画像診断学

画像診断学 · 13

骨軟部の画像診断

Musculoskeletal imaging

前提:正常
骨組織軟骨組織膝関節と膝窩肘関節と肘窩

🧠 全体像:骨軟部の画像診断は「まずX線を2方向、答えが出なければ問いに合わせて次の検査」が幹である。骨の形とはX線と、骨髄・軟骨・・腱・は、体表の腱やは超音波、全身の多発病変は、と得意分野で使い分ける。外傷では受傷エネルギー(高エネルギーならから)、骨腫瘍では年齢と部位、感染では時間(は画像を待たずに治療)が判断の軸になる。

1. 骨軟部で使う画像検査

1.1 全体の見取り図

骨軟部の検査は、放射線科の、核医学の機能画像、両者を重ねた画像の3群に分けられる。

群 検査 骨軟部で得意なこと
放射線科(形態) X線撮影・ 骨折、関節の配列、骨の硬化・溶骨、。はリアルタイムの手技誘導
放射線科(形態) 骨化・石灰化・、複雑骨折の立体(・3D)
放射線科(形態) 超音波 体表近くの軟部組織(腱・・神経)を狙って動的に見る、
放射線科(形態) 軟部組織・軟骨・骨髄。骨軟部腫瘍の第二段階の検査
核医学(機能) ・・ 骨芽細胞活性()、代謝( )を全身で見る
-・・- 集積の場所をやの解剖に重ねて特定する

たとえば手のでは、だけでは分からない指の関節の1か所の集積を、で「どの骨のどの関節か」まで特定できる。では、両手の撮像で手指・手根の多数のへの集積を左右で比べられ、全身像では骨格全体を一度に見渡せる。核医学の原理は核医学、の集積機序はを参照。

1.2 X線撮影と透視

  • X線撮影は骨軟部の第一選択である。下腿遠位の正面・側面像で脛骨遠位とのを追う、両手の正面像で関節リウマチのの変化を左右で比べる、といった使い方をする。
  • は動く画像なので手技の誘導に使う。例:下の経皮的では、椎体へ刺入した針の先からが椎体内に広がる様子をリアルタイムで確認する。
  • 骨がX線でよく写る理由と、の・の見え方はX線撮影の基礎の「骨」の節にまとめてある。

1.3 CT

CTは骨化・石灰化・沈着物とに強い。

使い方 内容
・3D再構成 複雑骨折の骨片の位置関係を立体で示す。整形外科医が手術計画に好む。写真のような陰影をつけるシネマティックレンダリングでは、骨折の骨片のずれが一目で分かる
スペクトラル() 物質を色分けできる。痛風では足の軟部の尿酸塩結晶の沈着を緑色で示す(超音波のと並ぶ画像所見)。膝のでは、を色の変化として示し、の検出に役立つ
治療 に対する:で骨内の小さな(ナイダス)へ針先を正確に進める

1.4 MRI

MRIは軟部組織・軟骨・骨髄の検査であり、骨・軟部腫瘍ではX線の次に行う第二段階の検査である。

例 シーケンス 何が見えるか
足の に沿った低信号の結節状の肥厚
炎症活動性のある の強調像 の両側(腸骨側・側)の骨髄が浮腫で白く光る
プロトン密度強調像 のに、する縁で囲まれたの領域()

1.5 骨軟部MRIのシーケンス:T1強調像は解剖、脂肪抑制プロトン密度強調像は病変

骨軟部のは、で解剖、プロトン密度強調像で病変を見るのが基本の組み合わせである(シーケンスの原理はの基礎)。

  • :正常の骨髄()は白い。腫瘍や浮腫が骨髄を置き換えると、その部分が黒く抜ける。
  • プロトン密度強調像:各ボクセルの水素原子核の見かけの濃度を反映する。解剖の細部はよく見えるが、組織間のは全体として小さい。水素原子核の多い組織ほど強い信号を出し白く見える。
  • を加えるととが黒くなり、水(浮腫・)だけが白く浮き上がるので、病変が目立つ。

⭐ プロトン密度強調像の典型的な信号

信号 組織
高信号(白) 水・浮腫:病的な浮腫(、皮下浮腫など)、関節内の液体貯留
やや低信号 、滑膜
きわめて低信号(黒) コラーゲンが豊富で線維性の構造、水や軟部組織成分を含まない構造:、、、腱、

💡 ・腱などのは、T1・T2・プロトン密度のどの強調像でも常に黒い。 だから「黒い帯が途切れる」「黒い帯の中に白い線が入る」ことがの所見になる。

例:悪性黒色腫の患者(55歳)の脛骨転移(膝の)

構造 (解剖) プロトン密度強調像(病変)
正常な骨髄 白い() 暗い(脂肪が抑制される)
脛骨の 骨髄の白さを置き換える黒い塊 不均一に白く光る
・腱 黒い帯 黒い帯
Hoffa脂肪体の浮腫・皮下浮腫 目立たない 白く浮き上がる
動静脈 膝の後方の丸い構造 同左

