眼科学

眼科学 · ML-57

成人の眼内腫瘍

Intraocular tumors in adults

前提:正常
感覚器:眼

🧠 全体像:成人のは「ぶどう膜から生じるか、よそから来たか(転移)」で考える。原発の悪性腫瘍で最も多く最も重要なのはぶどう膜の悪性黒色腫(多くは)で、視力を奪うだけでなく肝臓へ転移して命を奪う。一方、眼内の腫瘍として実は頻度が高いのが転移で、見つかれば「体のどこかに活動性の癌がある」ことを意味する。診療の中心は、よくある良性の母斑と黒色腫を見分けること(大きくなるか、TFSOM-DIM の危険因子があるか)と、眼球を残す治療()かかを選ぶことである。黒色腫と見誤りやすい炎症・出血・血管腫も覚えておく。

眼内腫瘍の発生母地

発生する場所 内容
ぶどう膜(・・) 最も多い。母斑、悪性黒色腫、血管腫
網膜 より少ない(成人ではまれ。小児のは別に扱う)
眼の外から来るもの (・への転移)

が生じない組織もある。

組織 腫瘍
の腫瘍はきわめてまれ
角膜 角膜の腫瘍はまれで、眼内へは発育しない
ヒトでの腫瘍が見つかったことはない
そのものに腫瘍はないが、網膜やの腫瘍がへ広がることはある

💡 に腫瘍ができないのは、が血管もリンパ管も神経もない上皮の塊で、厚いに包まれているからと説明される。

最も重要な悪性腫瘍

腫瘍 何が問題か
ぶどう膜の悪性黒色腫 視力障害。転移すれば命にかかわる
重要だが小児の腫瘍(小児の眼腫瘍)
眼内への転移 視力障害。体のどこかに活動性の腫瘍があることを示す

眼内のメラノサイト系腫瘍

ぶどう膜にはがあり、そこから母斑(良性)と悪性黒色腫が生じる。

  • 母斑:眼底のに、境界のはっきりしない灰色〜緑灰色の平らな斑として見える。
  • :瞳孔の近くのに、褐色〜橙褐色の境界のはっきりした斑として見える。

母斑はふつう問題を起こさないが、黒色腫の多くは母斑から生じる。悪性黒色腫は成人の眼内の原発性悪性腫瘍で最も多い1。

ぶどう膜の悪性黒色腫

項目 内容
発生部位 ・・。が最も多い
頻度 まれ。ハンガリーでは年間60〜80例の新規発症
人種 白人に多い。明るい色のが危険因子1
症状 、。症状がなくで見つかることも多い
転移 肝臓(最多)と肺。血行性に広がる1
の黒色腫 転移はまれ。10年以内の死亡率はで0〜11%、とで30〜50%1

危険因子には、明るい皮膚と、高齢、Ota 母斑(眼皮膚メラノーシス)、症候群、生殖細胞系列の BAP1 変異などがある1()。

💡 眼の中にはリンパ管がないので、ぶどう膜の黒色腫は血流に乗って転移し、とくに肝臓へ行く。皮膚の黒色腫が所属リンパ節へ転移するのとは道筋が違う。

所見

  • の黒色腫は、眼底に盛り上がった褐色〜灰褐色(ときに色素の乏しい)ドーム状の腫瘍として見える。
  • 腫瘍の上や周りに(滲出液)を伴い、やの原因になる。
  • 大きな腫瘍がを押すと・・の偏位が起こり、の表面に太い血管(見張り血管)が見えることがある1。
  • 超音波では、内部反射が低〜中等度で、内部に動脈の血流を示すちらつきが見える(詳しくは下の鑑別の節)。

遺伝子と予後

遺伝子・染色体 意味1
GNAQ・GNA11 71〜93%に見られる最も多い変異。発生の引き金
BAP1 の変異・発現消失、3番染色体、8q の増加 転移の危険が高い
EIF1AX の変異 転移の危険が低い
SF3B1 の変異 転移が遅れて起こりやすい

腫瘍の遺伝子を調べて、転移の危険の高さに応じて経過観察の間隔を決める。高リスクの患者は最初の5年間、3〜6か月ごとに転移を調べる1。

💡 GNAQ・GNA11 はぶどう膜の黒色腫の特徴で、皮膚・の黒色腫に多い BRAF 変異とは別の道筋である。このため皮膚の黒色腫で効く BRAF 阻害薬は、ぶどう膜の黒色腫には効かない。

