Pediatrics

Pediatrics · 09

新生児黄疸

Neonatal jaundice

前提:病態
黄疸の病態生理/ビリルビン代謝異常
前提:正常
ヘムの生合成と分解
疾患
Crigler-Najjar症候群Dubin-Johnson症候群Gilbert症候群新生児黄疸・高ビリルビン血症総胆管嚢腫胆道閉鎖症
検査値
経皮ビリルビン

🧠 全体像はまず「生理的か病的か」を時間軸(発症時期・上昇速度・ピーク値)で見極め、次に「か抱合型か」で原因の階層(産生亢進・取り込み低下・抱合低下・排泄障害・亢進)を絞り込む。は必ずであり、は常に病的である。

定義

血中ビリルビン濃度の上昇による皮膚・が概ね5 mg/dL前後から目立つが、だけで重症度を判断しない。

生理的黄疸 vs 病的黄疸

病的黄疸
ビリルビンの型 常に ・抱合型のいずれもありうる
発症時期 生後24時間以降 生後24時間未満でも出現しうる
ビリルビン値 在胎週数・に応じた生理的推移の範囲 時齢別治療閾値への接近・超過、または予想外の遷延を評価
上昇速度 緩徐 生後24時間以内に0.3 mg/dL/時以上、以後0.2 mg/dL/時以上なら溶血を疑う

⚠️ である。は「15 mg/dL」などの単一値ではなく、在胎週数、出生後時齢、を組み合わせた時齢別で判断する。

病因

:新生児赤血球の寿命が短く赤血球回転が大きいこと、肝の取り込み・抱合能が未熟なこと、が多いことによる。

病的黄疸は機序によって以下のように分類される。

病的非抱合型高ビリルビン血症

  • 溶血性(ビリルビン産生増加):ABO/Rh不適合、赤血球酵素異常()、赤血球膜異常、血腫(後)、感染/敗血症鎌状赤血球症など多くのが多いには典型的原因になりにくい。
  • 非溶血性
    • 抱合能低下:
    • 排便減少による亢進:消化管閉塞、嚢胞性線維症

母乳関連黄疸は分けて考える。生後早期のは哺乳不足・体重減少・排便減少を伴う。一方、は十分に哺乳・成長している児で生後1週以降に目立ち、遷延しうる。いずれも病的原因を除外し、母乳を安易に中断しない。

病的抱合型高ビリルビン血症

  • :感染・敗血症、代謝疾患、などによる胆汁うっ滞。ではの胆汁排泄、では肝での取り込み・貯蔵が障害される
  • :排泄障害:、胆道/、腫瘍・狭窄

混合型高ビリルビン血症

肝炎、肝硬変

診断

  • 黄疸の
  • またはTSBでスクリーニングし、治療判断にはTSBを用いる。TcBがの3 mg/dL以内または15 mg/dL以上ならTSBを測定する
  • と直接(抱合型)ビリルビンを分画する。1.0 mg/dL超は異常で、反復時の上昇は胆汁うっ滞を示唆する。「総値の20%以上」は診断必須条件ではない
  • 溶血を疑う場合は血液型、、CBC・、G6PDなどを病歴に応じて追加する。感染・肝・代謝疾患も鑑別する
  • 母乳栄養児で3〜4週、人工栄養児で2週を超えて黄疸が続く場合は総・を測定し、などを見逃さない

治療

光線療法

  • TSBが在胎週数・時齢・別の治療閾値に達したに対する第一選択治療。
  • 青色光(非紫外線)への曝露により、皮膚の(疎水性)ビリルビンを(主機序)・(副次的機序)し、水溶性の形に変換して尿・胆汁中に排泄させる。
  • 体温、哺乳、体重、水分出納を監視し、母乳栄養を支援する。全例へのルーチンは不要で、脱水・経口摂取不良・エスカレーション治療時に補液を検討する。
  • 禁忌:先天性赤芽球性(重度の
  • 副作用・注意:体温変動、水分喪失、発疹、下痢、母子分離。観察研究で一部疾患との関連が報告されてもは確立しておらず、必要なを控える根拠にはしない。(まれ)は上昇を伴う児で生じうる。

交換輸血

  • 血清ビリルビン濃度を最も急速に低下させる方法。
  • 適応の徴候がある、または集中などを行ってもTSBが在胎週数・時齢・リスク因子別の閾値に達する場合。閾値の2 mg/dL下をエスカレーション閾値としてNICU管理・を開始する。
  • は母児のABO/Rh、抗体特異性、に基づき輸血部門と選択する。「ABO適合+Rh陰性」の一律指定ではない。
  • 副作用:感染、アシドーシス、血栓症、低血圧、電解質異常による死亡率・合併症率の上昇。

免疫グロブリン静注

陽性の性溶血性疾患で、集中にもかかわらずTSBがエスカレーション閾値以上となり上昇を続ける場合に限って検討する。を減らす利益は不確実で、NECなどの有害事象も考慮する。

予防

出生後早期から1日8回以上を目安に授乳し、ラッチ、哺乳量、体重減少、尿便を評価する。を理由にルーチンで授乳を中断せず、摂取不足がある場合は搾母乳・ドナーミルク・人工乳の補足を個別に検討する。

まとめ

  • で生後24時間以降に出現するが、重症度とは単一ピーク値ではなく在胎週数・時齢・リスク因子別に判断する。
  • 病的黄疸は産生増加(溶血)・取り込み低下・抱合低下・排泄障害(/)・亢進のいずれかの機序で生じる。
  • 閾値に達したには集中を行い、または閾値到達時は緊急を行う。
  • 優位の児へので生じる特有の合併症である。