。 現在は、利益が小さいうえに具が診断に必要な解剖を覆い隠したり、再撮影を招いてかえって線量を増やしたりする恐れがあるため、な患者をやめる施設が欧米を中心に多い。2 の要否は施設の方針に従う。

6.4 妊娠と電離放射線

原則は「母体の健康が優先」である。診断されないまま進む母体の重い病気のほうが、された画像検査より胎児にとって危険になり得る。

  1. の女性には、を使う検査の前に必ず妊娠の可能性を尋ねる。
  2. 母体の診断・治療に必要な検査は、妊娠を理由に控えない。
  3. 同じくらい問いに答えられるなら、非電離の超音波・を選ぶ。
  4. X線・を行うなら線量を最適化する()。
妊娠中の扱い
超音波 適切なら第一選択
一般に安全。は明確な必要がない限り避ける
単純X線・ 臨床的にされる場合に限り行い、線量を最適化する
  • 胎児の奇形・発育不全・流産は、50 mGy未満の被ばくでは報告されていない。これは通常のの線量域より上である。腹部骨盤 1回で奇形や流産は予想されない。3
  • 主に懸念されるのは将来の小児がんリスクのわずかな上昇である。腹部骨盤程度の胎児被ばくで、被ばくした胎児1,000人あたり小児がんが2〜3人増えるという見積もりがある。別の見積もりでは、10〜20 mGyの胎児被ばくで白血病リスクが背景(約3,000人に1人)の1.5〜2倍になり得ると見積もられるが、なはごく小さい。診断的被ばくだけを理由にを勧めない。3
  • 授乳中に・を使っても、授乳を中断する必要はない。3

7. モダリティの長所と短所

検査を選ぶときは、、分解能、到達深度、、撮像速度、重なり(重積)、、禁忌、費用、利用しやすさ、体内異物、肥満、患者の協力、緊急かどうか、を総合して考える。

短所 主な用途
単純X線 速い、安い 構造が重なる(重積) 胸部、骨(石灰化した組織)、金属、空気
(DSAを含む) 機能的・リアルタイム、治療ができる (線量が大きい) 血管・非血管のインターベンション、
超音波 リアルタイム、被ばくなし、安い、ベッドサイドで可能 依存、ガス・骨・肥満で見えにくい 腹部、表在病変、血管、妊娠
解剖が非常によく分かる、速い 救急、腫瘍
分解能が最高、被ばくなし(妊婦・小児) 時間がかかる、高価 軟部組織、骨髄、脳、関節
核医学 代謝・生理の情報、早期に異常を捉える が低い 機能画像

⭐ どのも万能ではない。 例えば骨折は単純X線、軟部・骨髄は、救急の全身評価は、妊婦や小児の腹部はまず超音波、というように問いで選ぶ。

8. 人工知能と放射線科

1990年代初めには1検査30〜50枚だったが、今は1検査で2,000〜10,000枚の画像を生む。データ量が爆発的に増えた一方で、放射線科医の数はそれに見合うほど増えていない。AIはこの増え続ける負荷を支えるとして導入されつつある(詳しくは医用画像の人工知能)。

AIが今できること AIにできないこと
異常の検出(例:胸部CTのを枠で示す) 複雑なの評価
緊急検査の優先度付け 患者個人の背景の理解
画像再構成の補助 診断の責任を負うこと
とセグメンテーションの自動化 依頼医・患者とのの代替
被ばく線量と撮像時間の低減 多職種での意思決定への参加

9. 検査前の患者準備

⭐ 検査の種類ごとに確認事項が違う。依頼の段階で押さえておくと、当日の中止や事故を防げる。

9.1 電離放射線を使う検査

  • を妨げる装身具・金属・衣類を外す。
  • 適切な場合は妊娠を除外する(6.4節)。
  • 放射線防護を行う(に沿った最適化。は施設方針に従う)。

9.2 ヨード造影剤の静注・動注(CT、DSA)

