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Imaging findings · Published

仙腸関節炎

Sacroiliitis

別名
仙腸関節病変sacroiliitis仙腸関節の骨髄浮腫
臓器系
運動器免疫・膠原病
科目
Internal MedicinePathophysiology
トピック
内科学 S-48:血清反応陰性脊椎関節炎病態生理学 1-32:自己免疫性関節疾患:関節リウマチと強直性脊椎炎内科学 R-05:血清反応陰性脊椎関節炎
関連疾患
クローン病炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)乾癬性関節炎強直性脊椎炎若年性特発性関節炎体軸性脊椎関節炎潰瘍性大腸炎反応性関節炎
スコア
ASAS分類基準

🧠 全体像の画像評価で最初に決めるのは良悪性でも診断名でもなく、次の行動である。骨盤単純X線がの基準を満たせばとして分類基準へ進め、満たさなければMRIで活動性炎症の有無を確認し、として同じ管理へ進む。X線が写すのは骨びらん・硬化・という過去の損傷の蓄積、MRIが写すのはという今の炎症であり、両者は別の物理現象である。X線陽性かどうかで呼び名は変わるが、両者は連続した一つの病態を指す。

所見の定義

X線:修正New York基準のグレード分類

X線では骨びらん、を評価する。左右のをそれぞれ0〜4段階で採点する1

グレード 所見
0 正常
1 疑いのある変化(境界が曖昧で確定できない軽微な変化)
2 軽度の異常。限局した骨びらんまたは硬化があるが、の異常はない
3 明確な異常。1つ以上の骨びらん、硬化、・狭小化、部分的のいずれかを伴う中等度〜高度の変化
4 高度の異常。

診断上の閾値は両側グレード2以上、または片側グレード3以上である1。この閾値を満たせば、満たさなければとして扱う。

MRI:ASAS定義の骨髄浮腫

MRIで中心となる所見は)であり、脂肪変性・びらん・などの構造的病変は補助的な位置づけにとどまる。ASASの定義は、典型的な周囲のが明確に存在することの決め手とする2単一スライスに2病変以上、または連続する2スライス以上にわたって1病変という量的な目安は2009年の初版に由来し、2016年の改訂では定義本体の必須要素から外れて「定義を適用するための手引き」へ移された。したがって病を機械的に数えて判定するのではなく、が明確といえるかを軸に判断する。散在性の軽微な高信号はと判定しない。

分類基準では、を満たすX線陽性所見、またはこのMRI定義を満たす所見のいずれかを「画像であり」とし、などのSpA特徴1項目以上と組み合わせて分類する3

モダリティと写り方

検査 主に見えるもの 見えないもの・限界 適性
X線 骨びらん、、狭小化、という 活動性炎症そのものは写らない。変化が出るまで年単位かかるために向かない あり(低〜中) 第一段階のスクリーニングに用いるが、若年発症例では変化が乏しいことが多い
MRI(または、T1) という早期の活動性炎症。で脂肪変性・びらんなどの構造的病変も評価できる 造影は必須ではない。健常者でもを認めることがある なし 早期の活動性炎症を捉えるのに適し、若年発症・妊娠可能年齢の患者に選びやすい
CT 骨びらん・硬化・などの構造的病変をX線より鋭敏に描出する 活動性炎症は写らない あり(高) 構造的病変の判定には優れるが、若年女性が多い疾患であるため第一選択にしない
が亢進した部位への集積 加齢性変化や他のでも集積し、感度・特異度がともに低い あり 非特異的であり、現在はの評価に推奨されない

リスクを上げる形態

の臨床像(若年発症、安静で悪化し運動で軽快、)を伴う例、両側性の病変、腸骨側優位の分布、の併存は、を支持する所見として重みを増す。片側性で急性かつ発熱を伴う場合は、後述するとおり炎症性疾患としてではなく感染として扱う。

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inflammatory back pain'>炎症性腰痛</span>の臨床像を疑う"] --> B["骨盤正面X線で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sacroiliac joint'>仙腸関節</span>を評価"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='modified New York criteria'>修正New York基準</span>を満たす明確な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='structural damage'>構造的損傷</span>か"}
    C -->|"はい"| D["過去画像と比較し進行を確認したうえで分類基準へ"]
    C -->|"いいえ・判定困難"| E["MRI(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='short tau inversion recovery'>STIR</span>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fat-suppressed T2-weighted imaging'>脂肪抑制T2</span>+T1)を追加"]
    E --> F{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ASAS definition'>ASAS定義</span>を満たす<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone marrow edema'>骨髄浮腫</span>があるか"}
    F -->|"はい"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nonradiographic axial spondyloarthritis'>X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎</span>として管理へ"]
    F -->|"いいえ"| H["臨床像・HLA-B27・炎症反応と合わせて経過観察"]
    D --> I["過去画像がなければ後日の比較用に保存する"]

過去画像との比較は、進行の有無を確認するだけでなく、変性性変化や撮像条件によるを除外するうえでも欠かせない。

紛らわしいもの

⚠️ 周囲の変化の多くは、以外の理由で生じる。

類似所見・状況 見分けるポイント
に多い。腸骨側に限局した三角形のを示すが、は保たれびらんを欠く
変性性変化 中高年に多く、骨棘やを伴う。びらんやは目立たない
アスリート・妊娠後・出産後の 健常者でもMRIでを認めることがある。MRI陽性だけを疾患と同一視しない
片側性・急性で発熱を伴う。の炎症ではなくと同じ感染症として扱う
撮像面の傾きによる の左右差が体位・角度によって生じることがあり、過去画像・撮像条件を確認する
若年者の未成熟な が閉じきっていない年代では、正常な発育過程の不整像を病的所見と誤認しやすい

まとめ

  • X線は、MRIは活動性炎症という別の現象を写しており、混ぜて解釈しない。
  • X線はのグレード判定、MRIはで判定し、X線陽性かどうかで呼び名は変わっても連続した一つの病態として扱う。
  • 、変性性変化、健常者に見られる運動後・妊娠後のは代表的な紛らわしい所見である。

出典

  1. 1.Evaluation of diagnostic criteria for ankylosing spondylitis. A proposal for modification of the New York criteria(Arthritis & Rheumatism・1984)仙腸関節X線グレード分類(0〜4)と、診断上の閾値を両側グレード2以上または片側グレード3以上と定めた原典閲覧 2026-08-02
  2. 2.Defining active sacroiliitis on MRI for classification of axial spondyloarthritis: update by the ASAS MRI working group(ASAS / OMERACT MRI working group・2016)2016年のASAS MRIワーキンググループによる改訂で、軟骨下骨における骨髄浮腫の明確な存在が活動性仙腸関節炎を決定づける所見であるという点が維持され、定義そのものは変えずに適用のための手引きと画像例を追加して明確化されたことを確認した(単一スライスに2病変以上、または連続する2スライス以上に1病変という量的要件は2009年初版に由来し、2016年版では定義本体の必須要素から外れて適用の手引きへ移された)。閲覧 2026-08-02
  3. 3.The development of Assessment of SpondyloArthritis international Society classification criteria for axial spondyloarthritis (part II): validation and final selection(ASAS・2009)体軸性脊椎関節炎の分類基準における画像基準群(X線またはMRIによる仙腸関節炎+SpA特徴1項目以上)を定めた閲覧 2026-08-02