同じ患者ののプロトン密度強調像では、の腫瘍の周りに腫瘍周囲のが広がり、が白く、・・が黒く、はやや暗い灰色に見える。上の信号表をそのまま1枚の画像で確かめられる。

1.6 超音波

超音波は体表近くの軟部組織を狙って見る検査である。原理とプローブの一般論は臨床超音波。

プローブ 例 見え方
リニア型() 下・下 の上で、が厚くに腫れる
ホッケースティック型(小型のリニア) 手の外傷後神経腫 小さなプローブを手の狭い部位に当て、楕円形の結節を3方向にする(提示例は約12.7 × 5.5 × 5.7 mm)

1.7 骨シンチグラフィ

は骨芽細胞の活性を全身で見る。例:骨Paget病では、の亢進した骨(例として右の骨盤)に強い集積が広がり、前面像・後面像の両方で同じ場所が黒く濃く写る。膀胱の集積は尿への生理的排泄である。

2. 外傷の画像診断

2.1 急性骨折とは何か、X線でどう見えるか

骨折は骨の皮質の全部または一部のが断たれた状態である。X線では次の所見を探す。

所見 読み方
皮質の急な途絶 滑らかな骨の輪郭が突然切れる
急な 1方向では重なって見えないことがあるので、少なくとも2方向が必須
透亮な 骨の中を走る黒い(X線を通しやすい)線
ギザギザで粗い骨折端 急性骨折の断端は鋭く不整。古い骨折や正常構造(、)は辺縁が滑らかでを持つことが多い

例:足の像での(骨頭に近い)の急性骨折、での右腸骨の(の複数の)。の骨折は基部に多く、基部骨折は部位によって治りやすさが違う()。

2.2 骨折の記載法

骨折を報告するときは、「どこが、どう折れ、どうずれたか」を順に言葉にする。分類の詳細は骨折の症状と診断。

記載項目 書く内容
部位 骨の名前、左右、・・、関節内か関節外か
の型 、、、縦(線状)骨折
骨片 単純(2骨片)か(3骨片以上)か、か
転位 短縮(長さ)、、側方転位、回旋。遠位骨片が近位に対してどちらへずれたか
皮膚との交通 開放骨折かか(と合わせる)
背景の骨 骨腫瘍・骨粗鬆症などの上に生じたか
小児 ()との関係、など

⭐ 1方向だけで骨折が見えることもあるが、自信を持って骨折と診断するには少なくとも2方向が必要である。 指の骨折でも、側面像でははっきり見えるのずれが、正面像では骨どうしの重なりに紛れて分かりにくい。同じ手の形でも、見る方向が変わると全く違う形に見えるのと同じである。

2.3 検査の選び方:受傷エネルギーで分ける

検査 外傷での役割
単純X線撮影 第一選択。部位に応じて少なくとも直交する2方向。特異度は高いが、感度は部位と骨折の種類でばらつく
CT ()。頭蓋と(ただしがあればへ)。複雑骨折の多断面・3D再構成による評価。ではからを見つけられる(非外傷の適応もある)
MRI ・、、軟骨欠損。・腱・・などの軟部組織損傷
超音波 体表の軟部組織損傷(、腱、回旋腱板、、。動かしながら、左右を比べて見る)。の評価。骨折の検出(主に小児)
受傷エネルギー 例 最初の検査
自動車事故・高速の自転車事故、と車の衝突、高所からの、や強い を第一選択にする(全身の損傷を短時間で)
多くのスポーツ外傷、立った高さからの転倒、強くない暴行 部位に応じてX線、または超音波(拡大FASTを含む)
flowchart TD
    A["骨軟部の外傷"] --> B{"受傷エネルギーは高いか"}
    B -->|"高い:交通事故・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='flying-falling'>転落</span>など"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='computed tomography'>CT</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='multitrauma (multiple trauma)'>多発外傷</span>の全身評価)"]
    B -->|"低い:スポーツ・転倒"| D["部位に応じてX線2方向<br>(必要なら超音波)"]
    D --> E{"骨折が見えるか"}
    E -->|"見える"| F["記載:部位・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fracture line'>骨折線</span>・骨片・転位<br>複雑・関節内なら<span class='jp-term jp-term-diagram' title='computed tomography'>CT</span>を追加"]
    E -->|"見えないが症状が強い"| G{"何を疑うか"}
    G -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ligament'>靱帯</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='menisci'>半月板</span>・軟骨"| H["MRI"]
    G -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='occult fracture'>不顕性骨折</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='stress fracture'>疲労骨折</span>"| H
    G -->|"体表の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tendon rupture'>腱断裂</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='joint fluid'>関節液</span>"| I["超音波"]

2.4 症例:転倒した3歳児の肘

  • 最初の検査はX線撮影(肘の正面像と側面像)。撮影枚数は部位によって違うが、最低2方向は必須である。
  • 正面像では遠位に(顆上骨折)が見える。側面像では、関節内の血液()で押し上げられた脂肪体徴候が見える。が見えにくい小児でも、脂肪体徴候はを疑う手がかりになる(仕組みはX線撮影の基礎の「の脂肪体徴候」)。
  • 小児の肘はが年齢とともに順に現れるので、正常のを骨片と間違えないことが大切である。出現順は語呂合わせ CRITOE で覚える(年齢は目安で、・性差がある)。
順 出現のおよその年齢
C 1歳
R 3歳
I 5歳
T 7歳
O 9歳
E 11歳