  • 腎機能()を確認する。 30 mL/min/1.73 m² 未満などの高リスクの扱いと予防輸液はの原理の「の安全性」で扱う(も参照)。
  • 以前にでを起こしたかを尋ねる。
  • 現在の低浸透圧・等浸透圧のでは、な絶食は不要である。4
  • 未治療の甲状腺機能亢進症を除外する。 ヨウ素の負荷でが誘発され得る。では避け、の治療・検査を控えた患者では造影剤のヨウ素が取り込みを妨げる。4
  • 腎機能が低下した患者ではの扱いを確認する。 造影剤そのものではなく、のでが蓄積してを起こすことが問題になる。 30以上でがなければ中止は不要である。4

の条件、甲状腺の間、妊娠・授乳の扱いの詳細はの原理にまとめてある。

9.3 MRI

  • 金属類(装身具、ピアス、時計、ヘアピン)と電子機器(補聴器、インスリンポンプ、携帯電話)をすべて外す。
  • 非対応の植込み物・異物を確認する(一部のクリップ、、のなど)。
  • 心臓植込み型電子機器(、)は、対応かどうかを確かめ、必要なら検査前に設定を変更する。
  • :重い腎機能低下( 30 mL/min/1.73 m² 未満)、透析、ではの危険があるため、製剤を選ぶ。発症が集中した高リスク製剤(グループI)はこれらの患者で禁忌で、低リスク製剤(グループII)を使う。グループIIなら標準量以下での危険は非常に低く、腎機能だけを理由に必要な造影MRIを拒まない。4 製剤の分類と腎機能別の扱い、脳内沈着はの基礎で扱う。
  • 骨盤のでは膀胱を適度に充満させる。
  • 妊娠はの禁忌ではないが、は明確な必要がない限り避ける。4
  • や静注の前に、な絶食は不要である。4

9.4 画像下治療(IVR)

  • 中〜高リスクの手技の前に凝固能(、)を確認する。
  • 鎮静を伴うの前は絶食させる。誤嚥を防ぐために胃を空にするのが目的で、施設では「4時間以上」のように指示されることがある。鎮静の一般的な目安では、清澄水は2時間、トーストなどの軽食は6時間、肉・揚げ物・脂肪の多い食事は8時間以上あける。5 実際の時間は施設と麻酔の指針に従う。
  • 抗凝固薬・を確認し、施設の指針に沿って調整する。
  • 手技の内容・利益・危険・合併症を説明し、インフォームド・コンセントを得る。

9.5 超音波

  • 腹部超音波の前は絶食させる。 胆嚢を十分に拡張させ、腸管ガスを減らすためである。「6時間以上」と指示されることもあるが、米国の実践指針は、な検査なら少なくとも4時間の絶食で正常に機能する胆嚢は多くの場合十分に拡張するとしている(乳幼児・小児は年齢に応じた時間にする)。6
  • 骨盤の超音波では膀胱を適度に充満させる(膀胱がになる)。
  • その他の多くのとには特別な準備は要らない。

10. まとめ

画像診断は診断というパズルの1ピースである。病歴、、、病理、その他の情報(遺伝情報、過去の画像、多職種の意見)と組み合わせてはじめて、正確な診断 → 適切な治療 → よりよい転帰につながる。

flowchart TD
    A["臨床の問い"] --> B["問いに答えられる<span class='jp-term jp-term-diagram' title='modality'>モダリティ</span>を選ぶ<br>分解能・安全性・利用しやすさ"]
    B --> C["患者準備<br>妊娠・腎機能・金属・絶食"]
    C --> D["撮影と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='image interpretation'>読影</span>"]
    D --> E["病歴・診察・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Labs'>検査値</span>・病理と統合"]
    E --> F["正確な診断と適切な治療"]
  • どの検査も臨床の問いに答えるために行う。
  • 万能なはない。各のと限界を知る。
  • 診断上の利益と放射線のリスクを天秤にかける。
  • 画像は臨床評価を補うものであり、置き換えるものではない。

