画像診断学

画像診断学 · 12

乳腺の画像診断

Breast imaging

🧠 全体像:乳腺の画像診断は「どの年齢で・どの目的に・どのを選ぶか」と「所見を の共通カテゴリーに落とし、次の行動(経過観察か生検か)を決める」の2本柱で理解する。は検診の中核でを見つけられる唯一の方法、超音波は嚢胞かかの区別と若年・・リンパ節の評価、は造影のという機能情報で病変の広がりと高リスク検診を担う。最後はので組織を得て確定する。

1. 乳房の解剖と病変の生じる場所

乳房は脂肪の中に15〜20ほどの腺葉が乳頭を中心に放射状に並ぶ構造で、1つの腺葉は「乳頭 → → → 区域 → 終末 → 小葉(腺房)」とつながる。終末と小葉をあわせた単位を(TDLU)と呼び、乳腺の病変の多くはここから生じる。

部位 生じやすい病変
乳頭 乳頭腺腫、乳頭の
・太い
脂肪組織
過形成、大部分の乳癌、、嚢胞

乳癌は正常 → (ここまで良性)→ (癌細胞がの壁の内側にとどまる)→ 浸潤癌(壁を破る)→ 転移(血管・リンパ管を通って全身へ)と進む。から生じるものを、小葉から生じるものを小葉癌と呼ぶ。詳しくは乳癌、良性乳腺疾患。

💡 画像で「どこにあるか」を考えるときは、この構造を思い浮かべる。乳頭の直下(下)の病変は太い、末梢の腺葉の中の病変はに由来することが多い。

2. 複合的な乳房検査の流れ

乳房の評価は画像だけで行わない。 → → 画像の3段階を組み合わせる。

段階 内容
Ⅰ (乳癌のリスク評価) 家族歴(乳癌・卵巣癌・前立腺癌・大腸癌などの遺伝性症候群、BRCA1/BRCA2 の病的変異 → )、(閉経後の、の治療)、乳房の・悪性腫瘍の既往
Ⅱ 両側の乳房と腋窩を左右対称に診て、しこり、皮膚の変化、、乳頭分泌などを探す。月1回の自己触診も勧められる
Ⅲ 画像 年齢・症状の有無・リスクに応じてを選ぶ(下の表と6章)
flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='medical interview (history-taking)'>問診</span><br>家族歴・BRCA1/2・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hormone therapy, HT'>ホルモン療法</span>・既往"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inspection and palpation'>視触診</span><br>両側乳房と腋窩"]
    B --> C{"症状はあるか"}
    C -->|"なし"| D["検診<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='mammography'>マンモグラフィ</span>が基本<br>高リスクでは<span class='jp-term jp-term-diagram' title='magnetic resonance imaging'>MRI</span>を追加"]
    C -->|"あり(しこり・分泌など)"| E["精査<br>年齢で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='modality'>モダリティ</span>を選ぶ"]
    D --> F["所見を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Breast Imaging Reporting and Data System'>BI-RADS</span>で分類"]
    E --> F
    F --> G{"カテゴリー"}
    G -->|"1・2"| H["通常の検診へ"]
    G -->|"3"| I["短期(6か月)の経過観察"]
    G -->|"4・5"| J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='image-guided'>画像ガイド下</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='needle biopsy'>針生検</span>で組織診断"]

各モダリティの役割

主な役割
。検診の基本、の検出
超音波 若年者、か嚢胞性かの区別、所属リンパ節の評価
潜在する腫瘍の検索、多発病変、術後瘢痕か再発か、胸壁浸潤
核医学 の同定、手術前のマーキング(核医学)
CT ⚠️ の検出には向かない。 (遠隔転移、リンパ節転移)
PET-CT ⚠️ の検出には向かない。 (遠隔転移、リンパ節転移)

3. マンモグラフィ

3.1 原理と正常像

乳房は脂肪と乳腺という、X線の減弱がわずかしか違わない軟部組織でできている。そこで約30 kVの低エネルギーX線を使い、乳房を圧迫して薄く均一にして撮る(低エネルギーを使う理由はX線撮影の基礎)。スクリーニングののは約0.28 mSvで、胸部X線(0.1 mSv)の3倍弱、自然放射線の1か月あまりにあたる1(線量の比較は医用画像診断入門)。

内外方向の正常像で見える構造は、次のとおりである。

構造 見え方
画像の上後方に三角形の白い帯として写る
腋窩のリンパ節 に重なる上方に、小さな楕円形の濃度として見えることがある
乳腺組織 乳房の中央〜上外側に白い綿状の濃度
下の 乳頭の奥に向かって集まる線状構造
脂肪 黒い(X線を通しやすい)背景
クーパー 脂肪の中を弧を描いて走る細い
血管 する細い線(動脈硬化があると石灰化して見える)
皮膚 乳房の輪郭をなす薄い線
溝 乳房の下端が胸壁に移る折れ目

⭐ 乳腺組織は強いホルモン依存性をもち、一生の間に変化する。 若いほど乳腺組織が多く、乳房は白く(高濃度に)写る。閉経後は脂肪に置き換わって黒く(脂肪性に)なる。