💡 3歳児ではとのが小さく見え始めている時期で、やのはまだない。「あるはずのない場所に骨片がある」ときに骨折を疑う。

2.5 症例:スキーで膝を痛めた18歳女性

  • 歩けず、膝が不安定。多いのは(特に)との損傷である。
  • 膝の2方向X線は正常で骨折はない。 X線はやを写せないので、次はMRIである。
  • ⭐ 外傷で・腱・を見る検査の第一選択は。膝は全身で最も多くが撮られる関節である。

・のプロトン密度強調像での所見:

損傷 の見え方
の で、本来はから脛骨へ連続する黒い帯が追えず、乱れた中等度〜高信号の塊になる
の で、内側の黒い帯が途切れ、周囲に浮腫の高信号が広がる
の() 本来は黒い三角形のの中に、関節面へ達する白い線が入る

「不幸の三徴」:膝の外側から力が加わる(力)と、、、がそろって損傷しうる古典的な組み合わせである。実際の合併損傷は多様である(膝の靱帯損傷)。

2.6 症例:バスケットボール中の47歳男性

  • 下腿後面遠位の突然の痛み、つま先立ちができない。まずを考える。鑑別にはの肉離れ、周囲の骨折、などがある。
  • ⭐ 孤立した体表の・腱は超音波で非常によく描出できる。
  • では、で線維状に並ぶ腱の途中をの帯が横切り、断端が離れる。正常のは、で平行に並ぶ線維状の、短軸像で楕円形の均一な構造として見える。
  • 典型例は診察(Simmonds–Thompson試験など)でも診断でき、超音波は部位や断端の距離を動的に確かめるのに使う。

2.7 脊椎外傷

脊椎外傷は重大なを残しうる損傷である。脊椎・の臨床は脊椎・の診察と手術適応。

画像検査を行う状況

  • 意識障害
  • 触診での圧痛
  • 異常
  • からみた高リスク

実際には、これらの項目を組み込んだ基準やカナダルールなどので、画像が必要な患者を選ぶ。規則で画像不要とされた低リスクの成人(16〜64歳)には画像検査を行わない。1

なぜX線でなくか

  • 単純X線は脊椎外傷の程度を過小評価する。3方向を撮っても骨折の6〜8割しか見つからないと説明されることが多いが、研究をまとめると実際の感度はさらに低い。のでは損傷を見つける感度がX線52%、 98%で2、米国放射線学会の2024年改訂版は、3方向のX線とを全例で比べた前向き研究をもとに、臨床的に重要な損傷に対するX線の感度を36%としている。1 💡 は骨どうしが重なり、とくに頸胸移行部は肩と重なって側面像で見えにくいので、X線ではが隠れやすい。
  • ⭐ 鈍的外傷の第一選択はである。で画像が必要とされた16歳以上の患者では、のが最初の検査として「通常適切」、X線は「通常不適切」とされる。1 は骨折のほぼすべて(統合した感度98%)を検出する。2
  • はのある患者に使う。 出血、靱帯損傷、脊髄圧迫を示せる。
flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cervical vertebra'>頸椎</span>外傷の疑い"] --> B{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='clinical decision rule'>臨床判断規則</span>で画像が必要か<br>(意識障害・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neck pain'>頸部痛</span>・圧痛・神経症状・高リスク機転)"}
    B -->|"不要"| C["画像なしで臨床的に除外"]
    B -->|"必要"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='computed tomography'>CT</span>(骨折・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dislocation'>脱臼</span>・配列)"]
    D --> E{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neurological deficit'>神経脱落症状</span>があるか"}
    E -->|"ある"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='magnetic resonance imaging'>MRI</span>(脊髄圧迫・出血・靱帯損傷・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone marrow edema'>骨髄浮腫</span>)"]
    E -->|"ない"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='computed tomography'>CT</span>所見に応じて対応"]
検査 例で見えるもの
の 椎体前下縁の涙滴状の小骨片(涙滴骨折)と、第3・第4の骨折
(再構成) 左のの、の水平な、第7が第1に対して前方へずれた配列異常
・ 損傷した椎体のが白く光る
・ が狭まり、脊髄が圧迫される

画像で確かめる

  • EI-05-06 左の急性骨折:自宅で転倒した高齢者の。左で皮質のが途切れ、ずれている。並べた正常のと左右の頸部の輪郭を比べて、途絶を確かめる。両側の(の狭小化、骨棘、骨頭の変形)と膀胱カテーテルも読み落とさない。
  • EI-13-06 :膝の外傷。膝の正面像でに透亮なと皮質の途絶を探し、ので、のを改めて確かめる。は膝の関節面を作る部分なので、骨折の広がりと骨片のずれを詳しく見るためにを追加する典型である。
  • EI-14-06 :高所からの()。の側面像で皮質の急な途絶と透亮なを見る。の3D再構成ではが多数の骨片に割れ、骨片の位置関係が立体的に分かる()。
  • EI-11-05 :スキー外傷後に膝が不安定な若年者。造影なしので、正常例ではが全長にわたり黒い帯として連続するのに対し、例ではその帯が追えない。プロトン密度強調像では白いが少量たまっている。