病期分類

AJCC 第8版の TNM 分類では、との黒色腫の T は、腫瘍の厚さと最大の組み合わせで T1〜T4 に分け、さらにへの浸潤と外への進展の有無で細分する。の黒色腫は別の T 分類をもつ。最大そのものも、第8版の T 分類と同程度に予後を予測する1。

治療

治療 内容
を並べた皿状の板(プラーク)を、腫瘍の真裏のに縫い付けて照射する。ルテニウム106(ハンガリーなど)、ヨウ素125(米国など)
() 視神経を取り囲む腫瘍や、プラークに収まらない大きな腫瘍で選ばれる1
経瞳孔温熱療法 瞳孔からのを当てて腫瘍全体を約45〜60℃に温め、深くまで壊死させる1
眼球を取り除く
腫瘍が眼球の外へ出て眼窩へ大きく広がった場合に、眼窩の軟部組織をすべて取り除く
経過観察 症状のない小さな病変(直径12 mm 未満・厚さ2〜3 mm 未満)では、2〜4か月ごとの画像での経過観察も選択肢になる1

放射線治療(・)が、眼球を残す治療として最も多く行われる1。経瞳孔温熱療法は3年で約30%が局所再発するため、放射線治療の後の補助として使うのが最も役立つとされる1。単一施設の長期のでも、単独治療では局所再発と黒色腫による死亡がより多かった。

⭐ COMS 試験の:をヨウ素125のとに無作為に割り付けた試験で、に差はなかった。12年のは43%、41%、組織で確かめた黒色腫の転移による12年の死亡率は21%と17%だった。死亡の主な予測因子は、高齢と腫瘍の最大だった2。

💡 眼球を取っても命は延びない。黒色腫は診断の時点で、すでに顕微鏡的な転移()を起こしていることがあるからである。このため、眼球を残して視力を保てるが第一の選択肢になり、は大きな腫瘍、外への大きな進展、、広い、視力の見込みがない眼などに限られる1。

flowchart TD
    A["ぶどう膜の悪性黒色腫と診断"] --> B["全身の転移の検索<br>(肝機能・肝の MRI など)"]
    B --> C{"腫瘍の大きさと場所は"}
    C -->|"小さい・症状なし"| D["厳重な経過観察<br>大きくなれば治療"]
    C -->|"中型・眼球を残せる"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='brachytherapy'>小線源治療</span><br>(ルテニウム106・ヨウ素125)<br>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='proton beam'>陽子線</span>"]
    C -->|"大きい・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sclera'>強膜</span>外進展<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='neovascular glaucoma'>血管新生緑内障</span>・視力の見込みなし"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='enucleation'>眼球摘出</span>"]
    F --> G{"眼窩へ大きく広がっているか"}
    G -->|"はい"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='orbital exenteration'>眼窩内容除去術</span>"]
    E --> I["腫瘍の遺伝子で転移の危険を判定し<br>肝を中心に長期の経過観察"]
    F --> I
    D --> I

放射線治療の後は、・に加え、やが治療後5年ほどまで遅れて起こりうるので、定期的に診る1。

転移したとき:肝転移とテベンタフスプ

ぶどう膜の黒色腫は、局所の治療がうまくいっても約半数が転移し、転移先は肝臓が最も多い。転移後の生存期間の中央値は約10か月とされてきた1()。

テベンタフスプは、黒色腫の細胞が出す gp100 というタンパク質の断片を HLA-A*02:01 の上で見つける T 細胞受容体と、T 細胞を呼び寄せる抗 CD3 部分をつないだ二重特異性タンパクである。

項目 内容3
対象 HLA-A*02:01 陽性の、治療歴のない転移性
比較 担当医が選ぶ治療(、、)
1年全生存率 73% 対 59%(死亡の 0.51)
主な副作用 サイトカインによる症状(発熱76%など)と皮膚の症状(発疹83%・かゆみ69%)。最初の3〜4回の投与の後は頻度も重さも減る

⭐ テベンタフスプは、転移性での延長を初めて示した全身治療である3。使えるのは HLA-A*02:01 陽性の転移例だけなので、治療を考えるときは HLA の型を調べる1。