3.2 乳房の構成(乳房濃度)と腫瘍の見つけやすさ

乳房の構成は体質・年齢・の有無で決まる。は4段階に分ける2。

区分 状態 への影響
A ほぼ全体が脂肪 小さな病変も黒い背景に浮かび上がる
B 線維腺組織が散在する 見つけやすさはおおむね保たれる
C 不均一な高濃度 小さな腫瘤が隠れることがある
D 極めて高濃度 の感度が下がる

区分C・Dをまとめて(デンスブレスト)と呼ぶ。様の腺の多いタイプ(結節状・線状の濃度が密に集まる)も線維化の強いタイプ(構造の乏しい均一な白い濃度)も、どちらも白く写って病変を隠す(タバールの乳腺パターン分類ではそれぞれⅣ型・Ⅴ型にあたる)。

⚠️ には2つの問題が重なる。

  1. 見つけにくい:脂肪性乳房では小さな癌でも容易に見えるが、では大きな癌でさえ白い乳腺に紛れて見逃されやすい。の感度は脂肪性から高濃度へ向かうほど下がる。
  2. 乳癌になりやすい:は乳癌の危険因子でもある。42研究のでは、旧版の 濃度区分(1〜4、現在の A〜D にほぼ相当)で最も脂肪性の区分を1とした統合が、2区分目で約2.0、3区分目で約2.8、最も高濃度の区分で約4.1だった。3

💡 「見えにくい」ことと「発生しやすい」ことは別の問題である。同じは、この危険の上昇が「癌が隠れて見つかりにくいだけ」の見かけの現象ではないことも示している。3で検診の追加(、超音波、)が議論されるのはこのためである(6章)。

3.3 撮影方向

⭐ 基本は頭尾方向(CC)と内外方向()の2方向である。1方向では乳腺の重なりで病変が隠れたり、正常の重なりが病変に見えたりするため、2方向で同じ位置に所見があるかを確かめる。

撮影方向 圧迫の方向 得意な情報
頭尾方向(CC) 上から下へ水平の圧迫板で挟む 内側か外側か(外側の四分円と内側の四分円を分ける)
内外方向() 内上方から外下方へ、に沿って斜めに挟む 上か下か(上の四分円と下の四分円を分ける)。と腋窩の尾部まで1枚に入る
  • 頭尾方向の画像は、乳頭を通る線で外側と内側に分けて読む。表示では外側を上に置き、左右と方向の表示(RCC・LCC)もその側に付く。
  • 内外方向の画像は、乳頭からに垂直に引いた線で上と下に分けて読む。左右を背中合わせに並べて鏡像として対称性を比べる。
  • 2方向の情報を合わせると、病変がどの四分円にあるかが決まる。

⭐ 乳癌はに多い。 上外側がおよそ半数を占め、英国の登録データでは1979〜2000年に47.9%から53.3%へ増えていた。4 残りを下(中央)約18%、上内側約15%、下外側約11%、下内側約6%とする目安もあるが、集計によって値は異なる。上外側に多い主な理由は乳腺組織の量がもっとも多いことだとされるが、それだけでは偏りを説明しきれないとする分析もある。4

3.4 追加撮影とトモシンセシス

方法 内容 使う場面
スポット圧迫撮影・ 小さな圧迫板で病変の部分だけを強く押し、拡大して撮る 重なりで見えた濃度が本物の腫瘤か、辺縁の形(境界明瞭か、か)、石灰化の形
エクルンド法 を胸壁側へ押しやり、手前の乳腺組織だけを引き出して圧迫する 挿入後の乳房。に隠れる乳腺を評価する
デジタル乳房() 圧迫したまま、X線が弧を描いて動き、角度を変えて10〜15枚の画像を撮り、断層像を再構成する 、重なりで判断に迷う所見

💡 で重なりが分かれる理由:深さの違う2つの物体は、真上から撮ると重なって1つに見える。の角度を変えると、深さによって写る位置のずれ方が違うため、2つが左右に分かれる。この「ずれ」から深さごとの断層像を組み立てる。2Dで乳腺に埋もれていた腫瘤が、の断層像では境界のはっきりした腫瘤として浮かび上がる。

  • 得られる利点:重なりが減り、感度が上がる(特にで)。
  • 欧州のは、平均リスクの検診でよりを用いることを条件付きで提案し(根拠の確実性は非常に低い)、の女性にもの使用を提案している5。

3.5 悪性を疑う3大所見

⭐ で乳癌を疑う最は次の3つである。

  1. 非対称性濃度(片側だけにある濃度・腫瘤)
  2. 構築の乱れ(乳腺の正常な放射状の流れが1点に引き込まれる)

非対称性濃度:良性か悪性か

見え方 考える病変
円形・楕円形で境界が明瞭な濃度 嚢胞、
小さな楕円形〜の濃度 乳房節
()の突起を放射状に伸ばす非対称性の病変 悪性腫瘍

💡 境界が明瞭な腫瘤がで見えても、嚢胞かかはだけでは決まらない。ここで超音波が役に立つ(4章)。

浸潤癌に伴う二次所見

所見 何が起きているか
テント徴候 浸潤する腫瘤が乳腺の後縁を引き込み、後ろ側の輪郭がテントのように尖る
乳房の皮膚が厚くなる。リンパ管がふさがれ皮膚がむくむ
(ピュー・ド・オランジュ) が肉眼で見える状態。毛穴がくぼんでオレンジの皮のように見える
下の腫瘤が乳頭を内側へ引き込む