出典

  1. 1.Radiation Dose(Radiological Society of North America, American College of Radiology・2025)2025年4月15日最終レビューのページで確認した。成人の代表的な実効線量が胸部X線0.1 mSv(自然放射線の約10日分)、頭部CT 1.6 mSv(約7か月分)、腹部骨盤CT 7.7 mSv(約2.6年分)、胸部CT 6.1 mSv、肺癌検診用低線量CT 1.5 mSv、スクリーニングのデジタルマンモグラフィ0.28 mSv、四肢X線0.001 mSv未満であり、米国の自然放射線が年約3 mSvと見積もられること。閲覧 2026-09-26
  2. 2.APQS consensus regarding patient shielding during routine radiographic imaging(The British Journal of Radiology・2021)抄録で確認した。生殖腺を中心とする患者遮蔽は長く日常的に行われてきたが、利益は小さく、解剖を覆い隠したり再撮影を招いて逆に線量を増やすなど害になり得るという考えが広がり、欧米では多くの施設が日常的な遮蔽をやめていること、アジア太平洋の専門家合意も概ねこれに沿うこと。閲覧 2026-09-26
  3. 3.Guidelines for Diagnostic Imaging During Pregnancy and Lactation(American College of Obstetricians and Gynecologists・2017)発行元ページ(Committee Opinion 723、2026年に再確認済みの表示)で確認した。超音波とMRIが妊婦の第一選択であること、単純X線・CT・核医学の被ばくはほとんどの場合胎児への害が生じる線量より十分低く、必要なら妊婦に対して控えるべきでないこと、50 mGy未満では奇形・発育不全・流産は報告されていないこと、10〜20 mGyの胎児被ばくで白血病リスクが背景(約3,000人に1人)の1.5〜2倍になり得るが、診断的被ばくだけを理由に妊娠中絶を勧めるべきでないこと、ヨード造影剤・ガドリニウム投与後も授乳を中断しなくてよいこと。閲覧 2026-09-26
  4. 4.ACR Manual on Contrast Media(American College of Radiology・2026)発行元が配信している現行PDF(表紙と著作権表示が2026年版)の本文で確認した。現在の低・等浸透圧非イオン性ヨード造影剤とガドリニウム造影剤の通常の血管内投与前に絶食は不要であること。甲状腺機能亢進症の既往だけを理由に造影剤使用を制限・前投薬することは推奨されず、急性の甲状腺クリーゼでは避けること、放射性ヨウ素治療・甲状腺ヨウ素シンチの予定があれば造影後に休止期間(機能亢進症で3〜4週、機能低下症で6週)を置くこと。メトホルミンは急性腎障害がなくeGFR 30以上なら造影前後に中止不要、急性腎障害・eGFR 30未満・腎動脈への塞栓が起こり得る動脈カテーテル検査では検査時に休止し48時間後に腎機能を再評価してから再開すること。腎性全身性線維症はeGFR 30未満(特に末期腎不全・透析)でグループIのガドリニウム造影剤に集中し、グループIIでは標準量以下での危険が十分に低いとされ、透析中・eGFR 30未満・急性腎障害の患者ではグループIが禁忌でグループIIが強く推奨されること。妊娠中はガドリニウムの日常的な投与を避け、投与前の妊娠確認体制を整えること。閲覧 2026-09-26
  5. 5.Sedation and Analgesia for the Interventional Radiologist(Seminars in Interventional Radiology・2023)PMC全文(PMC10275663)で確認した。鎮静前の絶食は胃を空にして誤嚥の危険を減らすためであり、清澄水(果肉のない果汁、炭酸飲料、ブラックコーヒー)は2時間、母乳のみの乳児は4時間、人工乳・人以外の乳は6時間、軽食(プレーンなトーストと清澄水)は6時間、肉・揚げ物・脂肪の多い食事は8時間以上の絶食が必要であること。閲覧 2026-09-26
  6. 6.ACR–AIUM–SPR–SRU Practice Parameter for the Performance of an Ultrasound Examination of the Abdomen and/or Retroperitoneum(American College of Radiology・2026)発行元が配信するPDF(改訂履歴の最新がRevised 2026)の本文で確認した。胆嚢の検査は可能な限り十分に拡張した胆嚢で行い、多くの場合、待機的な検査の前に少なくとも4時間絶食すれば正常に機能する胆嚢は十分に拡張すること、乳幼児・小児では絶食時間を年齢に応じたものにすること。閲覧 2026-09-26