3. 非外傷性の骨軟部疾患の全体像

群 例
腫瘍性 、
感染性 骨髄炎、
炎症性・変性 関節リウマチ(炎症性)、(本質は変性疾患だが、関節疾患としてここで一緒に扱う)
代謝性 、(に伴う骨ミネラル代謝異常)
先天性 、、

4. 骨腫瘍

4.1 年齢と部位で絞る

⭐ 骨腫瘍の鑑別の鍵は年齢と部位である。

好発年齢のおよその目安(模式的な年齢帯であり、境界は厳密ではない)

年齢帯 良性 悪性
10〜20歳代前半 、腫、、骨軟骨腫、、、、() (20歳ごろまで)、(10歳代〜20歳代)
20〜40歳ごろ 、(10歳代後半〜50歳代と幅広い) —
30歳以降 骨腫(30〜50歳代) 、()、、
40〜50歳以降 — 、(50歳代以降)

💡 同じ「骨の」でも、10歳代なら、40歳を超えればと骨髄腫をまず考える3。は若年に多いが、高齢者でも骨Paget病などを背景に生じうる。

での好発部位

部位 好発する病変
腫(小児)、(成人。からへ広がる)、真菌・結核による骨髄炎、。関節面の骨軟骨腫(Trevor病)
、骨軟骨腫、・、、軟骨粘液様線維腫・、・、、、
円形細胞腫瘍(など)・、、・・(皮質の肥厚)、アダマンチノーマ・骨(脛骨前面の皮質)

4.2 境界の性状:良性か悪性か

の境界は、腫瘍の成長の速さを反映する。ゆっくり育つ病変は周りの骨が反応してを作る時間があり、速く育つ病変は境界を作る間もなく骨を食い進む。

型 見え方 意味
1a ・あり が1か所にまとまり、境界明瞭で白いに囲まれる 最もゆっくり。良性を示唆
1b ・なし 境界明瞭だががない やや速い
1c ・境界不明瞭 1か所にまとまるが境界がぼやける より活動性が高い
2 直径2〜5 mmほどの巣が多数集まる 悪性を示唆
3 直径1 mm未満の境界不明瞭な巣が多数広がる 最も速い。悪性を示唆(など)
良性を示唆 悪性を示唆
境界明瞭、、 境界不明瞭、、

詳しい見え方は、、。

4.3 骨膜反応

は刺激を受けると新しい骨を作る。刺激がゆっくりなら厚く連続した、速く強い刺激なら途切れた複雑なになる。

分類 型 見え方 悪性の確率の順位
皮質に沿って厚く均一な新生骨が張り付く 1(最も低い)
膨張型 皮質が外へ膨らみつつ連続を保つ 順位づけの対象外(の型)
層状(タマネギの皮状) 皮質と平行な薄い層が何枚も重なる 2
途切れた・複雑 支え型 病変の端でが厚く盛り上がる 順位づけの対象外(途切れた型)
途切れた・複雑 放射状(旭日状) 皮質から垂直に細い骨の棘が放射状に伸びる 3
途切れた・複雑 持ち上げられたの端が皮質と三角形を作り、中央部は破壊されて途切れる 4(最も高い)

⭐ → 層状 → 放射状 → の順に悪性の確率が上がる。膨張型と支え型はこの順位に入れず、か途切れたかという分類の側で読む。全体として、のはゆっくりした過程、途切れた・複雑なは速く攻撃的な過程を示唆する。

⚠️ は重い病気だが、診断が数か月、ときに数年遅れることがある。 若年者の続く骨の痛みや腫脹を「」「」で片付けず、X線を撮る。

4.4 骨腫瘍での検査の役割

⭐ 骨腫瘍の最初の検査はX線撮影である3。

検査 役割
X線撮影 第一選択。骨の硬化・破壊のパターン、境界、が分かり、ときにX線だけで診断が決まる
骨から生じる病変に有用。内部の基質(石灰化・骨化)の性状、皮質が保たれているかの評価
骨髄と軟部組織の描出。腫瘍の性状診断(脂肪を含むか、があるかなど)。局所のための広がりの評価。生検部位の決定
多発病変の検索。骨芽細胞活性
flowchart TD
    A["骨の痛み・腫脹・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chance'>偶然</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone lesions'>骨病変</span>"] --> B["X線撮影(2方向)"]
    B --> C["年齢・部位・境界・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='periosteal reaction'>骨膜反応</span>・基質を読む"]
    C --> D{"悪性を否定できるか"}
    D -->|"できる:典型的な良性像"| E["経過観察または良性として対応"]
    D -->|"できない"| F["隣接関節を含む区画全体の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='magnetic resonance imaging'>MRI</span><br>(局所の広がり・生検部位)"]
    F --> G["骨・軟部肉腫の専門施設へ紹介"]
    G --> H["全身の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='staging'>病期診断</span><br>胸部CT・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone scintigraphy'>骨シンチグラフィ</span>(必要に応じ<span class='jp-term jp-term-diagram' title='whole-body MRI'>全身MRI</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fluorodeoxyglucose'>FDG</span> <span class='jp-term jp-term-diagram' title='positron emission tomography–computed tomography'>PET-CT</span>)"]
    G --> I["生検:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='curative surgery'>根治手術</span>を行うチームが<br>経路を計画して行う"]