⚠️ 正常な乳房の皮膚は、で測るとおよそ0.5〜3 mmの厚さで、部位(内側・下側で厚い)と乳房の大きさで変わる。上限はおよそ2.5〜3 mmとされ、これを超えるとを疑う。6 「2 cm」を基準とする記載は単位の誤りと考えられる。

3.6 乳房の石灰化

⭐ 石灰化はできわめてありふれた所見で、年齢とともに増える(の8割以上に見られるとする記載もあるが、割合は対象の年齢層と集計によって大きく違う)。大事なのは形と分布で良性と悪性を分けることである(詳しくは、石灰化)。

  • はたいてい良性病変のしるし。
  • したのは常に要注意で、精査して白黒をつける。
  • ⭐ 石灰化を確実に評価できるのはだけである。超音波とはを捉えられない。
石灰化の型 見え方 意味
血管の石灰化 する血管に沿った平行な2本の線(線路状) 良性(動脈硬化)
に伴う石灰化 太く滑らかなの石灰化が、乳頭へ向かうの走行にそろって多数並ぶ 良性(分泌物の石灰化)
大きく粗い、ポップコーンのような塊 良性(退縮した)
丸い脂肪の袋のふちだけが薄く石灰化した輪 良性(オイル嚢胞=)
の石灰化 狭い範囲に多数の小さな石灰化が寄り集まる 形によっては悪性を疑う
鋳型状(微細線状・分岐状)石灰化 の中身が石灰化し、細い線が枝分かれする 悪性を強く疑う(内に広がる癌)
石灰化 大きさ・形がふぞろいな微小な点が集まる 悪性を疑う

悪性の石灰化には2つの現れ方がある。

  • 腫瘤を伴う:では、境界の不明瞭な腫瘤の中に多数のが散らばる。で細かな形が分かる。
  • 腫瘤を伴わない:の()では、腫瘤がなく、細い線状・分岐状やのだけがの走行に沿ってに広がる。

⚠️ 腫瘤を作らないでは、が唯一の手がかりになる。が検診の基本であり続ける理由がここにある。

3.7 マンモグラフィの長所と短所

短所
がきわめて高い を使う
を検出できる で感度が下がる
安価で普及している、短時間 圧迫による痛み・不快感
追加撮影ができる 組織の重なり
挿入後も撮れる(エクルンド法) 熟練した撮影者・者が必要
、コンピュータ支援検出(CAD)
ステレオができる

Exam Imagesで確かめる(マンモグラフィ)

  • EI-09-03 左乳癌():41歳女性の触知する左乳房の腫瘤。約30 kVで撮った両側の頭尾方向像と内外像を左右背中合わせに並べて比べると、左乳房の上部(内側と外側の境界)にの突起を放射状に伸ばす非対称性の病変がある。内外像ではに重なる位置にの転移がある。脂肪の多い乳房なので病変が見つけやすい。右乳房は正常。
  • EI-11-02 と良性オイル嚢胞:無症状の検診。左乳房の頭尾方向像と拡大圧迫像ではのがあり、だった。右乳房の内外像と拡大圧迫像では境界明瞭な丸いがあり、良性のオイル嚢胞だった。同じ「石灰化」でも、形で悪性と良性が正反対になることを比べる。

4. 乳房超音波

4.1 検査の方法

項目 内容
(8〜18 MHz)のリニア。浅い乳腺を高いで描く(周波数と深さの関係はの原理と)
体位 仰臥位で両腕を頭の後ろに上げる。乳房が胸壁の上に薄く広がる
範囲 外側の胸壁から胸骨まで乳房全体をし、腋窩・・下の領域も見る
自動() 幅の広いを機械で動かして乳房全体を自動で撮り、立体データから面なども再構成する

正常な乳房は、浅い方から皮膚、、乳腺組織、、肋骨の順に層をなして見える。

4.2 腫瘤の見え方

⭐ 超音波の最大の強みは嚢胞性かかを区別できることである。

項目 嚢胞 浸潤癌
形 円形・楕円形 円形・楕円形
境界 鮮明で明瞭 明瞭 不明瞭
向き 皮膚と平行(横長) 平行(横長) 皮膚と平行でない(縦長)
、ときに で不均一
分葉 なし 大きな分葉 細かな分葉
後方の所見 ときに(があると) (腫瘍の幅より広いことがある)

4.3 所属リンパ節

超音波はリンパ節の評価に優れ、そのまま生検もできる。見る領域は腋窩・胸骨傍・下、さらに(ここに転移があれば予後が悪い)である。

リンパ節 見え方
正常 細長い楕円形。中心に明るい脂肪の門(リンパ節門)があり、その周りを薄いの皮質が囲む
炎症性 腫大して楕円形が大きくなるが、形は保たれる
転移性 丸みを帯び、全体がになり、明るい門が見えなくなる