鑑別診断

虹彩の褐色の病変

へ大きく盛り上がらず、瞳孔の形をゆがめない褐色の病変は、良性のことが多い。

所見 考える病気
小さく数が多い そばかす。の正常な模様(ひだ・陰窩)を消したりゆがめたりしない
やや大きく、わずかに厚い 。瞳孔の近くの境界明瞭な褐色の斑
大きくなる、へ盛り上がる、瞳孔をゆがめる、血管がある を疑う

⭐ 迷ったら経過をみる。黒色腫は大きくなり、母斑は大きくならない。 写真で記録して比べる(・)。

眼底の褐色の病変(平らで症状がない)

眼底に褐色の病変があり、平らかわずかに盛り上がる程度で、症状がないとき。

所見 考える病気
境界がはっきりしない灰褐色の斑。表面に黄色の小さな沈着物が散ることがある 母斑
境界のはっきりした濃い褐色〜黒色の斑。中に色の抜けた部分が混じることがある の過形成
眼底のにある赤褐色の斑 渦静脈の(正常の構造)

脈絡膜母斑と黒色腫を見分ける:TFSOM-DIM

母斑の多くは一生変わらないが、一部は黒色腫へ変わる。3,806例の母斑の解析から、黒色腫への転化を予測する因子がまとめられている4。

文字 因子(覚え方) 所見
T 厚さ 超音波で厚さ2 mm を超える
F 液 OCT でがある
S 症状 (20/50 以下)
O 橙色の色素 自発蛍光でオレンジ色素()が見える
M 黒色腫の音響的空洞 超音波で内部が暗く抜ける(音響的空洞)
DIM 直径 写真で直径5 mm を超える

因子の数が増えるほど、5年での転化の割合が上がる(0個で1%、1個で11%、2個で22%、3個で34%、4個で51%、5個で55%)4。因子が多い病変や、経過で大きくなる病変ほど黒色腫として扱う。超音波の見方は眼組織の透明性と眼科・生体を参照。

flowchart TD
    A["眼底の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pigmented'>色素性</span>の病変"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fundus photograph'>眼底写真</span>・OCT・自発蛍光・超音波で<br>TFSOM-DIM の因子を数える"]
    B --> C{"因子が多いか<br>または大きくなっているか"}
    C -->|"いいえ"| D["母斑として写真と超音波で<br>経過をみて比較する"]
    D --> C
    C -->|"はい"| E["黒色腫を疑い<br>眼腫瘍の専門施設で治療を検討"]

後極の盛り上がった色の薄い充実性病変

に、色素のない盛り上がったの病変があり、やを起こすときは、次の3つを考える。例えば、の近くのに黄白色でドーム状に盛り上がった大きな腫瘤があり、その表面をが乗り越えていく。

病気 眼底 超音波 経過
の黒色腫 色素の乏しいドーム状の腫瘤 内部反射が低〜中等度、内部にちらつき(動脈の血流) ゆっくり大きくなる
血管腫 橙赤色の境界明瞭な盛り上がり 内部反射が高い。ちらつきは典型的でない ほとんど大きくならない
転移 色〜黄白色の平たい盛り上がり。多発・両眼のことがある ちらつきは典型的でない 速く大きくなる

💡 超音波の「ちらつき」は、腫瘍の中を流れる動脈の血流が映ったもので、黒色腫らしさの手がかりである。転移と血管腫では典型的でない。

脈絡膜血管腫

  • 良性の血管の腫瘍。
  • ふつうに、境界のはっきりした盛り上がった領域として見える。眼底のに、周りより赤みの強い橙赤色の円形の隆起として見える。
  • 網膜の中や下に液がたまる(・)と、視力が低下する。
  • 治療はを使った PDT で、腫瘍を縮めて液を引かせる。

脈絡膜転移

  • が大切:原発の癌がすでに分かっていることが多い。
  • 転移は、癌の治療で腫瘍がなくなっていない(体のどこかで癌が活動している)ことを示す。
  • は、肺・乳房・腎・胃・大腸・甲状腺・前立腺・卵巣などである(肺癌、乳癌)。
  • 眼で見つかった時点で原発の癌が分かっていない患者も少なくない(25〜30%とされ、500眼余りのな症例集積では約3分の1)。このときは全身の検索でを探すが、調べても最後までが見つからない例もある。
  • 眼内の転移はに多いが、に生じることもある。肺癌の転移では、での上にの詰まったの腫瘤がへ盛り上がる。