⚠️ 生検の経路は腫瘍で汚染されたものとみなし、のときに一緒に切除する。したがって生検は、手術を行う外科チーム(または外科医と協議した専任のインターベンション放射線科医)が、画像で経路を計画してから行う3。

4.5 症例:膝の上が腫れて痛む16歳男性

  • 外傷歴なし。膝の上の痛みを伴う軟部組織の腫脹。年齢と部位(の)から、まずを考える。最初の検査はX線撮影である。
  • X線:の硬化性のに、骨外へ張り出す軟部組織成分と広範な(、旭日状)を伴う。→ 。
  • 手術計画には追加の画像が要る。(のプロトン密度強調像と像)では、骨内と側に造影される腫瘤があり、中心には造影されない壊死部(低信号)がある。腫瘤の周りには高信号のが広がる。
  • で決めること:腫瘍の正確な位置、、、大血管・神経との関係、所属リンパ節。
  • 遠隔転移(特に肺)の評価には胸部CTを加える3。

4.6 症例:前立腺癌の既往がある80歳男性

  • 骨の痛みと血清上昇。まずを考える(前立腺癌、)。
  • X線:の側面像とで、複数の部位に硬化性病変がある。→ 前立腺腺癌の。
  • (全身の前面像・後面像):脊椎、肋骨、肩、骨盤、に大小の集積が非対称に多発する。
  • 💡 X線でが見えにくい理由:骨の密度の低下がX線で見えるようになるには、骨塩の大きな喪失が必要である。単純X線でが見えるには骨塩の30〜50%が失われている必要があるとされ、はその前の段階からの変化を捉えられる。4 この値は1960〜70年代の研究に由来する目安で、骨の部位や病変の大きさで変わる厳密な閾値ではない。
  • ⭐ は、硬化性・の病変を探すな検査のうち最も感度が高い。 ただし骨芽細胞がほとんど反応しない純粋な(など)は見逃しうる(核医学のの節)。感度は高いが特異度は低く、骨折の治癒や変性でも集積する。
  • ⚠️ 前立腺癌のに限れば、欧州の2026年版ガイドラインは転移の広がりを見つける最も感度の高い方法を としている。5 を中心とする組み合わせは従来の標準である(核医学の症例検討)。

画像で確かめる

  • EI-04-05 :の腫れと痛みがある22歳。膝のでの不均一な破壊性病変、、、周囲軟部への浸潤を見る。のプロトン密度強調像と像では、の腫瘤が不均一に造影されながら周囲の軟部組織へ広がり、造影されない部分が黒く抜ける。年齢・部位・の3点からにたどり着く練習になる。
  • EI-06-02 多発():前立腺癌の既往と上昇。99mTc-の全身前面像・後面像で、脊椎・肋骨・肩・骨盤・に多数の限局性集積増加が散らばる。正常のなら集積は左右対称にほぼ均一に分布するので、非対称で多発する集積は転移を強く疑わせる。も伴う。
  • EI-02-02 乳癌の多発転移(肝・恥骨):乳癌のの 。恥骨に集積があり、を示す。膀胱の強い集積は生理的な排泄である。が骨芽細胞活性を見るのに対し、 は腫瘍細胞のを見るので、肝など骨以外の転移も同時に分かる。

5. 骨・関節の感染症

5.1 症例:発熱と膝の痛みがある15歳男性

  • 2日前からの膝の痛み・腫脹・圧痛と高熱、反復する扁桃炎の既往。鑑別は骨髄炎、、・など。最初の検査は膝の2方向X線である。
  • X線:軟部組織の腫脹と、のごくわずかなだけ。→ 次は。
  • MRI:
    • 横断の強調像:膝蓋上のや周囲に高信号の液体貯留があり、内部に液面を作る(膿瘍)。
    • の像:の骨髄が造影され、滑膜も造影される。
    • → 骨髄炎と軟部組織膿瘍。

⭐ は骨髄炎を発症数日という早期からとして示せるが、X線で骨の変化が見えるまでには時間がかかる。 発症早期(14日未満)のX線は正常か、軽い軟部腫脹だけのことがある。6 つまり骨びらんやが見えるまでには2週前後かかりうるので、従来「X線が陽性になるまで2〜3週」と教えられてきた。💡 X線は骨の密度の差しか写さないので、が実際に溶けるまで変化が出ない。は骨髄の水分の増加(浮腫)そのものを捉えるので早い。発症早期のX線が正常でも骨髄炎は否定できないが、骨折や腫瘍など他の原因を除外し、後の画像と比べる基準になるので、X線は最初の検査として撮る。6