4.4 超音波の長所と短所

短所
がよい の感度が低い
を使わない 早期の徴候(例:の)を見つけにくい
安価で普及、繰り返しできる このため検診の単独の方法には向かない
授乳中でも行える
で有用
所属リンパ節を描出できる
と嚢胞性を区別できる
生検ができる

立体データを撮れる3D超音波では、病変を面とで同時に表示できる。

Exam Imagesで確かめる(超音波)

  • EI-03-05 乳腺のと乳癌:リニア(7.5〜10 MHz)の。左は境界明瞭なの病変で、その奥が明るくなる(、黄色の線の間)=。右は境界不明瞭なの縦長ので、奥が部分的に暗く抜ける(、赤い線の間)=乳癌を疑う。4.2の表の左端と右端の列をそのまま比べる。
  • EI-14-05 左乳房の多発嚢胞:48歳、触知する左乳房の腫瘤。内外方向ので境界明瞭な腫瘤が複数重なって見え、(7〜12 MHz)リニアの超音波(左)では、いずれもを伴うの病変である。で見つけた腫瘤を超音波で嚢胞と確定する流れを確認する。

5. 乳房MRI

5.1 適応

は、・超音波と並ぶ欠かせないである。⭐ や超音波と違い、造影のという機能情報が得られる。

主な適応は次のとおりである。

  • 診断のついた乳癌の(広がり、多発病変、対側乳房の病変、胸壁浸潤)
  • 高リスク女性の検診(6章)
  • の効果判定
  • 潜在するの検索(転移はあるが乳房に病変が見つからないときなど)
  • 術後瘢痕と再発腫瘍の区別
  • 破損(造影しないが第一選択。5.4)

造影に使うの安全性との禁忌はの基礎にまとめてある。

5.2 所見の読み方

の所見は「点状の小さな造影(フォーカス)」「腫瘤」「腫瘤を作らない造影」の3つに分けて記載する。

分類 評価する項目 内容
フォーカス 大きさ 5 mm未満の小さな造影点。小さすぎて形の性状を評価できない
腫瘤 形 円形・楕円形・・。は悪性の割合が高い(ある研究で約32%)
腫瘤 辺縁 平滑・不整・。は悪性の割合が特に高い(同じ研究で約80%)
腫瘤 で高信号 リンパ節、、(脂肪を含む病変)
腫瘤 強調像で高信号 嚢胞、リンパ節、、、
腫瘤 内部の造影 均一、辺縁のみ()、隔壁状など
腫瘤 造影の Ⅰ型(漸増)は悪性の割合が低く(約6%)、Ⅲ型()は高い(報告によって約3割から9割近くまで幅がある)
腫瘤を作らない造影 分布 線状、に沿う、、など

形と辺縁の割合は、で見つかって生検された100病変の研究(全体の癌の割合25%)の値で、集団が変われば数字も変わる。7 の約6%は266病変の研究で、Ⅰ型146病変のうち癌が9病変だったことにあたる。同じ研究ではⅢ型の約87%が癌で、Ⅲ型は他の所見と独立した悪性の強い指標とされた。8

  • の高信号:両側の多発嚢胞は、で境界明瞭な高信号の病変として多数見える。⚠️ やもで高信号になりうるが、嚢胞と違って造影される。高信号=嚢胞と決めつけず、造影の有無を確かめる。
  • 乳癌の形の例:の不均一な造影、を伴う小さな造影腫瘤、腫大して強く造影される。

5.3 造影の時間経過(ダイナミック造影)

⭐ 造影剤を静注したあと同じ断面を繰り返し撮り、病変の信号強度が時間とともにどう変わるかを曲線にする。初期相(最初の約2分)のとの推移の2段階で読む。

型 意味
初期相 緩徐・中等度・急速 急速なは血流の多い病変
漸増型(Ⅰ型):その後も上がり続ける 良性を示唆
型(Ⅱ型):横ばい 中間
型(Ⅲ型):ピークのあと下がる 悪性を強く示唆
xychart-beta
    title "乳房ダイナミック造影の時間信号曲線(模式図)"
    x-axis ["造影前", "1分", "2分", "3分", "4分", "5分", "6分"]
    y-axis "信号強度(相対値)" 0 --> 100
    line [0, 50, 70, 76, 81, 86, 90]
    line [0, 55, 70, 70, 70, 70, 70]
    line [0, 60, 70, 64, 59, 55, 51]

上の模式図で、最後まで上がり続けるのが漸増型、横ばいになるのが型、ピークのあと下がるのが型である。

💡 なぜ悪性はするのか:癌は新しく作った血管が多く、しかもその血管は透過性が高い。造影剤が素早く入り(急速な)、同じように素早く抜ける()。解析ソフトは病変の各点を曲線の型で色分けし、漸増型を青、型を黄、型を赤で示すことが多い。大きな悪性腫瘍では、腫瘤の中心の広い範囲が赤く、辺縁に黄・青がまだらに混じる。