💡 は血流がきわめて多い組織なので、血行性に運ばれた癌細胞が引っかかりやすい。

硝子体網膜リンパ腫

高齢者の、ステロイドに反応しない(あるいは一時だけよくなる)のやぶどう膜炎では、を疑う。多くはびまん性 B 細胞リンパ腫で、網膜の下に黄白色の浸潤が並ぶことがあり、と深く関わる。診断はの生検(診断的)でを確かめ、頭部 MRI とで中枢神経系を調べる。詳しくはぶどう膜炎患者の検査で扱う。

⚠️ 「治らないぶどう膜炎」としてステロイドを続けると、リンパ腫の診断が遅れる。

腫瘍に似た病変

眼の中の、一見の腫瘍に見える病変には、腫瘍でないものがある。

病変 腫瘍と見誤る理由
肉芽腫性の炎症(結核、) に結節状の肉芽腫ができる
網膜・に白い肉芽腫ができる
結節性の 眼球の後ろの壁が盛り上がる(の炎症性疾患:と強膜炎)
進行した 黄斑の下の出血や瘢痕が盛り上がった塊に見える()
網膜下・の出血 暗い色の盛り上がりが黒色腫に似る

💡 出血は時間とともに色が変わり(赤→暗赤→黄色)、形も変わる。黒色腫は色が変わらず、ゆっくり大きくなる。迷えば間隔をあけて写真と超音波を比べる。

前眼部の腫瘍

の一部が限局して盛り上がっているときは、の裏の腫瘍を考える。

  • 最も多いのは嚢胞(の裏のの嚢胞)である。
  • で、嚢胞かの腫瘍かを区別できる1。嚢胞は、の裏に内部が黒く抜けた(の)丸い袋として見え、を前へ押し上げている。の腫瘍は内部にエコーが詰まって見える。

の中に血管に富む腫瘍が見えることもある。の周辺部(隅角の近く)に、細かい血管が走る赤紫色の盛り上がりとして見える。血管の豊富な腫瘍や転移では、前房出血やを起こしうる。

まとめ

  • の:ぶどう膜(・・)が最多、網膜はそれより少ない、ほかに転移。はきわめてまれ、角膜は眼内へ育たない、にはない、には腫瘍がないが広がってくる。
  • 最も重要な悪性腫瘍:ぶどう膜の悪性黒色腫(視力と命)、(小児)、眼内転移(活動性の癌の目印)。
  • ぶどう膜の悪性黒色腫:成人の原発性眼内悪性腫瘍で最多、に最も多い、白人に多い。・、肝・肺へ。の黒色腫は転移がまれ。
  • 遺伝子:GNAQ・GNA11 が発生の引き金。BAP1 の消失・3番染色体は転移の高リスク。生殖細胞系列の BAP1 変異は。
  • 治療:(ルテニウム106・ヨウ素125)、、、眼窩へ広がれば。COMS 試験でとのに差はない。
  • 転移:約半数、肝が最多。HLA-A*02:01 陽性ならテベンタフスプでが延びる(1年全生存率73%対59%)。
  • 鑑別:そばかす(多数・小さい・模様を変えない)と。眼底では母斑(境界不明瞭な灰褐色)、の過形成(境界明瞭な黒色)、渦静脈(の赤褐色)。
  • 母斑から黒色腫への転化は TFSOM-DIM で予測する(厚さ2 mm 超・・・オレンジ色素・音響的空洞・直径5 mm 超)。迷ったら経過観察。黒色腫は大きくなり、母斑は大きくならない。
  • 色のないの隆起:(低〜中等度の内部反射とちらつき)、血管腫(橙赤色、の)、転移(速い増大、肺・乳房などの原発)。
  • 高齢者のステロイドに反応しないはを疑い、生検と中枢神経系の評価。
  • 腫瘍に似る病変:肉芽腫(結核・・トキソカラ)、結節性強膜炎、進行した、網膜下・の出血。
  • 限局したの隆起はの裏の嚢胞が多く、で嚢胞と腫瘍を見分ける。