⚠️ 「の役割はより原発性骨悪性腫瘍の精査にある」という記述を見かけることがあるが、これは実際の使われ方と逆である。はの全身検索にに使われ(4.6)、骨髄炎では、を撮れないときなどに3相が選択肢になる(3相)。

5.2 骨・関節感染症の診療の流れ

flowchart TD
    A["骨・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='joint infection'>関節感染</span>を示唆する症状・徴候"] --> B["血算・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='erythrocyte sedimentation rate, ESR'>赤沈</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='C-reactive protein'>CRP</span>・血液培養・X線<br>(必要に応じ関節の超音波)"]
    B --> C{"炎症反応の上昇または画像異常があるか"}
    C -->|"ある"| F{"どちらを疑うか"}
    C -->|"ない"| D{"それでも骨・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='joint infection'>関節感染</span>を強く疑うか"}
    D -->|"疑う"| F
    D -->|"疑わない"| E["経過観察し、翌日に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='erythrocyte sedimentation rate, ESR'>赤沈</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='C-reactive protein'>CRP</span>を再検"]
    E --> E2{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='erythrocyte sedimentation rate, ESR'>赤沈</span>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='C-reactive protein'>CRP</span>が上昇したか"}
    E2 -->|"上昇"| F
    E2 -->|"上昇なし"| E3["再診察し、別の診断または帰宅を検討"]
    F -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='septic arthritis'>化膿性関節炎</span><br>(関節の過敏性、超音波で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='joint fluid'>関節液</span>)"| G["整形外科へ緊急紹介(関節切開・洗浄・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='debridement'>デブリドマン</span>)<br>絶食を保つ<br>治療を遅らせない範囲で抗菌薬前に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='arthrocentesis'>関節穿刺</span>・培養<br>経験的抗菌薬を開始"]
    F -->|"骨髄炎"| H["経験的な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='IV antibiotics'>静注抗菌薬</span>を開始<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='magnetic resonance imaging'>MRI</span>(または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone scintigraphy'>骨シンチ</span>)を強く考慮<br>整形外科・感染症チームに相談"]

⚠️ は緊急疾患であり、できるだけ早く治療する。 骨髄炎は、急性・亜急性・慢性のいずれの形でも救急外来に現れうる。

5.3 化膿性関節炎:画像で証明するより治療を急ぐ

  • 放置すると、数時間のうちに軟骨の破壊が始まり、やがて不可逆なに至る。ウサギの膝の黄色ブドウ球菌性関節炎では、感染の4〜12時間後に抗菌薬を始めても軟骨のが平均18%失われ、1〜7日後に始めた場合は3週後に半分以上が失われていた。7 治療しなかった実験では、2日目には軟骨表面の()が失われ始め、5日目には軟骨の縁のびらんが見え、5週で関節全体が壊れた。8 💡 細菌の産物に刺激された自身がを作り出し9、滑膜や集まった好中球が出す酵素と合わせて、軟骨の基質(、コラーゲン)を早くから壊す。軟骨は血管がなく再生しにくいので、一度失われると戻らない。
  • 画像検査は手術の前に素早く行えるX線撮影または超音波にとどめる。画像で証明するために治療を遅らせない。が感染しているかは画像では区別できないことが多く、診断はの検査(培養を含む)で決める。6
  • 超音波:の貯留が、関節内の(黒い)液体として見える。
  • 治療が遅れた:膝の正面像をに並べると、内側ののが次第に狭くなり、最後は著しく狭小化する。軟骨が失われた(不可逆な)ことを示す()。臨床では患側の膝が赤く腫れる。

画像で確かめる

  • EI-12-06 :膝の上が腫れて痛む若年成人。のプロトン密度強調像で、の中部〜遠位と遠位の骨髄が浮腫で白く光り、と周囲軟部の広い高信号を伴う。なしのプロトン密度強調像と並べ、を消すことでが浮き出ることを確かめる。

6. 腰痛と椎間板ヘルニア

6.1 症例:長年の腰痛がある70歳男性

  • かがんだ後に、左大腿へ放散する突然の鋭い痛み。鑑別は、変性による・、骨粗鬆症性の、転移など。
  • X線・:椎体の縁から骨棘(脊椎症)が張り出し、が狭くなっている(症)。でも広範なが分かる。しかしX線とでは、が神経根を圧迫しているかは分からない。
  • ():変性で水分を失ったが黒く見え、L2/3が脊柱管内へ突出している。⭐ 、脊髄、神経根はで最もよく評価できる。

6.2 腰痛と椎間板変性の画像所見

はきわめてありふれた問題であり、よくある原因の一つがである(、頸部・)。

変化 画像での見え方
変性:水分との減少 での信号が低下する(黒い)
の高さの減少 の狭小化(X線・でも分かる)
の・ での中の高信号の線
突出・ヘルニア が・へ張り出し、神経根を圧迫しうる(の所見)
好発 約9割がL4/5またはL5/S1(臨床研究をまとめた系統的レビューでL4/5が49%、L5/S1が42%)10。の中で最も動きと荷重が大きいのに集中する