5.4 インプラント破損

⭐ 破損の診断には造影しないが第一選択。 超音波は疑わしい所見を見つけられるが、確定診断はで行う。

徴候 撮像 見え方と意味
サラダ油徴候 シリコンの中に水の小さな滴が点々と浮かぶ
鍵穴徴候 シリコン抑制 被膜のひだに入り込んだシリコンが鍵穴(輪と尾)の形に見える
リングイネ徴候 破れてしぼんだ(シェル)が、シリコンの中に波打つ低信号の曲線として浮かぶ。被膜内破損の代表的な徴候

5.5 MRIの長所と短所

短所
がよい、を使わない ⚠️ を検出できない(偽陰性)
感度が高い、3Dで撮れる 単独の検診法には向かない(高リスク群を除く)
造影の()を評価できる 高価、利用できる施設が限られる
瘢痕と再発腫瘍を区別できる の禁忌がある
胸壁浸潤、多発・両側病変を評価できる 特異度が低い(偽陽性が多い)
破損を検出できる 生検の代わりにはならない
の手技ができる

⚠️ 偽陽性の原因:術後・放射線治療後の早い時期、、炎症、。これらも造影されるため、時期と背景を考えて読む。

Exam Imagesで確かめる(MRI)

  • EI-15-05 右乳癌(造影MRI):と診断済みの患者の。のと差分画像で、右乳房に・を伴う強く造影される腫瘤がある。時間信号曲線は型で、色分け表示ではの強い部分が赤で示される。多発病変も対側の病変もなかった。の役割が「見つける」より「広がりを決める」ことにある例である。

6. 目的別のモダリティの選び方と検診

6.1 症状のある患者(精査)

しこり・乳頭分泌などの症状がある場合、年齢でを選ぶ。若いほど乳腺が多く、の感度が下がるためである。

年齢 一般的な目安 米国ACRの適切性基準(触知する腫瘤、2022年)9
30歳未満 超音波が第一選択 超音波が通常適切。は通常不適切
30〜35歳 か超音波 30〜39歳:超音波・診断用・診断用のいずれも通常適切
35歳超 +超音波の追加 40歳以上:診断用・が通常適切。超音波は所見に応じて追加

💡 どちらの目安も「若年は超音波、年齢が上がるほど中心」という向きは同じで、境目の年齢が指針によって少しずれる。

flowchart TD
    A["症状のある患者<br>しこり・乳頭分泌"] --> B{"年齢"}
    B -->|"30歳未満"| C["超音波が第一選択<br>乳腺が多く<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mammography'>マンモグラフィ</span>の感度が低い"]
    B -->|"30〜35歳前後"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mammography'>マンモグラフィ</span>か超音波"]
    B -->|"35歳超"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mammography'>マンモグラフィ</span>+超音波"]
    C --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Breast Imaging Reporting and Data System'>BI-RADS</span>で分類"]
    D --> F
    E --> F
    F --> G["4・5なら<span class='jp-term jp-term-diagram' title='image-guided biopsy'>画像ガイド下生検</span>"]

6.2 症状のない人(検診)

⭐ 検診の方法はである。 超音波やはの代わりにならない。

指針 対象と間隔
米国 2024年版 平均リスクの40〜74歳に2年ごとの(B推奨)。75歳以上と、への超音波・の追加は根拠不十分10
欧州 組織型検診として、50〜69歳は推奨(強い推奨)で2年ごとを提案(毎年は行わない)。45〜49歳は提案(2年ごとか3年ごと)、70〜74歳は提案(3年ごと)。40〜44歳は実施しないことを提案5
高リスク(BRCA1/2の病的変異など) 25歳から年1回の、30歳から年1回のまたはを加える。米国ACRの推奨(は25〜30歳から開始、はリスクの種類に応じて25〜40歳の間で開始)の範囲に収まる。ACRは、病的変異の保因者が年1回のを受けていればの開始を40歳まで遅らせてよいとしている11

へのについても指針は割れる。 は超音波・の追加を根拠不十分とし、 はの女性にを条件付きで提案する一方、組織型検診で や自動を追加することは行わないよう提案している。105

⚠️ 検診の開始年齢と間隔は国・団体で異なる。どの指針の値かを言わずに年齢だけを覚えない。

6.3 PET-CTの役割

  • ⚠️ を見つける目的には使わない。
  • 乳癌患者の(遠隔転移、病的なリンパ節)に使う。乳癌患者のでは、肝の転移(の辺縁などの限局性集積)や骨の転移(の髄内、骨盤後部の付近など)が異常な集積として一度に描き出される。
  • 欠点:が低い、を取り込まない乳癌がある。
  • の原理は核医学。

Exam Imagesで確かめる(PET-CT)

  • EI-02-02 乳癌の多発転移(肝・恥骨):乳癌のの 融合像。肝の病変は辺縁がに光り中心に集積がなく()、膀胱の下の恥骨にも集積がある。膀胱の強い集積は正常のである。ではなく遠隔転移を一度に拾う、という の役割を確かめる。

