Urology

Urology · U-15

膀胱炎と尿道炎

Cystitis and urethritis

前提:病態
尿路の最も重要な病原微生物(一覧)淋菌。モラクセラ属クラミジア・トラコマチスとクラミジアによる呼吸器感染症
疾患
尿路感染症
症状
排尿痛

🧠 全体像:膀胱炎は「単純性かか」、尿道炎は「性感染症由来(一次性)か医原性(二次性)か」で整理する。膀胱炎は圧倒的に女性に多い疾患で、宿主側のリスク因子(糖尿病、免疫抑制、解剖学的異常など)があればとして扱う。尿道炎は原因菌によって治療薬が異なるため、淋菌とクラミジアの鑑別・同時治療が臨床上の要である。

膀胱炎

  • 膀胱の炎症で、通常は感染が原因。
  • 女性に圧倒的に多い。

急性単純性膀胱炎

  • 好発:閉経前・非妊娠の女性。
  • 20〜40歳女性の約25%が年1回以上罹患する。
  • 再発は約30%にみられる:
    • 2週間未満(同一菌)
    • 2週間以上空いた再発 → (新規菌)
  • 危険因子:婦人科感染症(、付属器炎)、性交渉の頻度、の使用、薬剤(など)。
  • 主な起因菌大腸菌、Staphylococcus saprophyticus、Enterobacter。
  • 症状:感染から24時間以内に出現。、頻尿、が中核で、を伴う。血尿を伴うこともある。発熱は通常なく、あればを疑う。
  • 診断と尿検査(試験紙法)で白血球・赤血球・塩を確認。再発例では尿培養を行う。
  • 治療
選択 薬剤例
第一選択
第二選択(局所耐性が低い地域) /ST合剤
通常は推奨されない など)

⚠️ 出典では/TMP-SMXを第一選択、フルオロキノロンを次点として挙げていたが、現行のEAU・IDSAガイドラインではに対するフルオロキノロンの使用は推奨されない化、リスクなどの副作用を理由に、より重症の感染や腎盂腎炎のために温存する)。第一選択はであり、TMP-SMXは地域の大腸菌耐性率が20%未満の場合の代替薬として位置づけられる。

女性の再発性単純性膀胱炎

  • 定義:過去12か月で3回以上、または過去6か月で2回以上の再発。
  • 危険因子:性交渉の頻度、の使用。
  • 予防:性交後のなど。

複雑性膀胱炎

  • 宿主側の要因(糖尿病、免疫抑制など)や尿路の解剖学的・機能的異常(閉塞、機能障害による不完全排尿など)により、単純性感染より根治が困難と考えられる感染。
  • 危険因子:高齢、男性、妊娠、糖尿病、免疫抑制、尿路への処置歴、、院内感染。
  • 主な起因菌:大腸菌、Proteus、緑膿菌、Serratia、Enterococcus。
  • 症状、頻尿、痛、、発熱。
  • 診断
    • 画像:US、単純X線、
    • 検査:尿検査+培養、血液検査(、肝・腎機能)
  • 治療:全身症状を伴う場合は+アミノグリコシド、またはを用いる。

尿道炎

  • 尿道の炎症。

分類

分類 特徴 主な起因菌
性感染症が主体。17〜23歳の若年男性に多い 淋菌、Chlamydia trachomatis、Ureaplasma urealyticum、Trichomonas vaginalis、
泌尿器科的処置()や後に生じる 大腸菌、緑膿菌

症状

  • 陰茎からの
  • 刺激症状:排尿時・時の灼熱感・ヒリヒリ感

診断

  • 尿道による鏡検
  • 、DNA法、

治療

⚠️ 出典の治療として「セフトリアキソン」の併用を挙げていたが、淋菌は化が進んでおり、は現在の治療には用いられない。また、クラミジア合併を前提とした一律のアジスロマイシン併用も、現行のCDC性感染症治療ガイドラインでは見直されている。現行の標準治療は以下の通り。

病原体 現行の標準治療
淋菌 セフトリアキソン単剤(筋注、体重に応じた増量投与)。クラミジア合併が除外できない場合はドキシサイクリンを併用する
ドキシサイクリンが第一選択(妊婦はアジスロマイシンを選択)
メトロニダゾールなどの
  • セックスパートナーの同時治療防止のため必須である。

まとめ

  • は若年女性に多く、で、フルオロキノロンは温存すべきである。
  • ・解剖学的異常を背景とし、による全身治療が必要になることがある。
  • 尿道炎は一次性と二次性(医原性)に分け、淋菌は現在セフトリアキソン単剤治療が標準、クラミジア合併が除外できなければドキシサイクリンを併用する。
  • STD由来の尿道炎ではパートナーの同時治療が必須である。