の変化はを参照。

⚠️ 危険な徴候のない急性の・は、自然に軽快することが多く、すぐに画像検査をする必要はない。画像は約6週の保存療法で改善せず手術・インターベンションを考えるとき、または・進行する筋力低下・悪性腫瘍や感染を疑う所見などの危険な徴候があるときにを撮る11。

画像で確かめる

  • EI-07-05 L2/3:右L2へ放散する痛み(麻痺・なし)。造影なしので、でL2/3のが黒く(水分が少ない)、脊柱管内へ突出している。横断での後縁が側へ張り出す輪郭を追う。症状のと突出のが一致するかを確かめる。

7. まとめ

臨床の問い 最初の検査 次の検査
の骨折 X線(少なくとも直交2方向) 複雑・は、・は
神経症状があれば
外傷 があれば
膝の・ X線(骨折の除外)
体表の(など) 超音波 診断が不一致・なら
骨腫瘍の疑い X線 区画全体の、専門施設でと生検
の検索 (全身) 部位に応じX線・・、骨髄腫なら・・
骨髄炎 X線(早期は正常でありうる)
素早いX線・超音波(治療を遅らせない) で診断
を伴う 危険な徴候がなければ画像なしで保存療法 約6週で改善しない・危険な徴候があれば
  • ⭐ 外傷の大部分で最初の検査は、少なくとも直交する2方向のX線撮影である。
  • ⭐ 外傷は。異常を伴えばを追加する。
  • ⭐ 骨腫瘍の鑑別の鍵は年齢と部位。境界とで良悪性を見積もる。
  • ⭐ は緊急疾患であり、画像で証明するのを待たず、を防ぐため直ちに治療を始める。
  • ・腱・・はどの強調像でも黒い。プロトン密度強調像では浮腫と液体だけが白く浮かぶ。