7. BI-RADS 分類

は、・超音波・の所見をもとに悪性の可能性を段階づけ、カテゴリーごとにその後の対応まで決めておく報告の仕組みである(詳しくはBI-RADS)。

カテゴリー 意味 対応 悪性の可能性
0 評価未完了 追加の画像検査、または過去の画像との比較 該当なし
1 陰性 通常の検診 ほぼ0%
2 良性 通常の検診 ほぼ0%
3 おそらく良性 短期(6か月)の経過観察、または継続的な経過観察 0%超〜2%以下
4 悪性の疑い 組織診断 2%超〜95%未満
4A 低い疑い 組織診断 2%超〜10%以下
4B 中等度の疑い 組織診断 10%超〜50%以下
4C 高い疑い 組織診断 50%〜95%未満
5 悪性を強く示唆 組織診断 95%以上
6 生検で悪性と確定済み 外科医・医による経過観察と、臨床的に適切なら根治的な局所治療(通常は手術) 該当なし

値と対応は ACR v2025 による2。

  • ⭐ 施設の運用によっては、 3 ではも選択肢とし、 4 ではを必須としている。
  • ⚠️ ACRの標準では、カテゴリー3の基本の対応は生検ではなく6か月後の短期経過観察である。カテゴリー4・5は組織診断で、細胞だけでなく組織が得られるが基本になる。
  • 💡 旧版ではカテゴリー6の対応を「臨床的に適切なら外科的切除」と書いていたが、v2025では「外科医・医による経過観察と、臨床的に適切なら根治的な局所治療(通常は手術)」に書き換えられた。カテゴリー0も v2025 では「追加の画像検査が必要」と「過去の画像との比較が必要」の2つに分けて記載する。

8. 画像ガイド下の手技

乳房のは、超音波・ステレオ(の装置)・のいずれかで針先を確認しながら行う。針が太くなるほど得られる情報が増える。

方法 針 麻酔 得られるもの 選ぶ場面
() 20〜22 G(吸引用のピストル型ホルダーを使う) 不要 病変の細胞を吸引=細胞診の情報 ・血腫・膿瘍の、炎症や症状のある嚢胞の、良性らしい病変()、小さな判定困難病変(多くは組織診断の追加が必要)、原発性乳癌がある場合の疑わしい
14 G(生検用の式ピストル) (、) 組織の円柱を2〜6本=組織診断の情報 悪性らしい病変・再発、3 cmを超える良性らしい病変、構築の乱れとした(ステレオ)、の病的な
吸引式() 8〜10 G(陰圧をかける専用装置) 大量の組織(12〜18本)=組織診断。ときに病変を丸ごと取りきる 悪性と関連しうる病変(異型過形成〔ADH〕、放射状瘢痕、判定困難なの)、小さな良性病変の完全切除、手術の代わりとなる低侵襲の方法

⭐ の強み:組織型、、(、、 の状態、 などの細胞増殖マーカー)まで正確に分かり、を決められる。

flowchart TD
    A["生検が必要な病変"] --> B{"何を得たいか"}
    B -->|"液体を抜く・細胞だけでよい"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fine-needle aspiration cytology (FNAC)'>穿刺吸引細胞診</span><br>20〜22 G・麻酔不要"]
    B -->|"組織型・受容体まで知りたい"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='core needle biopsy'>コア針生検</span><br>14 G・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='local anesthesia'>局所麻酔</span>・2〜6本"]
    B -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='microcalcification'>微小石灰化</span>・ADH・放射状瘢痕<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='small lesion'>小病変</span>を取りきりたい"| E["吸引式<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tissue biopsy'>組織生検</span><br>8〜10 G・12〜18本"]
    D --> F{"見える方法は"}
    F -->|"超音波で見える腫瘤"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ultrasound-guided'>超音波ガイド下</span>"]
    F -->|"石灰化・構築の乱れ"| H["ステレオ<span class='jp-term jp-term-diagram' title='-guided (image-guided)'>ガイド下</span>"]
    F -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='magnetic resonance imaging'>MRI</span>でしか見えない"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='magnetic resonance imaging'>MRI</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='-guided (image-guided)'>ガイド下</span>"]
  • の嚢胞穿刺では、の嚢胞の中に針先を進めて内容液を抜く。では、の腫瘤を針が斜めに貫く様子を画面で確かめながら組織を採る。
  • 吸引式はステレオ装置で乳房を圧迫・固定し、石灰化の位置をして行うことが多い。

9. 男性の乳房

男性の乳房にも少量の乳腺組織があり、とを区別することが大切である()。

項目
触診 軟らかく、よく動く 硬く、動かない
左右 たいてい両側 たいてい片側
位置 常に中央、の直下 乳房のどこにでも生じうる
画像 乳腺組織の量が増える(下に扇形・炎状に広がる濃度) (多くは)
  • 胸部CTでは、両側のの下に左右対称に増えた軟部組織としてが見つかることがある。
  • は、で高濃度の丸い腫瘤として写り、拡大像では辺縁が不整で周囲へ突起を伸ばす。超音波ではの腫瘤として見える。の超音波が下に広がるの乳腺組織(腫瘤を作らない)であるのと対照的である。

10. よくある誤解

  1. 毎年のが乳癌を起こすわけではない。 1回の線量は低い(3.1)。
  2. 外傷が癌を起こすわけではない。
  3. ⚠️ や超音波はの代わりにならない。 どちらもを捉えられない。
  4. シリコンがあってもは撮れる(エクルンド法)。
  5. 痛みも被ばくもない方法(、レーザーなど)は乳房画像診断として認められていない。