出典

  1. 1.Ocular Melanoma(StatPearls Publishing (NCBI Bookshelf)・2024)章本文(2024年5月2日更新版、NCBI FTPの書籍アーカイブのXML)で、眼の黒色腫が成人の原発性眼内悪性腫瘍で最も多く約85%がぶどう膜(多くは毛様体か脈絡膜)に生じること、ぶどう膜黒色腫の71〜93%にGNAQ・GNA11の変異があり、BAP1の変異・発現消失と3番染色体モノソミー・8q増加が転移の高リスク、EIF1AXの変異が低リスク、SF3B1の変異が晩期の転移と関連すること、生殖細胞系列のBAP1変異・Ota母斑・異形成母斑症候群などが危険因子であること、転移は血行性で肝が最も多く局所治療をしても約半数が転移し転移後の生存期間中央値は約10か月であること、局所治療の選択は長期生存を左右しないこと、治療が経過観察・プラーク小線源治療(米国ではヨウ素125)・粒子線治療・経瞳孔温熱療法・光凝固・局所切除・眼球摘出で、経瞳孔温熱療法は赤外線の半導体レーザーで腫瘍を約45〜60℃に温め、3年で約30%が局所再発するため放射線治療後の補助として最も役立つこと、放射線治療後に白内障・黄斑浮腫などに加え放射線網膜症や血管新生緑内障が5年後までに起こりうること、症状のない直径12 mm未満・厚さ2〜3 mm未満の病変では2〜4か月ごとの画像による経過観察も許容されること、放射線治療が最も多い眼球温存治療で、粒子線は視神経を取り囲む腫瘍やプラークに収まらない大きな腫瘍で選ばれること、眼球摘出は多くの患者でプラーク小線源治療に生存上の利益がなく、大きな腫瘍・高度の強膜外進展・血管新生緑内障・広範な網膜剥離・視力の見込みがない例などに限られること、肝機能検査と肝MRIで転移を調べ、HLA-A*02:01陽性の転移例にテベンタフスプが使えること、高リスク例は最初の5年間3〜6か月ごとに監視すること、脈絡膜と毛様体の黒色腫の10年以内の死亡率が30〜50%、虹彩黒色腫では0〜11%であること、超音波生体顕微鏡が毛様体腫瘍の評価と嚢胞と充実性病変の区別に使われることを確認した閲覧 2026-09-29
  2. 2.The COMS randomized trial of iodine 125 brachytherapy for choroidal melanoma: V. Twelve-year mortality rates and prognostic factors: COMS report No. 28(Archives of Ophthalmology(Collaborative Ocular Melanoma Study Group)・2006)PubMed抄録で、転移のない脈絡膜黒色腫1,317例をヨウ素125小線源治療と眼球摘出に無作為に割り付けた試験で、12年の全死亡率が小線源治療群43%・眼球摘出群41%、組織で確かめた黒色腫転移による死亡率が5・10・12年で小線源治療群10%・18%・21%、眼球摘出群11%・17%・17%であり、両群の生存に差がないという先の報告が長期の追跡でも確かめられたこと、高齢と腫瘍の最大基底径が死亡の主な予測因子であったことを確認した閲覧 2026-09-29
  3. 3.Overall Survival Benefit with Tebentafusp in Metastatic Uveal Melanoma(New England Journal of Medicine(Nathan P, et al.; IMCgp100-202 Investigators)・2021)PubMed抄録で、未治療のHLA-A*02:01陽性の転移性ぶどう膜黒色腫378例をテベンタフスプ群と担当医が選ぶ治療(ペムブロリズマブ・イピリムマブ・ダカルバジン)群に2対1で割り付けた第3相試験で、1年全生存率が73%対59%(死亡のハザード比0.51、95%信頼区間0.37〜0.71)であったこと、テベンタフスプが親和性を高めたT細胞受容体と抗CD3部分を融合した二重特異性タンパクでgp100陽性細胞にT細胞を向けること、主な有害事象がサイトカイン関連と皮膚の症状(発疹83%・発熱76%・かゆみ69%)で、最初の3〜4回の投与の後は頻度も重さも減ったこと、転移性ぶどう膜黒色腫の1年全生存率が約50%とされてきたことを確認した閲覧 2026-09-29
  4. 4.Choroidal Nevus Imaging Features in 3,806 Cases and Risk Factors for Transformation into Melanoma in 2,355 Cases: The 2020 Taylor R. Smith and Victor T. Curtin Lecture(Retina・2019)Europe PMCの抄録で確認した。脈絡膜母斑が黒色腫へ転化する予測因子は、超音波での厚さ2 mm超(HR 3.80)と音響的空洞(HR 2.10)、OCTの網膜下液、視力低下(20/50以下)、自発蛍光でのオレンジ色素、写真での直径5 mm超で、覚え方はTFSOM-DIM。因子が増えるほど5年での転化率が上がる(0個1%、1個11%、2個22%、3個34%、4個51%、5個55%)閲覧 2026-09-29