出典

  1. 1.ACR Appropriateness Criteria® Suspected Spine Trauma(American College of Radiology・2024)発行元(acsearch.acr.org)の2024年改訂版の本文で確認した。16歳以上の急性鈍的頸椎外傷で、カナダ頸椎ルールまたはNEXUS基準により画像が必要と判断された場合の最初の検査は非造影の頸椎CTが「通常適切」で、頸椎X線は「通常不適切」であること。X線の頸椎損傷の検出感度は36%と低く(根拠は3方向のX線とCTを比べたBailitzらの2009年の前向き研究で、臨床的に重要な損傷50例のうちX線が検出したのは18例)、CTがX線に取って代わったこと。臨床判断規則で画像不要とされた16〜64歳の低リスク例では画像検査は「通常不適切」であること。閲覧 2026-09-26
  2. 2.Computed Tomography Versus Plain Radiography to Screen for Cervical Spine Injury: A Meta-Analysis(The Journal of Trauma・2005)Crossrefの書誌とEurope PMCの抄録(PMID 15920400)で確認した。鈍的外傷で画像による検索が必要とされた患者を対象とした7研究のメタ解析で、頸椎損傷のある患者を見つける感度は単純X線が52%(95%信頼区間47〜56%)、CTが98%(同96〜99%)で、特異度は統合できなかった。頸椎損傷の危険がきわめて高い患者(意識レベルが大きく低下した患者など)ではCTを最初の検査にすべきとした。閲覧 2026-09-26
  3. 3.Bone sarcomas: ESMO–EURACAN–GENTURIS–ERN PaedCan Clinical Practice Guideline for diagnosis, treatment and follow-up(European Society for Medical Oncology(Annals of Oncology)・2021)UCL Discoveryが公開する受理稿の全文で確認した。最初の画像検査は2方向の単純X線撮影であり、X線で悪性を否定しきれないときは隣接関節を含む区画全体のMRIを行うこと、四肢・脊椎・骨盤の腫瘍の局所病期診断にはMRIが最良とされ、CTは石灰化・骨膜性骨形成・皮質破壊の情報を補うこと、画像上原発性の骨の肉腫が疑われる骨病変はすべて骨の肉腫の専門施設または肉腫ネットワークの施設へ紹介すること、生検は根治切除を行う外科チームか外科医と協議した専任のインターベンション放射線科医が行い、生検経路は汚染されたものとして切除標本とともに切除するため明示しておくこと、遠隔転移の全身評価に胸部CTと骨シンチグラフィ(および必要に応じ全身MRIやFDG PET-CT/MRI)を含めることを確認した。また40歳を超えると骨転移と骨髄腫が最も多い診断になることも同じ本文で確認した。閲覧 2026-09-26
  4. 4.Nuclear medicine imaging for bone metastases assessment: what else besides bone scintigraphy in the era of personalized medicine?(Frontiers in Medicine・2024)Europe PMCの全文(PMC10823373)で確認した。骨シンチグラフィは骨代謝の変化をX線で見える前の段階から捉えられるのに対し、単純X線で骨転移が見えるには30〜50%の骨塩の喪失が必要であると述べ、1973年のSilbersteinらの骨シンチとX線の感度比較の研究を引用している。閲覧 2026-09-26
  5. 5.EAU-EANM-ESTRO-ESUR-ISUP-SIOG Guidelines on Prostate Cancer-2026 Update. Part I: Screening, Diagnosis, and Local Treatment with Curative Intent(European Urology・2026)Europe PMCの抄録(PMID 42457454)で、PSMA PETが転移の広がりを見つける最も感度の高い方法であるとする一文を確認した。閲覧 2026-09-26
  6. 6.ACR Appropriateness Criteria® Suspected Osteomyelitis, Septic Arthritis, or Soft Tissue Infection (Excluding Spine and Diabetic Foot): 2022 Update(American College of Radiology(J Am Coll Radiol)・2022)発行元(acsearch.acr.org)が配信する本文で確認した。骨髄炎・化膿性関節炎・軟部組織感染の疑いでは最初の検査としてX線撮影が「通常適切」であること。急性骨髄炎では骨びらんと骨膜反応がよくみられるが、発症早期(14日未満)のX線は正常か軽い軟部腫脹のみのことがあること。関節液や液体貯留が感染しているかは画像では区別できないことが多く、診断には穿刺と培養が必要であること。閲覧 2026-09-26
  7. 7.The effect of antibiotics on the destruction of cartilage in experimental infectious arthritis(The Journal of Bone and Joint Surgery(American Volume)・1987)PubMedの抄録(PMID 3654698)で確認した。ウサギの膝の黄色ブドウ球菌性関節炎で、感染の1・2・7日後のどの時点で抗菌薬を始めても3週後には軟骨のグリコサミノグリカンの半分以上が失われ、感染の4・8・12時間後に始めても平均18%が失われた。1日後に始めると全体のコラーゲン喪失は37%減り、予防投与では軟骨の分解は完全に防がれた。著者は早期の診断と治療、起炎菌の同定を待たない早期の抗菌薬投与の必要性を強調している。閲覧 2026-09-26
  8. 8.Rabbit model of septic arthritis(Acta Orthopaedica Scandinavica・1987)Europe PMCの抄録(PMID 3577735)で確認した。ウサギ85匹の膝に黄色ブドウ球菌を注入し、未治療の化膿性関節炎を3か月まで追った。滑膜ではリソソーム酵素が強く放出され、軟骨表面のグリコサミノグリカンの枯渇は2日目にみられ2週で完全になり、軟骨辺縁のびらんは5日目から見え、5週で関節全体が破壊された。閲覧 2026-09-26
  9. 9.Septic arthritis. Staphylococcal induction of chondrocyte proteolytic activity(Arthritis & Rheumatism・1990)Europe PMCの抄録(PMID 1691643)で確認した。黄色ブドウ球菌の培養液や関節内感染によって、ウシとウサギの関節軟骨で軟骨細胞の蛋白分解活性(ゼラチン・コラーゲン・カゼイン分解)が高まり、化膿性関節炎での急速なプロテオグリカンの喪失と持続する軟骨の分解は、軟骨細胞の蛋白分解酵素の産生と活性化によると考えられること。閲覧 2026-09-26
  10. 10.Lumbar disc herniation modelling: a review of ex-vivo mechanical models and a comparison with clinical data(European Spine Journal・2025)Europe PMCの抄録と全文(PMID 40560373、PMC12496270)で確認した。PRISMAに沿って臨床研究の腰椎椎間板ヘルニアの特徴を集めた系統的レビューで、患者ではL4-L5が49%、L5-S1が42%を占め、これらの高位は生理的な力が大きいためヘルニアを起こしやすいとした。型は脱出50%、突出34%、部位は傍正中が61%。閲覧 2026-09-26
  11. 11.ACR Appropriateness Criteria® Low Back Pain: 2021 Update(American College of Radiology(J Am Coll Radiol)・2021)PubMed抄録と発行元(acsearch.acr.org)が配信する本文PDFで確認した。危険な徴候のない急性の腰痛・神経根症は自然に軽快する良性の病態で画像検査を要さず、X線・MRIとも「通常不適切」であること。画像は最大6週の保存療法で改善しない場合と、危険な徴候(馬尾症候群、悪性腫瘍、骨折、感染を示唆するもの)がある場合に考慮すること。6週の保存療法中・後も症状が持続・進行する手術・インターベンション候補では腰椎の非造影MRIが「通常適切」、馬尾症候群の疑いでは腰椎の非造影MRIと造影MRIが「通常適切」でX線は「通常不適切」であること。危険な徴候には尿閉・溢流性失禁、肛門括約筋の緊張低下・便失禁、サドル型感覚障害、両側または進行性の下肢筋力低下、癌の既往・原因不明の体重減少・免疫抑制、大きな外傷、骨粗鬆症が疑われる人の軽い外傷が含まれること。閲覧 2026-09-26