11. まとめ

強み 弱み 主な役割
、、安価 で感度低下、被ばく、重なり 検診、35〜40歳以上の精査、ステレオ
重なりが減る、で感度が上がる 被ばく() 、追加撮影
超音波 嚢胞かか、リンパ節、被ばくなし、授乳中も可 が見えない 若年者の第一選択、の補助、生検
感度が高い、造影の、多発病変・胸壁浸潤 が見えない、偽陽性、高価 、高リスク検診、化学療法の効果判定、破損
・ 全身を一度に見る の検出に向かない 遠隔転移・リンパ節の
核医学 リンパの流れを追える — 、術前マーキング

⭐ 試験で問われやすい対比:

  • 嚢胞(・・横長)↔ 浸潤癌(・・縦長)
  • (・状=良性)↔ した・線状分岐状の(悪性を疑う)
  • 造影の漸増型(良性寄り)↔ 型(悪性を強く示唆)
  • 3(短期経過観察)↔ 4・5(組織診断)

出典

  1. 1.Radiation Dose(Radiological Society of North America, American College of Radiology・2025)発行元ページの線量表で、スクリーニングのデジタルマンモグラフィの実効線量が0.28 mSv(自然放射線の約34日分)、胸部X線が0.1 mSvであることを確認した。閲覧 2026-09-26
  2. 2.ACR BI-RADS Mammography Lexicon Summary Form (Appendix B, ACR BI-RADS v2025 Manual)(American College of Radiology・2025)v2025 Manual の付録B(Mammography Lexicon Summary Form、173-176頁。各頁のヘッダに v2025 MANUAL と印字)をACR公式PDFで取得して確認した。評価カテゴリー表の逐語は次のとおり。不完全評価は「Incomplete: Need Additional Imaging Evaluation」(管理は Recall for additional imaging、悪性の可能性は N/A)と「Incomplete: Need Prior Mammograms for Comparison」(管理は Need comparison to prior examination(s))の2行。最終評価は Category 1 Negative と Category 2 Benign がいずれも「Essentially 0% likelihood of malignancy」で管理は Routine mammography screening、Category 3 Probably Benign が「> 0% but ≤ 2% likelihood of malignancy」で管理は「Short-interval (6-month) follow-up or continued surveillance mammography」、Category 4 Suspicious が「2% but < 95% likelihood of malignancy」で管理は Tissue diagnosis、その内訳が 4A Low suspicion for malignancy「>2% to ≤ 10%」・4B Moderate suspicion for malignancy「> 10% to ≤ 50%」・4C High suspicion for malignancy「50% to < 95%」、Category 5 Highly Suggestive of Malignancy が「≥ 95% likelihood of malignancy」で管理は Tissue diagnosis、Category 6 Known Biopsy-Proven Malignancy は管理が「Clinical follow-up with surgeon and/or oncologist, and definitive local therapy (usually surgery) when clinically appropriate」で悪性の可能性欄は N/A。乳房濃度は (A) The breasts are almost entirely fatty /(B) There are scattered areas of fibroglandular density /(C) The breasts are heterogeneously dense, which may obscure small masses /(D) The breasts are extremely dense, which lowers the sensitivity of mammography の4段階。⚠️ 4Bの上限(≤ 50%)と4Cの下限(50%)は同じ表の中で50%が重なっており、4Cの下限だけ不等号が付いていない。閲覧 2026-09-21
  3. 3.Breast density and parenchymal patterns as markers of breast cancer risk: a meta-analysis(2006)PubMed抄録で、42研究(症例14,000超)のメタ解析であり、面積比の濃度で5%未満を基準に5〜24%で1.79、25〜49%で2.11、50〜74%で2.92、75%以上で4.64の統合相対リスクだったこと、この関連が見逃し(マスキング)による見かけの現象ではないと結論したことを確認した。BI-RADS濃度区分2・3・4の統合相対リスク2.04・2.81・4.08(2研究の統合)は本文を直接閲覧できず、この値を本文で引用する2論文(PMC4397728、PMC8391100)の全文で確認した。閲覧 2026-09-26
  4. 4.Recorded quadrant incidence of female breast cancer in Great Britain suggests a disproportionate increase in the upper outer quadrant of the breast(2005)PubMed抄録で、イングランドとウェールズの登録データで上外側四分円の乳癌の割合が1979年の47.9%から2000年の53.3%へ直線的に増え、スコットランドでも1980年の38.3%から2001年の54.7%へ増えていたこと、上外側に多いことを標的の上皮組織の量だけでは説明できないと結論したことを確認した。他の四分円の割合は抄録に無い。閲覧 2026-09-26
  5. 5.European guidelines on breast cancer screening and diagnosis (ECIBC): screening ages and intervals; digital breast tomosynthesis(European Commission Initiative on Breast Cancer (Joint Research Centre)・2017)発行元の推奨ページ(医療者向け)の本文を取得して確認した。平均リスクの無症候女性に対し、組織型(organised)検診の枠内で、40〜44歳はマンモグラフィ検診を実施しないことを提案(conditional、2016年6月)、45〜49歳は検診を提案(conditional)し間隔は3年ごとまたは2年ごとのいずれかを提案(conditional、2017年2月)、50〜69歳は検診を推奨(strong、moderate certainty)し毎年の検診は行わないことを推奨(strong)、3年ごとより2年ごとを提案(conditional)、70〜74歳は検診を提案(conditional)し2年ごとより3年ごとを提案(conditional、2017年2月)。高リスク女性はこれらの推奨の対象外と明記されている。別の項で、平均リスク女性の検診にデジタルマンモグラフィよりデジタル乳房トモシンセシスを用いることを提案(conditional、very low certainty)し、高濃度乳房の女性にトモシンセシスの追加・使用を提案している(2023年5月)。 2026-09-26に各設問ページで再確認:高濃度乳房の女性へのトモシンセシスはデジタルマンモグラフィより使うことを提案(conditional、low certainty)、トモシンセシス追加の個別化検診を提案(conditional、very low)、MRI追加と自動乳房超音波追加の個別化検診は実施しないことを提案(conditional)。閲覧 2026-09-26
  6. 6.Breast skin thickness: normal range and causes of thickening shown on film-screen mammography(1984)PubMed抄録で、無症状女性250人のマンモグラフィで正常の皮膚の厚さが内外斜位方向の上部0.7〜2.3 mm・下部0.7〜2.7 mm、頭尾方向の内側0.6〜2.4 mm・外側0.5〜2.1 mmで、2.5 mmを超える厚さは病変の存在を示唆するとしたこと、肥厚の原因に癌・転移・放射線治療後・術後・感染・全身浮腫があったことを確認した。別の研究(Willson 1982、PMID 7140152、正常150人)は、乳房が大きいほど皮膚が薄く、正常上限は従来引用されていた3.0 mmより大きいこと、内側は外側より、下側は上側より最大で2倍厚いことを示した(抄録で確認)。閲覧 2026-09-26
  7. 7.Breast lesions detected on MR imaging: features and positive predictive value(2002)PubMed抄録で、MRIで見つかりMRIガイド下の位置決めと切除を受けた単発病変100例(癌25%)で、腫瘤の陽性的中率がスピキュラ辺縁80%、リング状造影40%、不整形32%であったことを確認した。閲覧 2026-09-26
  8. 8.Dynamic breast MR imaging: are signal intensity time course data useful for differential diagnosis of enhancing lesions?(1999)PubMed抄録で、266病変(悪性101、良性165)の曲線型の分布が悪性でⅠ型8.9%・Ⅱ型33.6%・Ⅲ型57.4%、良性でⅠ型83.0%・Ⅱ型11.5%・Ⅲ型5.5%であり、Ⅲ型は他の基準と独立した悪性の強い指標と結論したことを確認した。Ⅰ型の悪性割合約6%(9/146)とⅢ型の約87%(58/67)はこの分布から計算した値。閲覧 2026-09-26
  9. 9.ACR Appropriateness Criteria: Palpable Breast Masses(American College of Radiology・2022)発行元(ACR AC Search、2022年改訂の表示)の評価表を取得して確認した。触知する乳房腫瘤の初回画像検査は、30歳未満の成人女性では乳房超音波が Usually Appropriate で診断用トモシンセシスは Usually Not Appropriate、30〜39歳では乳房超音波・診断用トモシンセシス・診断用マンモグラフィがいずれも Usually Appropriate、40歳以上では診断用トモシンセシスと診断用マンモグラフィが Usually Appropriate で乳房超音波は May Be Appropriate。40歳以上でマンモグラフィ所見が BI-RADS 4・5 の場合の次の検査は乳房超音波が Usually Appropriate、BI-RADS 1(陰性)の場合も乳房超音波が Usually Appropriate。いずれの年齢群でもFDG-PETと非造影MRIは初回検査として Usually Not Appropriate。閲覧 2026-09-26
  10. 10.Screening for Breast Cancer: US Preventive Services Task Force Recommendation Statement(JAMA・2024)抄録で、米国女性では乳癌が2番目に多い癌かつ癌死亡の第2位であること、平均リスクの40〜74歳女性に2年ごとのマンモグラフィ検診を推奨(B推奨)し、75歳以上の検診と高濃度乳房に対する超音波・MRIの追加検診は利益と害の均衡を評価する根拠が不十分(I statement)としたことを確認した(2026-09-26再確認)。2026年の訂正(JAMA 2026;335(18):1640、PMID 41984456)は利益の節の相対リスク減少値(0.88→0.92)と参考文献の訂正で、推奨は変わらない。閲覧 2026-09-26
  11. 11.Breast Cancer Screening for Women at Higher-Than-Average Risk: Updated Recommendations From the ACR(Journal of the American College of Radiology・2023)PubMed抄録(PMID 37150275)で再確認した。遺伝的高リスク、生涯リスク20%以上、若年での胸部放射線照射歴のいずれかを持つ女性は25〜30歳からMRIサーベイランスを開始し、年1回のマンモグラフィはリスクの種類に応じ25〜40歳の間で開始する。病的変異の保因者は推奨どおり年1回のMRIを受けていればマンモグラフィの開始を40歳まで遅らせてよい。全女性が25歳までにリスク評価を受けるべきとする閲覧 2026-09-26